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宝塚NINE感想@オーブ:ネタバレあり不条理な世界にひたる指田ワールド

宝塚観劇

こんにちは、らら子です。

月組オーブ公演『NINE(ナイン)』初日を見てきました。個人的には、雪組『ドン・ジュアン』以来の衝撃でしたー。さっそく感想を。ネタバレ有りなのでお気を付けください。




宝塚NINE感想@オーブ:指田珠子先生ワールド全開の美しく作りこまれた舞台

開演前から、スクリーンには古い映画風のタイトルが投影されていて、その世界に引き込まれていきます。こういう作りこみの細かさが指田珠子先生らしくて好き。ちなみに版権の関係か、映像としては残らないそうです。

元は1982年のブロードウェイミュージカルですが、男性役は、ちなつ(鳳月杏)さん演じる主役のグイードだけで、あとは男役も含めて全員女性役だし、内容が宝塚らしくない。よく上演を許したなーと思っていたら、パンフを見たら、指田先生に劇団からオファーがあったそう。やるなぁ、劇団。

出演者は27名。幕が上がると全員がポーズを取っていて、グイードについてそれぞれ勝手なことを話しています。それにしても月娘たち、鍛え上げられたスタイルが本当にかっこいい。

女役の若手男役もちゃんと色っぽい。若手はまだ性未分化な人もいるし、もとが女ですからね。なかでも私はボーイッシュな魅力の翔ゆり愛くんに目を奪われました。

お衣装は黒が基調。よく見ると、生地も統一された地模様が入っていておしゃれなんですよね。体罰シーンもあるけど、全編通して宝塚らしくどのシーンも美しいのです。

時々、イタリア語やフランス語(あと、ドイツ語の掛け声も)のセリフが飛び交うのも、さすが語学に堪能(らしい)指田先生らしい感じ。

一応、言ってることは日本語で補足されるけど、この外国語のセリフに観客がポカンとしてしまう感じもいい(笑)





宝塚NINE感想@オーブ:意味不明の舞台にひたる快感

映画の巨匠グイードは女性にモテモテ。新作をプロデューサにせっつかれているけど、現在は大スランプ中。女性に囲まれているちなつのにやけっぷりがたまりません。

それなのに妻ルイーザには依存している。じゅり(天紫珠李)ちゃんは、よくできた妻で、グイードが仕事するように助言し、サポートし、見守る。このあたり、まじめでおかたいじゅりちゃんにぴったり。

離婚を突き付けられて、グイードは妻と二人でベネツィアの有名スパに逃避行。

スパの高級さの象徴が「スパの聖母」の姉妹。姉・花妃舞音ちゃんと妹・乃々れいあちゃん。なぞめいた進行のナレーションも担当。声もスタイルも所作も美しい~。

スパには愛人カルラ(美渦せいか)も追いかけてきてしまい、ニアミス寸前。愛人役は体当たりの演技でした~。

グイードは新作のアイディアは浮かばず、過去に関わった女性たちの幻影と少年時代の思い出に混乱して、つぎつぎと不条理な情景が。

おちこむグイードに、ルイーザは白ワインと生ハムとオリーブも用意してなぐさめてあげます。これがあまりによさそうで、私は帰りに白ワインと生ハムを求めてバルに寄っちゃいました。

残念ながらオリーブはなかった!

時々、イタリア語やフランス語(あと、ドイツ語の掛け声も)のセリフが飛び交うのも、さすが語学に堪能(らしい)指田先生らしい感じ。一応、言ってることは日本語で補足されるけど、この外国語のセリフに観客がポカンとしてしまう感じもいい(笑)




宝塚NINE感想@オーブ:男役の女役っぷりと娘役の好演

NINEは主人公の以外全部女性。これを娘役だけでやるのは人手不足でしょう。

となると、みんな大好き男役の女装ですよ。しかも主要キャストは男役10年をとっくに超えた上級生たち。

映画プロデューサは、専科まゆぽん(輝月ゆうま)。ダリに続いてのキョーレツな女性なんですが、これでもかという驚きの「女装」がつぎつぎと!ダルマとかわっかとか!

天国から現れて謎めいた言葉を投げかけるママは、このほど副組長に就任した夢奈瑠音さん。やさしくきれいな声で歌って、こんなママが私もほしい。

まあ、上級生二人の女装は過去に見たこともあり、想定内なんですけど、今回わたしにとって未知数だったのは、ぱるくん(礼華はる)。

ぱるくんは、グイードのミューズで過去の恋人、クラウディア役。

うわー。きれい。なんだろう。骨格からして美しい。うすいお顔(ほめてます)にメイクが映えて、ほんとすてき。スカステで見たお稽古場映像での素化粧でもきれいなのよねー。神秘的な美人。

リトル・グイード役の美海そらちゃんは、かわいくて上手い人だなと思ってましたけど、少年役も自然でうまかった。大人になり切れないグイードの象徴として、ずっと舞台上にいる姿が、時に天使のよう。

あと、特筆すべきはグイードが少年時代に会いに行った娼婦(だよね?)サラギーナの桃歌雪ちゃん。野性味あふれる力強いサラギーナは、もしかしたら雪ちゃんの代表作となっちゃうかも、っていうぐらい、いい。




宝塚NINE感想@オーブ:スタイリッシュな舞台装置

幕間は、曇ったエメラルドグリーンの波のイメージがスクリーンに映っています。アドリア海なのかな。ベネツィアの明るいイメージはなくて、暗い影を落としています。海辺のストルーエンセを思い出すような色調。

二幕でやっと舞台装置に注意が行く余裕がでました。大きな舞台装置は、井の字みたいな階段付きの枠組み。映画のフィルムのコマ割りのイメージでもある。上段、中段、下段になっていて、ママは主に上段に登場。センターにも階段。離れていったルイーザもそっち方面にいったり。

横からするすると張り出してくる梯子のようなリフト。これは『CHICAGO』でもあったな。

舞台上に可動の大小のキューブ。一部分が鏡になっているものも。イスのようにこしかけたり、台として乗ったり。これらもみんなモノクロ。

これらが舞台の上のあちこちにあって、混乱を演出。後半でクラウディアを連れていく海岸にもなるし、グイードが撮り始める映画のセットにもなる。なんてスタイリッシュなんでしょう。

ママは上から舞台→客席通路と降りていって去っていきました。私は通路際にいたので間近で見られてうれしかったですー。

やっと新作のアイディアが降ってきたグイードは精力的に撮り始める(ここで出てくr白ワインと生ハムのモチーフが鮮やか)。映画は駄作の予感。関わった女たちは愛想をつかしてその場を去っていく。

映画は、女性映画評論家のステファニー(朱鷺あおい)にもこき下ろされます。朱鷺あおいちゃん、爆上げですね。




宝塚NINE感想@オーブ:フィナーレがあってよかったラスト

全てが崩れ去ったあと、絶望の中でグイードはピストルを手にします……が。

40歳にして少年の心のままだったグイードは、現実を受け入れ、ようやく大人になる道を進み始める。リトル・グイードと抱き合うグイードに一筋の涙が。

ルイーザとの関係とも折り合いをつけ、希望をもつ表情になって幕。

もうもうもう、本当に「ファンが見たいちなつさん」がたっぷり本作に詰まっています。

大劇場公演の『RYOFU』の栗田優子先生も「ファンが見たいちなつさん」を見せてくれたけど、こんどは、かっこよくて母性本能をくするぐるイタリアの伊達男ですよ。指田先生と栗田先生は宝ですね。

フィナーレは、エンドロールのようにキャスト紹介が動画付きで投影されます。こういうところもファンの気持ちがわかってますよね。

そして、じゅりちゃん率いる娘役の群舞からフィナーレが始まります。月娘、かっこいいわー。美海そらちゃんも娘役ダンスに。

そしてちょっとお顔が白めの(笑)男役の群舞。オラオラした男役の色気が爆発。

あー、すっきり。不条理な世界は不条理なまま、夢も現実も分からぬまま、たんのうしましたー。

ちなつさんもカーテンコールで言ってましたが、本来の男役娘役に戻って生き生きとダンスしている姿がまぶしかったです。

初日ということもあって拍手が鳴りやまず、スタンディングオベーションも二回。大満足でしたー。

 

 



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