こんにちは。らら子です。宝塚星組『柳生忍法帖／モア―・ダンディズム』見てまいりました。いやぁ、ツッコミどころ満載のお芝居でした。
モア―ダンディズムは動きが少なくて礼真琴さんの身体能力むだ使いと言われてましたが、二番手愛月ひかるさんの表現するゆめゆめしいダンディズム
有終の美を飾りました。
目次
宝塚星組『柳生忍法帖』ネタバレあらすじ配役
山田風太郎原作『柳生忍法帖』は文庫本でも分厚い。
けっこう中身はグロいというか女性に対して残虐なところもあるので、宝塚ではどうするのか？と思っていましたが、それはそこ、スミレコード的なオブラートに包まれていました。
元は会津藩主加藤明成（輝咲 玲央）のバカ殿ぶりに呆れた国家老堀主水（美稀千種）が、一族を連れて藩を抜け出したという伊達騒動と、堀一族の女たちが身を寄せた鎌倉の尼寺・東慶寺で会津藩の追っ手に斬殺されたという史実。
バカ殿を操るのは滅亡した芦名一族の復興を狙う100歳超えの芦名銅伯（愛月ひかる：以下あいちゃん）と、その娘でバカ殿の愛妻ゆら（舞空瞳：以下なこっちゃん）。
芦名一族の刺客が七本槍（しちほんやり）。瀬央ゆりや以下若手スター7人が悪役。
尼寺の主、天秀尼は豊臣秀頼の娘で千姫（出家して天樹院）の養女。絶対的な権力あり。女の城を血でけがされたことを怒り、天樹院は生き残りの女達７人に復讐させることに。
天樹院に頼まれた沢庵和尚（天寿光希）はコーチとして天才剣士・柳生十兵衛（礼真琴：以後こっちゃん）を連れてくる。「おもしろい」と引き受けた十兵衛は女達を特訓。
七本槍は若手から（天華えま、碧海 さりお……）から殺されて行きます。
ところが一方、芦名銅伯は幕府の安泰を祈る高僧と双子で、片方が生きている限り不死身。天樹院や沢庵和尚は高僧に死なれては困る立場。さあ明日はどっちだ！
宝塚星組『柳生忍法帖』：ツッコミどころ！グループ認識困難！
こっちゃんの身体能力の高さを生かしたお役が素晴らしい。頭もよくていろいろ知恵が出てくるし、物事を「おもしろい」かどうかで決めるところがまたかっこいい。この十兵衛さまなら何でも叶いそうなスーパー剣士ぶり。
一方で、自分を勘当した父に頭が上がらなかったり、女達の揉め事にタジタジになったり、こっちゃんならではの愛嬌とかおとぼけぶりがいい感じです。
忍法帖といいつつ忍法出てこないと思いましたが、相手の身体に触れずに打ち身を与えるのが忍法なのかな？？
ゆらが惚れるのもわかる……っていうか、ゆらはどこまで十兵衛を見て、あんなに激しい恋に堕ちてしまったのか。一目惚れなんですかねー。
なこっちゃんも身体能力が高いので、十兵衛と一騎打ちするぐらい剣の腕が立つ、とかいう設定でも良かったのに。
宝塚的には、トップ娘役は剣術指南する女達のうちの一人で、リベンジもかなって恋も実ってハッピーエンドっていうのがいいと思うんですけどね。
そうしないのが大野先生なのか。ま、原作ありますしね。
それにしてもグループ芝居が多いので、顔を見分けるのが苦手なワタクシらら子は、「え？誰？」ときょろきょろするばかり。
リベンジする側の女が７人。若手スターの七本槍が７人。尼寺にも尼僧頭巾がたくさん、終盤では村の女達が城に閉じ込められてわらわら。
七本槍を一人ずつ殺して行き、最後に残ったのは芦名銅伯と娘ゆら。
ゆらは、十兵衛をかばって、というより香炉銀四郎（極美慎）に、うっかり間違って切られてしまいます。
ゆらは普通の人間なので、なすすべもなく死んでいくというのですが、パパが108歳で普通の人間ってゆらはいくつなの？？
二人が結ばれるシーンも愛の言葉を交わすこともなく、死んだゆらにキスして終わり。
えー。
不思議なのは芦名は双子の兄が死なない限り死なないはずなのに、なぜか高僧の双子はあっさり死ねちゃって、芦名銅伯も死んで復讐完了。
うーむ。
最後に十兵衛は再びたびに出て、ゆらを弔うと言うのが救いかなぁ。
宝塚星組『柳生忍法帖』：宝塚星組『柳生忍法帖』：天華えま・輝咲 玲央・天飛華音・綺城ひか理・漣レイラ
平賀孫兵衛（天華えま）は楽しそうに残忍な事やってました。天華えまくんはこういう悪ガキっぽい役が似合いますね。
前回公演のロミオとジュリエットで「死」とマーキューシオ役替りでしたが、どちらの役も今回に生かされていると感じました。
輝咲 玲央くんのバカ殿は、小物感がよかった。芸の細かいところもグー。今回露出も多いし、そろそろ卒業を考えちゃってるのかも（不安）
沢庵和尚の弟子、多聞坊（天飛華音）は、押し出しがいいですねー。さすが新人公演主演。ひょうひょうとした雰囲気もうまくてこれから楽しみです。
堀一族の女たちは、妻の人たちと娘の人たちがいるのですね。お千絵（小桜ほのか）と、お笛（澪乃桜季）がちょっと目立つ以外は、いつもわらわら一緒にいるので認識が難しかったです。
天秀尼の有沙瞳は、セリフは少し多いけどずっと頭巾をかぶってちょっともったいなかったかな。
鷲ノ巣廉助（綺城ひか理）は、いつもすっきり貴公子の綺城ひか理くんが無精ひげボーボーボーのむさ苦しいあらくれ男になっていて感心しました。
具足丈之進（漣レイラ）人を殺しながらニカッと笑うところがたまらん。男っぽくてすごくいいなと思ったんですが、漣レイラくん退団なんですねー。
退団オーラ出まくってました。