こんにちは~。らら子です。
今回のNHK 『美の壺』は、「日本の心を形に 稲わら」。
稲わらは、素朴なアートですね。日本のくらしに寄りそったわら細工がたっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。
いざ、イネわらワールドへ。
【明日のBS #美の壺 】#稲わら
13種類もの古代米を育て、愛情込めて稲わらを編む農家。ホタルを愛でる優美な虫かご。重い荷物を背負う道具“ばんどり”の知恵と技。91歳のたくみの手が生み出す華やかな“羽根ばんどり”も!
23日(火)夜7時30分 BS pic.twitter.com/SfbiRL7sYL— NHK びじゅつ委員長 (@nhk_bijutsu) December 22, 2025
美の壺:放送内容、出演者情報
青々と広がる田んぼは日本の原風景。収穫後も大切に保存される“稲わら”が、暮らしを彩る工芸品に姿を変える。▼13種類の古代米を育て愛情込めて稲わらを編む農家▼ホタルを愛でる虫かごの優美な造形▼庄内地方に伝わる“ばんどり”重労働を支える先人の知恵と技▼婚礼用の華やかな“羽根ばんどり”を作る91歳の名人▼アーティストが魅せられた父親伝授の玉しめ飾り▼伝統に学んだ洗練されたしめ飾り。<File650>
出典:番組公式ホームページ
【出演】高橋 伸一…農業/齋藤 榮市…わら工芸/鈴木 安一郎…グラフィックデザイナー/安藤 健浩…プロダクトデザイナー 草刈正雄(ナビゲーター)木村多江(語り・ナレーション)
美の壺:1つめのツボ「恵みを生かす」
美の壺 高橋 伸一さん 農業 山形県 最上郡真室川町(もがみぐん まむろがわまち)
山形県北部の最上郡真室川町で農業を営む高橋伸一さんは、農家の5代目です。8月末、穂が出る前の青くやわらかな稲を収穫してわら細工の材料にします。
田んぼの真ん中に食用の稲を植え、それを取り囲むようにわら細工用の稲をうえています。今年は、13種類の稲を育てました。そんなたくさんの種類の稲があるなんて驚きです。
植えられる稲は、食用の米にくらべて背が高いものが多いそうです。稲穂が黒い「古代米」や、日本の米のルーツ「神丹穂(かんにほ)」、全体に紫に染まった珍しいものもあります。
刈り取った後、天日に干して風通しのよい納屋で保管します。米どころの山形では、生活で使われるものを稲わらで作っていました。
昭和の中ごろまで年中行事にわら細工が登場していたそうです。たとえば、農作物につく害虫を駆除して豊作を祈る「虫送り」もそのひとつです。
高橋さんは、稲作の歴史と共に発展したのが、わら細工だと教えてくださいました。
髙橋伸一さんと吉野敏充さんのトークライブ。おふたりとも異色?のご経歴。農業と藁細工のステキなお話が聞けるかも!
思えばおふたりに初めて出会ったのは同じ日の午前と午後じゃった。あれからはや5年?のお付き合いとなった山形。「#山から福がおりてくる」として #大日本市 に出展します。 https://t.co/xj4xj0FNYg— Y2姉妹 コンセプターでデザイナー (@y2int) June 20, 2021
(Y2姉妹 コンセプターでデザイナー@y2intさん、アップありがとうございます。)
美の壺 稲わらがうみだす工芸品
時代が平成になると、わら製品が姿を消していきます。高橋さんは、身のまわりからワラがなくなっていることに気づきます。
2016年、わら細工の素晴らしさや楽しさを伝えるため「工房ストロー」を立ち上げました。わらがストローなんですね。ユニークな名前ですね。
わらの断面をミクロの世界で見ると、真ん中が空洞で、外側に小さな穴が開いていて空気が入りクッションの役割を果たしています。
稲わらで卵を運ぶ「卵つと(たまごつと)」は、かつて卵が貴重品だったころの卵を運ぶ、当時の人々の思いが伝わります。ワラのものづくりをする人も高齢化で少なくなりました。
高橋さんは、地域の宝を引き継いでいきたいという思いから、わらの匠と呼ばれるお年寄りを訪ね、わざのひとつひとつを教えてもらいました。
唐辛子を編み込んだ魔除けのかざりの「編み南蛮」や「わらぐつ」などです。その中でも最も難しかったのが「蛍かご」です。
らせん状の美しい曲線のかごの中にホタルを放ち、その光を楽しんだ工芸品です。なんて、雅びなんでしょう〜。電気のない生活も素敵ですね。
らせん状にするために、指で角度をつけるのが難しかったそうです。高橋さんは、しなやかな曲線を描くわらの造形を作りあげた先人に感心すると話します。
わら細工には、先人への感謝の思いが編み込まれています。
工房ストローさんの蛍かご。ランプのスイッチオン!してみましたが、あまりわからないですね。明日は、祝日なので、街屋こんぱす営業です。#ほたるかご https://t.co/T7y9UnqQ4C pic.twitter.com/yMeuVxStrb
— チッカモッカ&まちばこらぼ (@ticcamo) July 17, 2016
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美の壺:2つめのツボ「やさしさを編みこむ」
美の壺 辻 一彰(つじ かずあき) さん 林業 山形県 東田川郡庄内町
山形県庄内地方にある月山(がっさん)は、日本百名山にも選定された霊峰です。
ふもとに住む辻一彰さんのタケノコを採りの映像が残されていました。雪が残る初夏、40Kgになる収穫したタケノコを運びます。
運ぶ作業に欠かせないのが、わらで編んだ「ばんどり」とよばれる肩当てです。昔からある民具で背中から腰を保護する役割の道具です。過酷な作業を支えてきました。
大きな荷物ですね。コレを運ぶのですか。荷物と身体が一体になって重さが軽減されるそうです。山岳地方ではたらく人の必需品で自分の体にあわせて工夫をこらした手づくりのクッションです。
ロープのかけ方しだいでいろいろなものが背負えます。辻さんは、今も愛用しています。昔の人の技術や知恵は素晴らしいのだと教えてくださいました。
わら工芸サークルの一押しは「ばんどり」荷物を背負う時の背当てです。こちらは祝ばんどりといい、婚礼の時に嫁入り道具を運ぶために用いられたものです。
わらで作られた様々な生活の道具をぜひご覧ください。OBG製作の3m超えの注連縄もぜひ! pic.twitter.com/WlypxZj5Sv— 東京農工大学科学博物館 (@tuat_kahaku) February 9, 2023
(東京農工大学科学博物館@tuat_kahakuさん、アップありがとうございます。)
美の壺 「ばんどり」のコレクション 山形県 鶴岡市
鶴岡市にある「致道(ちどう)博物館」は、江戸時代末期の2階建ての土蔵を展示室に庄内地方の民族資料を展示しています。
その中に日本一のばんどりのコレクションがあります。ばんどりとは、この地方で「ムササビ」を意味することばです。
足を広げて滑走する姿に似ていることから名前がきています。数多くのコレクションの中で目をひくばんどりがありました。
婚礼の時の花嫁の嫁入り道具を運ぶ「羽根ばんどり」です。あら、カラフルですこと。色あざやかな鳥の羽根のような肩当てです。嫁ぐ娘への愛情のあらわれです。
致道博物館は、鶴ヶ丘城の三の丸、庄内藩主酒井家の御用屋敷だった所を博物館として公開しています。貴重な歴史的建造物が移築されています。
午前中はバスで致道博物館へ。ここは旧庄内藩主酒井家の敷地内に重要文化財の建築物を集めた施設で、建物はもちろん展示してある展示品がどれも貴重な民芸品ばかりで凄く見応えがあった。とくに「ばんどり」と呼ばれる背負子のクッションがアジアの少数民族のデサインのようで面白かった。#鶴岡 pic.twitter.com/v1rMe6fMNp
— 旅の本屋のまど (@nomad_books) November 26, 2024
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美の壺 齋藤 榮市さん わら工芸 山形県 鶴岡市長沼
91歳の齋藤榮市さんは、庄内地方でただ一人、「羽根ばんどり」をつくる名人です。
齋藤さんは、長く生きしすぎただけで難しいことなどないと言いますが、難しい技でいろいろなところにこだわりがあります。
使うわらは、昭和30年代に生まれたササニシキです。生産量の少ない希少品種で、太さやしなやかさが気に入っているそうです。
羽根ばんどりが、できるまでをみせていただきました。まず、わらの束を交差させ、土台をつくった後、さらにわらを巻き肌触りをよくします。
わら座布団やなべしきに使われる技で、縄でかわいい編み目もようを描きます。次なる工程は、わら縄のあいだに布を渡し、肩当てをつくります。
荷物の当たる腰や背中には、クモの巣のように布のひもをはりめぐらせ補強をします。ズレることや切れることがないようにつくられます。
縁起物ですからね〜。しっかりと。こちらは、米俵にも使われる編み方です。いろんな技が、そこかしこに張りめぐらされていますね。
最後に、婚礼のばんどりの最大の特徴、羽根をつけます。すだれのようにわらで編んだ羽根に布を巻きつけます。巻きつける布の色は、あざやかな紫やピンクです。
齋藤さんのセンスが光ります。いろんな編み方が入っていて、ばんどりが作れるようになれば、およそ8割のわら仕事ができるようになるそうです。
雨が続くので稲藁を藁細工の職人にお届け、ばんどりや注連縄の作り方など聞いてきました。実用品、装飾品それぞれのばんどりあります。今では作り手はほぼいない貴重な技術 #金三郎十八代目 #百姓 #山形 #鶴岡 #庄内 #朝日 pic.twitter.com/e78I4N7mVw
— 金三郎十八代目 百姓 五十嵐大輔 (@unasakadk) August 8, 2025
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美の壺:最後のツボ「幸せの形」
美の壺 鈴木 安一郎(すずき やすいちろう)さん グラフィックデザイナー 静岡県 御殿場市
富士山の裾野が広がる静岡御殿場市にあるグラフィックデザイナー、鈴木安一郎さんのアトリエは、中に入ると作品としめ縄飾りが飾られています。
慣れた手つきで縄をなっているのは絵筆をわらに持ちかえた制作中の鈴木さんです。
グラフィックデザイナーさんが、しめ縄をつくられるなんて新鮮です。鈴木さんは、毎年、11月から12月にかけては、正月に向けてのしめ飾りをつくります。
つくっているしめ飾りは、しめ縄を輪のかたちにするシンプルなものです。鈴木さんの生まれ育った富士山麓では、「ののじ」と呼ばれているそうです。
鈴木さんは、シンプルだけど新年を迎える心が、ののじに表われていると語ります。自宅のキッチンに飾るののじの締め飾りは、日々使われる水回りや勝手口に感謝をこめて飾ります。
日本人の心ですね。
駒場東大前にて素敵な民芸品屋を発見_べにや民芸店
”日本各地のしめ飾り展”を開催していた
写真は、
●長野県上田の宝珠ジメ
●宮城・気仙沼のホシノタマと呼ばれる宝珠型のしめ飾りその他も各地のしめ縄が諸々で、面白い
沖縄の作家、島袋常秀さんが20年前に焼いたお皿をゲットした pic.twitter.com/140CMYBgG6
— 柵木 頼人/masegi yorito (@sander_inazuma) January 1, 2019
(柵木 頼人/masegi yorito@sander_inazumaさん、アップありがとうございます。)
美の壺 安藤 健浩(あんどう たけひろ)さん プロダクトデザイナー
鈴木安一郎さんのしめ縄づくりには、仲間がいます。鈴木さんの友人でプロダクトデザイナーの安藤健浩さんです。
安藤さんは、常に新しい素材でざんしんな作品を発表してきました。しめ縄づくりにハマったきっかけは鈴木さんの父でした。
鈴木さんの父は、たくさんしめ縄をつくり、年の瀬になると親せきや世話になった人に配っていたそうです。日本のすてきな習慣ですよね。
その話を鈴木さんから聞いて興味をもちました。安藤さんにとって、わらは、初めてあつかう素材で、強さや弱さ、美しさに感動しました。
安藤さんは、鈴木さんの父にしめ縄つくりを教わりますが、つくる構造や理屈はわかっていてもなかなかうまくできません。
その時、思いついたのがデッサンでした。鈴木さんの父がつくったしめ縄をスケッチして、デザイナーならではの観察眼で残します。
デッサンは、理解をして、人に伝えて記録にもなります。鈴木さんは、日本中に優れたしめ飾りがたくさんあって、見たり、まねたりして伝承することがいいのだと語ります。
安藤さんのつくる独創的なしめ飾り「宝珠(ほうじゅ)」や、新しい年の豊作を祈る俵型のしめ飾りなど、アーティストの力が花開きました。
【フェルトユニット/CUMA:好評販売中】自由に組み合わせてスクリーンやクッションカバーなどに、価格は50ピースで税別6,000円、画像は安藤健浩が制作した「Dress Shade」です。http://t.co/BTSaeoUh1F pic.twitter.com/QvtfJJREZ2
— コニーズアイ(金沢市) (@conyseye) June 18, 2014
(コニーズアイ(金沢市)@conyseyeさん、アップありがとうございます。)
美の壺 アーティスト集団のしめ縄
毎年秋になると、鈴木安一郎さんと安藤健浩さんは、しめ縄づくりに没頭します。鈴木さんの父から教わった「玉しめ」をつくります。
100本程度のわらを束ねて三等分してない合わせる「三つ縄(みつなわ)」という方法でつくります。
先に2束をなっていき、右にねじって左にねじると縄になります。安藤さんは、その構造が気に入ってスパイラルにハマり、恍惚な心境になるそうです。
三縄になって、しめ飾りの原型、しめ縄になりました。丸など縁起のいい形に変化していきます。縄のあいだから稲穂を差し込み末広がりの姿のしめ飾りです。
鈴木さんは、しめ飾りをつくって26年間、全国のしめ飾りの種類や作り方を調べて記録しています。わらの本数や構造や細部の仕上げにいたるまでまとめています。
鈴木さんと安藤さんは、「ことほき」というプロジェクトを立ちあげました。納得のいくしめ縄をつくるため、稲までつくるようになりました。
大きな縄をなってつくったのは年神さまをお迎えする愛らしい「鳥」です。しめ飾りは、手の中から出てくる造形だと鈴木さんは、語ります。
作って思うことは、わらから教わることが多くあるそうで、わらと相談しながらつくっていくのだそうです。
稲の文化から生まれるわらの造形は、忘れかけたものを伝えてくれるような存在ですね。
「鳥のお飾り」だよ。
お正月に飾るしめ縄の一種で、シブサライという品種の藁(わら)を綯(な)って作りました。「ことほきプロジェクト」の鈴木安一郎さんと安藤健浩さんに教わりながら。松の内を過ぎたら部屋のインテリアとして飾っても差し支えないそうで、残せるのがうれしい。写真は見本です。 pic.twitter.com/GInGZCZJbt— aqicoco (@aqicoco) December 27, 2016
(aqicoco@aqicocoさん、アップありがとうございます。)
美の壺:再放送・バックナンバー情報
NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。
2022 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2020年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2019年はこちらです。
ご参考になさってくださいね。