感想:宙組東京公演『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』真風涼帆(まかぜ すずほ)&潤花(じゅん はな)新トップコンビおひろめ

こんにちは。らら子です。
宙組東京公演『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』 を見てきました。新トップ娘役の 潤花(じゅん はな)さんの大劇場お披露目公演です。

5組トップ中の最年長(学年)となった円熟の92期・研16の真風涼帆(まかぜすずほ)さん、102期・研6の潤花さんとのコンビは案外年の差カップルぽくないですね。

潤花さん、いい意味で若手らしくない。星風まどかさん時代とはガラッと変わって、大人っぽい色気のあるトップコンビになりそうです。




宙組『シャーロック・ホームズ』 感想:The Game Is Afoot!-』意味?V.R.の文字とは

副題のThe Game Is Afoot!(ざげーむいずあふっと)はどんな意味でしょう。公演プログラムの解説によると「獲物は動き出した!」という言葉にルビとして載ってます。

調べてみるとafoot!というのは、「進行中」「計画中」という意味ですね。ゲームつまり犯罪進行中であるということですかね。

結末のネタバレにもなりますが、稀代の名探偵、シャーロックと宿敵モリアーティ教授のたたかいは動き出したっていうより終わらないということなんでしょうね。

この作品は現実の事件「切り裂きジャック」と原作のミックスです。

人気シリーズを終わらせるために原作者が登場させたモリアーティ教授、そして原作では第一作の短編「ボヘミアの醜聞」に登場したアイリーン・アドラー。

アイリーンはシャーロックの心の中で「あの女(ひと)」して生き続けるマドンナ。モリアーティ教授とアイリーンの二人は原作中に直接のやりとりはありません。

公演解説では、シャーロック=「罪を追う者」。モリアーティ=「罪に生きる者」、そして、アイリーン=「罪を背負う者」とのこと。三者が絡み合ってお話が展開していきます。

ちなみにシャーロックがいきなり銃を抜いて隣の家の壁に打ち込む「V. R」はVictoria Regina の頭文字。Victoriaはヴィクトリア Reginaは女王。つまりヴィクトリア女王の治める国家への忠誠心の現れってことですね。




宙組『シャーロック・ホームズ』 感想:舞台設定全体的な感想。

幕が上がるとスモッグで汚れたロンドンの裏町。いいですよねぇ~この世界観。ヴィクトリア朝時代のロンドン好きにはたまらん。すすけた町の中で「切り裂きジャック」の事件が次々とおこります。

モブはいろいろがんばってるけど、いかんせん場面が暗いので目立たず。
登場人物、特に娘役の目立つ役が少ないのでしかたないけどもったいないですね。

お話が進むにつれて、このモブのシーンはいるのか??と疑問に思えてきました。

暗くて見えないといえば、モリアーティのイケメン部下たち!全員大きな名札をつけて登場してほしいと思いました!

この作品、だいたいが抽象的な舞台セットが多い中で、唯一ちゃんと作り込まれて小物まで揃ってるのがシャーロックの部屋。地球儀、本、新聞、暖炉、化学薬品、ナイフ、拳銃。

そこに毎日毎日、いろんな新聞が束で届けられるわけです。大変!!




宙組『シャーロック・ホームズ』 感想:シャーロック:真風涼帆(まかぜすずほ)&アアイリーン潤花(じゅん はな)のセリフ回し。

真風さんのホームズの美しいこと!スーツも夜会服もインバネスコートもバッチリです!

ところで「何をやってもマカゼ」といわれる真風さん。もともと硬質で滑舌のよくないマカゼさんですが、特に不自然に語尾があがるのがワタクシらら子妙に気になっておりました。

ですが、生田大和先生さすが!

その話し方を生かしてホームズに逆あてがきしましたねー!
あの硬質な声と話し方が、ちょっと声高に早口にするだけで、ホームズの無機質な話し方にみごと昇華していました。

ワトスンの人間味あふれる話し方や、宿敵モリアーティの夢見るような妖しい話し方と、いい対比になっているのもまたいいですね。

一方、ヒロインの潤花ちゃん。ワタクシ、潤花ちゃんの声質とセリフ回しがとても好き。いい意味でタカラヅカぽくない。

外部のストレートプレイを見ているような気分になります。マカゼさんの硬質な声と、潤花ちゃんのしっとりした低音ボイスの組み合わせが耳福。

潤花ちゃんはヒロインとしてのビジュアルの説得力が今一つかなぁ。すごい美人さんなのに、何がいけないんだろう。ポテンシャルは高いので、これから伸びしろがたくさんあって本当に楽しみです。

課題のお歌も。今回はミラノスカラ座のオペラ歌手という触れ込みでしたが、寸止めのように歌のシーンはなく、でも「乾杯の歌」を男女数人で歌い継ぎ、オペラっぽさは満喫。ここもさすが生田先生。





宙組『シャーロック・ホームズ』 感想:モリアーティ:芹香 斗亜(せりか とあ)の妖しさとセリフ回し。

芹香斗亜(せりか とあ)さんは、二番手として安定のライバル役または悪役。モリアーティは原作の造作がどんなかわからないけど、今回の妖しく非情な感じはピッタリ。

妖しい美しさがまた素敵。繊細で傷つきやすい。ホームズ以上にこの世の中をゲームとして楽しんでいて、ホームズへはゆがんだ愛情すら感じる。

96期の紫藤りゅうさんがモリアーティのお兄さん。兄弟仲がよくて、お兄ちゃんに守られている感じ。

芹香斗亜さんは、こういうマッドサイエンティストっぽいお役が似合うなぁ。話し方もいいし、狂気をまとった視線もいい。

それにしても93期・研15の芹香斗亜さんがいつまで宙組の二番手でいるのか不安になる。すごく楽しそうだから、ご本人がそれでいいならいいんだけど、ちょっとやきもきしますね。




宙組『シャーロック・ホームズ』 感想:ワトスン:桜木みなと&メアリー:天彩峰里(あまいろ みねり)

桜木みなとさん演じるワトスンは基本的にホームズと一緒。前作「アナスタシア」に続いて真風さんの相棒役です。出番はもしかしたら芹香斗亜さんより多いかも。

このところ成長いちじるしい桜木みなとさんは95期・研13。同期はぞくぞくトップスターになっているし、そろそろですかねぇー。

常識人のワトスンさん。ワトスンの恋人メアリーとのラブラブなシーンもいいですね。天彩峰里ちゃんは前トップ娘役星風まどかさんと同期の100期。この期もスター輩出ですね。

天彩峰里ちゃんは、実力もかわいさも兼ね備えていて、いつトップ娘役になってもおかしくないのに、なんでなんでしょうねぇ。

今回は、ワトスンさんの恋人として非の打ち所のない淑女ぶりを発揮していました。ほんと上品でかわいい。




宙組『シャーロック・ホームズ』 感想:スコットランド・ヤードのレストレード警部:和希そら

和希そらさんは、スコットランド・ヤードの強面のレストレード警部。
なんと、大劇場公演としては宙組最後の出演ですよ。

ホームズの力を借りないといけないことにいつもいらだっていて、がなり立てています。声も太くてデリカシーのない感じ。けんかっぱやいし。マイクロフト殴るし。

もちろん和希そらさんは、上手にこなしているんだけど、いや別にこの人物造形じゃなくてもよくない?と思います。

上から順番に役を充てていくとこうなっちゃうんだろうけど、こういう堅物じゃなくて軽やかな役を当ててほしかったなぁ。せっかくイケメンなんだし。原作ありだとこういうのが難しいですよね。

それでもなんでもできちゃうそらちゃん、レストレード警部でいる間は、ずっっっと眉間にシワが寄ってました。スーツのポケットにいつも手を入れているので、お尻の形がはっきり見えてましたが、すっきりヒップアップ♪

劇中のダンスシーンでららちゃんと照れくさそうに組んで踊るところもよかったです。




宙組『シャーロック・ホームズ』 感想:ハドスン夫人遥羽らら

娘役の役が少ない今作。退団公演となる遥羽ららちゃんは、ホームズとワトスンが住む下宿のおかみさん役。いわゆるランドレディですね。賄い付きらしい。

娘役ホープがハドスン夫人役かあとも思いますが、ららちゃんは愛らしい容姿と、妖艶なマダムっぽさを兼ね備えた稀有な娘役なので、これはこれでアリ。

それにしても、98期・研10での退団は、花盛りで惜しまれます。

宙組公演 『Hotel Svizra House ホテル スヴィッツラ ハウス』の配役表では、重要な役として遥羽ららちゃんのお名前があがっていたので、いよいよららちゃんの時代が!と喜んでいたのですが、これはお餞別だったのかもしれませんねえぇ。

ららちゃんとても輝いていました。がみがみ厳しいけど、包容力もあって優しい。ららちゃんにぴったりでした




宙組『シャーロック・ホームズ』 感想:退団者 花音 舞
綾瀬 あきな 美月 悠 星月 梨旺 七生 眞希 里咲 しぐれ

今回は、ららちゃんを含めて7人の大量退団。さびしいですねぇ。

花音舞ちゃんは宙組を代表する演技の要。綾瀬あきなちゃんは宙組娘役きってのダンスの名手。もっと見ていたかったな。そして96期生の里咲 しぐれちゃんも退団。在団12年ともなるとやはりいろいろ次の進路を考えてしまうのでしょうか。落ち着いた美人さんで好きでした。

男役さんは、美月悠さん、星月梨旺さん、七生眞希さん。こちらの個性の光る面々なだけに、退団が惜しまれます。今回はモリアーティに仕事依頼するお偉方。すっきりとしたイケオジたちが悪巧みをしていました笑

退団者の皆さんは目立つシーンが多く、生田先生の愛を感じました。

それと、シャーロックの墓のシーンでは、美月悠さんが牧師、星月梨旺さんと七生眞希さんは、真風さんとともに墓掘り人(?)に扮していました。

お葬式が終わると上手に移動する牧師さん。シャーロック・ホームズ扮する墓掘り人と仲間たちが集まっているところに合流。

参列者たちがお墓の前でしんみりしている一方で、墓掘り人と牧師さんもけっこう長い間楽しそうに話し込んでいました。ほっこりしますね。




宙組『シャーロック・ホームズ』 感想:ウィギンズ 優希 しおん(ゆうき しおん)&イレギュラーズ:メンバーの娘役が可愛い!

少年探偵団イレギュラーズのリーダーは優希 しおん(ゆうき しおん)さん。100期・研8なので少年役をするにはそろそろ大人になってきたかなと思いますが、すばしこく頼りになるリーダーでした。

少年から大人になりかけといった、「わかってる」表情がまたいいですよね。若手の頃は舞台メイクが和希そらさんそっくりでしたが、最近は優希しおんさんらしさがでてきたかも?

また、このイレギュラーズのメンバーが可愛いこと!いやもう、眼福。

102期・花宮 沙羅(はなみや さら)、春乃 さくら、103期・有愛 きい(ありあ きい)、104期・朝木 陽彩(あさぎ ひいろ)、105期・山吹 ひばり、106期・渚 ゆり。

特に、ホームズの部屋に上がり込んでソファーでわちゃわちゃしてるのが本当にかわいいですよね。クッションをぼんぼん叩いてたり、椅子取りごっこしてたり、変顔してたり。

ららちゃんも、「きっと、ご飯出しちゃう」って言ってましたけど。お腹いっぱいお食べって感じです。

こんなにかわいい娘役が揃ってるなんて。宙組おそるべしです。

山吹ひばりちゃんは和希そらさん主演の『夢千鳥』でも準ヒロイン。今回は新人公演ヒロインですし、これから楽しみな娘役さんです。




宙組『シャーロック・ホームズ』 感想:兄マイクロフト・ホームズ:凛城 きら(りんじょう きら)ヴィクトリア女王:瀬戸花 まり

この公演を最後に専科への組替えが決まっている、シャーロックの兄、マイクロフト・ホームズ役を演じた、凛城 きら(りんじょう きら)さん。

マイクロフトってついついマイクロソフトって読んでしまいませんか?私だけ?

冷静沈着でシャーロックと同じぐらい頭脳明晰で謎解きが好き。弟のことは評価しているがそれほど仲がよくない、といった役どころ。

いかにも高級官僚っぽい貫禄と、謎解きに興味津々なところがよかったですー。変わり者だけど女王陛下の信任も厚く、同僚からも頼りにされている。

シャーロックにお腹周りを心配されていましたが笑 色気も貫禄もあるイケオジで、女役もこなせる凛城 きらさんが宙組を去っていくのは残念ですねぇ。

ヴィクトリア女王の瀬戸花 まりさんも、華やかで威厳に満ちていてよかったですね。シャーロック・ホームズのファンだとか。ゴールデンジュビリーでの謎解きのあと、ご満悦な笑顔が可愛かったですね。

ついでに、お付きの女官の筆頭、小春乃さよちゃんの顔芸も面白かった。本当に国家と女王の行く末を案じているのが伝わってきました。




宙組『シャーロック・ホームズ』 感想:らら子の萌えポイント

本拠地・宝塚大劇場公演は遠征も自粛はもちろん、せっかくの配信もなぜか見逃すというトンチキぶりでしたが、無事東京で上演できてやっと観られてよかったです。

元が推理小説で、さらに登場人物が入り組んでいるので、ちょっと頭が混乱しますが、何度か見ていると病みつきになる面白さなのかな。

最後のシーンはゾッとしますね。

まだ初見なのでいろいろ見逃しているところがあると思いますが、これから何回かリピするのでまた思いついたら追記します!





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