今週の「ふるカフェ系 ハルさんの休日」は、「東京・国分寺〜住宅街にたたずむ幻の建築カフェ〜」
東京郊外に位置する国分寺市。築88年、竹やぶにある幻のカフェを目指します。カフェ主と洋館の主だった姉妹との心あたたまるエピソードが明かされます。
— ぶぶ (@imRLLXRlsIDhnyz) April 9, 2021
目次
『ふるカフェ系ハルさんの休日』番組情報:予告
武蔵野の台地、東京郊外の国分寺市は昔、別荘天国だった!明治~昭和初期のレトロで貴重な洋風建築のカフェを発見。それは、これまで幻とされてきた建物だった。軽井沢を思わせる雰囲気、おしゃれな部屋と階段、ドイツの山小屋風の屋根にガラス張りの回転窓、ロシア風のポットに暖炉、そこは老姉妹が暮らしていた館だった。なぜ“幻の建物”になったのか?どうして、カフェに生まれ変わったのか?住民の絆が生んだ奇跡のカフェ。
出典:公式サイト
【出演】渡部豪太(俳優) 地元のみなさん
ハルさんの休日:再放送はいつ?放送予定と過去の放送&配信情報
2021年4月現在で本放送は木曜日の午後10:30~午後10:55(25分)NHKEテレ1です。
再放送は同じくNHKEテレで、翌週の日曜日 午後6:30~午後6:55(25分)です。
NHKプラスで見ることもできますよ。NHKプラスは総合・Eテレの番組を同時配信・見逃し配信するサービスです。
番組情報やバックナンバー&直近放送予定はこちらをご覧くださいね。
ハルさんの休日2021バックナンバー&再放送スケジュール番組情報:ガイドブック発売中NHKふるカフェ系 ハルさんの休日:バッグのブランド、BGM、つり球との関係は
ハルさんの休日 国分寺:カフェおきもと 国立駅徒歩10分
今回訪ねるのはこちら。金曜から月曜の営業だそうです。
- カフェおきもと
- 東京都国分寺市内藤2-43-9
- 042-572-1234
国立駅徒歩10分にできた「カフェおきもと」。ここすごいカフェです。竹林に囲まれた雰囲気もクラシックな建物も料理もすごいのですが、何がいちばん凄いかと言うと「物語」がすごいです。600坪の広大な土地のその中に約100年前に別荘として建てられた洋館が一棟と日本家屋が一棟建っています。 pic.twitter.com/YRe6fjTAYY
— 佐久間 崇 (@takashi_sakuma) October 17, 2020
ハルさんの休日 国分寺:竹やぶを抜けると洋風建築
駅からしばらく歩くといきなり、竹やぶがひょっこり!竹やぶを抜けると和風家屋が現れました。
その隣には、別荘を思わせる洋風建築が。こちらが今回のカフェのようです。
屋根に使われているのは別荘でもよく見かける半切妻屋根。破風部分をななめに切り落とした屋根で、日光を遮らず、圧迫感も軽減できる効果があります。
なんといっても色合いがおしゃれ!ベージュ系で統一された壁や窓枠に、若草色の屋根がすごく映えます。すごく可愛い!
ハルさんの休日 国分寺:二階の壁はドイツ壁風
2階の薄いベージュ部分はドイツ壁。
別荘が流行した明治、大正期によく見られた土壁、1階の濃いベージュの部分は下見張りと呼ばれる板を重ね合わせた外壁工法が使われています。
ちゃんと機能性もあるんですねー。
玄関の扉の上には、これまた可愛らしい扇状のあかり窓、ファンライトが取り付けられています。
そして扉の模様はヘリンボーン(ニシンの骨)。細部も凝っていてこだわりが感じられますね。
ハルさんの休日 国分寺:洋風建築だけど靴を脱ぐ和風な生活
中に入るとまず目に飛び込んでくるのがケーキ!
ガラスケースの中に並べられた数種類のケーキはどれも美味しそうです!
店主の久保愛美さんに案内されて中に入ると、玄関で靴を脱ぐ仕組み。外観とは裏腹に住んでいたのは日本人のようですね。
素敵な個室を横目で見ながら中へ進むと、重厚なダイニングテーブルと石造りの暖炉が印象的な洋室へ。なんだかこのお部屋の様子は、明治村や異人館で観た室内の様子を思い出させます。
久保さんによると、この建物はほとんど改装されていないそう。どうりでどの部屋もこじんまりとして誰かのお宅にお邪魔したような感覚になるわけですね。
ハルさんの休日 国分寺:カフェはもともと別荘
こちらは昭和8年に建てられた別荘とのこと。
国分寺には大正から昭和にかけられて、たくさんの別荘が建てられた場所だそうです。
1階の回転ガラスや階段途中の排気口などは、別荘ならではの、夏の熱を逃がすための工夫のようです。
さすがハルさん。目のつけどころが素晴らしい!こういう点は自分だけだとなかなか気づけないのでためになります。
外で写真を撮っているご夫婦に、博識っぷりを自慢げに披露するハルさんです。
が、逆にドイツ壁だと思っていたものは、実はリシン掻き落としと呼ばれる、壁表面を道具で掻き落として荒く仕上げる工法だと教えられてしまいます。
また、住んでいたのも設計者も西洋人ではなく日本人とのこと。
ハルさんの休日 国分寺:歴史建造物研究員の志岐祐一さんと、インテリアデザイナーの橘田洋子さん
こう教えてくれたのは、歴史建造物研究員の志岐祐一さんと、インテリアデザイナーの橘田洋子さん。ご夫婦でもないそうです。笑
この別荘を設計したのは、橘田さんの大叔父にあたる川崎忍さん。
アメリカで建築を学び、日本に西洋建築を広めるのに貢献しました。長い年月とともに、いつの間にか竹が建物を覆い始め、近所の人々もここに別荘があるのを忘れていったそうです。
そういう意味で研究者たちにもとっくに取り壊されていたと思われていた建物が現存していた、ということで幻の別荘なのですね。
ハルさんの休日 国分寺:感動のカフェ誕生秘話
ここでハルさんの頼んだフレンチトーストが登場!
フルフルのフレンチトーストに、イチゴなどのフルーツと生クリームが添えられていてボリューミューな一品です。美味しそう~!
店主の久保さんは、たまたまこの別荘の隣に引っ越してきました。
そのときこの建物の保有者、沖本姉妹(京子さん、智子さん)はすでに80歳を超えていました。
身寄りも近所付き合いもなかった姉妹を気にかけ、旅行や食事に誘っていた久保さん。
そんな久保さんに、姉妹はこの建物を引き継いでくれるようお願いしたそうです。
ハルさんの休日 国分寺:川崎忍設計の沖本家別荘
引き継いだ後に、この別荘が川崎忍設計の幻の別荘だったことが判明しました。
そこで久保さんは、改築はせず、建物の維持を目的としてカフェを経営することを決めたそうです。そうして誕生したのが、この「カフェおきもと」なんですね。(実在します)
それにしても、たまたま隣に引っ越してきた赤の他人に、自分たちの大切にしてきた建物を譲り渡すなんて素敵なストーリーですね。
家族じゃなくても、血縁じゃなくても、こういった偶然のつながりがもっと濃くなって他人とつながりやすい世の中になっていったらいいなぁと思いました。