宝塚月組”I AM FROM AUSTRIA”東京公演で見てきましたー。
Twitterとかで大絶賛されたので期待していったのですが、いろいろ盛り込んである割りには平坦な感じでした。
原作の人数が少ないのに、組子それぞれの活躍の場を増やそうとし、組子それぞれも小芝居を一生懸命やった結果、妙なわちゃわちゃ感が強まっちゃったってところでしょうか。
以降、ネタバレを避けて個別の感想をば。
目次
宝塚月組アイアムフロムオーストリア:珠城りょう(たまきりょう)
ジョージ・エードラー。
包容力がウリのたまきち。今回もいかんなく包容力が発揮されていました。
でも、これって駄目な御曹司の役では?思慮深そうにも見えるし、頼れるし、なにより両親より貫禄がある(;’∀’)
歌もダンスも水準以上だけど、いつもたまきち。
御曹司として恵まれた生まれであることを認めつつ、それを卑屈にも思わず鼻にもかけず、ホームレスや従業員たちとも仲が良く……。
まったくたまきちのまっすぐな雰囲気そのもの。
ダンスのリフトはよかったけど、一本調子のお歌が残念。ベテラントップとしてもう一つ高みを目指してもらいたいなぁ。
でも当分たまきちなのかなぁ。
宝塚月組アイアムフロムオーストリア:御園さくら(みそのさくら)
エマ・カーター。
お披露目公演での和物はちょっとお気の毒だったサクサク。おつうは、あんまり存在感がなかったし、ああいう忍ぶ役はサクサクには似合わない。
今回は歌うまサクサクの本領発揮。歌いまくってました。
歌うまいねー。一人で歌ってたねー。一人で熱唱しているシーンは、いい意味でも悪い意味でも宝塚歌劇であることを忘れてしまう。
浮いてる。
たまきちとのデュエットでもたまきち置いてきぼりでした。
今回は話し方にかなり癖があって、あれがサクサク解釈の「ザ・ハリウッド女優」なんだと思う。ひと昔前の洋画の吹き替えのようなセリフ回しでした。昭和感満載。
これから経験を積んで幅広い役でくるくると変化を見せてほしい。
ハリウッド女優役というと、最近だと雪組「20世紀号に乗って」の真彩希帆ちゃんが記憶に新しいです。
あの時はきぃちゃんの体型をもってしてもハリウッド女優と思わせるナニカがあったんだけど、サクサクのグンバツのプロポーションをもってしてもそう見えないのは残念だ―。
宝塚月組アイアムフロムオーストリア:月城かなと(つきしろかなと)
悪徳マネージャーのリチャード。
登場シーンは振り返った瞬間、あまりの美しさに顎が外れる―。
れいこ、おかえりなさいー(^・^)
長い休演の後、振り切った感があります。
悪役れいこ。思い切ってすごく悪くやってるんだけど、あんまりにも小悪党感が……。
もっとすごいこと企んでそうな雰囲気をかもしだしてるのに、詰めが甘い役なのでがっかり感がただよう。やたらと「ウインナ野郎」と悪態をついて横柄。
リチャードさんよ、つまんない悪徳マネージャーとかやってないで、その美貌を生かしてご本人でスターダムに乗れよと思いました。
宝塚月組アイアムフロムオーストリア:鳳月杏(ほうづきあん)
ジョージのパパ。おかえりちなつ(≧◇≦)
花組から一回りかっこよく&色気ましましになって帰ってきた。
花組仕込みのスーツ姿の美しさ。余裕しゃくしゃくのダンディぶり。おひげの似合いっぷり。
もう鼻血でそうです。ダメパパぶりも可愛いんだけど、ちなつって妙な貫禄があって、こういう偉い人やらせるとすごくハマる。花組メサイヤの悪いお殿様も良かったなー。
そしてそしてフィナーレのかっこよさったら!!
つくづく美しいなー。足ながいなー。
みやちゃん退団後、色気を補充するのは、ちなつ頼みだ!
宝塚月組アイアムフロムオーストリア:海乃美月(うみのみつき)
くらげちゃん、まさかのジョージのママ。
なのに途中のだるまシーンはなんのサービスですか。見てはいけないものを見てしまった感。もっとむっちりとした娘役ならいいんですけど、いたいけなくらげちゃんになにさせますのん。
くらげちゃんとちなつのパパママは本当に上手。
でも、くらげちゃんが保守的なママっていうのは、若すぎるよねー。番手順に充てていくと他に役がなかったから??
白雪さち花ちゃんがぱっぱらなピンク女子を演じてるんだけど、さち花ちゃんがママでもよかったんじゃ??ちなつとさち花ちゃん夫婦。なんかすごくゴージャス。
でもそうすると、くらげちゃんクラスの主要な役がなくなっちゃうのかー。うーむ。なんだかキャスト案失敗してませんか?
宝塚月組アイアムフロムオーストリア:暁千星(あかつき ちせい)&風間 柚乃(かざま ゆの)
暁千星さんは、アルゼンチンのスターサッカー選手パブロ。
後半までずーっと出てこなかったアリちゃん。ダンスはさすがのキレッキレ。
アリちゃん出てくると文句なしに舞台がぱああっと明るくなる。
マッチョマッチョでよかったなー。いい人感満載。
しかーし、今回いちばんオイシイ役はフェリックス役の風間柚乃ちゃんじゃないかなー。
等身大の若者としてストレスなく見られるおだちんでしたー。さらにパブロ×フェリックスは、ファンの目線くぎ付けだし。
さらに役どころとしては、騒動の鍵を握るし、ソロはあるし、れいこ休演中に培われた押し出しの良さが、この人真ん中に立つ人だなと思わせる。
風間柚乃は、これから爆上げでしょうねー。アリちゃんを抜いちゃうのかな。
宝塚月組アイアムフロムオーストリア:光月るう&夏月都&白雪さち花
光月るう組長、まさかの女装。
ふつうにきれいだしすごく達者だったけど、貴重な女性の役が1つ減っちゃった感じはいなめない。
この役は普通に達者な娘役の夏月都さんでよかったんじゃ。なっちゃんはヒロインのママ役だけど、なんかもったいないなー。
今や、月組の娘役を代表するさち花ちゃんはピンクピンクな旅行会社員。
うまい、うまいよ。でもその役さち花ちゃんでいいの??
つくづく役が少なすぎるミュージカルであることを嘆きました。
宝塚月組アイアムフロムオーストリア:夢奈 瑠音(ゆめなるね)
るねちゃんはらら子的最近おきにいり。
るねちゃんの役どころはおさぼりしがちなフロントマン。でもダンスシーンになると誰よりもかっこよく踊るけど、基本的にふわふわーんと楽しくお仕事をしている。
突然ラテンのダンスになるところ、アルゼンチンの旗をまとってパブロファンとして登場、マッチョマッチョのダンスもすごくよかったわー。
このギャップがたまらなん、でした。もっともっとるねちゃんの活躍が見たい~。
余談:Nix is Fixが「ユーシーシー」に聴こえる件
劇中歌のNix is Fix。何度も流れるけど、そのたびにサビのNix is Fixの部分がどうしても「ユーシーシー」に聴こえるのは、スポンサーがUCCのせいですよね(笑)
まとめ
まだ東京公演始まったばかりなので、これからさらに進化するとは思いますが、お芝居を半分にして後半はショーがいいなと思ったのが正直なところです。
小休憩で別組ファンの友達と「困ったねー」と本当に困っちゃったんだけど、SNSでは大絶賛の声もあふれてるし、リピーターもたくさんいるようなので、好みが合わないってことなんでしょうね。
斎藤先生の演出。やたら映像使ってLED使ってお金かかってるんだろうなー。お金かかってるわりに山小屋の景色とかあんまり説得力なかったような気がする。
困ったなー。