こんにちは~。らら子です。
今回のNHK 『美の壺』は、「日本の麻」。
麻は麻でも日本の麻、夏に大活躍する素材ですよね〜。日本の麻の魅力がたっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。
いざ、Hempへんぷワールドへ。
【きょうの #NHKBS #美の壺】は #日本の麻
縄文土器の模様にも使われたという日本古来の「麻」。玉串や祓串、鈴緒など、神社ではケガレをはらうものとして麻が使われたのだとか。5000本の鈴緒を作ってきたという鈴緒職人の制作現場にも密着!
後5時30分 #NHKBS pic.twitter.com/6CHg8bVcVe— NHK びじゅつ委員長 (@nhk_bijutsu) February 17, 2025
美の壺:放送内容、出演者情報
【番組予告】
麻布研究家による昔の麻布を使ったアート作品。日本人と麻の関わりとは?▽福島県昭和村で、昔ながらの製法で作られる「からむし織」の魅力▽玉串や祓串(はらえぐし)、鈴緒など、神社における麻とは?▽5000本の鈴緒を作ってきた鈴緒職人の制作現場に密着!▽江戸時代最上とたたえられた麻織物「奈良晒(ざらし)」。伝統の機と2種類の麻糸を使って織り上げる現場に潜入!<File628>
出典:番組公式ホームページ
【ゲスト】吉田 真一郎…美術家/山内 えり子/小田 英一…鈴緒職人/岡井 大祐…奈良晒伝統工芸師
【出演】草刈 正雄 木村 多江(語り・ナレーション)
美の壺:1つめのツボ「時と風土が織りなす」
美の壺 吉田 真一郎(よしだ しんいちろう) さん 美術家 京都市中京区
京都市中京区にある麻布を扱ったアートギャラリー「真妙庵(しんみょうあん)」が登場します。
ここでは、「麻布(あさぬの)」をモチーフに作品を展示しています。
150年前の手織りの3つの麻布を貼りつけた≪UNINTENDED#73≫という平面作品。
「意図せず」という意味があります。
糸の太さや種類の違いから生み出される差が意図としない美しさを生みだしています。
タイトルの通りの偶然から生まれた美なのですね~。
つくったのは、江戸時代の麻布(あさぬの)の研究者で美術家の吉田真一郎さんです。
吉田さんに麻について教えていただきました。
麻は、「大麻(おおあさ・たいま)」と「苧麻(ちょま)」にわけられるそう。
古来より麻というと「大麻」のことで、「ちょま」とは、からむしのことをさしたそうです。
大麻とはあの大麻ですね~。
都道府県知事から免許を得て栽培をしたもので、毒性のない茎の繊維からとれたものです。
麻は、古くからある素材で日常生活に使われていました。
「真妙庵」
京都・烏丸丸太町。
オープンされてから存在は知りつつ
初めてオジャマしました。
大麻・苧麻(からむし/ちょま)繊維の自然布の
貴重なコレクションを展示されているギャラリーレイヤー(層)ごとに配置、重ねられた大麻布が
抽象画のように構成されていて
ステキな作品が飾られていました。 pic.twitter.com/1VXxh2KxR0— 富永大士 Taishi Tominaga (@tomi_taishi) July 12, 2024
(富永大士 Taishi Tominaga@tomi_taishiさん、アップありがとうございます。)
美の壺 麻布(あさぬの)コレクション
吉田さんは、日本人が古くより親しんできた麻布の魅力を国内外に発信しています。
吉田さんの麻布のコレクションは、約1000点!見せていただくと、麻もいろんな種類があります。
茶道具や着物の生地、木綿のような柔らかな麻もあります。
すべて江戸時代から明治時代のものです。
着物の一部となる越後縮や奈良晒、京都で高級呉服として流通したさらし布。他にも、江戸時代の人が着ていた木綿かと思うようなやわらかな大麻布などさまざまです。
その中でも貴重なコレクションがあります。
明治ごろまで使われていた新潟のアンギン編みです。麻で作られた農民の作業着で縄文時代には成立していた編み方「アンギン編み」の布です。
縄文時代の遺跡の断片には、アンギン編みの跡がついたものが見つかっているそうです。歴史は、語りますね~。
麻は古くから親しまれた素材なんですね。すごい歴史です。
日本の大麻布(ヘンプ)ブランドMajotaeの展示。代表である吉田真一郎が蒐集した古い麻のコレクションが並ぶ。大麻布の歴史や素材感の奥行きに触れられる。5vie(チンクエヴィエ)地区内の会場にて。#MilanDesignWeek レポ13 pic.twitter.com/XnsFiVFUPk
— 小野 直紀|Naoki Ono (@ononaoki) April 22, 2024
(小野 直紀|Naoki Ono@ononaokiさん、アップありがとうございます。)
美の壺 山内 えり子 さん 福島県大沼郡昭和村
福島県奥会津地方の昭和村では、伝統工芸として「からむし織」を守り続けています。ちょまとよばれるイラクサ科の多年草を栽培から糸づくりまで一貫して村で行われ上布の糸としても出荷されます。
山内えり子さんは、20年前に「からむし織体験生」として昭和村にやってきて、からむし織にみせられてこの地に移住しました。栽培から糸づくり、織りまで村の人に教わりました。
刈りとったからむしの繊維を取り出し、繊維を指でさいて細くし、よりをかけてて糸にします。帯1本分の糸を作るのに2か月かかるそうです。なんて大変な作業なんでしょう。
糸づくりは1年中できる作業ですが、畑作業のない冬の時期は、作業がはかどるそうです。 作られた糸は越後上布や小千谷ちぢみの材料となります。
山内さんが、つかう織機は、地機(じばた)・腰機(こしばた)と呼ばれるもので織り手の腰にヨコ糸を固定して織るもので、労力も手間もかかる伝統的な織り機です。
山内さんは、四季を感じながらつくれることで、興味が尽きないのだと話してくださいました。
【こぎん展】東京・駒場東大前で本日1/26まで開催している『奥会津昭和村 菅野まり(陶)、山内えり子(からむし織)二人展』へやっと行けました✨
福島県昭和村で苧麻を刈り取る所からこぎん刺しまで手がける山内えり子さん😊久々にお話しでき、現代で古作こぎんに1番近い存在だと再認識できました🪡 pic.twitter.com/HRfRJEaYAy— 山端家昌 (@kogin_net) January 26, 2025
(山端家昌@kogin_netさん、アップありがとうございます。)
美の壺:2つめのツボ「祈りに寄り添う」
美の壺 岩田 昌憲 (いわた まさのり)さん 宮司 京都・亀岡市 出雲大神宮
麻は、神社にとって、なくてはならない大切な存在です。京都・亀岡市にある「出雲大神宮」は、1300年の歴史があります。大国主命(オオクニヌシノミコト)とその妻・三穂津姫命(ミホツヒメノミコト)を祀っています。
出雲といえば、島根県の出雲大社のイメージが強いですよね。出雲大神宮は、恋愛ばかりでなく長寿などあらゆる良縁にご利益があるそうです。
宮司の岩田昌憲さんにおたずねしたところ、麻はすべての神事に必要なものだそうです。例えば御神水や塩は、祓い清めるものですが、それらを浄化させる力を持つのが麻なのそうです。
へぇ~。確かに神札を「たいまさん」と呼びますものね。お祓いをする「祓串(はらいぐし)」には、麻が結ばれ、左、右へと動かしお祓いをします。玉串にも麻が結ばれています。
神社にある鈴を鳴らすヒモ状の「鈴緒(すずお)」も麻でできています。そうなんだ!これも麻なのですね~。神様と人を結びつける祈りにはなくてはならない大切なものなのです。神と人の橋渡しにも麻が使われていました。
亀岡市の出雲大神宮(出雲大社と同じ由来というかこちらの方が古いとか、徒然草にも載っている)の鎮花祭(はなしずめのまつり)もかなりよかったな。出雲風流花踊り(京都府無形文化財で衣装はみんぱくに展示)は独特だったし、御神体の岩からめっちゃパワー感じました。最近ももクロが来たらしい。 pic.twitter.com/YuAVnyEYty
— 麦文庫2 (@kagimuta) April 19, 2024
(麦文庫2@kagimutaさん、アップありがとうございます。)
美の壺 小田 英一(おだ えいいち) さん 鈴緒職人 京都市下京区
江戸時代から続く、麻・縄の老舗「小田商店」で鈴緒づくりに密着しました。小田商店は、八坂神社や北野天満宮、松尾大社など京都の名だたる神社の鈴緒をつくっています。
使われる麻は、大麻の茎の繊維「精麻(せいま)」とよばれるものです。つくるのは日本でも数少ない鈴緒職人の小田英一さんです。かたい麻の芯に布を巻きつけその上に精麻を少しずつ重ねて均等になるように巻きつけます。
3本の縄を一組にして撚りをかけていきます。小田商店では、曽祖父の代より鈴緒をつくりはじめ、代々伝統を守っています。使われる道具も特徴的です。
「サル」とよばれる道具は、撚りの強度を調整させるものです。小田さんの父がつくりました。スライドをさせ撚りをかけます。小田さんは、鈴緒を作って50年以上のキャリアで、5000本以上をつくりました。
全国でも鈴緒をつくる店はあるそうですが、仕様が、多少違い、自分の所で作った鈴緒を見つけるとうれしくなるそうです。その気持ちわかります~。きっと、誇らしい気持ちになりますよね。
過去にたくさんの人々が大田原神社に参拝して、それぞれの想いをこの鈴緒に託し、鈴を鳴らしてきたんだ。
歴史と共にこんなにも年老いてボロボロになった鈴緒が、凄く愛おしくなってね、大雨の中この精麻を強く握りしめていたよ。
ずっと人々に寄り添って護ってくれていたんだな。
ありがとう。#精麻 pic.twitter.com/i7d9RMospf— KiLLiNG”麻道 憲三郎”TiME (@ir0nPUNX) June 30, 2020
(KiLLiNG”麻道 憲三郎”TiME@ir0nPUNXさん、アップありがとうございます。)
美の壺:最後のツボ「先人も愛した風合い」
美の壺 岡井 友美 (おかい ともみ)さん 奈良晒専門店 奈良市橋本町
江戸時代の書物『日本山海名物図絵』には、最上の麻織物として奈良晒(ならざらし)が紹介されています。奈良晒は、現在も奈良でつくられています。
奈良晒は、徳川家康が幕府御用品として認められると、武士の礼装装束「裃(かみしも)」や僧侶の法衣に用いられ栄華をきわめました。
「麻布おかい」は、6代続く奈良晒の織元「岡井麻布商店」の直営店です。160年前に創業された麻布製品の老舗で、「麻布(まふ) おかい奈良店」では、さまざまな麻布でできた商品が取り扱われています。
ふきんや敷物など日々のくらしに欠かせないラインナップで麻製のれんが目印です。風になびいた麻のれんに引き込まれそうですね。店内に入ると店主の岡井友美(友見)さんが紹介くださいました。
茶道具で使う茶巾は、「大和機(やまとばた)」とよばれる織り機でつくられた茶巾で、茶碗をふき清めるものとして使われていたそうです。
その昔、奈良晒の茶巾は、千利休が奈良に滞在した時に、白くて美しい最高級の麻織物だと言ったそうです。
明日21日(木)午前中は麻布おかい奈良店は貸切の為午後からの営業になります。
東向店は通常営業になります。
どうぞよろしくお願いします。 pic.twitter.com/1zP428GVtN— 麻布 おかい (@mafuokai) March 20, 2024
(麻布 おかい@mafuokaiさん、アップありがとうございます。)
美の壺 岡井 孝憲 (おかい たかのり)さん 岡井 大祐(おかい だいすけ) さん 奈良晒伝統工芸師 奈良市中之庄
今も伝統の奈良晒をつくる老舗工房におじゃましました。「岡井商店」は、先ほど登場した「麻布 おかい」の運営も行っています。現在、奈良晒の伝統工芸士は、2人、岡井孝憲さん、大祐さん親子のみです。
使う機織り機は、大和機(やまとばた)という奈良特有の機で、この工房でしか使っていないものです。江戸時代に使われなくなったものを図面におこし、つくってくれる人を探して、岡井さんが復元をしました。
使う糸は、2種類ともに奈良でつくられたものです。たて糸は、からむしの糸、緯(よこ)糸は、大麻の糸で、精麻を指でさき、手で紡いだ糸です。撚りはかけません。
大和機は、たて糸を強くはらない特徴があるそうで、厚みがあり丈夫で昔ながらの奈良晒が仕上がります。
岡井大祐さんは、奈良で培われたものがなくなり、昔から奈良にあったものが魅力なのならば、織る立場の者が大和機で織った生地をつくっていかなくてはならないと思ったそうです。
岡井さんの熱意が奈良晒を支えているのですね。奈良で生まれた糸と機、今も奈良晒を守り続けています。
【市内で活躍する作家が伝統工芸士に認定されました!】
県指定の伝統的工芸品である奈良晒(さらし)の製造・販売を行う岡井大祐氏が、その技術が認められて奈良県伝統工芸士に認定されました。 pic.twitter.com/ltnAaLitSH— 奈良市産業政策課 (@naracity_market) February 16, 2024
(奈良市産業政策課@naracity_marketさん、アップありがとうございます。)
美の壺:再放送・バックナンバー情報
NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。
2022 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2020年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2019年はこちらです。
ご参考になさってくださいね。