美の壺 「ドラマを刻む夢舞台 甲子園」<File642>お店や場所はドコ?出演者情報もお見逃しなく!NHK美の壺

こんにちは~。らら子です。

今回のNHK 『美の壺』は、「ドラマを刻む夢舞台 甲子園」。ツタの葉が印象的な甲子園!今年の高校野球もたくさんドラマがありましたね~。

夢や感動がつまった大きなグラウンド「甲子園」の隠されたナゾがたっぷり出てきます番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。

いざ、グリーンと白球のワールドへ。





美の壺:放送内容、出演者情報

【番組予告】

数々の名勝負の舞台!野球の聖地と称される「阪神甲子園球場」。100年の歴史と伝統、野球を愛する思いにあふれる美に迫る!▽日本最古の本格的な野球場、甲子園の誕生秘話!元プロ野球選手・藪恵壹さんが甲子園愛を語る▽野球に最適な土を目指して!グラウンドキーパーの技と誇り▽モダニズム文化を体現!今も残る幻の貴賓室に飾られたレリーフと暖炉!今年誕生した伝統を受け継ぐ「甲子園フォント」<File642>

出典:番組公式ホームページ

【出演】藪 恵壹…元プロ野球選手/丸山 健夫…武庫川女子大学 名誉教授/石田 潤一郎…武庫川女子大学 教授/金沢 健児…園芸会社 チーフグラウンドキーパー/石井 眞由美…建設会社 設計本部/本間 由夏…デジタルフォント開発会社 デザイナー
草刈正雄(ナビゲーター) 木村多江(語り・天の声)





美の壺:1つめのツボ「野球の聖地たる風格」

美の壺 阪神甲子園球場 兵庫県西宮市

兵庫県西宮市にある「阪神甲子園球場」は、日本最古の本格的な野球球場として大正13年(1924年)8月1日に誕生しました。

収容人数47,400人、2024年には、開場100周年をむかえました。甲子園球場へ行くと、まず、外壁をおおうツタの葉が観客をむかえてくれます。

この緑がいいですよね~。

プロ野球球団「阪神タイガース」の本拠地球場であり、春と夏の「高校野球」の会場としておなじみの球場です。

緩やかな傾斜で広がるグランドに観客席は、すり鉢状の構造です。

ワタクシ、初めて甲子園の観客席に入った時、緑がいっぱいに広がって感動しました。浜風を体いっぱいで感じられます。

内野の観客席を見上げると、「銀傘(ぎんさん)」の屋根があります。むき出しの鉄骨が広がり、日差しや雨風から観客を守ります。

日焼け知らずの観客席です。

外野席中央にあるスコアボードは、時計の部分が突き出ている形で甲子園の象徴として受け継がれてきました。

広い球場のあちらこちらに歴史を感じさせます。

(🌸生の松原🇯🇵🌸⛩️@1y8Hao8uLAOhRlFさん、アップありがとうございます。)




美の壺 藪 恵壹(やぶ けいいち)さん 元プロ野球選手

元プロ野球選手で野球解説者の藪恵壹さんが登場します。

阪神タイガースで11年間、エースピッチャーとしてプレーしました。新宮高等学校から東京経済大学へ進学、朝日生命を経て阪神タイガースへ入団しました。

藪さんは高校生の時、甲子園には出場できませんでした。藪さんがプロ野球に進む時、甲子園球場を本拠地に投げられることも選択肢のひとつになったそうです。

藪さんにとって、甲子園のマウンドに立ったときの経験は、今でも心に刻み込まれています。先発投手としてマウンドに立ち、誰も足を踏み入れていないきれいなマウンドを歩いた時の「サクッ、サクッ」という音を聞く快感は今でも忘れられないそうです。

試合がはじまり、一瞬、シーンと静まり返った後に「わっー」と地響きのような歓声を聞くと鳥肌が立ったといいます。

甲子園は、特別な場所だったと語ってくださいました。

藪さんのようなマウンドのサクッ、サクッとした感触は、体験できませんが、2025年9月23日には、「キッズフェスタ×甲子園歴史館」と称したグラウンド見学特別イベントが開催さるそうです。

こちらも心に残る1日になりそうです。

(きなこもち〜@GODZIRRA1954さん、アップありがとうございます。)




美の壺 丸山 健夫(まるやま たけお)さん 大学教授

甲子園の歴史を研究する武庫川女子大学名誉教授の丸山健夫さん。野球の聖地たるゆえんをうかがいました。甲子園三塁側の外周あたりに「甲子園大運動場」の記念碑があります。

記念碑には、甲子園球場初代の姿が刻み込まれています。建設70周年の記念に設置されたものです。

甲子園の建設を決めたのは、当時、阪神電気鉄道の代表取締役をつとめていた三崎省三(みさきせいぞう)でした。

三崎は、19歳のときに単身で渡米、アメリカで本場のベースボールをみて、野球を通じて世界に通用する日本人を育てる事を夢見ました。

三崎は甲子園の名づけ親でもあります。

1924年の英文の手記に「KOSHIYEN GROUND(甲子園 グランド)」とあります。これが日本で現存する最古の甲子園の記述です。

1924年は60年に一度の甲子(きのえね)の年です。いわば干支のトップバッターです。

干支の最初で縁起が良いことから、「甲子園」と名付けられたのだろうと丸山さんは教えてくださいました。

ワタクシ、六甲山の近くにあるからだと思っていました。失礼しました。三崎は、「大きなのをつくらないかん」と言い、ばく大な資金と人を投じました。

着工から4か月半、甲子園は、完成し、日本の野球人気に火をつけました。

(benuet316@benuet316さん、アップありがとうございます。)




美の壺 石田 潤一郎さん 大学教授

開場当時、配布されたリーフレット「甲子園大運動場建設概要」に設計図面が残されています。外野席は、土を盛ったような堤防のつくりで左右対称になっています。

グランドでは野球以外の競技もできるように広くつくられました。馬術やラグビー、スキージャンプの大会もされていたそうです。

内野席は、今も変わらない50段の鉄筋コンクリート製で、屋根は130メートルの大屋根です。

建築学が専門の石田潤一郎さんに建物の価値としての甲子園をひもといていただきました。

当時、入口券売機のアーチ部分は、縁取りがなく単純な形で、幾何学的な雰囲気が新鮮さをかもし出していたようです。

球場内の内野席の銀傘は、鉄のトラスが宙に突き出しtいます。重力にあらがう迫力は現代でも感じられます。鉄の素材そのままにむきだした建築物として見ることはなかった時代、画期的だったようです。

石田さんは、歴史の厚みが甲子園の特別なところだと語ってくださいました。甲子園は、100年前も今も訪れる度に新鮮さを感じさせてくれます。

(三十坪の秘密基地@30tsuboさん、アップありがとうございます。)




美の壺:2つめのツボ「見るもよし プレーするもよし」

美の壺 金沢 健児さん 園芸会社 グラウンドキーパー

プロ野球球団の本拠地で内野が、全面、「土」なのは甲子園球場だけです。土のグラウンドは、白球が映える鏡だと称されています。

独特な黒い土ですね~。

年に1回、1月と7月に行われる特別な整備「堀起こし」は、グラウンドを畑のように耕します。使うのは農作業用の耕うん機です。

縦横すきまなく半日をかけてグラウンドを最高の状態によみがえらせます。

甲子園のグラウンド整備を行うのは、「阪神園芸株式会社」です。グラウンドの整備を担う、この道38年のグラウンドキーパーの金沢健児さんにお話しをうかがいました。

シーズンオフの1月は、掘り起こしの作業に加え、甲子園専用のブレンドした土を新たに加えます。

古くは、神戸の熊内(くもち)や淡路島の土も入れていましたが、現在、新たに補充する土は、鹿児島の志布志(しぶし)の黒土です。

めざす状態は、水はけがよいことに加え、乾くのが遅いことも大切だそうです。

雨が降ったときは、少しでも早く水がはける方がいいが、晴れている炎天下の夏の高校野球には、試合前に散水した水が乾きにくいのが理想だそうです。

野球に最適な土をめざして100年の試行錯誤の末、できた甲子園の土です。歴史の厚みですね~。金沢さんは、全国の学校のグランド管理のアドバイスをされたり、本も出しています。

(【Gakken公式】こそだてまっぷ@kosodatemapさん、アップありがとうございます。)




美の壺 甲子園試合当日に密着

プロ野球公式戦の試合当日に密着しました。グラウンドキーパーの腕が試されます。総勢11名、試合が、始まる直前まで入念にグラウンド整備を行います。

ホースを使った散水は、その日の天候や土の状態によって調整します。土に水をしみこませることで、ボールのはずみ方も勢いも選手のイメージどおりになるよう努めます。

土が乾くとボールがはねて、プレーしにくくなるため、グランドを最高の状態に整え、攻守が入れ替わるたびに整備を行います。この時使うのが、手作業で土をならす「トンボ」です。

使い方ひとつで決まる大切なものです。スパイクのヘコみや盛り上がりは、押して引いてを繰り返しならします。使うトンボは、すべて自作のものです。各々の手にあったマイトンボなんでしょうか。

トンボかけは、3年かけてようやく一人前になるそうで職人さんと同じですね。試合が終わると次の試合に向け準備が始まります。

野球を始めた子どもが一番にあこがれる場所で、プロ野球で一番お客さんが入るのが甲子園です。そのグランドを管理させてもらっているのが一番の喜びだと金沢さんは語ります。

先輩方がつくってくれたものを受け継ぎ、やりがいを感じながらも恥じないようにと思い、日々、土と向き合っています。

(ナゴドーム@kei_nago_draさん、アップありがとうございます。)




美の壺:最後のツボ「100年先にうけつぐ」

美の壺 石井 眞由美さん 建設会社設計者

2009年、球場の9号門に「ROYAL SUITE(ロイヤル スイート)」が新設されました。ロイヤルスイートとは、法人の年間契約による特別観覧席で、空調が完備されています。

平均、1室1,000万円はする、VIPな席です。5階地上の受付には、甲子園が開場された頃につくられた貴重な装飾品があります。

長さ4メートルにおよぶ赤レンガの「暖炉」と石こう彫刻の「レリーフ」です。甲子園とは、また違った素敵な空間で、歴史を感じさせますね。

元は、レリーフも暖炉も旧貴賓室にあったものでした。

甲子園の建築を解説していただいた石田潤一郎さんによると、植物の文様が散りばめられたレリーフは、1920年代後半にフランスで流行したアールデコ様式のものです。

暖炉は、櫛引きもようで、フランク・ロイド・ライトに触発されたものだと考えられています。しかし、貴賓室は、2007年の甲子園リニューアルに伴い取りこわされました。

甲子園リニューアルに携わった株式会社大林組の設計者、石井眞由美さんは、甲子園らしいロイヤルフロアを考えた時、当時の雰囲気を出すのに象徴的に旧貴賓室にあったものを置くのはどうかと提案されたそうです。

100年続いた甲子園の価値を深めているものだと、ロイヤルスイートに移してよかったと語ってくださいました。

(【公式】阪神甲子園球場@enjoy_koshienさん、アップありがとうございます。)




美の壺 甲子園歴史館

球場の外野スタンドに併設している「甲子園歴史館」が登場します。

甲子園歴史館は、高校野球や阪神タイガース、大学アメリカンフットボール(甲子園ボウル)などの歴史資料が展示されているミュージアムです。

館内には、実際に試合で使われていた選手の名前を掲示するボードが展示されています。長方形の黒ボードに白色のペンキで画面いっぱいに書かれた選手の文字は、「バース・掛布・岡田…」とあります。

これは、阪神の前監督岡田彰布監督ですね~。その書体は、独特で「甲子園文字」と呼ばれファンの間では親しまれてきました。ボードの字は、遠くからでも見えやすいような力強い文字です。

すべて職人の手による手書きでした。しかしながら1984年、手描きボードは姿を消します。電光掲示板に移行したのです。

電光掲示板に変わったとき、ファンからは手描きの風情を残してほしいとの声があったそうです。

そんな手描きの甲子園文字に近づけようと「ドット文字」がつくられました。パソコンで1文字ごとに白黒のドットを組み合わせてつくっていたそうです。文字や画数が多いのは大変そうですね。

(からっぽのみかん箱📻🎻🦁@Ken_Vn_seishunさん、アップありがとうございます。)




美の壺 本間 由夏(ほんま ゆか)さん デザイナー 大阪・浪速区

2024年、開場100周年を記念して甲子園文字を引き継いだ新たな文字「甲子園フォント」が誕生しました。デジタルフォントを開発したのは、大阪市浪速区にある「株式会社モリサワ」です。

フォントで有名なあのモリサワですね。「心を伝える フォント」についてはこちらもご覧くださいね。

美の壺 フォント「心を伝える フォント」<File447>お店や場所はドコ?字形や書体、出演者情報もお見逃しなく!NHK美の壺

担当者の本間由夏さんによると、甲子園文字の基本の大枠は、明朝体ですが、横線に対して縦線がすごく太く、コントラストがきいたデザインだそうです。

手描きならではのカーブのやわらかさが甲子園フォントに反映させたいと思ってつくりました。専用のソフトを使い、細部まで形成して2年をかけ、およそ3,800文字を仕上げました。

草刈さんの文字を例に甲子園フォントで表すと、一般的な明朝体より太くてくっきりとして、どこからみても見やすく迫力があります。

新しくなったフォントは、今シーズンのプロ野球の試合から使用され、夏の甲子園でも使われていました。

本間さんは、自分がつくった甲子園フォントは100年後も甲子園で使われるかもしれない。「この書体が、100年先も人々に愛されてほしい」と話していました。

アナログからデジタルへの変換がなんとも素晴らしい。選手、スタッフ、裏方、ファン…、甲子園って、「人」なんだなと思いました。

(老人高校野球@rjn_baseballさん、アップありがとうございます。)




美の壺:再放送・バックナンバー情報

NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。

こんにちは。らら子です。 いつも楽しみに見ているNHK『美の壺』のバックナンバーを2019年後半から現在までまとめてあります。

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こんにちは、らら子です。 毎回楽しみにしているNHK『美の壺』。2022年の放送一覧をまとめてみました。お役に立てれば幸いです。 ...

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こんにちは、らら子です。 2019年7月から始めたこのブログ。記事もたまってきたので月別放送一覧を2019年バックナンバーにまとめてみまし...

ご参考になさってくださいね。