こんにちは~。らら子です。
今回のNHK 『美の壺』は、「瑞穂(みずほ)の国の 龍」。
今年、2024年は辰年、龍は存在しない生き物なのですね。想像上の生き物なのに干支になったり絵になるなんて愛されていますね。龍のヒミツがたっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。
いざ、ドラゴンワールドへ。
【来週の #NHKBS #美の壺】は #龍
今年の干支「辰」にちなみ「龍」を特集!▽弥生土器に描かれた稲妻と龍▽富山・井波の匠による木彫の龍▽ #狩野探幽 の京都・ #妙心寺 の「#八方睨みの龍」▽岐阜の禅寺の障壁画には大迫力の龍▽奈良・室生に伝わる #龍神信仰
17日(水)夜7時30分 #BS pic.twitter.com/SVGemlMuaw— NHK びじゅつ委員長 (@nhk_bijutsu) January 10, 2024
目次
美の壺:放送内容、出演者情報
【番組予告】
2024年の干支「辰」にちなみ「龍(りゅう)」を特集。日本では2000年前の弥生時代に端を発し、人気映画「千と千尋の神隠し」でも強い存在感を放つ。龍の姿を刻む弥生土器。▽若き匠が手掛ける木彫の「龍」▽京都・妙心寺の「雲竜図」。絵師狩野探幽と「龍」▽日本画家・土屋禮一さんの龍の障壁画、誕生秘話。▽清流に龍をとらえる写真家▽龍神信仰が残る奈良・室生。稲わらで作る龍の依り代。<File595>
出典:番組公式ホームページ
【出演者】考古学者…春成秀爾 木彫刻師・仏画師…菊池侊藍 妙心寺 住職…津田章彦 日本画家…土屋禮一 室生寺 住職…山岡淳雄 写真家…堀内昭彦 室生龍穴神社 責任役員…新貝吉則
【ナビゲーター】草刈正雄 【語り・天の声】木村多江
美の壺:1つめのツボ「自然の象徴」
美の壺 春成 秀爾(はるなり ひでじ)さん 考古学者
日本で現存する最古の「龍」は、弥生時代の土器に登場します。大阪府池上曽根遺跡から出土した壺は、線描で龍が描かれています。
弥生時代に大陸から稲作が伝わり、龍の概念が広がっていきました。龍が描かれた土器は、井戸から発掘されました。考古学者の春成秀爾さんに龍について教えていただきました。
魚が水中に住んでいるのと同じように龍も水の中に住む動物と考えられていたそうです。稲作が始まり、田が枯れないように水の神様である龍に雨ごいをして祈りました。
出土している壺は、龍に酒を供えるための器で、井戸は、神様へ願い事をした跡だと春成さんは考えています。
土器に描かれている龍のそばには、木の枝を逆さにしたような形の線が描かれ、その線を春成さんは、稲妻ととらえ龍が降りてきた様子を表現していると考えているそうです。
龍は、水の精霊で、とてつもないエネルギーの持ち主で、見えないものに対する畏怖が魅力だと語ってくださいました。
マルに6本のヒレ状突起があって、マルの中には何らかの生物と思われる目や口が描かれてる絵が、「ネコ」を描いたものだったって話があって(男の子の話らしい)、それを見た瞬間、弥生土器の「龍」が何故、ヒレ状突起だらけなのか分かった気がしました。 pic.twitter.com/iO8AQplynk
— 巫俊(ふしゅん) (@fushunia) August 18, 2022
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美の壺 菊池 侊藍(きくち こうらん)さん 木彫刻師・仏画師
弥生土器から2000年が経った現代、木彫刻師 菊池侊藍さんは、龍の姿をうつし取ろうと奮闘しています。
東京・目黒区にある「関侊雲仏所(せきこううんぶっしょ)」では、不動明王の化身の俱利伽羅龍(くりからりゅう)のあら彫りを200本のノミを使い分け彫り進めています。
龍の姿は、九似(きゅうじ)と呼ばれ、9つの動物に似ていると言われています。角は鹿、頭はらくだ、目は鬼、首は蛇、腹は蜃(しん)、ウロコは鯉、爪は鷹、掌(てのひら)は虎、耳は牛だそうです。
菊池さんは、らくだの形を基本に龍らしい力強さを表現しています。ウロコの1枚1枚もていねいに彫ります。
菊池さんは、龍に特別な思いを寄せてきました。特に「千と千尋の神隠し」のハクのイメージが龍に重なるそうです。
現在の日本は、平和な時代と言われるものの自然災害が増え、人と人の間に存在する繊細な部分が増えている中で、菊池さんは、力強さや迫力と共に繊細さや風格が共存する龍を作りたいと語って下さいました。
https://twitter.com/kitadekazuchan/status/1667782655365230592
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美の壺:2つめのツボ「変幻自在の姿を描く」
美の壺 津田 章彦さん 京都・妙心寺住職
南北朝時代からの由緒ある禅寺「妙心寺」の法堂の天井に舞う龍、≪雲龍図≫は、直径12メートルの円窓の中に描かれています。火事を避け仏法の雨を降らすと考えられてきました。
住職の津田章彦さんによると、当時の住職 愚堂東寔(ぐどうとうしょく)が、何百年先、何千年先も生き続ける龍を描いて欲しいと、狩野探幽(たんゆう)に依頼しました。
すでに江戸幕府のお抱え絵師として名声を得ている探幽は、描いて差し上げよう、という心構えでした。その様子を見た住職が、座禅を組んで構想を練ることをすすめたそうです。
座禅を組むこと3年、禅の本質を知るための問答が、住職と絵師の間に繰り広げられました。探幽は、さらに5年をかけて雲龍図を描いたそうです。
すごいダイナミックな龍ですね。今にも画面から飛び出でてきそうです。
妙心寺の雲龍図は、「八方にらみの龍」と呼ばれ、どこからみてもにらみをきかせています。見る角度によって表情や姿が変わる龍として見る者の心を360年たった今でも映し出しています。
妙心寺へ雲龍図見に行った。雲龍図は撮影禁止なので、ミニの撮影用写真。思ってる十倍ぐらいデカかった。このお寺作るのに富士山麓から丸太搬入した道が丸太町通り。 pic.twitter.com/9ioDZhCscU
— 炎尾燃(みやん) (@honoo_moyuru) January 7, 2024
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美の壺 土屋 禮一(つちや れいいち)さん 日本画家 岐阜県・瑞龍寺(ずいりょうじ)
禅の修行道場の名刹「瑞龍寺」に住む龍は、障壁画の龍です。日本画家の土屋禮一さんが描きました。なんだか愛嬌のある龍ですね。ぎょろっとした眼が印象的です。
土屋さんは、龍を描くとき、瑞龍寺の住職から「蔵頭露尾(ぞうとうろび)」という言葉を教わりました。
「頭隠して尻隠さず」の意味で、しっかり隠しているようであっても周りからは見えている、ということだそうです。
土屋さんは、わかっているようでわかっていない、なかなか姿をあらわさない不動の山と龍を題材に描くことを決め、中国の安徽省へ取材に出向きました。
しかし、大台風に見舞われ、体にロープをつけて、谷の激流の中を渡った経験から自然の見えない力に龍を見た土屋さんは、眼前に広がる山や谷ではなく、目に見えない空気や風、光といった世界観を描くことにしました。
土屋さんは、あえて正面からの龍を描き、暴れてる龍の裏には、彩雲を描きました。土屋さんは、どれも龍の姿でみんなが感じるもの全てが龍なのだと語って下さいました。
土屋禮一 画伯 特別講演会
平成29年3月12日(日)
12:30開場13:00開会
場所:瑞龍寺 本堂(岐阜市寺町19)
定員:100名
参加整理券:500円
申込:第65回ぎふ梅まつり事項委員会 事務局:058-240-6530https://t.co/uGlGAUS7Rc pic.twitter.com/q4eY4D4ZAZ— 麟祥山 瑞應寺 (@ZuioujiGifu) February 26, 2017
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美の壺:最後のツボ「恵みに感謝をこめて」
美の壺 山岡 淳雄さん 室生寺(むろうじ)住職 奈良県宇陀市
奈良県・室生は、清流が流れ人々の暮らしを支えています。室生寺は、平安時代から1000年以上、この室生の町を見守ってきました。
国宝・五重塔は、屋外に建つ木造五重塔としては、法隆寺の次に古く、日本最小の大きさです。興福寺の3分の1程度の高さです。
塔のてっぺんにある九輪の水瓶(すいびょう)は、八角形の傘蓋の形をしていてます。珍しい形で個性的ですね。室生寺に伝わる龍神伝説を住職の山岡淳雄さんに教えていただきました。
創建にも関わった室生寺の僧侶・修圓(しゅうえん)と弘法大師が、どちらが先に雨が降らすことができるのか、祈祷による力比べをしました。
日本中の龍神様をなくしてしまえば雨を降らすことができないと修圓は、五重塔の水瓶に日本国中の龍神様を封じ込めたそうです。
室生寺
五重塔Ⅳ
◉塔頂上の相輪は、九輪の上に普通は水煙を置くが、水瓶を載せて、風鐸を吊りめぐらされた天蓋を作る。
◉平成10年(1998年)の台風により大きな損傷を被ったが、その2年後に修復された。 pic.twitter.com/pbTi1OEIM7— アーバン・カメレオン (@kamereon8300) January 16, 2024
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美の壺 堀内 昭彦(ほりうちあきひこ)さん 写真家
日本各地の奥深い山々や水の豊かな地を訪れ、祈りの風景を撮り続けている写真家の堀内昭彦 さんは、室生の地にもたびたび訪れています。
龍神渓谷には、「龍鎮神社」があります。龍神が住むとされている滝壺の水を聖水として古代より雨乞いの神事が行われてきました。
堀内さんは、1枚の写真をとります。龍神の滝は、深い緑がかったエメラルドグリーンです。水の清らかさが美しく、滝の水の色は、地球の色かもしれないし、龍の眼の色かもしれないと語ります。
堀内さんは、感じられる場所として写真で伝えられればと思い撮り続けています。龍は、エネルギー体で水の流れや雲、自然の象徴としてあらわれたもので感謝の気持ちの積み重ねだそうです。
稲作で米がたくさんとれることは、太陽の恵み、水の恵みだと考えてきました。そんな感謝の心を写真で撮りたいのだと語って下さいました。
くろすけ文庫 今日の1冊
アイヌの祈り 堀内昭彦・写真
求龍堂北海道の大自然と共に生きてきた
アイヌ。
歌って、踊って。
アイヌの祈りには、願い事もあるけれど、感謝を捧げることが多い。
自然の恵み。先祖からのつながり。
アイヌの営みを写した写真集。 pic.twitter.com/1YGmW4IqrG— くろすけ (@kurosuke_01) June 2, 2021
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美の壺 新貝 吉則さん 龍穴神社代表
室生寺の周辺は、「九穴八海(きゅうけつはっかい)」という名の霊場です。その中でも霊験あらたかな「吉祥龍穴(きっしょうりゅうけつ)」と呼ばれる地に龍が住むと考え、雨を願って祈りをささげてきました。
ふもとには「龍穴神社」がまつられ、「宮本」と呼ばれる氏子の人々が社を守っています。宮本の人々は、毎年秋まつりが近づくと龍に見立てた「勧請縄(かんじょうなわ)」を作ります。
収穫したばかりのもち米のわらで龍の頭を作り、うるち米の縄で編んだものを龍の胴体にしてつなげ、青もみじでウロコを表現します。
できた勧請縄は勧請杉につるし、対になるもうひとつの勧請縄を室生寺の境内の「天神社」にかかげます。神社の代表 新貝吉則さんは、例年通り立派なしめ縄ができて感慨深い様子です。
秋祭りの当日、天神社に舞いおりた龍神様は、宮本の人々と共に勧請杉へとお渡りをします。新貝さんによると、龍は水の神様で龍から力をもらえるという信仰が続いているそうです。
室生の人々は龍神に守られて生きています。室生の田に水の恵みをいただき、今年を龍神様に感謝をします。
そして、この先の平和を祈ります。今年もどうか良い年でありますように…。
金堂の右にある天神社で、室生寺の前身。木から下げられているのは龍を象った勧進縄です。少し離れた所に「龍穴神社」の奥に龍穴があり、そのご神体を雨乞いの祭礼を行うのに勧進する為の物で、近隣の村の方が毎年作って取り替えて居られるそうです。 pic.twitter.com/SenbCAfyA1
— 寧楽Diary (@kougengigi) December 1, 2015
(寧楽Diary@kougengigiさん、アップありがとうございます。)
美の壺:再放送・バックナンバー情報
NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。
2022 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2020年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2019年はこちらです。
ご参考になさってくださいね。