美の壺 「奈良の手仕事」<File635>お店や場所はドコ?出演者情報もお見逃しなく!NHK美の壺

こんにちは~。らら子です。

今回のNHK 『美の壺』は、「奈良の手仕事」。
手仕事シリーズ 奈良! 歴史の香りがします~。奈良で育まれた手仕事がたっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。

いざ、天平ワールドへ。





美の壺:放送内容、出演者情報

【番組予告】

春日大社の旬祭で使用される伝統の漆器・日の丸盆。奈良特有の呂色仕上げの秘密。シルクロード起源の「螺鈿」。驚きの手仕事に密着。伝統の酒造り。清酒発祥と言われる寺で作られる「菩提もと」とは?酒粕と塩だけで作られる伝統の「奈良漬」はなんと真っ黒。吉野で発祥した後醍醐天皇ゆかりの三宝。吉野檜を手で曲げる「挽き曲げ」の技。正月に飾る「神酒口」。吉野檜とカンナで薄く削り組み上げる手仕事に迫る<File635>

出典:番組公式ホームページ

【ゲスト】樽井 宏幸…塗師/小西 寧子…漆芸家/大原 弘信…正暦寺 住職/今西 将之…酒蔵 十四代蔵主/今西 泰宏…奈良漬店 五代目/吉谷 侑輝…木工所 七代目/米田 悟…神具店 五代目
【出演】草刈正雄 木村多江(語り・ナレーション)





美の壺:1つめのツボ「1300年の歴史を越える」

美の壺 樽井 宏幸(たるいひろゆき)さん 塗師 春日大社 奈良県奈良市

奈良・春日大社で毎月1のつく日に行われている「旬祭」。

900年欠かすことなく行われています。神に食事を奉じる器は、「漆(うるし)」でできています。

表面に朱の漆が塗られ、「呂色(ろいろ)」とよばれるつややかな光沢仕上げの「日の丸盆」です。こちらも900年変わらない伝統です。

まるで鏡のようですね(*’▽’)

つくるのは、奈良市に工房がある塗師(ぬし)の樽井宏幸さんです。神社仏閣の漆塗りや神事に使う漆器づくりにたずさわっています。

樽井さんによると求められるのは、丈夫なことだそうです。お茶道具でも雑器でもありません。当たっても欠けにくい角が特徴的です。

どのようにしてつくられるのでしょうか。

漆と珪藻土(けいそうど)を焼いて粉末にした「地の粉」と砥石(といし)の粉を混ぜたものを、粗いものから細かいものへと7回から10回程度、塗り重ねます。

多少ぶつかっても欠けない、割れない、めくれないものにします。

漆って堅いのですか~。

やわらかな風合いとは対照的な強さを感じますね。

仕上げは、砥石の粉を使い、手のひらで磨き上げます。手を使うことで機械ではできないツヤを生み出します。

奈良には、鎌倉や室町の時代の漆器が現存しています。

樽井さんは、それに追いつきたいという思いで制作をしているそうです。

(奈良ホテル(公式)@NaraHotel_1909さん、アップありがとうございます。)




美の壺 小西 寧子(こにし やすこ)さん 漆芸家 奈良県奈良市

奈良漆器のもうひとつの特徴が「螺鈿(らでん)」、貝を使った装飾のことです。

春日大社で使われる神へのささげものをのせる「八足案(はっそくあん)」は、8本の脚に施された装飾が目をひきます。

正倉院宝物を起源として奈良で広まった技術です。

うっとりするようなつややかさですね~(^^)。小西寧子さんが制作する螺鈿漆器の制作に密着しました。お父様は漆芸の人間国宝です。

らでんに使う貝は、あわびやシロチョウガイ、クロチョウガイ、ヤコウガイなど数種類を使い分けます。

貝殻のかたい部分をはいでいくと、きれいに輝く真珠層があらわれます。

デザインにあわせて貝をひとつひとつ糸のこぎりで切ります。漆と貝の輝きのバランスが大切です。

切りだした貝を漆で漆器に接着、乾燥させ貝を覆うように漆を塗り重ねます。

図案を確認しながら慎重に貝の部分の漆をテープではがしていきます。

みているだけでドキドキします~(#^^#)

研ぎ炭とよばれる専用の炭でうるしをみがきます。

頭で想像しているとおりになるかどうか、作業の後半になるまでわからないそうです。小西さんは、いくつ作っても満足のいくものはできないと言います。

数回磨きを重ねて柄を彫り、およそ3ヶ月、玉虫色に輝く螺鈿漆器が完成しました。

(正倉院展公式ホームページ@shosointenさん、アップありがとうございます。)




美の壺:2つめのツボ「文化がつむぐ味わい」

美の壺 大原 弘信さん 住職 菩提山正暦寺 奈良市

奈良市の山間にある「菩提山・正暦寺(しょうりゃくじ)」は、創建992年、清酒発祥の地とも言われています。

室町時代の書物『御酒之日記(ごしゅのにっき)』には、正暦寺ならではの製法で酒づくりがされていたことが記されています。

毎年1月、市内の7つの酒蔵が集まり書物にそって「菩提酛(ぼだいもと)」と呼ばれる酒の元「酒母(しゅぼ)」をつくります。

一番の特徴は、酒づくりの最初に作る「そやし水」とよばれる殺菌水です。

といだ米に水を浸し、土地に由来する乳酸菌を入れます。

正暦寺住職の大原弘信さんによると、酸性の酸で雑菌を殺しながらアルコールの発酵を助け、夏でもどんな時に酒をつくっても酸がカバーをするそうです。

すごい!

冷却設備のない時代に夏でも酒づくりができる先人の知恵です。できたそやし水に蒸した米とこうじを入れて発酵させること4日間、菩提酛と呼ばれる酒母ができあがりました。

この酒母をもとに各酒蔵で日本酒がつくられます。ワタクシらら子的にはみんなでひとつの酒母を作ることに心ひかれました~(#^^#)。

(たぬきやままゆ@tanukiyamamayuさん、アップありがとうございます。)




美の壺 今西 将之さん 酒蔵 蔵元当主 奈良県桜井市三輪

正暦寺でつくった酒母は、各酒蔵の元へやってきました。

奈良県桜井市にある江戸時代創業の「今西酒造」でも日本酒づくりが行われています。お店の前には杉玉があります。

コレ、新酒ができた時のサインですよね〜(*’▽’)

造り酒屋さんで見かけます。14代目の今西将之さんにお話をうかがいました。日本酒に含まれる酒母の割合は7%程度だそうです。

93%をこれから増やしていく作業なんだそうです。わかりやすい説明ですこと。

もともとの酒母は共同醸造、ここから先は、酒蔵の個性で、湧く水もこうじも独自のものです。

こうじ、水、蒸した米を入れて発酵を繰り返して日本酒ができます。今西さんは、日本酒は伝統産業の最たるものだといいます。

歴史的で、文化的、地域性もある手仕事だと考えます。

なるほど〜!

いろんなものが詰まったのが日本酒で、奈良にとっての日本酒は、奈良の文化そのものだと熱く語ってくださいました。

酒蔵のみなさんの情熱が奈良の日本酒を支えています。

(ashestoashesage@ashesToAsheageさん、アップありがとうございます。)




美の壺 今西 泰宏さん 奈良漬専門店 店主 奈良県奈良市

「奈良漬」は、日本酒をつくる酒粕でつけられる漬物です。

漬物の最も古い記録は、奈良時代にあります。平城京から出土した木簡には、「加須津毛(かすづけ)」の文字が見られます。

江戸時代創業の奈良漬専門店「今西本店」へおじゃましました。塩漬けした野菜を酒粕につけていきます。使われる酒粕は、熟成が進んだ茶色いものです。

ワタクシが知っている酒かすとは色が違います〜。

材料は、酒かすとは塩のみです。しかし、一回漬けて終了ではありません。5代目当主の今西泰宏さんに紹介していただきました。

3ヶ月漬け込んだ瓜を掘りだし新しい酒かすにつけていきます。つけかえることで酒かすに塩分を取らせて抜かせます。

これを繰り返し6回ほどつけかえます。

最低でも4年、長いものだと24年つけこみます。手間暇がかかってますね〜。子どもが成長するのと同じみたいです~。

10年つけ込むと酒かすは真っ黒です。今西さんに樽の中にある野菜を掘りだしてもらいました。きゅうりの漬物でした。保存食として2年持つそうです。

江戸時代、保存食がなかった頃の保存食です。

塩辛くもなく、酒臭くもなかった奈良漬は、手仕事が生み出す奈良の味わいです。

(etya@etya1966さん、アップありがとうございます。)




美の壺:最後のツボ「伝統を支える自然の恵み」

美の壺 吉谷 侑輝(よしたに ゆうき)さん 木工所 奈良県吉野郡

吉野郡に後醍醐天皇ゆかりの器が、あります。

鎌倉時代、天皇に献上する品物をのせた器として誕生した「三宝(さんぼう)」です。現在は、神前へのお供えや鏡餅をのせる器として知られています。

明治43年創業の「吉谷木工所」では、地元の吉野桧(よしのひのき)を使います。すべてが手作業です。ひとつひとつ手で組み上げていきます。

どのようにしてなめらかな曲線をつくるのか7代目の吉谷侑輝さんに作業の様子を見せていただくと、1枚の板にスリットを入れて曲げていきます。

「挽き曲げ(ひきまげ)」という技術です。

残す厚さは0.6㎜、機械でスリットを入れていきます。季節や天候で木の特性が変わるのでその日ごとにわずかな調整をおこなうそうです。

そして人の手で組み立てていきます。手で組み立てるのは、700年変わらない技法です。

木は、全く同じものはないので、曲げたときにズレが生じて、人の手でフラットになるように微調整をします。

AIではできない大切な手仕事ですね。

(T-connect@t__connectさん、アップありがとうございます。)




美の壺 米田 利次(こめだ としつぐ)さん 米田 悟(こめだ さとる)さん 神具店 奈良県吉野郡

吉野にある明治34年創業の「米田神具店」が登場します。

4代目の米田利次さんが、手作業で神棚をつくりあげています。主に使うのは、吉野桧(よしのひのき)です。

ていねいな仕事ですね。

神棚には、年に1度、正月になると飾られる縁起物が「神酒口(みきのくち)」です。神酒口という名前なんですか〜!

はじめて知りました。

江戸時代に庶民に普及して以来、全国でさまざまな形の神酒口ができました。吉野では、吉野ひのきが使われています。生活の源の「火」と「水」をあらわしています。

確かに炎のかたちに似ていますよね〜。

神酒口をつくるのは、5代目の米田悟さんです。作り手が減っている神酒口をつないでいきたいと祖父から技を学びました。

厚さ7㎜ほどの溝が入った吉野ヒノキをカンナで薄く削ります。カンナが傾くことなく一定の厚さと幅で削り落とすのは技術の見せどころです。

削ったヒノキを手で組みあげていきます。

かたちづくりは、広げるところが一番難しいそうで、最初は苦労したそうです。左右対称にするところは、大変そうですよね~。

わかります~。

神酒口は、木工技術の全てが詰まっていると悟さんはいいます。カンナの削りの技術、形をかたどる手先の細かな作業、神酒口で木工技術の基礎が学べるそうです。

こうして確かな技術が、受け継がれていきます。

(三原 美奈子@tabiazarasiさん、アップありがとうございます。)




美の壺:再放送・バックナンバー情報

NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。

こんにちは。らら子です。 いつも楽しみに見ているNHK『美の壺』のバックナンバーを2019年後半から現在までまとめてあります。

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こんにちは、らら子です。 毎回楽しみにしているNHK『美の壺』。2022年の放送一覧をまとめてみました。お役に立てれば幸いです。 ...

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2019年はこちらです。

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ご参考になさってくださいね。