こんにちは~。らら子です。
今回のNHK 『美の壺』は、「ひらり華麗に 蝶(ちょう)」。
蝶の羽根模様ってきれいですね。絵画や工芸、素敵な衣装もたっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。
いざ、ゆらゆら、てふてふ、ちょうちょワールドへ。
https://twitter.com/nhk_bijutsu/status/1658411975607562244
美の壺:放送内容、出演者情報
【番組予告】
「春の女神」、ギフチョウの撮影に密着▽儚い命の輝きを活写▽金銀箔を背景に乱舞する蝶の絵画▽江戸の画家・伊藤若冲の「芍薬群蝶図」▽明治を代表する七宝家・並河靖之・テレビ初公開の作品も!▽圧巻の輝き!超絶技巧が生み出す螺鈿の蝶▽蝶のデザインで世界を魅了!デザイナー・森英恵さんの信念とは▽華麗なドレスが続々登場!▽伝統の西陣織に蝶の輝き▽人々の夢をのせて羽ばたく!<File 580>
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出典:番組公式ホームページ
【ゲスト】昆虫写真家…海野和男 美術家…小松孝英 漆芸家…橋本千毅 清水三年坂美術館…館長村田理如 デザイナー…森英恵 服飾研究家…深井晃子 西陣帯店三代目…佐竹美都子
【出演】草刈正雄 木村多江(語り・ナレーション)
美の壺:1つめのツボ「出会いの一瞬を切りとる」
美の壺 海野 和男(うんの かずお)さん 昆虫写真家
海野和男さんは、50年以上に渡り世界中の生命感あふれる蝶を追い求めて撮影しています。一番のお気に入りは、マレーシアに生息するアカエリトリバネアゲハです。
首の部分が赤くビロードのような黒とメタリックのような緑の羽根を持ちます。羽根が大きくてきれいですね。広げると15㎝くらいの大きさになります。草花にとまる姿が美しいですね。
海野さんによると、蝶は、人間と同じく目で見る生き物だと言います。そして、魅力的な写真を撮る秘訣は、蝶の生態知ることだそうです。
海野さんは、福井県あわら市へギフチョウを探しに訪れました。黒と黄色の縞模様で日本の本州にしか生息しない蝶で、桜の咲く頃のみ訪れます。カンアオイというギフチョウの幼虫が食べる草を探します。
ギフチョウがカンアオイの葉に卵をつける瞬間に出会い、シャッターチャンスを迎えました。ギフチョウは、卵をつけるとすぐに亡くなります。わずか3週間の命です。
海野さんは、1年に1度、春に出会える蝶は、一期一会のようだと語って下さいました。
コメント映像あり。小諸高原美術館、恒例の夏の写真展。海野先生の作品と共に、日本自然科学写真協会の生きもの写真リトルリーグ入選作品と、今年は若手昆虫写真家の作品も紹介。8/21まで
日本を代表する昆虫写真家 海野和男さんの写真展 小諸|NHK 長野県のニュース https://t.co/J3jvI8c47k— highland feet (@highland_feet) July 26, 2022
(highland feet@highland_feetさん、アップありがとうございます。)
美の壺 小松 孝英(こまつ たかひで)さん 美術家 宮崎県
小松孝英さんは、宮崎県を拠点に国内外で高い評価を受けている美術家です。日本画の技法の金箔や銀箔を背景に蝶が舞う姿を描きます。
父の影響で幼い頃から蝶を観察することが好きでだったそうです。着ていらっしゃるシャツも蝶柄です。お好きなんですね。
小松さんは、子どもの頃の記憶の中にある蝶を大切に描いています。作品の≪流水吸水図≫は、子どもの頃に見た、雨上がりの春の日に水たまりに蝶が群れる「集団吸水」の姿を描きました。蝶の生命力を感じる瞬間です。
小松さんの住む宮崎県は、亜熱帯と熱帯の地域の蝶が見られ豊富な種類の蝶がいます。延岡市の保育園には、小松さんがこれまでに出会った蝶を描いた作品があります。
天井画のようになっていて園児たちが見ることができます。素敵ですね。小松さんは、自然環境が変化する現代、身近にいる蝶の姿を子どもたちに見て欲しいという思いからです。
自由な発想で探してもらいたいと想像上の蝶まで描き込まれています。ユニークですね。小松さんは、自分が子どもの頃にいた蝶を知ってもらい、実際に外へ出て探してもらいたいと語ってくださいました。
https://twitter.com/lisadon0224/status/1571058680002654209
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美の壺:2つめのツボ「永遠の命を吹き込む」
美の壺 村田 理如(むらた まさゆき)さん 清水三年坂美術館館長
古くから日本は蝶を愛できました。平安時代の「源氏物語図屛風」や伊藤若冲の「動植綵絵―芍薬群蝶図」にも蝶が描かれていました。
また、短刀の鞘にも蝶が、かたどられ、さなぎから華麗に生まれ変わる蝶は、武士からも縁起物として好まれました。
明治時代を代表する七宝家 並河靖之(1845-1927)の≪瓢型花生一対≫は、透明感のある艶やかな黒い素地に華やかな蝶が描かれています。きれいな蝶ですね。羽根が素敵です。
描かれている蝶は、想像上のもので独創的な羽根が美しさを強調しています。並河靖之は、有線七宝をきわめ、いままで七宝にはなかったさまざまな色を生み出しました。
清水三年坂美術館 館長村田理如さんは、並河が描いたのは、極楽浄土にいる蝶だったと考えています。
現世にいる蝶の色は限られているが、現世を超えた美しい蝶を描いて自身が発明した色をより有効に使ったのでだろうと蝶を題材にした理由を語って下さいました。
https://twitter.com/LogyMiroku/status/1120324545057972224
(弥勒logy(みろくろじー)@LogyMirokuさん、アップありがとうございます。)
美の壺 橋本 千毅(はしもと ちたか)さん 漆芸家 富山市
橋本千毅さんは、超絶技巧で蝶を表現する漆芸家です。子どもの頃から好きだった蝶をテーマに作品を作っています。
蒔絵の上に蝶がのっている≪蝶華螺鈿薪絵箱≫は、まるで本物の蝶が箱にとまっているみたいです。羽根の輝きは、貝殻の輝きです。螺鈿でつくられています。
橋本さんは、蝶の羽根が貝と同じ構造色であることに注目しました。天然の貝より色を取り出します。ひとつの貝殻から12の種類の色が取り出せるそうです。
羽根のつややかな部分は、漆を塗ります。羽根の色は切り出した貝を一粒一粒貼っていきます。細かい作業ですね。
橋本さんは、下地・塗り・蒔絵・螺鈿細工に至るまで全ての工程を一人で行います。橋本さんは、蝶は、神様が作った造形物みたいだと言います。
本物にどれだけ肉迫できるか、かっこよくリアルに作りたかったそうです。美しいものは、時代が変わってもずっと長く美しくいてほしいという橋本さんの思いが本物さながらの蝶に込められています。
パナソニック汐留美術館「和巧絶佳」写真撮影OKでしたが、とても写真に収めきることはできませんでした。橋本千毅の螺鈿・蒔絵の技術を駆使した作品の素晴らしさといったら言葉になりません。特に《薔薇螺鈿箱》の薔薇の繊細な色の重なりには生きている花にはない伝え続けていける華がありました。 pic.twitter.com/e9wUlBz1jy
— 気ままに美術展 (@bijyutu_daisuki) August 7, 2020
(気ままに美術展@bijyutu_daisukiさん、アップありがとうございます)
美の壺:最後のツボ「夢をのせて羽ばたく」
美の壺 森 英恵(もり はなえ)さん オートクチュールデザイナー 深井 晃子(ふかい あきこ)さん 服飾評論家
2022年に亡くなった森英恵さんは、日本初のオートクチュールデザイナーです。島根県出身の森さんにとって、蝶は特別な存在でした。
蝶の訪れは、花がいっぱい咲き、外で遊べる春がやってきた合図でした。蝶の華麗だけど短命な儚い美しさは、森さんの美意識に通じるものでした。
森さんのデザインしたドレスはどれも華やかで日本的なものです。緑色のサテンドレスにうすい羽を重ねた作品は、ボリュームあるスカートが、羽根を広げた蝶のようです。
胸元に大きな蝶のモチーフがあしらわれた黒いドレスは、手を広げると羽根を羽ばたかせたように見えます。
森さんがモチーフとする蝶の柄は、決してヨーロッパでよくみられるものではありません。日本の着物や帯など、日本独自の柄として使われていました。
服飾評論家の深井晃子さんによると、森さんは、日本の美意識を持って、世界の人々に見てもらおうと思っていたそうです。
森さんの原点は、ニューヨークでみた「オペラ 蝶々夫人」です。ニューヨークで見た蝶々夫人は、みじめな姿で描かれていました。ひとりの日本女性として、日本女性のイメージを絶対に変えると心に誓ったそうです。
2004年に行われた森英恵さん最後のパリコレ。フィナーレでショーのラストを歩いた森泉と、後ろには冨永愛の姿も。日本を代表するデザイナーの方々の訃報が続いていて悲しい。 pic.twitter.com/127F1Br5Hy
— Jun (@2030nen) August 17, 2022
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美の壺 佐竹 美都子(さたけ みつこ)さん 西陣織店三代目 京都市北区
京都にある「西陣坐佐織」は、伝統的な製法で織り、皇室にも帯を納めた老舗です。三代目の佐竹美都子さんは、アテネオリンピックのセイリングにも出場した選手でした。
佐竹さんは、世界の選手たちとの交流の中で、日本の伝統文化について語れなかった苦い経験がありました。
引退後、家業の西陣織を通して日本文化を発信したいという思いが募り、10年前から蝶をモチーフに帯を作り始めました。
アサギマダラという蝶が群れで2000キロの海を渡るたくましさと、厳しい現代社会を生き抜く女性を重ねて、着物という羽根を持って羽ばたいてほしいという思いから「かはひらこ」(大和言葉で「蝶」)というブランドを立ち上げました。粋な名前ですね。
佐竹さんは、身近に着られるように、伝統的な柄を使わず、独創的なデザインを取り入れました。一からデザインを起こし、どの糸で織るのか設計図を作ります。
立体的に織ることで角度によって色が変わります。一匹、一匹ばたいた蝶は、一人一人に輝いてほしいという佐竹さんの思いが込められています。
ご自身が作った帯を身に着けた佐竹さんの姿は、一層、輝いてみえました。
✨きものと【PICK UP!】
かはひらこ主宰・佐竹美都子さんによるトークショーレポート!「オリンピックと西陣織のよもやま話」in二子玉川 華ときもの祭
花にも引けを取らない「かはひらこ」の華やかな作品の数々が会場にはお目見え。 #京都きもの市場 #きものと https://t.co/gQK9kHxCya pic.twitter.com/8K9dtmEHEK
— 京都きもの市場 (@Kimono_ichiba) December 27, 2021
(京都きもの市場@Kimono_ichibaさん、アップありがとうございます。)
美の壺:再放送・バックナンバー情報
NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。
2022 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2020年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2019年はこちらです。
ご参考になさってくださいね。