こんにちは~。着物大好きらら子です。
今回のNHK 『美の壺』は、「風土を織り込む 紬」。
日本の伝統的な着物、紬(つむぎ)は、素朴な風合いながら今や着物好きあこがれの高級品。
結城紬、大島紬、天蚕糸を使った現代的なデザインの織物もたっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。
【一度は袖を通したい】
天 大 結
蚕 島 城
紬 紬 紬゜*。・*゜ ヽ(*゚∀゚)ノ.・。*゜。
絹糸を染めて織り上げる着物、紬の世界です(憧れます)。
美の壺「風土を織り込む 紬」
7(金)夜7:30[BSP][BS4K]https://t.co/tpdRfM32UN pic.twitter.com/5bWIp1sS13— NHK広報局 (@NHK_PR) May 6, 2021
いざ、軽くてあったか丈夫な紬ワールドへ。
紬の回は、こちらも合わせて御覧くださいね。
美の壺 「奄美大島 大島紬(つむぎ) 」<File254 >番組紹介のお店や場所はドコ?出演者情報もお見逃しなく!NHK美の壺
目次
美の壺:放送内容、出演者情報
【番組予告】
絹糸を染めて織り上げる着物、紬(つむぎ)
▽繭から真綿を作り、手で糸を紡ぐ結城紬
▽奄美大島で絹糸を染めるのは島の泥。清流で泥を流すと現れる艶めく黒。大河ドラマ「西郷どん」のテーマ曲を歌った里アンナさんが祖母から受けつぐ泥大島を着て歌う「糸繰節」
▽長野県安曇野で守られてきた、絹のダイアモンド、天蚕糸。神秘の輝きが紬に。
▽古美術鑑定家中島誠之助さんも登場。紬と古美術の共通点とは?<File 537>
出典:番組公式ホームページ
【ゲスト】中島誠之助・里アンナ・小林親弘
【出演】草刈正雄 木村多江(語り・ナレーション)
美の壺:1つめのツボ「平らかに積み重ねる糸の温もり」
古美術鑑定家が語る紬
あの名調子でお馴染みの古美術鑑定家 中島誠之助さんが登場します。いつも着物姿の中島先生、今日は、25年着ているという結城紬で登場下さいました。
お似合いですね。紬は、土地、土地の風土を映し出し着れば着るほど愛着が湧きなじみます。くず繭を真綿にして染めた絹糸を織った着物は農閑期の仕事として伝わりました。
中島さん曰く 紬は、手仕事で紡いでくれた人たちの技が肌に伝わってその土地の風土が伝わります。そして、それは古美術に似ています。
古美術が、何百年前の人と対話をするのと同じように、紬も当時作った人と対話ができるのです。
決まり文句の「いい仕事してますね~」は、見た目ではなく作った人の心がこもっていて、作った人の日々の積み重ねが積み上げられ拡がり、文化へとつながっていくのだと中島さんは語ってくださいました。
結城紬の魅力 呉服問屋店主 奥澤武治(おくざわ たけじ)さん
茨城県と栃木県の山間に流れる鬼怒川は、「絹の川」とも呼ばれるほどの桑畑が広がる一大養蚕地でした。
江戸時代、贅沢が禁止されていた時代でも地味な外見と質素で堅牢な結城紬は武士や町人が愛着を持って身に着けていました。
最も好まれた点は、温かな着心地と肌触りの良さにあると言います。114年前より結城紬を扱う問屋店主の奥澤武治さんに結城紬についてうかがいました。
結城紬は、手で真綿から糸を紡ぎ、たくさんの空気を含んで温かいです。子どもの頃、風邪をひくとお母さんやお祖母ちゃんに首の周りに真綿を巻いてもらった思い出を語ってくださいました。
きっと結城紬ができたのもこんなに温かくて軽い糸を紡いで織ったらいいものができるだろうと生きるための知恵から生まれたのではお教えくださいました。
茨城県の「つむぎの館」 結城紬の産地と消費者つなぐ https://t.co/qxSmzFP1YP 茨城県結城市が主産地の絹織物「結城紬(つむぎ)」がユネスコ無形文化遺産に登録されてから10周年を迎えた。着物離れや後継者難が続く中、産地と消費者をつなごうと製造卸問屋の奥順が2006年に開設したのが「つむぎの…
— museumnews jp (@museumnews_jp) November 22, 2020
(museumnews jp @museumnews_jpさん、アップありがとうございます。)
紬が織りなす技「真綿かけ」 植野知恵(うえのちえ)さん
では、繭はどうやって紬へと生まれ変わるのでしょうか。この道50年、希代の名人と呼ばれる人物がいます。植野知恵さんです。
「真綿かけ」の工程を拝見しました。湯の中で真綿を一つ一つほぐしながら裏向けて袋状に重ねていきます。繭を5個分重ねたら両手を八の字にして厚みが均一になるよう伸ばしていきます。
繭を袋状にするのは弾力のある上質な糸を取るための先人の知恵だそうです。リズミカルに繭をむいていく上野さん。お蚕さんが出口を見つけてくれてくれるのだとか。
「紬」の語源は真綿から糸を紡ぐことから由来しています。次に乾いた真綿を途切れないよう紡いでいきます。どこまでも1本の平らな糸です。
節があると後で糸が切れる原因になります。唾液が糊の役目を果たし1本の糸になりました。1着の紬に必要とされる繭玉は、なんと2000個、30㎞、30か月の時間を費やします。
植野さんのお蚕さんに感謝しながらの作業に感銘を受けました。
「亀甲模様」を織りなす技 野村孟(のむらたけし)さん、小島美佐子(こじまみさこ)さん
結城紬の代表的な模様の「亀甲模様」は、六角形の中に十字を描く絣模様です。染め上げた糸を織りあげることで生まれてきます。ここにも匠の技がありました。
野村孟さんが「絣くくり」の様子を見せてくださいました。糸に墨で印をした部分に木綿糸を結びます。その後染め上げますが、糸を結んだ部分のみ染まらずに模様として残ります。
1つの着物の紬に平らに平均的にくくりつける糸は、10万か所に及びます。心穏やかに平らに括り付けます。集中力が問われる作業ですね。
そして、染め分けた糸は縦糸、横糸に張り織りあげられ亀甲模様が浮かび上がりました。人機一体となり糸は布に織り上げられていきます。
織り手の微妙な腰の動きで縦糸に張り具合が変わると言われます。地機織の伝統工芸士の小島美佐子(こじまみさこ)さんは、手で紡いだ糸だからこそやさしい風合いが生まれます。
と結城紬の温もりを伝えてくださいました。古から伝わる手仕事は世界無形文化財に登録されています。
https://twitter.com/HDTchNe057Ta3oM/status/1222337565874737152
(彩きもの学院@HDTchNe057Ta3oMさん、アップありがとうございます。)
美の壺:2つめのツボ「土が染める黒の味わい」
糸繰節に育まれて 里アンナ(さとアンナ)さん
大島紬の故郷奄美大島です。大河ドラマ「西郷どん」のメインテーマを歌った里アンナさんが登場します。
奄美大島で育った里さんにとって、大島紬は常に身近な存在でした。祖母様が機織りの仕事をされていたそうです。
その傍らで祖父様に「糸繰節」の手ほどきを受けながら歌唱の腕を磨いていたそうです。この日、来ている着物は祖母様から受け継いだ大島紬で唄を披露いただきました。
里さんが身にまとった大島紬は、杉木立柄と呼ばれるもので島の泥で黒く染めたものです。地味で繊細なのに凛とした強さや艶やかさを感じます。
この着物を着ているとおばあちゃんと一緒にいるような、おばあちゃんに守ってもらっているような気がします。と里さんはお祖母様を懐かしみ大島紬の魅力を語ってくださいました。
https://twitter.com/annasato0822/status/1387972271562575873
(里アンナ(anna sato)@annasato0822さん、アップありがとうございます。)
泥が生んだ宝石
江戸時代、大島紬は税として納めていた貴重な織物でした。着ることを禁じられていた島民は持っていた紬を田んぼに隠し黒く染まったことが大島紬の由来になったそうです。
大島紬の伝統的な柄の龍郷柄の図案です。蘇鉄やハブの模様は点のように細かく染め上げられ糸がつながって柄となります。まず白く染めを残す部分を木綿糸で締め込み布状にします。
そして染の工程へ進みます。大島紬の醍醐味「泥染め」の工程の前にもうひとつ大切な工程があります。車輪梅と呼ばれる木材から抽出した染料で染めるのです。
車輪梅にはタンニンが含まれていて雨風が強いほどタンニンが多く含まれるそうです。車輪梅を細かく砕き2日間煮出し1週間寝かせ発酵させた抽出液に布をつけます。
染まり具合を確認しながら何回も繰り返し揉みこみ鮮やかな赤土色に染まりました。そして泥田(どろた)へ向かい「泥染」をします。
泥の中に含まれる鉄分がタンニンと反応し黒く変化していきます。車輪梅と泥田に染める工程を何度も繰り返し艶のある黒を追い求め漆黒の黒が現れました。
自然と人とが織りなす偶然の賜物の大島紬です。
https://twitter.com/float_y9/status/1325273232572706817
(風呂音@float_y9さん、アップありがとうございます。)
美の壺:最後のツボ「自然が宿る糸の輝き」
絹のダイヤモンド
長野県安曇野 北アルプスの麓には、「絹のダイヤモンド」と呼ばれる紬があります。天蚕(てんさん)、山繭と呼ばれる繭から取られた希少な糸です。
その色は萌黄色で光沢があり、平織の上に天蚕の糸を載せて織り込みます。日本在来種の天蚕はクヌギの葉を食べて緑の繭を作ります。
温かく伸縮性に富んでいて普段着として織り込んできました。江戸時代、農家の人々は保湿性と輝きを併せ持っている天蚕を育て、糸をとり機織りを始め明治30年代に最盛を迎えました。
そんな矢先、広大な山林が陸軍の演習地として開墾され天蚕は姿を消しました。戦後、僅かに残ったクヌギを育てることから始まった天蚕の糸作り。
天蚕振興会の田口忠志さんは希少な天蚕を昔ながらの方法で紡ぎ守り伝えています。人がクヌギを守りクヌギは萌黄色の糸を育んでいます。自然と共存しながら大切に守り伝えています。
【補足】
安曇野市天蚕振興会さんhttps://t.co/1iO2lhuwPOより pic.twitter.com/uxxUYk1DG0— 〜養蚕技術継承PROJECT〜 (@Yousan_Skill) May 21, 2019
風土が生んだ煌めき 武井豊子(たけいとよこ)さん
僅かしかできない天蚕の糸は装飾として使われています。藍や茜色に染まる空に差し昇る朝日を天蚕で織り込み表現しています。
また、ヨモギなど草木染の糸で織った紬に天蚕の糸が生かされています。
武井豊子さんは、松本で45年間、地元の草木で染めた糸で織っています。自然の恵みをいただいて織ると自分の持っている以上の力をもらって出来上がっているように思います。
風土の持つパワーが作品にみなぎっているとお話しくださいました。紬には自然を敬う日本の心がこもっています。心から温まる紬、大切にしていきたいですね。
https://twitter.com/kimonostation/status/1331541517882716160
美の壺:再放送・バックナンバー情報
美の壺・合わせて読みたい バックナンバー
NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。
2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2020 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2019年はこちらです。
ご参考になさってくださいね。
美の壺・放送予定。再放送はいつ? NHKオンデマンド登録で見逃し視聴もできます。
今回の『美の壺』初回放送は2021年5月7日(金)でした。番組内容もこの時点のものです。
放送スケジュールは2021年4月現在で、
Eテレ「美の壺・選」の放送は、日曜日午後11時~、再放送は毎週木曜日午前11時~です。
BSプレミアム「美の壺」は毎週金曜日午後7時30分~、再放送は毎週土曜日午前6時45分~です。
また金曜日午後0:30〜午後1:00からBSプレミアムでの再放送も始まりました。
BS4Kは、BSプレミアムと同じ毎週金曜 午後7時30分で、再放送は回数が増えて、
日曜日午前6時45分、月曜日午後4時00分、金曜日午前9時00~の3回あります。
キレイな画質のBS4Kは美の壺のような番組にはピッタリですね!
NHKオンデマンドなら月額の見逃し見放題パックや単品視聴ができます。月々500~600本の番組が放送当日または翌日から見られます。
最近では「ないエンタメがない」がキャッチコピーのU-NEXT(ユーネクスト)も話題ですね。最初の31日間は無料おためし期間だそうです。
【参考サイト】
番組公式ページ https://www.nhk.jp/p/tsubo/ts/3LWMJVY79P/
NHKオンデマンド https://www.nhk-ondemand.jp/
NHK クロニクル https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/
NHKの旧美の壺詳細サイト https://www.nhk.or.jp/tsubo/program/