感想:ダル・レークの恋@ACTシアター:月城かなと・海乃美月【月組次期トップコンビ】

こんにちは。らら子です。
先日、赤坂ACTシアター月組・月城かなと主演『ダル・レークの恋』をオンラインで観劇しました。

もともと全国ツアーとして企画されたこの公演でしたが、コロナ禍で全国ツアーは中止となり、赤坂ACTシアターと梅田芸術劇場での上演となりました。

ワタクシらら子もチケットをお願いしていたのですが、緊急事態宣言発出を受けてのまさかの客席数半減で、チケットお断り。リアル観劇は夢となってしまいました涙

確かに赤坂ACTシアターは、他の劇場に比べると動線も客席も密になりやすいですからねー。ロビーや通路も狭いし。しかたのないことですが、早く通常公演が戻ることを祈るばかりです。




感想『ダル・レークの恋』月城かなと主演

『ダル・レークの恋』は、「インド北部のカシミール、ダル湖を舞台に繰り広げられる若き騎兵大尉ラッチマンと貴族の娘カマラの燃え上がる身分違いの恋、そして、その運命的な結末(出典:公式サイト)」

1959年トップスターだったころの春日野八千代先生の演出と主演、1997年星組麻路さき、2007年には瀬奈じゅんで再演。初演に華やかなレビュー部分が加わり、いずれもダンス上手なトップスターが主演して話題を呼びました。

ここだけの話、再演から加わったという主題歌「まことの愛」は、今回の月組公演で初めてメロディがよくわかりました。名曲ですねぇ。

今回は月組2番手の月城かなと主演。次期トップスターとして安定のポジションにいる彼女ん、心技体とも充実の時を迎えています。品がよく、なによりとにかく美しい。

そして相手役は実力派の海乃美月(うみのみつき)こと、くらげちゃんです。トップ娘役争いには微妙なポジションにいる彼女。らら子はくらげちゃん贔屓なのでとても楽しみにしていました。

追記!月組 次期トップ娘役に就任が決定しました!




感想『ダル・レークの恋』インド感満載の見応えのあるダンス:白眉は水の青年と少女

オープニングから暁千星ちゃん踊らされまくってます。

インドっぽい動きを交えながら複雑なフォーメーションもあって、ダンスは見応えがあります。
のちのち、「このダンスのお稽古が大変過ぎてお芝居がおろそかになったのでは?」という疑惑が浮かんでしまいました。

ひときわ目を惹くのは、水の少女のダンサーコンビ。彩音星凪くんは特に立ち姿も美しいです。

水の青年は彩音星凪(あやおと せな)くん。少女は菜々野あり(ななのあり)ちゃん。

あれれ月組エリザ―ベートの少年ルドルフ役と新人公演での少年ルドルフ役ですね。少年ルドルフ役コンビで息もぴったり。

二人ともこれからが楽しみです。




感想『ダル・レークの恋』舞台全体を埋めるのは月城かなと

月城かなとさん。文句なく美しい。そして心技体の充実が彼女をひときわゆったりと大きく見せています。

舞踏会で自信たっぷりに登場するのも、ご婦人方にモテモテなのもよくわかる。
農民出身といわれてもつい納得してしまう、彼女の朴訥とした雰囲気がいい効果を生んでいます。

恋の最高潮でいきなり、身分の差を理由にいわれなき侮辱を受けて虫けらとまで言われたラッチマン。一方的に裏切られ、詐欺師として屈辱的な扱いを受け、度重なる手のひら返しにラッチマンの心はズタズタです。

詐欺師の疑いを受けてからは、月城かなとさんのラッチマンは一生懸命悪そうな顔をしていますが、どこか悪人になり切れない、どこか冷酷になりきれない、それが却って切なさを際立たせます。今回初めてラッチマンがいい人だと思えました。

ラッチマンはいいのですが、他のキャストはどうも幼さが目立ちます。月組そのものが若いし、今回はベテランが別箱で公演中なのもあるのでしょうが、なんとなく新人公演チック。

古風なセリフ回しが板についていないというか、50年前の脚本を上演するのには現代っ子が抜けきらないような、おかしな間合いだったように感じました。




感想『ダル・レークの恋』バリバリ踊るカマラ:海乃美月ちゃん

海乃美月ちゃんのカマラ。名門の家に生まれ何不自由なく育ち、女官長としての輝かしい将来も約束されている。恋の絶頂期になりながらラッチマンに残酷な愛想尽かしをするように命じられる。家のしきたりを重んじる純粋なお姫様。

悪人!人非人(にんぴにん)!とののしって拒否しながらも、ラッチマンの魅力にあらがえないカマラ姫。だってホントは好き!でもやっとの思いで振ったのに、自分は騙されていたの?あの優しかった日々は何だったの??と揺れる心。

ぽっきり折れそうな心をなんとか支えているカマラが痛々しくて涙を誘います。

今回思ったのですが、海乃美月ちゃんは意外と男役っぽいんですね。オトコ顔だし、ダンスもバリバリだし、フィナーレナンバーでトップ3人で踊るシーンはカッコよかったです。




『ダルレークの恋』といえば、ベッドシーン。痛いほどの絶望。

『ダルレークの恋』はベッドシーンが衝撃的。あの美しい丸いベッドは?回転ベッドなの?とかいろいろと妄想してしまいます。

くるくるくるとカマラの身体が回転するにつれ、巻かれた美しい布がほどかれ、また戻り、またほどかれ、と美しいシーン。
美しく官能的でそして上品。求めあいながらも傷つけあう二人の絶望が痛いほどです。

「いやこの人たちホントは乙女なんだよね……」ドキドキしてしまうR15シーン。

今回の公演は、ベッドシーンは確かに美しいのですが、ねっとり官能的でなかったかな??
海乃美月ちゃんの鍛えられたスレンダーなボディも健康的だし、カマラは「いやよいやよも好きのうち」ではなく、戸惑いの中に身を置いた純情でうぶなお姫さまぶり。

なんといっても、つい数時間前までは相思相愛の誰もがうらやむカップルなんですもんね。
リゾート地で盛り上がった恋、最高潮に達した後に結ばれるのがこんな状況とはねぇ。

二人が二人とも傷つけあい求めあい、絶望の中で迎えた朝。ラッチマンはカマラに庶民の祭りの中に交わることをに要求します。周囲に冷やかされて、のろけて見せる二人。開き直ったカマラを辛そうに見つめるラッチマンの表情がまた心を打ちます。




感想『ダル・レークの恋』暁千星はダンサー要員か?

ダンス上手な暁千星さん。本作でも踊りまくってます。体幹使ったムリなポーズとかさすが。

お芝居でのペペルまたは詐欺師としての顔はちょっとどうなんでしょう。パリでは世間知らずの妹姫とチャラチャラ遊んでいるペペルの時は、やんちゃなアリちゃんでいいのですがー。

正体が分かってからの詐欺師の役は凄味が足りないなぁと思ってしまいました。詐欺師と素性がバレたあとは、ガラリと変わってふてぶてしさとか凄味が増してほしいんですけど、不良少年みたいになっちゃってるのが惜しかったです。

フィナーレナンバーの見応えがありました。特に月城かなと・海乃美月と3人で踊る白いお衣装のダンスは素敵。




感想『ダル・レークの恋』王族の皆さんは超あねさん女房?風間柚乃の善人ぶりが眩しい。

今回はカマラの祖父チャンドラが千海 華蘭、その妻インディラ役が専科から梨花ますみ。カマラの従兄クリスナ役が風間柚乃、その妻アルマが夏月都。妻役はそれぞれかなり上級生なので、年の差カップルですね。

周囲がみんな若いので、貫禄たっぷりのお二人が出てくると安心します。

二人ともいかに名門の一族の名誉を守ることには一致していますが、若いアルマが保守的なのに対して、インディラは酸いも甘いもかみ分けた達観ぶりを見せます。アルマとインディラの丁々発止ぶりもニヤニヤが止まりませんでした。

クリスナは本作きっての優しい善人。風間柚乃ちゃんは、ほわわんとして文句のつけようがないクリスナぶり。後半では暗君ぶりをほのめかされていますが、一族の体面は気にしつつ現実的な解決方法を提案するなど、実はできる人っぽい。

梅田ではペペル役が風間柚乃ちゃん。打って変わったプレイボーイぶりと詐欺師のすごみを見せてくれるのでしょうか。



感想『ダル・レークの恋』金の男Aと歌手:夢奈瑠音ちゃんに目を奪われる

いつも目を奪われてしまうのが、夢奈瑠音ちゃん。金の男Aとしてキレキレなダンスも魅力的ですが、終盤でソロ歌もすばらしい。

スタイルもいいし、化粧映えする彫りの深いお顔もいいし、なにより彼女の魅力は上品なたたずまい。

梅田芸術劇場ではクリスナ役が夢奈瑠音ちゃんに。彼女もクリスナにぴったりの上品でお人好しな雰囲気を持っているので、役代わりが楽しみです。




若手娘役:きよら羽龍 詩ちづる

まんまと詐欺師の色仕掛けに騙された妹姫リタ役のきよら羽龍ちゃん。

鳴り物入りだった彼女は新人公演ヒロインに決定していましたが、残念なことにコロナ禍で新人公演は見送りに。まだまだ若いのでこれからチャンスもあるし、すでに順調に真ん中を歩いています。

今回は初めてじっくり拝見しましたが、彼女はわりと庶民的なお顔立ちなのですね。王族の姫感はあんまりなかったかも。責任の軽い妹姫、幼く世間知らずの姫という雰囲気がよく出ていたと思います。

ビーナ役の詩ちづるちゃん。今までノーチェックでした。可愛いですね。

ホテルの従業員として、蘭尚樹くん演じるラジオンと夜中にこっそり抜け出したりするわけですが、天真爛漫な感じがとてもいいです。わかりやすい可憐さ。

自由に恋愛する若者を見て、王族たちが羨望を覚えるのも無理はないですね。




感想『ダル・レークの恋』見どころはベッドシーンではない

「ボタンの掛け違い」で絶頂期に摘み取られた恋。

宝塚にありがちなご都合主義なら、農民出身と思われてさんざ愛想尽かしをされたラッチマンが実は……ということでめでたく結ばれるのですが、そうじゃないところがすごい。

こうやって「素性が知れない」という伏線はこうやって回収されるのかと目鱗でした。そして相応しい二人だとわかっても、頑なに別れを告げるラッチマン。

部屋に一人残されて、床に身を投げ出して号泣します。次のシーンはパリでの人探しのシーン。あまりのショックに精神に異常をきたしている様子です。何人めかに話しかけられたのは、ラッチマンの馴染みのクラブのママ。とっさにすべてを察して知らないふりをします。

切ないやさしさですね。

王族として身分社会のなかにがっちりを組み込まれていれば安泰な生活なのに、そこから逃げよう逃げようとするラッチマンと、なんとかなりあがっていこうとするペペルの対比。

体面を守ることばかり考えている一族とそれに従っていたカマラ。自分に正直に生きていたつもりが詐欺師に騙されていた妹リタ。姉妹は心通じ合うけれど、恋の行方はどこまでも平行線です。




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