感想:星組ロミジュリB無観客ライブ配信(東京)ネタバレ宝塚歌劇団ロミオとジュリエット

こんにちは。らら子です。
宝塚星組ロミオとジュリエットB日程をライブ配信で見ました。感想です。
我慢のゴールデンウィーク、用意していた宝塚も文楽も観劇がふっとび、
本当は5月1日のチケットが取れていたワタクシ。意気消沈していました。が、ここへきて急にライブ配信がゾクゾクと決定し、今日はエリザ、明日は宝塚、合間に文楽と毎日観劇できる嬉しさ。超チケ難公演も見られて、関係各方面には感謝感謝です。
あけない夜はない!がんばろう!という気持ちにさせてくれます。




星組ロミジュリB日程配役

まずは役替わりの確認からー。
A日程とB日程を両方見た人は、Bをべた褒めしてましたが、さてさて。

死 : 愛月ひかる(あいづき ひかる)
ティボルト : 瀬央ゆりあ(せお ゆりあ)
ベンヴォーリオ : 綺城ひか理(あやきひかり)
マーキューシオ : 天華えま(あまはな えま)
パリス伯爵 : 極美慎(きわみ しん)
ヴェローナ大公 : 遥斗勇帆(はると ゆうほ)
愛 : 希沙薫(きさ かおる)

ちなみにA日程は大劇場の動画配信の感想記事も書きましたので、こちらもご覧ください。

感想:宝塚星組ロミオとジュリエット大劇場千秋楽(役替わりA)ロミジュリ千秋楽ライビュ




星組ロミジュリB日程感想:空席にいつも通りの開演アナウンスがうれしい

無観客とはいえ、いつも通りの開演アナウンスが流れるのがうれしいですよね。「前に乗り出した状態でのご観劇」とか「周りのお客様にご迷惑になりますので」とか「携帯電話の電源はお切りください」とか、劇場にいたら聞き飽きたーと煩わしく思うのに。

ときどき、カメラワークの関係でときどき空っぽの客席が映るたびにぞっとします。
銀橋に出たときみんな何を想うのかな

緞帳が降りた後、空っぽの客席が15列目ぐらいまで映り込んいました。ちゃんと見やすいように傾斜と配置が考えられた宝塚劇場の客席。きれいだなーと思いました。

「さよならみなさま」も嬉しかったですねー。リニューアルしたんでしたっけ。さよならみなさまに送られながら「良かったねー」「泣いたー」とささやきながら帰りたかったなぁ。




星組ロミジュリB日程感想:「愛」とヴェローナ大公に釘付け

愛、可愛いですね!ワタクシ星組あんまり詳しくないので、
希沙薫(きさ かおる)さんととヴェローナ大公 : 遥斗勇帆(はると ゆうほ)さんは初めて認識しました。
きさちゃんは100期、はるとくんは99期。新人公演も終えてこれからって感じの若手ジェンヌさんですね。

とにかく、きさちゃんの可愛さに目を奪われました。お顔立ちは華やかで、しなやかで可憐なダンス。そしてにじみ出る慈愛。きさちゃんの「愛」は慈愛とやさしさでできてますって感じです。

ヴェローナ大公。この学年でこの貫禄と包容力はすごい。そして温かみのある歌声。権力者というよりは市民と街のことをよく考えている頼れるリーダーという雰囲気が伝わってきました。

これからも注目しています。




星組ロミジュリB日程感想:死 : 愛月ひかる(あいづき ひかる)

愛の死、もとい愛ちゃんの「死」。スター愛月ひかるがティボルトを演じるのは順当としても、ベテランの愛ちゃんに「死」をやらせるか?という意外性があったのも事実。

もちろんテクニック的にも愛ちゃんのルックスからも、これはもう間違いないでしょうという下馬評でしたが、はるかにそれを上回るクオリティでした。
あえてベテランの愛ちゃんに「死」を当てた演出の小池先生さすがです。

トート閣下ですか?というぐらいの圧倒的な存在感。舞台上の生死を自在に操ってる感がすごい。A日程の天華えまちゃんの人懐っこく誘う「死」とは対照的に、容赦なく死に突き落としていく。
スタイルの良さとダンスクオリティとあいまってえらいことになってました。

そこへ100期のきさちゃん「愛」が絡むのですよ。たとえはおかしいけど、カラスとセキセインコぐらいの隔たりがあります。世界の生死を支配する愛ちゃん「死」に対し、きさちゃん「愛」が懸命に立ち向かい、最後に愛が勝つ。いいですねぇ。




星組ロミジュリB日程感想:ティボルト : 瀬央ゆりあ(せお ゆりあ)なまなましく熱い色男

瀬央ゆりあ(以下:せおっち)のティボルトはザ・星オトコ。

熱い!メイクが黒い!

なにしろいい男。色っぽい。なのでモテモテなのもよくわかる。ジュリエットへの想いもストレートに伝わってくる。

そして反応も生々しい。歴代ティボルトはひねくれてちょっと斜に構えてる人が多かったけど、せおっちのティボルトはいつもまっすぐ熱い。

本気で一族を守ることを考え、ジュリエットに身も心も焦がし、怒りを爆発させる。
「悶えるのかー」と歌うせおっちティボルト。思わず「にいちゃん、あんたも大変なんやな」と声を掛けたくなる(こわいからしないけど)。

「本当の俺は違う」と歌う、せおっちティボルト。わかるわかるよ。
せおっちの目ヂカラはいいなぁ。




星組ロミジュリB日程感想:ベンヴォーリオ : 綺城ひか理(あやきひかり)

ベンヴォーリオ役の綺城ひか理(以下:あかちゃん)。

A日程でのおっとりしたパリス伯爵とは打って変わってなのか?と思いきや。やはりおっとりしている。このベンさまは勉強もスポーツもできる優等生タイプです。

マーキューシオとつるんで悪ふざけはするけど、ちょっと控え目。きっと静かに本を読んだり思索するのが好き。

A日程の瀬央ゆりあ(以下:せおっち)のベンさんが、決闘の歌あたりからウォーっとみるみる覚醒していくのに対して、覚醒度合いは緩やか。

でも、状況が急変して、自分がみんなをまとめなきゃいけない、ロミオに伝えなきゃいけない、と無力感を振り払って自分を鼓舞しているように見える。

痛い、痛いよ、ベンヴォーリオ。がんばれ若者代表ベンヴォーリオ。
大人たちに立ち向かえ。




星組ロミジュリB日程感想:マーキューシオ : 天華えま(あまはな えま)の妖しい魅力

えまちゃん!今回はワタクシ天華えまちゃんに心を奪われております。
佇まいはナチュラルでいながらこの拗らせっぷり!歴代マーキューシオで一番好きかも。

今回の星組のロミジュリは、礼真琴さん舞空瞳さんの役作りからかなり若い作りになっているのに加えて、ミュージカルというよりは青春群像劇みたいな雰囲気が出ていると思います。

Bパターンのベンヴォーリオとマーキューシオは特に宝塚的大芝居ではないので、かえってその痛さが伝わってきます。

大公の甥でもあり、モンタギューの若者のリーダー。憎しみあう両家に翻弄されながらも、その日を面白おかしく時に薄情に生きていく。ことさらおどけるわけもなく、自分を隠して受け流してきたマーキューシオが本気で切れたのが、決闘の場面。

マーキューシオも対するティボルトもお互い戦っている相手が違う。

自らの死を目前に、本音を吐くマーキューシオ。自分が果しえなかった「思い通りの人生」をロミオに託すマーキューシオえまちゃんにずどんと射抜かれました。

Aパターンの人死に大好物なコケティッシュな「死」に続き、Bパターンの軽やかなマーキューシオ。

宝塚歌劇そのものが変わりつつある、そんな予感すら感じさせる天華えまちゃんです。




星組ロミジュリB日程感想:パリス伯爵 : 極美慎(きわみ しん)「気取り屋のまぬけ」じゃない!

美しい。
歴代パリス伯爵で1,2を争う美しさでは?
あんなに花束の似合うパリス伯爵ってばいなかったのでは?。仮面舞踏会の大仰な衣装も、仮面もしっくりき過ぎる。

前の星組版では、天寿みつきさんがパリス伯爵をかなりコミカルに演じていて、髪型も「気取り屋のまぬけ」だったけど、しんパリス伯爵はもっともっと気取ってほしい。なんならスターライト浴びてほしい、ぐらい美しいですね。

この美貌で町一番の金持ち。乳母じゃないけど、私からもジュリエットにお勧めしたくなります。




星組ロミジュリB日程感想:宝塚のロミジュリの行方は

舞台は生ものなので、またどんどん進化していきそうですが、
過去の、星、雪、月、でのロミオとジュリエットとはまったく別物という呼び声の高い今回の星組ロミオとジュリエット。

礼真琴さんは初演から出演して、この演目をすみずみまで知り尽くしているロミジュリ先輩だし、満を持した役作りだし、カンパニーも二度、三度と出演しているので、舞台そのものがこなれています。

その上での礼真琴さんのナチュラルな芝居。いっぽうで、トップ娘役がこんなに変顔(ほめてます)を頻発するジュリエットも初めて。宝塚歌劇の様式美から抜け出して、原作の海外ミュージカルに近づいている感じもします。

これが進化なのか変化なのか。宝塚歌劇が変わりつつあるなぁと感じさせる本作でした。





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