こんにちは~。らら子です。
今回のNHK 『美の壺』は、「精緻なる技の結晶 組子」。組子は、和の空間に似合って、いやされますよね~。暮らしによりそう組子が、たっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。
いざ、ウッドワールドへ。
【きょうの #NHKBS #美の壺】は #組子(アンコール)▽九州を走る豪華観光列車の車内には、組子がたくさん。窓や通路に!組子に囲まれてすてきな旅へと誘ってくれます。その列車の組子を作った職人のこだわりもご紹介します
夜9時15分 #草刈正雄 #NHKBS pic.twitter.com/7GXMNNA66x— NHK びじゅつ委員長 (@nhk_bijutsu) September 5, 2025
目次
美の壺:放送内容、出演者情報
【番組予告】
木を幾何学模様に組み上げる木工の技「組子」▽九州を走る観光列車の車内には、至る所に組子が▽東京港区のホテルのロビー。窓の上部に「麻の葉」の組子がずらり▽愛知・豊橋市松音寺には、縁起物の絵柄「束ね熨斗」の組子。20万枚もの部品で組み立てる超絶技巧▽京都のお宅の町家にある組子のシャンデリア。文様の意味に合わせて願いを込める▽円柱の照明。平面の組子を円柱に仕上げる職人の技に迫る。<File 627>出典:番組公式ホームページ
【出演】梅原 真次…ホテル代表取締役社長/木下 正人…組子職人/春木 裕喜…松音寺 住職/川口 博敬…建具職人/村山 伸一…指物師
草刈正雄 木村多江(語り・ナレーション)
美の壺:1つめのツボ「空間を華やかに演出する装飾」
美の壺 梅原 新次さん ホテル代表取締役社長 東京都港区
東京・港区虎ノ門にある「ホテルオークラ東京The Okura Tokyo」が登場します。
1962年創業、日本三大ホテルとして要人を迎えるホテルとして知られています。広々としたロビーは、ゆったりとした時をすごす空間を演出して、訪れる人をもてなします。
窓の上には、大きな組子があしらわれています。開放感がありますね〜。リラックスできそう~。建築家谷口吉郎による設計のものでした。
代表取締役社長の梅原真次さんによると、ジャパンモダニズムの傑作と評され居心地のよい空間として支持されていたそうです。
2019年の建て替え工事の時、組子も作り直されましたが、大きく変えることはなかったそうです。組子をみると、六角形の部分が、吉祥柄の麻の葉の幾何学文様になっています。
ちがう角度から見ると、真ん中の葉の部分が枠の地組みよりも短くなっています。建て替えの際、岡山県の業者「佐田建美(さだけんび)」が、調査の際に発見しました。
葉と地組みに差をつけることで、立体感を出しています。ロビーに座り、下から見上げるときの形を計算しています。ロビーの建て替えは、谷口建築設計研究所が担当しました。
梅原さんは、お客様の中には、建て替え前と同じだと泣いて喜ぶお客様もいるのだと語ってくださいました。
長く愛されているホテルならではのエピソードですね。
ついにリニューアル開館したホテルオークラへ。谷口吉郎設計の旧本館ロビーは忠実に再現されています。素晴らしい。 pic.twitter.com/W0QECVJW8H
— 橋爪勇介|美術手帖 (@hashizume_y) September 15, 2019
(橋爪勇介|美術手帖@hashizume_yさん、アップありがとうございます。)
美の壺 組子の豪華観光列車 福岡県博多市〜大分県湯布院
福岡県博多市と大分県の湯布院をむすぶ2両編成の豪華観光列車「或る列車」の車内には、あちらこちらにさまざまな組子がほどこされています。
客席の仕切りから窓、通路にいたるまで、組子がびっしりと車内をおおっています。素敵な空間ですね。
ワタクシもこんな列車で旅したい!
組子に色や質感を出すため奈良の吉野杉とウォールナットの2種類の木材を使用しています。この組子の列車は、つくられるまでに物語がありました。
明治時代、当時の九州鉄道が発注したものの作られなかった豪華客車。実業家の原信太郎(はら のぶたろう)が模型にしたものを、デザイナーの水戸岡鋭治さんがデザインしました。
水戸岡さんは、美の壺 「レトロを楽しむ 路面電車」にも登場した方です^^
美の壺 「レトロを楽しむ 路面電車」<File 497>お店や場所はドコ?出演者情報もお見逃しなく!NHK美の壺
2015年、100年の時を越えて或る列車がよみがえりました。車内で軽食やスイーツのコース料理を提供しながら2時間半をかけて列車は走ります。
原信太郎は、幼少期より鉄道を愛し、世界中を旅して鉄道模型を制作、収集をしました。自宅が「原鉄道模型博物館」になっており、コレクションの一部が収蔵されています。
JR KYUSYU SWEET TRAIN『或る列車』に乗車いたしました。
故・原信太郎氏の作成した幻の客車を元に製作され、水戸岡鋭治氏の手掛けた観光列車の旅を堪能いたします。 pic.twitter.com/ai4HQwGu6U— Garnier(ガルニエ) (@LadyLuck2357) December 16, 2018
(Garnier(ガルニエ)@LadyLuck2357さん、アップありがとうございます。)
美の壺 木下 正人(きのした まさと)さん 組子職人 福岡県大川市
或る列車の組子を手がけたのは、福岡県大川市にある「木下木芸」の組子職人 木下正人さんの手によるものです。
組子をつくって40年、木下さんは、或る列車に技と情熱を注ぎました。
水戸岡さんのデザインを忠実に、それ以上のものにしたくて一生懸命、考えながらつくったそうです。つくりやすさを重視してもよいとも言われましたがこだわりをもって制作しました。
組子は、針を使わず木を組み上げる技術です。三角形や四角形の木の枠組みをした「地組(じぐみ)」が土台となり、「葉」とよばれる薄いパーツで組み立てます。
力加減が難しく、すぐに折れてしまいます。細かいですね~。デザインをもとに強度を出すのは、大変な作業ですね。小さな手間と根気が、組子に包まれた列車を完成させました。
木下さんは、すばらしい空間でおいしい食事をしながら雰囲気や景色が相まってひとつの旅のなるのかなと話してくださいました。
木下さんは、JR九州が運行する「ななつ星in九州」の車内内装も手掛けています。
JR九州の観光列車などでも一緒に仕事をさせてもらった木下木芸さんに初めて伺いました!
大川組子の洗練された技術に圧倒されました!https://t.co/Odb8NbZVfu pic.twitter.com/NaYekYwnZP— 光で笑顔を作る会社ワイ・エス・エムの2代目社長 八島哲也 (@ysmyashima) August 10, 2024
(光で笑顔を作る会社ワイ・エス・エムの2代目社長 八島哲也@ysmyashimaさん、アップありがとうございます。)
美の壺:2つめのツボ「和の超絶技巧を堪能する」
美の壺 川口 博敬(かわぐち ひろゆき)さん 建具職人 愛知県田原市
組子に一段と技巧をこらすようになったのは、江戸時代の頃からです。寺院や和室、茶室を中心に欄間や障子、ふすまなどで組子が親しまれてきました。
愛知県田原市の「川口木工所」の川口博敬さんは、父・秀丸さんから2代に渡り、建具職人として組子を制作してきました。
博敬さんの小学生のころ、父・秀丸さんは、ち密な造形が評価され、「全国建具展示会」の組子部門で最高賞の技能グランプリを獲得しました。
父の元には新聞社やラジオ局が取材に訪れ、子ども心に組子職人でも有名人になれるんだと思ったそうです。
博敬さんは、高校を卒業後、父に弟子入りをして腕をみがき、建具の全国大会をめざしました。全国大会へ出て3年目の2011年、最高賞の内閣総理大臣賞を受賞して父にならびました。
親子2代での受賞は、初の快挙でした。川口博敬さんは、2022年、木製家具・建具製造工の部門で現代の名工にも選ばれています。
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「現代の名工」組子細工展示会
🕐本日10:00~18:00開催中
\愛知県田原市の建具職人、川口博敬(川口木工所)による組子細工展示会。
展示されている作品には光が透けるものとそうでないものがあるようです。写真のように組子から透ける光の美しさも是非ご覧ください。
会期は2/16(日)まで! pic.twitter.com/VF83kAJVkq— ギャラリーMenio@メニコンANNEX (@AnnexMenio) February 13, 2025
(ギャラリーMenio@メニコンANNEX@AnnexMenioさん、アップありがとうございます。)
美の壺 春木 裕喜 さん 住職 愛知県豊橋市 松音寺
川口博敬さんの受賞作品は、田原市の隣、豊橋市の松音寺(しょうおんじ)の釈迦堂にあります。
住職の春木祐喜さんにみせていただきました。
先代のご住職が、熟練した技に惚れこみ、おさめられました。横5メートル、高さ2.2メートルの大きさで裏に障子紙がはられています。
6枚が1つの絵になる組子作品です。
部品の数は、なんと20万枚です。川口さんがひとりで丸1年をかけてつくりました。中央には、「束ね熨斗(たばねのし)」が、組子で表現されています。
デフォルメのきいた大胆なデザインですね。たばねのしは、着物やはっぴなどの絵柄に使われる縁起の柄です。帯の部分にさまざまな文様があしらわれています。
「紗綾形(さやがた)くずし」は、長寿や家の繁栄を願う意味がこめられ、「三重弁天亀甲文」は、細かい細工でどこが地組で葉なのかわかないくらいの複雑さです。
中央には、無数の麻の葉の文様があり、ひとつが1㎝、1円玉が入るほどの大きさです。
アクセントをつけるため色目のちがうヒノキや、神代杉(じんだいすぎ)を使用して、立体感を出しています。
あざやかで目をひきますが、それ以上にいろんな意味がこめられている組子の文様は日本の文化そのものですね。
おはようございます。
今朝は豊橋の二川山松音寺にて、第二十四世春木裕喜大和尚の晋山式(しんさんしき)に出席しています。
晋山式とは新命和尚が住職としてお寺に正式に就任する式で、お寺が代々続くために最も大事な儀式です。「山(お寺)に晋む」という意味で、大変おめでたい式です。
良い一日を! pic.twitter.com/WlPKLbY93n— 山本 左近 (@SakonYamamoto) November 16, 2024
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美の壺 超絶技巧がうみだす「梅鉢文様」
川口さんは、新たな組子作品にも取り組んでいます。その中で特にこだわっているのが「梅鉢」とよばれる文様です。
きらきら星のようでかわいい文様ですね。
ウメバチソウという花を模したもので家紋などに用いられました。川口さんは、現物を見たことがなく復元をしてみたいと思いつきました。
繊細な組子作品をつくるのは、まず材料から重要です。V字のカンナで切り込みを入れ、折って「葉」をつくります。特殊な技法で梅鉢文様を組んでいきます。
こうしてできあがったのが和室の間仕切り≪吉祥文様組子建具(貝合わせ)≫です。まるで絵をみているようです。座る人の目線にあわせて下を中心に絵柄を配置しています。
絵は、ひな道具にみられる貝桶や貝などの縁起物の柄です。帯にあしらわれているのが梅鉢文様です。まるで野にウメバチソウが咲いているようです。
さらに川口さんは、梅鉢と車亀甲(くるまきっこう)を組み合わせた文様にも挑戦しました。密度の濃淡を際立たせるために考えたそうです。
同じ作業の繰り返しで大変なことがたくさんありますが、できあがった時を楽しみに作っているそうです。この作品で川口さんは、2度目の内閣総理大臣賞を受賞しました。
【 #田原市 】田原で川口さんが黄綬褒章受章記念の展示会 大作並ぶ組子細工
「組子細工」の第一人者で、総理大臣表彰受賞で知られる田原市の川口博敬さん(48)=川口木工所代表=の「組子展」(市後援)が21日、市渥美郷土資料館で始まりました。
🔻続きはhttps://t.co/xFV2trCAt0#東愛知新聞 pic.twitter.com/SebHTDcgVz
— 【公式】東愛知新聞Web@豊橋・豊川・蒲郡・田原・奥三河 (@Higasiaichinews) August 21, 2025
(【公式】東愛知新聞Web@豊橋・豊川・蒲郡・田原・奥三河@Higasiaichinewsさん、アップありがとうございます。)
美の壺:最後のツボ「光と影に魅せられて」
美の壺 瀬尾 弘子さん 京都市西京区 「組子のシャンデリア」
京都の町家に珍しい組子があります。高さ1.5メートル、5段で構成されるシャンデリアです。この町家に暮らす瀬尾弘子さんにお話しをうかがいました。
瀬尾さんは、明治時代に建てた家をずっと引き継ぎたいと思い、階段の吹抜けに存在感のあるシンボリックなものを求めていたそうです。
そんなときにピッタリと合うものが組子のシャンデリアでした。
瀬尾さんは、いいものが見つかったと大喜びだったそうです。シャンデリアの組子の文様は、瀬尾さんのリクエストを含めオーダーメイドでつくられました。豪華なシャンデリアですね。
「毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう)」は、長寿を、「七宝」は繁栄を意味します。それに加え胡麻やリンドウなど全部で6種類の文様が組みこまれています。
町家にピッタリハマるなんて驚きです。瀬尾さんは、代々この家に住まいたいと思ってもらえるよう願いをこめて取りつけたそうです。土壁に組子の影が映し出され幻想的な雰囲気をかもしだしています。
心の安らぎやいやしを感じるそうで、いつまでもみていられる、時間を忘れさせる組子のシャンデリアです。
日本最古の木造建築法隆寺の装飾にも見られた伝統芸術”組子”。
全長1.5mの京組子のシャンデリア!村山木工の新旧が交差した職人技術を駆使した作品をこんなに真近に、身近に見つめられる絶景のマッシュルームカフェにて。
カレーも美味しいよ!
“ひこうき雲”
covered by オノマトペル pic.twitter.com/oACe1miWoa— オノマトペル (@onomatopel) March 1, 2024
(オノマトペル@onomatopelさん、アップありがとうございます。)
美の壺 村山 伸一さん 指物師 京都市右京区京北
瀬尾邸の組子のシャンデリアをつくったのは、京都・京北にある「株式会社 村山木工」です。代表で指物師の村山伸一さんは、木を使った作品や内装を手掛けています。
村山さんは、元は京都の有職ひなの人形店で30年ほど、京指物の職人をしていました。ホテルの結婚式の内装の依頼を受けたことを機に組子をつくり始めました。
村山さんが得意とするのは、円柱の組子です。平面である組子を立体的な形にしてぬくもりのある照明器具をつくります。
村山さんは、物から発せられる香りや光、気配が素敵に演出することで二重にも三重にも美しく見せる要素だと言います。
組子のシャンデリアは、ある雑貨店でのイベントで組子のクリスマスツリーをつくったことがきっかけでした。
クリスマスが終わって撤収するのが、さみしく感じた時、若いスタッフさんが、上下をひっくり返してシャンデリアになりませんかと提案したことからでした。すばらしい発想ですね。
地元のYouTube番組に出演してきました
SDGs問答 「京北地域の持続可能な林業」(ゲスト:株式会社ROOTSの曽緋蘭さん、株式会社四辻の四辻誠悟さん、株式会社村山木工の村山伸一さん司… https://t.co/4P1VghLIVP @YouTubeより
— よつつじせいごX京都のキコリ社長 (@4224jp) November 26, 2023
(よつつじせいごX京都のキコリ社長@4224jpさん、アップありがとうございます。)
美の壺 円柱の組子のあかり
村山木工には、木工の技術を学びたいと全国から若者が集まります。村山さんは、若手の自由な発想と腕を発揮する場を提供しています。
工房では、円柱の組子の照明づくりがされていました。どうやってつくるのか気になりますよね~。まずは、組子で文様をつくったものを縦に裁断します。
裁断する刃の角度を斜めに変え側面の木を削ります。この角度が、円柱の組子を生む秘密です。切りだした組子をアーチ状に接着してぐるりと一周すれば、なんと円柱の組子が完成です。
村山さんは、今以上に新しいものを若い職人たちと生み出したいと考えています。みんなで楽しみながら夢のある仕事として、生涯をかける若い人が増えてほしいそうです。
村山さんが発想しなかったようなアイデアで木工の世界を広げてほしいのだと言います。
やがて気がついたら、京都の京北が組子の産地になっているようなことになればいいなと夢を語ってくだしました。
村山さんは、今日も走り続けています。
曲面の組子。フラットな組子はあるけど、こんな丸いカタチの組子は初めて見た。組子のシャンデリアまでつくられていた。職人さんたちの試行錯誤で生まれた新たな技術。手仕事の現場も進化している。 pic.twitter.com/r2utLgkeFv
— 三嶋貴若 セメントプロデュースデザイン (@kiwaka340) October 15, 2024
(三嶋貴若 セメントプロデュースデザイン@kiwaka340さん、アップありがとうございます。)
美の壺:再放送・バックナンバー情報
NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。
2022 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2020年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2019年はこちらです。
ご参考になさってくださいね。