宝塚歌劇団の緑の袴はタカラジェンヌの正装?制服?いつ着る?着物は黒紋付?柄物?卒業式でも着たい!髪型は?男役と娘役(女役)の違いや着こなしのポイントは?

こんにちは。らら子です。

東京オリンピック2020閉会式での宝塚歌劇団の方々、つまりタカラジェンヌの皆さんの国家斉唱、りんとしていて、すばらしかったですね。

一糸乱れぬ入場、美しいハーモニーの「君が代」。なかでも注目を浴びたのは、色とりどりの着物に緑の袴姿。なぜタカラジェンヌが袴をはくのか、なぜ緑色なのか深掘りしていきます。

閉会式の様子はこちらもご覧くださいね。

五輪閉会式:宝塚歌劇国家斉唱は誰?何組?なぜ袴?トップスター登場!東京オリンピック・パリ五輪つながり『ベルばら』とのうわさ??予想?妄想?タカラヅカ東京五輪2020





宝塚歌劇団の袴:緑の袴はタカラジェンヌの正装

宝塚といえばキラキラなビーズやフリルがたくさん付いた華やかな舞台衣装のイメージがあります。

が、国立競技場に現れたタカラジェンヌの皆さんは、色とりどりのお着物に緑色の袴、足元は足袋に草履でした。

宝塚歌劇団の正装は緑色の袴なんですね。タカラジェンヌも「緑の袴」といって誇りを持っています。式典や外部のイベントに呼ばれる時は着物に緑の袴をはきます。

フォーマルな行事の時は「黒紋付(くろもんつき)」とよばれる黒い着物に各タカラジェンヌの家紋が入ったものを着ます。袖丈は普通の黒紋付よりちょっと長め。

華やかなイベントではさらに色付の柄物の着物を合わせます。色着物はもっと袖丈が長くなっています。

どんなときに緑の袴を履くのか、ご紹介しましょう。





宝塚歌劇団の袴:正式な着こなし方は?

上の写真を見ると、袴はかなり短め。白足袋が丸見えですし、よく見ると白足袋と袴の裾の間から足首が少し見えています。

白い足首にちょっとドキドキ?

この短く着付けているのが正式な着こなし方。若々しくていいですよね。

あとは、外見からはよくわかりませんが、着物の帯よりも上の方に袴の腰板が来て、腰をぐっと締めあげるのが正式な着方。

これで女性らしいシルエットが出るということでしょうか。

袴と白足袋の間に少し足首をのぞかせ、帯の結び目に袴の腰板を載せるようにして腰をぐっと締めあげるのが正式な着方とされています。
出典:公式 Facebook
さらに袴の紐は、「乙女結び」という独特の結び方をします。他にも細かいルールがあるそうです。
着物の衿は抜きません。女性が着物を着るときは、ふつうは首の後ろをこぶし1つ分空けますが、宝塚では衿と首の後にすきまはありません。
噂によると、袴に合わせるタカラジェンヌの着物は、袴の下に着用しやすいようにひざ下ぐらいのショート丈だそうです……。



宝塚歌劇団の袴:いつどんな時に袴を着るの?正式な式典では黒紋付:男役と娘役の違いは髪型?

正式な式典では黒紋付(くろもんつき)に緑の袴を着ます。

黒紋付というのは、真っ黒な無地の着物に白く家紋が入っている女性の第一礼装です。背中と両胸、両袖(肘のあたり)と紋が五つ入っている格の高い「五つ紋」を着ます。
タカラジェンヌとしての一歩を踏み出す宝塚音楽学校の卒業式や入団式、初舞台の口上や、退団公演の千秋楽、トップスターによる新年のご挨拶などは、黒紋付を着ます。
男役と娘役の違いは、髪型以外には特にありません。男役はいわゆるリーゼント、娘役はシニヨンです。
下の画像は2019年の新春口上です。トップオブトップと呼ばれた専科の轟悠(とどろき ゆう)さん、花組・宙組・月組のトップコンビが並んでいます。
さすがに貫禄とオーラがありますね。星組と雪組は公演中で不在だったのですね。





宝塚歌劇団の袴:いつどんな時に袴を着る?華やかなイベントでは柄物の着物:鏡開き

正式な式典では黒紋付に緑の袴を身につけますが、華やかなイベントでは華やかな着物に緑の袴を合わせます。

例えば、華やかなイベントとしては新年の新年のご挨拶と鏡開きがあります。

宝塚は新年1月1日から始動開始。公演初日にはスターによる新年のご挨拶と鏡割りが行われ、ロビーに詰めかけた観客にふるまい酒があります。

どのタカラジェンヌが鏡割りに登場するかはその年によって変わります。トップコンビが登場することも。

2019年新年には、当時2番手だった花組・柚香光(ゆずか れい)、月組・美弥るりか(みや るりか)、宙組・芹香斗亜(せりか とあ)のお三方が登場しました。

お正月らしく特に華やかなお着物ですね。






宝塚歌劇団の袴:新年の初詣ポスター

関西地方、特に阪急沿線でおなじみなのが、あちこちに貼りだされる「初詣ポスター」に載るタカラジェンヌの袴姿。

例年、若手の首席や上位入団者が登場して話題になります。初詣ポスターに選ばれた人は、将来トップスターになる可能性が高いので、みんなが注目するというわけです。

こちらは2021年の初詣ポスターで、宝塚歌劇団106期生で雪組の男役、華世京(かせ きょう)さんが選ばれました。





宝塚歌劇団の袴:外部でのイベント行事に参加

東京オリンピック2020の閉会式のように、タカラジェンヌが外部のイベントに参加する時にも、緑の袴を着ることが多いです。

下の画像は2019年6月に野球のイベントに参加した時の様子ですね。

当時の星組トップスターの紅ゆずる(くれない ゆずる)さんと、トップ娘役の綺咲愛里(きさき あいり)さんは阪神タイガースのユニフォーム風の服を着ています。

両側のお二人は緑の袴をはいています。紅ゆずるさんの隣は当時の星組の組長、万里 柚美(まり ゆずみ)さん、反対側は副組長の美稀千種(みき ちぐさ)さんです。

組長というのは組をまとめ上げる管理職で、舞台挨拶をしたりもします。各組に組長・副組長がいます。

宝塚歌劇団を代表してイベントに参加したということが、はっきり見て取れます。






宝塚歌劇団の袴:緑色の袴をはく理由はなぜ?

ところで、なぜタカラジェンヌは袴をはくのでしょうか、そして袴の色が緑なのでしょうか。

そもそも宝塚歌劇団は学校のようなもの。劇団員つまりタカラジェンヌは、正式には宝塚歌劇団生徒と呼ばれます。

宝塚歌劇発足初期ころは、和装が主流。生徒たちも着物に袴をはいていました。その頃は、袴の色は決まっていなかったそうです。

1921(大正10)年のある日、生徒の瀧川末子(たきがわ すえこ)さんと高砂松子(たかさご まつこ)さんが緑の袴をはいていました。

それを見た創立者の小林一三(こばやし いちぞう)さんが気に入って、緑の袴が公式になったとのこと。

余談ですが、瀧川末子さんは、娘さん、お孫さんまでタカラジェンヌになり代々、瀧川末子を名のりました。

宝塚歌劇発足初期は、生徒たちが身につける袴の色は決まっていませんでした。しかし1921年、当時の生徒であった瀧川末子と高砂松子が大阪の心斎橋筋で買ってきた緑色の袴が小林一三翁の目にとまり、緑一色で統一されることとなったのです。出典:公式 Facebook





宝塚歌劇団の袴:千秋楽の退団セレモニーでタカラジェンヌ卒業

宝塚歌劇団では、退団のセレモニーを大切にしています。多くのタカラジェンヌは大劇場公演の千秋楽(千穐楽)の最後の退団のセレモニーで宝塚を卒業していきます。

その時は、黒紋付に緑の袴をはいて一人ずつ大階段を降りてきます。大きなブーケをもって退団の挨拶をします。娘役は頭にも花を飾り、華やかさを出します。

トップスターだけは、黒い燕尾服や特別仕立ての華やかな衣装を身にまとう人もいます。特に黒燕尾服は「男役の正装」としてトップスターが多いです。

本拠地宝塚と東京と2回の千秋楽があるので、大劇場では燕尾服、東京では緑の袴と、使い分ける人もいます。

こちらは宙組のトップスター朝夏まなと(あさかまなと)さんの退団公演の挨拶のようすですね。朝夏まなとさん以外は全員が娘役で黒紋付に袴姿です。






宝塚歌劇団の袴:音楽学校のすみれ売り(すみれ募金)

宝塚歌劇団に入団するには、宝塚音楽学校に入学し、2年間の課程(予科・本科)を終える必要があります。

宝塚歌劇団の正装の緑の袴は、宝塚歌劇団入団前の宝塚音楽学校にいる時から着る機会があります。

そのために、宝塚音楽学校に合格するとすぐに、袴と着物の採寸をして購入するそうです。

その一つが「すみれ募金」という募金活動です。ファンの間では「すみれ売り」と呼ぶこともあります。

男役と娘役に着こなしの差はなく、男役はリーゼント、娘役は緑のリボンをつけています。

本拠地の宝塚大劇場周辺で、緑の袴に思い思いの着物を着て募金を呼びかけます。将来のスターの卵を見つけに集まるファンもいます。






宝塚歌劇団の袴:すみれ売り(すみれ募金)予科生・本科生の違い

すみれ募金は、宝塚音楽学校の予科生(1年生)と本科生(2年生)との2学年が全員参加します。

下の画像は宝塚音楽学校本科生の募金活動の様子です。手前の本科生はきれいにお化粧をしています。華やかでにこやかに余裕があるように見えます。

一方、下の画像は宝塚音楽学校予科生の募金活動の様子です。予科生はノーメイクです。笑顔ではありますが、予科生はやや緊張しているようですね。

こうしてみると、本科生と予科生、1学年の差は大きいですね。




宝塚歌劇団の袴:宝塚音楽学校卒業式と初舞台口上

宝塚音楽学校での2年間を終えて、いよいよ黒紋付に緑の袴姿で卒業式にのぞみます。

午前中に卒業式、午後に宝塚歌劇団入団式というスケジュールのようです。

こちらは卒業式の記念写真。みなさん晴れやかな表情をしています。

その後、大劇場公演で初舞台生としてデビューを飾ります。初舞台生は全員で歌いながら踊り、日替わりで初舞台生口上という挨拶を担当します。

下の画像は、後ろの扇形のパネルには宝塚歌劇団のモットー「清く 正しく 美しく」の文字が書かれています。これは創立者である小林一三さんによるものです。

初舞台生の口上の後で、「清く 正しく 美しく」と歌いながら舞います。





宝塚歌劇団の袴:宝塚音楽学校の制服の移り変わり

現代の宝塚音楽学校の制服は、さすがに袴ではありません。

グレイのフレアのジャンパースカートにボレロ風の短い上着、赤いリボンにグレーの制帽です。予科生はソックスに黒いペタンコ靴、本科生はストッキングにパンプスという違いもあるそうです。夏は半そでブラウスにジャンパースカートになります。

今の宝塚音楽学校の制服は、1960年前後に制定されたようです。デザインは森英恵さんという説がありますが、実際は、宝塚歌劇団衣装部の静間潮太郎氏だそうです。(出典:かわいそうな衣類たち)

宝塚音楽学校の制服としては、着物に袴→白ブラウスに紺スカート→白ブラウスに紺のスーツ→、今のグレイの制服となってきたようですね。

下の画像は兵庫県立美術館の「宝塚歌劇100年展」のようすだそうです。

(小吹隆文@kobukitakafumiさんアップありがとうございます)





宝塚歌劇団の袴:緑の袴を着たい!「宝塚風レンタル袴」

ここまでいろいろと宝塚の緑の袴について深掘りしてきました。新人からベテランまで揃ったキリリとした袴姿、本当にかっこよくて憧れますよね。

卒業式で着てみたいという一般の女性も多いようです。

緑の袴や音楽学校の制服はタカラジェンヌの誇りなので、中古市場に出回ることはまずありません。

となると、自分で宝塚風のコーディネートを用意するということですね。「宝塚風レンタル袴」で検索するといくつかのレンタル業者がヒットするようですよ。

問題は髪型ですよね。タカラジェンヌ風に装うにはリーゼントかシニヨン?ちょっと一般の卒業式には違和感があるかもですねー。らら子でしたー。




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