こんにちは~。らら子です。
今回のNHK 『美の壺』は、「端正を極める 江戸指物(さしもの)」。
江戸の指物?指物も地域によって違うのでしょうか…。くぎを使わない美し〜い技がたっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。
いざ、さしものワールドへ。
【明日の #NHKBS #美の壺】は #江戸指物 ✨
釘を使わず木材を組み上げる「江戸指物(さしもの)」
将棋棋士 #羽生善治 さん愛用の引き出し箱から、歌舞伎俳優 #中村莟玉 さんの楽屋鏡台まで――奥深い世界に迫ります♪
📺 11月18日(火)夜7時30分~ NHK BS#BS美の壺 は火曜夜にお引っ越し! pic.twitter.com/GnfMZxrtyg— NHK びじゅつ委員長 (@nhk_bijutsu) November 17, 2025
目次
美の壺:放送内容、出演者情報
【番組予告】
将棋棋士・羽生善治さんが、長年愛用する桑の引き出し箱を公開!貴重な素材への思いや、経年の楽しみを語る!▽羽生さんの箱を手がけた職人による極上の技▽気鋭の歌舞伎俳優・中村莟玉さんが襲名時にオーダーし、全国の舞台に持参する「楽屋鏡台」。“相棒のような存在”と語る理由と、鏡台を制作した職人のこだわり▽仕掛けが随所に光る江戸指物(さしもの)。銘木をぜいたくに使い分けた、粋なデザイン!<File648>
出典:番組公式ホームページ
【出演】羽生 善治…将棋棋士 戸田 敏夫…江戸指物師 中村 莟玉…歌舞伎俳優 根本 一徳…江戸指物師 渡邊 彰…江戸指物師
草刈正雄(ナビゲーター) 木村多江(語り・天の声)
美の壺:1つめのツボ「時をけかけて育む」
美の壺 羽生 善治(はぶ よしはる)さん 将棋棋士 東京・渋谷区 将棋会館
将棋棋士の羽生善治さんが登場します。
羽生さんは、1970年生まれの55歳、中学生でプロ棋士となり、1996年には、全7タイトル(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖)を獲得、将棋界初の七冠を達成、国民栄誉賞も授与されています。
東京・渋谷区の「将棋会館」で羽生さん愛用の「江戸指物」を紹介していただきました。人か贈られた引き出し箱で、江戸指物師の戸田敏夫さんがつくったものです。
まだらの木の模様が個性的ですね。ふだんは、手紙やペン、はさみを入れていることが多く、机の上に置いて使っているそうです。
机にあるだけで気持ちがあがりそう〜。
持ち運びにも適している大きさですね。外側は、すべてが桑、中は桐の木でできていて、細部までこだわりをもってつくられています。
将棋の駒の多くは、つげの木からできていて、羽生さんは、産地の御蔵島(みくらじま)の人と話す機会があるそうです。
御蔵島は、つげや桑の名産地で、何十年ものの単位で残すためにどのようにして育て、保護をしているかなどの話を聞くと、貴重な材質であると気づかされます。
年数が、経つと木の色合いの変化が見られておもしろいのだと、とても大切にされています。
ETV特集
藤井聡太と羽生善治 対談 一手先の世界へ
11月29日(土)午後11:00〜午前0:00>3時間近くの収録で語り合った藤井と羽生。俳優・渡辺謙からの質問も飛び出し、秘蔵の映像もまじえて、勝負に懸ける2人の“天才”が目指し続ける究極の境地に迫る。
録画予約しました👍https://t.co/T0GGkEjlU8 pic.twitter.com/Obk7siT7zC
— ノエル🐣藤井聡太🦀🍍🍓🐈🦙竜王・名人・王位・棋聖・棋王・王将(六冠👑)全力応援! (@WKB_norry) November 22, 2025
(ノエル🐣藤井聡太🦀🍍🍓🐈🦙竜王・名人・王位・棋聖・棋王・王将(六冠👑)全力応援!
@WKB_norryさん、アップありがとうございます。)
美の壺 戸田 敏夫さん 江戸指物師 東京・台東区
羽生善治さんの引き出し箱をつくったのは、江戸指物師で伝統工芸士でもある「戸田和家具製作所」の戸田敏夫さんです。この道50年以上の職人です。
工房におじゃましました。
つくっている引き出し箱は、御蔵島(みくらじま)の島桑(しまぐわ)を使用しています。葉が描かれているような木目もようです。独特な存在感を放っています。
天板と側板は、桐でできています。江戸指物は、江戸時代の頃より商人や武士が使っていたもので、すっきりとした見た目と堅牢さが特徴です。
釘などを使わず「ほぞ」と「ほぞ穴」とよばれる凹凸を切り出した木を組み合わせてつくります。組んでいるほぞを表に見えないように一体化しています。
それは、江戸っ子の気質なのかもしれないと戸田さんは語ります。
昔の江戸っ子が羽織の裏にお金をかけるような、そんな気風が江戸指物にもあらわれ、今に受け継がれているようだと話してくださいました。
#江戸指物 #戸田敏夫 先生
昨日は大変お世話になっている方とともに江戸指物師である戸田敏夫先生の工房にお邪魔して来ました。… pic.twitter.com/hNAMzgEnE8— 羽生善治 (@yoshiharuhabu) September 14, 2025
(羽生善治@yoshiharuhabuさん、アップありがとうございます。)
美の壺 江戸指物のワザに密着
戸田敏夫さんに木組みの作業をみせていただきました。
「留め型隠し蟻組み継ぎ」と呼ばれる技術です。板に「ほぞ」と「ほぞ穴」を切り出し、ななめに刃を入れ、台形にして板同士を強固に接合させます。
端の方は、ほぞの間隔をせまくして、強度をより高めます。反対側のほぞは、一番の外側を45度に削って、組んでいきます。
すごい技です。ピッタリとハマりました。
そして、江戸指物のもうひとつの特徴は、木の表情を美しくみせることです。戸田さんは、桑は、粘り気や光沢があって、別格の素材だと言います。
また、江戸指物は、自然の木目を生かすことが大切なため、磨きの作業に神経を使います。まず、カンナで表面を研ぎ、紙やすりで全体を磨きます。
次に天然のやすり「トクサ」を使って磨き、最後にムクノキの葉で仕上げます。
何度もいろんなもので磨くのですね~。磨きすぎもよくないそうです。
ほどよく、見極めも大切です。この後、ふき漆の工房に出してより木目を際立たせて完成するのです。桑の木は、とても堅く、削るのも大変な作業です。
戸田さんは、桑色というのは、作った時点の色でなく、年々と使うことで色がつき、これが本当の桑色だと語ります。
使ってくれることで手になじみ、それが職人冥利につきるそうです。
江戸指物協同組合
2023/5/3~5/9最終日は15時閉場
3階ギャラリー
戸田敏夫先生の実演が、5月6日、7日(11~13時、15~17時)ございます。匠の技を、是非間近でご覧ください!!写真は2022年の様子です。 pic.twitter.com/YqHVBDZAzG— 丸善 日本橋店 (@mznihonbashi) May 2, 2023
(丸善 日本橋店@mznihonbashiさん、アップありがとうございます。)
美の壺:2つめのツボ「心を映す」
美の壺 中村 莟玉(かんぎょく)さん 歌舞伎俳優 京都・東山区 南座
江戸時代に発展した歌舞伎を影から支えてきたものに「楽屋鏡台」があります。化粧前の方が、なじみがありますね~。
京都・四条にある歌舞伎の劇場「南座」の楽屋へ歌舞伎俳優の中村莟玉さんを訪ねました。
莟玉さんは、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」に出演、片岡愛之助さん演じる鱗形屋孫兵衛の息子・万次郎を演じていらっしゃいます。
莟玉さんは、一般家庭の出身で、歌舞伎の舞台にあこがれ、7歳のとき、人間国宝の四代目中村梅玉さんに弟子入り、23歳の時、梅玉さんの養子となり、初代 中村莟玉を襲名しました。
莟玉さん、ワタクシらら子も大好きです。丸顔でかわいいんですよね。可憐なお姫様もよく似合って、よくぞ歌舞伎役者になってくださいました、という気持ちです。
襲名の際、梅玉さんのすすめであつらえたものが楽屋鏡台でした。鏡台のデザインは、梅玉さんが使っているのとまったくおなじで大きさだけをこぶりにしたものです。
鏡が印象的な鏡台で使いやすそうですね~。特徴的なのは、鏡の形、真ん中がふくらんでいて三味線の胴のかたちに似ています。
女形の最高峰と呼ばれた五世 中村歌右衛門がつくったときの形にこだわったところからきているそうです。
歌右衛門は、養父の梅玉さんの養父なので、莟玉さんにとっては養祖父。伝統的な形を莟玉さんも伝統を受け継いでいるのですね。
莟玉さんは、調子のいいときもあれはそうでもないときもあり、鏡台は、それを全部知っていて、見守ってくれている相棒のような存在だと語ってくださいました。
南座で『刀剣乱舞』(松岡亮脚本)を観劇。次世代による新しい歌舞伎に心湧き立ちました😊
尾上松也座長を中心に、中村歌昇、中村鷹之資、中村莟玉、尾上左近、上村吉太朗、河合雪之丞、そして中村獅童の刀剣男士達が集結。悪と戦う物語。
フィナーレの舞踊競演は、尾上菊之丞さんの演出で華やかに💫 pic.twitter.com/DRjbEGbt10
— 桂米團治 (@yonedanji_k) August 19, 2025
(桂米團治@yonedanji_kさん、アップありがとうございます。)
美の壺 根本 一徳(ねもと かずのり)さん 江戸指物師 東京・荒川区
中村莟玉さんの楽屋鏡台をつくったのは、「根本和家具製作所」の根本一徳さんです。17歳の頃、弟子入りをして技をみがきました。
莟玉さんの鏡台の依頼を受けるとき、梅玉さんの楽屋鏡台を写真で見せてもらいました。梅玉さんと同じもので小ぶりなものというオーダーだったので原寸大を描いて作りました。
難しかったのは、鏡の湾曲部分でしたが、つくってみてよくできた自信作だと語ります。そして、根本さんのもうひとつのこだわりは、筆掛けの「てり」という部分です。
一枚の板から削り出してつくります。小さくつくることは、それなりの形やバランスが変わってくるので大変で、他の職人さんのものを見て勉強もしたそうです。
根本さんにとって、鏡台は、いろんな仕事が入って楽しいもの。数ある江戸指物の中で、鏡台をつくることは、ひとつの目標だそうです。
親方から「鏡台つくるか?」と言われると、技術が認められたような気がしてうれしかったそうです。
人から人、心と心、親方からものづくりの心得も育てられ受け継いできました。
根本さんのつくる折り畳み式の鏡台をみせていただくと、ふちは桑の木、引き出しの部分の前板は黒柿を使いデザイン豊かです。
木の持っている素材を考え、堅牢でじょうぶにつくりました。受け継いだ技は、使う人の心まで鏡のように映って見えるかのようです。
(島桑回転化粧箱 | 江戸指物 根本一徳から) https://t.co/u3n53qtl7d島桑回転化粧箱-江戸指物-根本一徳から pic.twitter.com/8FxOScY0oo
— 翌檜 (@capten705) May 5, 2018
(翌檜@capten705さん、アップありがとうございます。)
美の壺:最後のツボ「伝統な中に粋な仕掛け」
美の壺 渡邊 彰さん 江戸指物師 東京・台東区
東京・台東区にある「江戸指物 渡邊」の1階ギャラリーには、仕掛けや工夫が凝らされているさまざまな江戸指物が並んでいます。
制作したのは、江戸指物師で伝統工芸士の渡邊彰さんです。展示されている指物を紹介していただきました。「いろはたんす」と名付けられた引き出しを開けると奥に隠し小箱が入っています。
あら、ステキ!大切なものを入れることができます。大黒柱がモチーフの家具は、扉を開けると、「たもの杢(もく)」を使った引き出しです。
引き出しを開けると中につまみがあり、カギがかかる仕掛けです。なんと、引き出しは持ち出せるそうです。そして、一番下には、へそくり箱があります。
そして、サイドは、回転する飾り箱まであります。なんとビックリさせられる江戸指物ですこと。楽しさ満載です。
渡邊さんは、時代とともに茶だんすや鏡台が一般的になくなったので指物をみせる楽しい品物ができないかとつくったそうです。
創作にちょっと変わったものを取り入れ、見たことないものやおもしろいと共感してもらえるといいと作りました。
伝統に趣向をかえて、攻めの江戸指物、みせてくれますね。
【投票結果】10/7-13に #青山スクエア にて開催された #東京都伝統工芸士展新作コンクール では500名以上のお客様にご投票いただきました。
金賞:江戸指物「脇置」(渡邊彰)
銀賞:江戸硝子「硝子の中に切小紋、小花挿し」(大山宏一)
銅賞:江戸切子「大皿『陽』」(篠崎英明)
ありがとうございました。 https://t.co/kOFM1XrR4r pic.twitter.com/xPGuSZdUvt— 東京都 産業・仕事 (@tocho_sanro) October 14, 2022
(東京都 産業・仕事@tocho_sanroさん、アップありがとうございます。)
美の壺 江戸指物の工房へ
渡邊さんの工房をみせていただきました。
今、新たな江戸指物をつくっているそうです。江戸指物は木目をそろえるのが基本なのですが、日本のいろんな銘木を5種類使った引き出しをつくっています。
上から「たも・屋久杉・けやき・黒柿・桑」と個性豊かな木の引き出しが並びます。木の色気を楽しんでもらうためだそうです。
ひときわ目立つ黒柿を中心に全体のバランスを考え設計しました。
扉の正面は、たもで編んだ網代編みでデザイン性を高めました。
渡邊さんは、使って美しい、置いて美しいというのが江戸指物で、家の中で江戸指物を使いたくなるきっかけは、技術とデザインがおもしろいのを見せつけなければと語ります。
「ステキね。」「いい仕事してますね~。」というのが、伝わらなければと、今後も挑戦していかれるそうです。
受け継がれた伝統と創造を織り交ぜながら、新しい江戸指物が今日も生まれます。
「TOKYO職人展」は伝統工芸青山スクエアで開催中!27,28日は江戸指物協同組合青年部による実演も。木目を生かし外から見えない所にまで技術を駆使する【職人の心意気】をぜひご覧ください。https://t.co/mJxwkSdvno pic.twitter.com/HOM1D2z67R
— 東京都 産業・仕事 (@tocho_sanro) August 26, 2016
(東京都 産業・仕事@tocho_sanroさん、アップありがとうございます。)
美の壺:再放送・バックナンバー情報
NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。
2022 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2020年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2019年はこちらです。
ご参考になさってくださいね。