美の壺 「端正を極める 江戸指物(さしもの)」<File648>お店や場所はドコ?出演者情報もお見逃しなく!NHK美の壺

こんにちは~。らら子です。

今回のNHK 『美の壺』は、「端正を極める 江戸指物(さしもの)」。
江戸の指物?指物も地域によって違うのでしょうか…。くぎを使わない美し〜い技がたっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。

いざ、さしものワールドへ。





美の壺:放送内容、出演者情報

【番組予告】

将棋棋士・羽生善治さんが、長年愛用する桑の引き出し箱を公開!貴重な素材への思いや、経年の楽しみを語る!▽羽生さんの箱を手がけた職人による極上の技▽気鋭の歌舞伎俳優・中村莟玉さんが襲名時にオーダーし、全国の舞台に持参する「楽屋鏡台」。“相棒のような存在”と語る理由と、鏡台を制作した職人のこだわり▽仕掛けが随所に光る江戸指物(さしもの)。銘木をぜいたくに使い分けた、粋なデザイン!<File648>

出典:番組公式ホームページ

【出演】羽生 善治…将棋棋士 戸田 敏夫…江戸指物師 中村 莟玉…歌舞伎俳優 根本 一徳…江戸指物師 渡邊 彰…江戸指物師
草刈正雄(ナビゲーター) 木村多江(語り・天の声)





美の壺:1つめのツボ「時をけかけて育む」

美の壺 羽生 善治(はぶ よしはる)さん 将棋棋士 東京・渋谷区 将棋会館

将棋棋士の羽生善治さんが登場します。

羽生さんは、1970年生まれの55歳、中学生でプロ棋士となり、1996年には、全7タイトル(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖)を獲得、将棋界初の七冠を達成、国民栄誉賞も授与されています。

東京・渋谷区の「将棋会館」で羽生さん愛用の「江戸指物」を紹介していただきました。人か贈られた引き出し箱で、江戸指物師の戸田敏夫さんがつくったものです。

まだらの木の模様が個性的ですね。ふだんは、手紙やペン、はさみを入れていることが多く、机の上に置いて使っているそうです。

机にあるだけで気持ちがあがりそう〜。

持ち運びにも適している大きさですね。外側は、すべてが桑、中は桐の木でできていて、細部までこだわりをもってつくられています。

将棋の駒の多くは、つげの木からできていて、羽生さんは、産地の御蔵島(みくらじま)の人と話す機会があるそうです。

御蔵島は、つげや桑の名産地で、何十年ものの単位で残すためにどのようにして育て、保護をしているかなどの話を聞くと、貴重な材質であると気づかされます。

年数が、経つと木の色合いの変化が見られておもしろいのだと、とても大切にされています。

(ノエル🐣藤井聡太🦀🍍🍓🐈🦙竜王・名人・王位・棋聖・棋王・王将(六冠👑)全力応援!
@WKB_norryさん、アップありがとうございます。)




美の壺 戸田 敏夫さん 江戸指物師 東京・台東区

羽生善治さんの引き出し箱をつくったのは、江戸指物師で伝統工芸士でもある「戸田和家具製作所」の戸田敏夫さんです。この道50年以上の職人です。

工房におじゃましました。

つくっている引き出し箱は、御蔵島(みくらじま)の島桑(しまぐわ)を使用しています。葉が描かれているような木目もようです。独特な存在感を放っています。

天板と側板は、桐でできています。江戸指物は、江戸時代の頃より商人や武士が使っていたもので、すっきりとした見た目と堅牢さが特徴です。

釘などを使わず「ほぞ」と「ほぞ穴」とよばれる凹凸を切り出した木を組み合わせてつくります。組んでいるほぞを表に見えないように一体化しています。

それは、江戸っ子の気質なのかもしれないと戸田さんは語ります。

昔の江戸っ子が羽織の裏にお金をかけるような、そんな気風が江戸指物にもあらわれ、今に受け継がれているようだと話してくださいました。

(羽生善治@yoshiharuhabuさん、アップありがとうございます。)




美の壺 江戸指物のワザに密着

戸田敏夫さんに木組みの作業をみせていただきました。

「留め型隠し蟻組み継ぎ」と呼ばれる技術です。板に「ほぞ」と「ほぞ穴」を切り出し、ななめに刃を入れ、台形にして板同士を強固に接合させます。

端の方は、ほぞの間隔をせまくして、強度をより高めます。反対側のほぞは、一番の外側を45度に削って、組んでいきます。

すごい技です。ピッタリとハマりました。

そして、江戸指物のもうひとつの特徴は、木の表情を美しくみせることです。戸田さんは、桑は、粘り気や光沢があって、別格の素材だと言います。

また、江戸指物は、自然の木目を生かすことが大切なため、磨きの作業に神経を使います。まず、カンナで表面を研ぎ、紙やすりで全体を磨きます。

次に天然のやすり「トクサ」を使って磨き、最後にムクノキの葉で仕上げます。

何度もいろんなもので磨くのですね~。磨きすぎもよくないそうです。

ほどよく、見極めも大切です。この後、ふき漆の工房に出してより木目を際立たせて完成するのです。桑の木は、とても堅く、削るのも大変な作業です。

戸田さんは、桑色というのは、作った時点の色でなく、年々と使うことで色がつき、これが本当の桑色だと語ります。

使ってくれることで手になじみ、それが職人冥利につきるそうです。

(丸善 日本橋店@mznihonbashiさん、アップありがとうございます。)




美の壺:2つめのツボ「心を映す」

美の壺 中村 莟玉(かんぎょく)さん 歌舞伎俳優 京都・東山区 南座

江戸時代に発展した歌舞伎を影から支えてきたものに「楽屋鏡台」があります。化粧前の方が、なじみがありますね~。

京都・四条にある歌舞伎の劇場「南座」の楽屋へ歌舞伎俳優の中村莟玉さんを訪ねました。

莟玉さんは、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」に出演、片岡愛之助さん演じる鱗形屋孫兵衛の息子・万次郎を演じていらっしゃいます。

莟玉さんは、一般家庭の出身で、歌舞伎の舞台にあこがれ、7歳のとき、人間国宝の四代目中村梅玉さんに弟子入り、23歳の時、梅玉さんの養子となり、初代 中村莟玉を襲名しました。

莟玉さん、ワタクシらら子も大好きです。丸顔でかわいいんですよね。可憐なお姫様もよく似合って、よくぞ歌舞伎役者になってくださいました、という気持ちです。

襲名の際、梅玉さんのすすめであつらえたものが楽屋鏡台でした。鏡台のデザインは、梅玉さんが使っているのとまったくおなじで大きさだけをこぶりにしたものです。

鏡が印象的な鏡台で使いやすそうですね~。特徴的なのは、鏡の形、真ん中がふくらんでいて三味線の胴のかたちに似ています。

女形の最高峰と呼ばれた五世 中村歌右衛門がつくったときの形にこだわったところからきているそうです。

歌右衛門は、養父の梅玉さんの養父なので、莟玉さんにとっては養祖父。伝統的な形を莟玉さんも伝統を受け継いでいるのですね。

莟玉さんは、調子のいいときもあれはそうでもないときもあり、鏡台は、それを全部知っていて、見守ってくれている相棒のような存在だと語ってくださいました。

(桂米團治@yonedanji_kさん、アップありがとうございます。)





美の壺 根本 一徳(ねもと かずのり)さん 江戸指物師 東京・荒川区

中村莟玉さんの楽屋鏡台をつくったのは、「根本和家具製作所」の根本一徳さんです。17歳の頃、弟子入りをして技をみがきました。

莟玉さんの鏡台の依頼を受けるとき、梅玉さんの楽屋鏡台を写真で見せてもらいました。梅玉さんと同じもので小ぶりなものというオーダーだったので原寸大を描いて作りました。

難しかったのは、鏡の湾曲部分でしたが、つくってみてよくできた自信作だと語ります。そして、根本さんのもうひとつのこだわりは、筆掛けの「てり」という部分です。

一枚の板から削り出してつくります。小さくつくることは、それなりの形やバランスが変わってくるので大変で、他の職人さんのものを見て勉強もしたそうです。

根本さんにとって、鏡台は、いろんな仕事が入って楽しいもの。数ある江戸指物の中で、鏡台をつくることは、ひとつの目標だそうです。

親方から「鏡台つくるか?」と言われると、技術が認められたような気がしてうれしかったそうです。

人から人、心と心、親方からものづくりの心得も育てられ受け継いできました。

根本さんのつくる折り畳み式の鏡台をみせていただくと、ふちは桑の木、引き出しの部分の前板は黒柿を使いデザイン豊かです。

木の持っている素材を考え、堅牢でじょうぶにつくりました。受け継いだ技は、使う人の心まで鏡のように映って見えるかのようです。

(翌檜@capten705さん、アップありがとうございます。)




美の壺:最後のツボ「伝統な中に粋な仕掛け」

美の壺 渡邊 彰さん 江戸指物師 東京・台東区

東京・台東区にある「江戸指物 渡邊」の1階ギャラリーには、仕掛けや工夫が凝らされているさまざまな江戸指物が並んでいます。

制作したのは、江戸指物師で伝統工芸士の渡邊彰さんです。展示されている指物を紹介していただきました。「いろはたんす」と名付けられた引き出しを開けると奥に隠し小箱が入っています。

あら、ステキ!大切なものを入れることができます。大黒柱がモチーフの家具は、扉を開けると、「たもの杢(もく)」を使った引き出しです。

引き出しを開けると中につまみがあり、カギがかかる仕掛けです。なんと、引き出しは持ち出せるそうです。そして、一番下には、へそくり箱があります。

そして、サイドは、回転する飾り箱まであります。なんとビックリさせられる江戸指物ですこと。楽しさ満載です。

渡邊さんは、時代とともに茶だんすや鏡台が一般的になくなったので指物をみせる楽しい品物ができないかとつくったそうです。

創作にちょっと変わったものを取り入れ、見たことないものやおもしろいと共感してもらえるといいと作りました。

伝統に趣向をかえて、攻めの江戸指物、みせてくれますね。

(東京都 産業・仕事@tocho_sanroさん、アップありがとうございます。)

美の壺 江戸指物の工房へ

渡邊さんの工房をみせていただきました。

今、新たな江戸指物をつくっているそうです。江戸指物は木目をそろえるのが基本なのですが、日本のいろんな銘木を5種類使った引き出しをつくっています。

上から「たも・屋久杉・けやき・黒柿・桑」と個性豊かな木の引き出しが並びます。木の色気を楽しんでもらうためだそうです。

ひときわ目立つ黒柿を中心に全体のバランスを考え設計しました。

扉の正面は、たもで編んだ網代編みでデザイン性を高めました。

渡邊さんは、使って美しい、置いて美しいというのが江戸指物で、家の中で江戸指物を使いたくなるきっかけは、技術とデザインがおもしろいのを見せつけなければと語ります。

「ステキね。」「いい仕事してますね~。」というのが、伝わらなければと、今後も挑戦していかれるそうです。

受け継がれた伝統と創造を織り交ぜながら、新しい江戸指物が今日も生まれます。

(東京都 産業・仕事@tocho_sanroさん、アップありがとうございます。)




美の壺:再放送・バックナンバー情報

NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。

こんにちは。らら子です。 いつも楽しみに見ているNHK『美の壺』のバックナンバーを2019年後半から現在までまとめてあります。

2022 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。

こんにちは、らら子です。 毎回楽しみにしているNHK『美の壺』。2022年の放送一覧をまとめてみました。お役に立てれば幸いです。 ...

2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。

こんにちは、らら子です。 毎回楽しみにしているNHK『美の壺』。2020年の放送一覧をまとめてみました。お役に立てれば幸いです。 ...

2020年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。

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2019年はこちらです。

こんにちは、らら子です。 2019年7月から始めたこのブログ。記事もたまってきたので月別放送一覧を2019年バックナンバーにまとめてみまし...

ご参考になさってくださいね。