こんにちは。らら子です。
藤井風さん「死ぬのがいいわ」で世界的に大ブレイク。ビジュアルや音楽性だけでなく、精神的なメッセージ性の強い歌詞も魅力です。「grace(グレース)」MVではインドロケも敢行。
2024年夏のライブのタイトルは、”Feelin’ Good”(いい気分)。1文字抜くと”Feelin’ God”(神を感じる)。
一方で宗教くさいというアンチや気持ち悪いという意見も。
話題になっている宗教観やサイババの影響について、深掘りしていきましょう。
藤井風さんの足跡についてはこちらもご覧くださいね。
藤井風:瞑想が日課?一人暮らしはどこ?ベジタリアン!かっこいいハーフ顔で英語が得意!高校や大学は岡山?(ふじいかぜ)
目次
藤井風:宗教的なアルバムタイトルHELP EVER HURT NEVERとLOVE ALL SERVE ALLの意味と読み:父の教えHEHNとLASA
藤井風さんは1997年6月14日岡山県里庄町生まれ。「これからはYoutubeの時代」というお父さまの方針で、12歳からユーチューバーとして活躍。
内外アーティストのピアノカヴァー曲を、自宅の喫茶店から発信していました。
岡山城東高校音楽学類卒業後、オリジナル曲もまじえ岡山でライブ活動を開始。現マネージャーの河津知典さんに見出され、2019年初春に上京しました。
オールナイトニッポンDJやワンマンライブチケット完売など話題を集め、2020年5月20日にHEHN RECORDS / ユニバーサルミュージックからメジャデビュー。
ファーストアルバムのタイトルは『HELP EVER HURT NEVER』で、意味は「常に助け、決して傷つけない」、読みはヘルプエバーハートネバー。
『HELP EVER HURT NEVER』は藤井風さん自身が提案して採用されました。頭文字をつなげてレーベル名にもなっています。
藤井風さんは以前のインタビューで「おとんがよく言っていた」と語っています。子どものころからお父さまにこの言葉をいい聞かされて育ってきたのですね。
その後、コロナ禍における無観客スタジアムライブ無料配信でも話題を集め、2021年NHK紅白初出場と、またたくまに活躍の場を広げていきます。
2022年3月発表のセカンドアルバムは『LOVE ALL SERVE ALL』。タイトルの意味は「すべてを愛し、すべてに仕えよ」、読みはラブオールサーブオール。
どちらの言葉も宗教的、精神的なメッセージを感じます。
元ネタはどこにあるのでしょう?
藤井風と:宗教的名言はサイババの経典マントラ?シュリ サティヤ サイ ババとは誰?どんな教え?物質化とは?信者数千万人!?
ネットでは2つのアルバムタイトルは、インドの宗教指導者サイババの経典の言葉からと言われています。
日本では「サイババ」と呼ばれていますが、公式にはもっと長いお名前。
シュリ サティヤ サイ ババ(Sri Sathya Sai Baba)といい、「聖なる灰」で数々の奇跡を起こしたとされています。
病気治癒などの「奇跡」を起こしたとして、次第に名声を高めた。
中でも、手先から「聖なる灰」を生み出し、信者に振りかける姿は有名。アフロヘアーとオレンジ色の衣装がトレードマークで、日本のテレビ番組でもたびたび取り上げられた。(1999年03月12日) 【AFP=時事】出典:jiji.com
何もないところから時計やネックレスといった品物を出す「物質化」も合わせて、手品と批判されました。
灰や石ころを出すならともかく、工業製品を出すのはちょっとやり過ぎですね……。
Youtubeを探すと、日本人マジシャンの種明かし動画もあります。
サイババの経歴をもう少し詳しく見てみると以下の通りです。
南インド生れの現代インドの宗教家。本名サティヤナーラーヤン・ラジュ。奇跡を行うとされるカリスマ的指導者。1940年に自らを実在の聖人サイ・ババの生まれ変わりであるとし,さらには〈普遍の神〉と称して信仰の対象となる。世界各地の多くの信者に崇拝され,信者数は1000万人ともされる。
出典:コトバンク
世界中に信者がいて、その数1000万人とも数千万人ともいわれています。画像を見ると西洋人の信者も多く写っています。
インドの神秘に憧れるのでしょうね。
元はヒンズー系の新興宗教ですが、神は一つという教え。公式サイトにクリスマスのお祝いする様子も載っています。
藤井風:サイババの名言と日本の信者
日本にもサイババの公式機関があり、全国各地にも信者の活動拠点があります。サティヤ サイ出版協会(Sathya Sai Publications Japan )が運営するサイババ書店もその一つ。
サイババ書店公式twitter「サイババの言葉」では毎日サイババの名言が紹介されています。
Twitterのトップページには「Love All, Serve All. Help Ever, Hurt Never.」のマントラ(言葉)が載っています。
https://twitter.com/saibabawords/status/1604046351200751616
サイババ書店ではマントラ入りトートバッグも販売。売れ行き好調だそうです。
マントラの左下の数字の3188はサイババと読むのでしょうか。意外とお茶目です。
さて、2つのアルバムのタイトルは、サイババの代表的なマントラにあることがはっきりしました。
とはいえサイババのオリジナルの言葉かどうかは不明です。
以前から、藤井風さんがSNSなどでサイババのマントラをよく引用しているという話はありました。
シュリ サティヤ サイ ババは、1926年11月23日生まれで 2011年4月24日に亡くなっています。
藤井風さんが20代半ばでサイババの言葉を用いるのは少し違和感があります。
ご本人ではなく、ご両親がサイババを信仰していたということなのでしょう。きっと、サイババの教えが当たり前のように藤井家の日常生活に根づいていたのですね。
藤井風:宗教二世?2歳でサイババの祝福は父母や家族と:両親の想いは?
両親の信仰に基づき育ったという意味で、藤井風さんは今でいう「宗教二世」にあたるのかもしれません。
2022年にリリースされた”grace(グレース)”は、うちなる神に語りかける曲で、さらに宗教的な意味合いが強くなってきました。
「私は神、あなた方も神」というサイババの言葉も連想させます。
“grace”のMV(ミュージックビデオ)はインドで撮影されました。藤井風さんによるとMVの監督さん(QQQ)がインドに行ったことがあって、この曲からインドを連想したからだそう。
MVではインドの光と風をうけながら、生き生きと現地の人々と触れ合ったり踊ったりする藤井風さんの様子が映し出されます。
実は、藤井風さんはインド訪問は3回目。
一度目はお母さまのお腹にいる時に「祝福」を受けるために、2回目は藤井風さんが2歳の時に、無事に生まれたことを感謝しに家族でインドを訪問したそうです。
その時の写真がご本人のインスタにもアップされています。サイババの衣装を思わせる、オレンジ色のスカーフをお揃いで首に巻いた藤井風さんとお母さまの写真。
藤井風さんには、年の離れた兄(空さん)と姉ふたり(海さん、陸さん)がいます。
妊娠中あるいは幼子4人を連れてのインド滞在は、実際のところなかなか困難だと思います。家族全員で行くというのは、それだけご両親の想いが強かったということですね。
NHK『藤井 風 いざ、世界へ』では、ガンジス河を訪れた藤井風さんが人々の歌にハッとする瞬間がありました。
それは、子どものころからお父さまが日本語の歌詞で歌ってくれていた歌。
現地の人たちが声をそろえて歌っている風景を目の当たりにして、思わず一緒に口ずさむ藤井風さん。
「みんなが現地でこうして歌っとんのやー」と感慨深げでした。
藤井風:宗教的世界を支える瞑想とハイヤーセルフ、ベジタリアンそしてサイババ
藤井風さんといえば、瞑想の日課とベジタリアンという食生活にも注目が集まりました。
2019年11月にニューヨークでデビューシングル『何なんw』のMV(ミュージック・ビデオ)を撮影。
MV冒頭はNYのアパートの一室。ベッドで目覚めた藤井さんが、起き抜けに瞑想を始めるというシーンです。瞑想は藤井風さん朝のルーティンなので、ご本人の要望で入れたとのことでした。
またMVメイキング映像では、higher-self(ハイヤーセルフ:より高い次元の自己)についても語っていて、こうした宗教的な精神世界に傾倒していることは早くからオープンにしていました。
サイババの不殺生の教えの影響か、その後、ベジタリアンであることも明かされます。
2021年にリリースされた『へでもねーよ』には「野菜ばっかの生活しょんのに腹の立つこと……」という歌詞が出てきます。
2022年には、藤井風さんの初の有観客野外ライブ『Fujii Kaze LOVE ALL SERVE ALL STADIUM LIVE 2022』が大阪で行われました。
スタジアムの敷地内には、インドのお香がたかれ、大豆ミートを中心にしたベジタリアンフードのメニューの屋台が並びました。
ステージ冒頭の衣装も”grace”のインドの僧侶を思わせるデザインでした。インドの国旗を模したオリジナルの旗も登場。
NHK『藤井 風 いざ、世界へ』では、コンサート会場をインドで満たしたことについて、藤井風さんは、こういう世界があるとみんなに知ってもらいたかったと話していました。
藤井風:宗教的であることの批判やステルス布教とは?疑惑と反論
藤井風の音楽を生み出すために、切っても切れない普遍的な精神世界。生きるものすべてへの愛や葛藤を歌っているのが藤井風さんの魅力です。
この若さでいったい人生何周したんだと驚くような、深く沁みる歌詞の数々。
これらがサイババの影響であるということを知り、特にアルバムタイトルがそっくりとサイババの言葉にあったことに戸惑う人も多いようです。
知らず知らずにうちに、他の宗教を押し付けられたように感じるのかもしれません。すでに特定の宗教を持った人にとっては、特にショックは大きいでしょう。
歌詞だけでなく、アルバムのタイトルやイベントやにも宗教色を出すことに対し拒否反応を示したり、ステルス布教ではないかと批判する人々もいます。
ステルスというのは、英語で stealth。「隠れて」とか「こっそり」とかという意味です。
つまりサイババの言葉を歌詞に紛れ込ませて布教しているのでは?という批判です。
それに対して藤井風さんのインスタでの反論は、他人の押しつけで信仰は変えられないということ。
人の欠点をあげつらうより自分のことを大事にしたほうがいいと、藤井風さんにしては好戦的?挑発的?な口調で投稿しています。
https://twitter.com/kyun_kyun99/status/1608881676213714944(きゅん@kyun_kyun99さんアップありがとうございます)
藤井風さんはもしかしたら、そもそも信仰という次元を抜けているのかもしれないなともワタクシは思っています。
あるいは無自覚なまま人格の一部になっているか。
幼少期より「教え」が身についているということなのでしょうね。
藤井風:気持ち悪い?アンチ?おばさんファン達の存在
藤井風さんの歌が危ういのは、ファンが歌詞を通してサイババのマントラを知り、そのままサイババの信者になる可能性があることです。
というか実際にサイババ信者になっている人も多いという話です。
一方、藤井風ファンは若い人だけでなく中高年の女性が多いのが特徴です。熱狂的なおばさんファンが気持ち悪いという意見もネットでよく見かけます。
40代、50代の女性は、心身ともにいろいろと背負うものが多く、何かとままならぬ世代。
おばさん達にとって、「うちら大丈夫やで」とか「自分の中の自分を愛して」とか、普遍的で響く言葉をまっすぐに言ってくれる藤井風さんは救いなんですよね。
ワタクシらら子もおばさんなので、救いを求めてますます藤井風にのめりこんだり、さらにその言葉の出どころに近づいていく人たちがいるのは、わかるような気がします。
ただ、ワタクシは思うのですが……、
そもそもサイババは「普遍の神」として信仰を集めているので、その言葉もごくあたりまえな「ふつうに良い事」です。
クリスチャンでなくても聖書の言葉が心に響くこともあれば、初詣に行ったお寺や神社に貼りだされていた言葉にはっとすることもあります。
ことわざでも誰かの言葉でも同じように。だったら言葉と宗教は切り離して自由でいたい。
そんな風にワタクシはこれからも自由に「藤井風の言葉」に心ふるわせて行きたいと思っておりますよ。
高い音楽性と共に。