美の壺 「光を奏でるガラス」<File532>工房や場所はドコ?出演者情報もお見逃しなく!NHK美の壺

こんにちは~。らら子です。

今回のNHK『美の壺』は「ガラス」。
さまざまな空間を彩り私たちの暮らしを豊かにしてくれているガラス。今話題のガラスの茶室をはじめガラス造形家の作品もたっぷり出てきます♡

いざ、煌めきガラスワールドへ。




美の壺:放送内容、出演者情報

【番組予告】

国内屈指のガラス会社の「ワイングラス」。繊細なラインを生み出す、吹きガラスの技!

▽ベネチアで製作する三嶋りつ惠さんによる、躍動感あふれるガラス作品

▽工業用のガラスを削り出して作る、神秘のグラデーション!

▽和の文様が引き立てる、砂糖菓子のような「パート・ド・ヴェール」

▽洋館を彩る、小川三知のステンドグラス

▽世界で活躍するデザイナー・吉岡徳仁さんによる「ガラスの茶室」とは?!

<File532>
出典:番組公式ページ

【ゲスト】三嶋りつ惠(ガラス作家)・小島有香子(ガラス造形作家)・石田征希(ガラス工芸作家)・吉岡徳仁(デザイナー)
【出演】草刈正雄 木村多江(語り・ナレーション)




美の壺:一つ目のツボ「形に命を宿す」

木村硝子店  木村武史(きむら たけし)さん

まずは、身近なガラスが登場します。レストランのグラスから普段使いまでを手掛けている明治30年創業 木村硝子店です。

ガラスの器を専らデザイン・企画をしている会社です。1000種類に及ぶグラスを扱い、海外でも高く評価をされています。

中にはニューヨーク近代美術館永久所蔵のウイスキーグラスもあるそうです。

代表の木村武史さんは、デザイナーとして50年近くも活躍されています。そんな木村さんが多く手掛けるガラスはワイングラスです。

脚(ステム)の部分から容器(ボウル)の部分にかけデザインをおこす木村さん。ひとつのグラスを作り上げるのに、50のデザインパターンを描くとか。

日々キレイと思って使ってもらう、自然の素材だからこそ、ほっとする。冷たさより暖かを感じます、とガラスの印象を語ってくださいました。




工房探訪 ワイングラスができるまで
ガラス職人 緒方義春(おがた よしはる)さん

木村硝子のグラスを制作する工場へ。金属状の竿に溶けたガラスの種を巻き取り、息を吹きかけるいわゆる「吹きガラス」技法で作られています。

デザインによって息の吹きかけ方を緻密に計算されています。細い部分は一気に吹くのはNG。弱く吹くそうです。

熱を加え、脚の部分を伸ばして形を成型。だんだんとワイングラスの形に仕上がっていきます。

この時、ちょうどよい焼け具合を模索していきます。飲み口の部分は切り浅く傷をつけます。熱した後、徐冷炉でゆっくり冷やして完成します。

1個のワイングラスを作るのにこんなにたくさんの人の手がかかっているなんて。すごいですね。

作られるグラスによって経験や知識を生かしています。グラスの重みは職人さんの想いが詰まっているのですね。




三嶋りつ恵(みしま りつえ)さん ガラス作家

イタリアと京都を拠点に活動をしているガラス作家の三嶋りつ恵さんが登場します。

三嶋りつ恵さんは、イタリアではヴェネチアガラスの本場ムラノ島で職人たちと制作をしています。

オレンジ色をした溶けたガラスは変幻自在に形を変えていきます。次から次へと生み出される作品はまるで錬金術のようだと三嶋さんは語ります。

三嶋さんの作るガラスは透明のガラスばかり。透明のガラスは光を通して見るものと周囲を繋げています。

三嶋さんは制作をするにあたってほとんどデザインを描かないそうです。ガラスは型に嵌りすぎると素材独自の生命感や躍動感が失われるのだそうです。

偶然に起こるものも含めて流動的に受け入れるのがガラスなのだそうです。

自然の鉱物より生まれている物質ゆえなのでしょうか。




美の壺:2つ目のつぼ「千変万化する姿を味わう」

ガラス造形家 小島有香子(こじま ゆかこ)さん

石川県の新名所「国立工芸館」が登場します。

2020年10月、東京より移転オープンした東京国立近代美術館です。オープニングで注目を集めた作品《畜層硝子皿 月華》が紹介されます。

直径30センチ程度の皿作品でブルーのグラデーションが印象的です。ブルーのグラデーションは冷たい夜の空をイメージしたものです。

10枚の板ガラスを重ねて層を作りウオーターサンダーと呼ばれる石材を研磨する工具で削ります。

最後に金剛砂と呼ばれる研磨剤をのせ表面を柔らかくして完成です。板ガラスは光を反射する工業用の板ガラスを使用しています。

たまたま誤発注した板ガラスを使ったら、よい表情となったことから今の材料を使うことになったそうです。

自然光のやさしい光を感じてもらいたいと小林さんは語ります。ガラスは冷たさ、暖かさ、色んな表情を見せてくれますね。




ガラス工芸作家 石田征希(いしだ せき)さん

乳白色のガラスに色をつけた個性的なガラスたち。パート・ド・ヴェールのガラスを制作している石田征希さんが登場します。

パート・ド・ヴェールとはフランス語でガラスの練り粉という意味。古代よりある技法ですが一時期途絶えたこともある技法です。

石田さんの工房は日本の伝統文化を受け継ぐ京都にあります。石田さんは元々、着物や帯の図案を描いていました。

鳳凰や鴛鴦、有職文様といった伝統的な日本の文様をガラスに取り入れ現代的にアレンジし繊細に表現しています。

制作過程を拝見しました。

まず、石膏型に文様を彫ります。色を濃くつける部分は深く彫り、薄い部分は浅く彫ります。文様の部分に色のついた粉ガラスを筆で押しつけるように塗り入れ、

粒状のガラスを詰め空気が入らないように石膏型で挟み込み、炉に入れ10日間焼成したのち、型を割り出すと乳白色のガラスが誕生します。

かすかに透過するガラスが淡い雰囲気を醸し出しています。砂糖菓子にくるまれたようなガラスですね。

石田さんの作品から甘美な香りが漂います。





美の壺:最後のツボ「別世界を生み出す」

鳩山会館 小川三知(おがわ さんち)のステンドグラス

東京 文京区にある鳩山会館が登場します。

大正期のイギリススタイルの洋館です。鳩山会館には6組のステンドグラスが残されています。

1階、開放的な空間に配された円形のステンドグラス。欄間風に仕上がっています。

自然光を取り入れ、中間色を多用した優しい空間を演出しています。階段の踊り場には3.6メートルの大きな窓ガラスがあります。

たなびく雲に空飛ぶ鳥と五重塔。半透明のオパルセントグラスも効果的に取り入れています。大きな窓に浮かび上がったガラスの絵画のようです。

ステンドグラスを手掛けたのは小川三知(1867-1928)。日本画を学んだ後、渡米。ステンドグラスを学び日本にステンドグラスを根付かせ芸術の域まで押し上げました。

日本画の素地があった三知らしく左右非対称の構図、余白の美を生かし柔らかい色調です。

日本文化をうまく取り入れ、洋と和の融合を図った異国情緒漂うガラスですね。





ガラスの茶室《光庵》 デザイナー 吉岡徳仁(よしおか とくじん)さん

東京・六本木 国立新美術館にあるガラスの茶室が登場します。

その名も《ガラスの茶室-光庵》です。デザインを担当したのは吉岡徳仁さんです。吉岡さんは現代アートや建築を手がけるデザイナーです。

吉岡さんは、名だたる美術館に作品が収蔵され国内外で高い評価を受けています。なんと東京オリンピック2020の聖火リレートーチもデザインされています。

ガラスの茶室は、4.5tの透明ガラスでできています。日本の自然と一体化した光に包まれた茶室ができないかと思い作られたそうです。

《光庵》には、いろんな見立てが隠されています。床や畳の部分をガラスの水面に見立て、「炉」や「床の間」にはガラスの彫刻を施しています。

亭主が手前をする位置や床の間もガラスで配しています。また、床の間に活ける「茶花」の代わりに「虹の花」。

太陽光線の角度を緻密に計算しガラスの反射で太陽からガラスの茶室に当たる光を花に見立てるのです。

野に咲く素朴な草花と自然から生み出す光。すべてが自然で表現されるガラスの茶室。

自然に包まれたガラスの茶室で、石田征希さんのパート・ド・ヴェールのお茶碗で一服いただきたいなぁと思う、らら子なのでした。




美の壺:再放送・バックナンバー情報

美の壺・合わせて読みたい バックナンバー

NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
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こんにちは。らら子です。 いつも楽しみに見ているNHK『美の壺』のバックナンバーを2019年後半から現在までまとめてあります。
2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
こんにちは、らら子です。 毎回楽しみにしているNHK『美の壺』。2021年の放送一覧をまとめてみました。お役に立てれば幸いです。 ...
2020 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
こんにちは、らら子です。 毎回楽しみにしているNHK『美の壺』。2020年の放送一覧をまとめてみました。お役に立てれば幸いです。 ...
2019年はこちらです。
こんにちは、らら子です。 2019年7月から始めたこのブログ。記事もたまってきたので月別放送一覧を2019年バックナンバーにまとめてみまし...
ご参考になさってくださいね。





美の壺・放送予定。再放送はいつ? NHKオンデマンド登録で見逃し視聴もできます。

今回の『美の壺』初回放送は2021年3月26日(金)でした。番組内容もこの時点のものです。

放送スケジュールは2020年4月現在で、
Eテレ「美の壺・選」の放送は、日曜日午後11時~、再放送は毎週木曜日午前11時~です。
BSプレミアム「美の壺」は毎週金曜日午後7時30分~、再放送は毎週土曜日午前6時45分~です。

BS4Kは、BSプレミアムと同じ毎週金曜 午後7時30分で、再放送は回数が増えて、
日曜日午前6時45分、月曜日午後4時00分、金曜日午前9時00~の3回あります。
キレイな画質のBS4Kは美の壺のような番組にはピッタリですね!

NHKオンデマンドなら月額の見逃し見放題パックや単品視聴ができます。月々500~600本の番組が放送当日または翌日から見られます。

最近では「ないエンタメがない」がキャッチコピーのU-NEXT(ユーネクスト)も話題ですね。最初の31日間は無料おためし期間だそうです。





【参考サイト】

番組公式ページ https://www.nhk.jp/p/tsubo/ts/3LWMJVY79P/
NHKオンデマンド https://www.nhk-ondemand.jp/
NHK クロニクル  https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/
NHKの旧美の壺詳細サイト https://www.nhk.or.jp/tsubo/program/