美の壺 木彫 「永遠(とわ)に生きる木彫」<File597>お店や場所はドコ?出演者情報もお見逃しなく!NHK美の壺

こんにちは~。らら子です。

今回のNHK 『美の壺』は、「永遠(とわ)に生きる 木彫」。
木の彫刻は、ぬくもりを感じますよね。癒しの木がたっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。

いざ、ウッドワールドへ。






美の壺:放送内容、出演者情報

【番組予告】

仏像から最新の作家まで「木彫」を特集▽平等院鳳凰堂の阿弥陀如来坐像に刻まれた優美な表情。京都・即成院には笑う菩薩?▽彫刻家・三沢厚彦さんが生み出すユニークな彫刻。様々な動物を一つの体に共存させた「キメラ」に込めた“木彫愛”とは▽圧倒的な存在感を生む、加藤巍山さんの繊細かつたくましい筋肉描写▽まるで本物の柿!?作者が愛する故郷の原風景▽富山・井波の寺に残る欄間には、波を泳ぐ龍の姿

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出典:番組公式ホームページ

【出演者】
庭師 …梶原 善 / 松久 佳遊… 仏絵師・仏師 / 三沢 厚彦… 彫刻家 / 加藤 巍山… 仏師・彫刻家 / 野村 光雄… 彫刻家 / 岩崎 努… 木彫家

【ナビゲーター】草刈正雄 【語り・天の声】木村多江(語り・ナレーション)




美の壺:1つめのツボ「時を超え 受け継がれる形」

美の壺 松下 佳遊(まつした かゆう)さん 仏師 京都市中京区

古くから木を彫る文化が伝わる京都で「のみ入れ式」が行われていました。仏像を彫る木に祈りをささげ無事完成を願う儀式です。

寺の住職や親族、仏師らが思いをこめてノミを入れます。式が終わると木は工房へ納められます。

京都市中京区にある「松久仏像彫刻会館」の代表の松久佳遊さんは、祖父の代からの工房を引き継いで30年、仏像を彫り続けています。

使う木の材質は、ヒノキです。松久さんによると、ヒノキは、人肌のようなやさしい色合いなのだそうです。

松久さんの代表作「花かんのん」を見せていただきました。

まあ、なんと美しいほとけさまなのでしょう。やわらかさを感じる観音さまです。

松久さんは、仏像を作る前にイメージをふくらますため、絵を描きます。描かれた仏さまは、首をかしげ花を持っています。

松久さんは、時を経ても人びとが祈りを捧げる仏像の姿を理想としています。もともと生きて立っていた木の命が、仏さまの中に生き続ける不思議な感覚です。

人の形でありながら人ではない姿を表現することに人が手を合わせる秘密があるのだろうと、語ってくださいました。

https://twitter.com/NaraBusshi/status/1634880592214122503

(奈良仏師折上稔史(おりかみとしふみ)@NaraBusshiさん、アップありがとうございます。)




美の壺 神居 文彰(かみい もんしょう)さん 住職 平等院鳳凰堂 京都・宇治市

今からさかのぼること1300年前の奈良時代、木彫は、仏教の広がりとともに発展していきました。

奈良市・唐招提寺の国宝・薬師如来立像は、「一木造り(いちぼくづくり)」とよばれる1本のひのきから作られています。

繊細な顔の表情や衣のひだが木彫で表現されています。

平安時代になると木彫は、複数の木から作られる寄木造り「(よせぎづくり)」の技術がうまれました。寄木造りは、立派な複数の木を使うことによって大きな仏像がつくることができます。

平等院鳳凰堂の国宝・阿弥陀如来坐像は、当時を代表する仏師、定朝(じょうちょう)がつくったものです。

木で彫った上に金箔が貼られた荘厳な阿弥陀像です。

立派な阿弥陀さんですね。

平等院住職の神居文彰さんは、仏として円満で満たされた表情の阿弥陀さまで、拝む人がじかに感じられるような様子を木からつくられたと教えてくださいました。

(森本 寛士@motohiro1331さん、アップありがとうございます。)




美の壺 平野 雅章さん 住職 即成院(そくじょういん) 京都市東山区

京都市東山区の真言宗泉涌寺派の「即成院」には、寄木造りを確立させた定朝とその弟子たちによってつくられた仏像があります。

死者の魂を極楽浄土に迎える仏の姿と楽器を奏でる25体の菩薩像です。大勢の菩薩さまは、楽器を奏でる姿や微笑む姿で表情豊かです。

定朝は、この仏さまを長持ちさせるためにある工夫をしました。仏像の内部の木をくり抜き木の乾燥やひび割れから守りました。

仏さま内部をくりぬくことで、唱えるお経や声明(しょうみょう)など、さまざまな音や音楽が仏さまの中に入って共鳴したり反響したりしています。

定朝は、そこまで考えて彫っていると即成院住職の平野雅章さんが教えてくださいました。

考えに考えられて磨かれた木彫の技が今も生き抜いています。

https://twitter.com/junexbalix/status/1755072102045278487

(J U N E ꕥ B A L I@junexbalixさん、アップありがとうございます。)




美の壺:2つめのツボ「木の思いを宿す」

美の壺 加藤 巍山(かとう ぎざん)さん 彫刻家・仏師

仏師の加藤巍山さんが登場します。

伝統的な木彫表現を取り入れた作風が世界的に高い評価を受けている加藤巍山さんは、木になめらかな曲線をつくりだすまで丁寧に彫ります。

ただ形をきれいにするのではなく流れを意識して彫っているそうです。

座禅を組む男性像≪天地開闢(てんちかいびゃく)≫は、筋肉の表現が圧倒的な存在感をかもし出しています。

木材はクスノキで、仏像と同じ寄木造りでつくられています。

衣のひだの表現や仁王像のようなたくましい身体表現は、仏像づくりの技術が生かされています。

一方、体には、金具が打ち込まれています。この金具は、寄木造りで補強に使われている道具です。

あえて金具をみせることで、地球規模で起きている痛みも可視化しています。

加藤さんは、静止している彫刻の中に視覚的に生命感を感じてもらいたいと考え、生命感を帯びた存在感を目指しています。

加藤さんにとって、彫るという行為は祈りに似た行為だといいます。人間の尊厳をこめて未来に伝えていくのが使命なのだと語ってくださいました。

(情熱大陸@jounetsuさん、アップありがとうございます。)




美の壺 三沢 厚彦(みさわ あつひこ)さん 彫刻家

京都市中京区の町の一角に建つギャラリー「AMMON KYOTO」が登場します。

中に入るとユニコーンや猫、クマといった謎めいた表情でユニークな動物たちがいました。作ったのは、彫刻家の三沢厚彦さんです。

三沢さんは、20年以上、木の動物をつくり続けてきました。創作の手法も独創的です。写真や実物は、一切見ないでつくります。

本物はパーフェクトなのでちょっとしたズレ感をつくりたいそうです。

三沢さんが、木彫を始めたきっかけは高校時代の美術の授業でした。木を切っていく感触や匂いが良くて、木彫っていいな。と思ったそうです。

その後、大学で本格的に木彫を学び2000年から動物シリーズを制作、見る人にさまざまな感情を呼び起こしています。

三沢さんが、たどりついたのが「キメラシリーズ」です。

キメラとは、頭はライオン、尻尾はヘビ、背中は妖怪アマビエで複数の動物の要素を一つの体に共存させた生き物です。

印象的な生き物ですね。キモカワの世界ですね。

三沢さんは、共存して仲良くするのではなく、ひとつの体を持った状態で生きていくのが大事なのだと言います。

三沢さんは、作品そのものが意思をもって存在していると感じることがあるそうで、彫刻をしていてよかったと思う瞬間だそうです。

(石神の丘美術館〈花とアートの森〉@ishigami_museさん、アップありがとうございます。)




美の壺:最後のツボ「ふるさとが育む」

美の壺 常本 哲生さん 輪番 富山県南砺市 瑞泉寺

富山県南砺市井波町。

現在も彫刻の町として200人ほどの彫刻家が暮らしています。江戸時代、京都の職人が木彫の技を伝えました。

井波の彫刻は瑞泉寺からはじまっています。

1390年に創建された瑞泉寺は、真宗大谷派の別院です。

瑞泉寺は、何度も火災で焼失しますが、その度に宮大工が再建にあたりました。

宝暦・安永年間(1763年〜1774年)の瑞泉寺の再建に関わったのが、京都の本願寺より派遣された彫刻師の前川三四郎でした。

井波彫刻の最高傑作が見られるのが瑞泉寺の欄間です。

山門の上を見上げると前川三四郎の「龍に波」の欄間があります。

輪番の常本哲生さんによると瑞泉寺の波は、海の波でなく雲の波で、躍動的で飛び跳ねる龍の表現だそうです。

井波の彫刻家たちは、立体的で今にも飛び跳ねる龍の表現を見て影響を受けました。今もその技は引き継がれています。

https://twitter.com/take_tane1tane/status/1590512977073287169

(タケさん@宇宙の繋がりLOVEな放浪LIFE@take_tane1taneさん、アップありがとうございます。)




美の壺 野村 光雄さん 彫刻家

生まれも育ちも井波町の彫刻家 野村光雄さん。

40年近く欄間を作り続けてきました。欄間は、日本の和室に特化した彫刻です。

野村さんは、部屋に入って座り見上げた時、一番いい状態で見えることを考えて彫っています。欄間は下からながめるため野村さんは、天地を逆にして、ノミで彫り進めます。

使う木は、クスノキの木です。

割れにくく細かい図案を彫るのに適した木材です。天然木材なので傷があったり割れがあったり木の表情はさまざまです。

傷がでてきたら図案を変えていきます。

野村さんは、いろんな変化にこたえバリエーションを頭の中で整理できてこそ一人前の職人だといいます。

野村さんは、井波に生まれ育つことで技が身にいたそうです。子どもの頃、遊ぶ場所は瑞泉寺の境内でした。

寺の彫刻が見守るの中で遊んでいました。

弟子に入った時は、師匠である父から瑞泉寺へ勉強してこい!龍を見てこい!と言われました。

井波の彫刻家は瑞泉寺の龍から始まっているのです。

(武田菱@takedabishi8さん、アップありがとうございます。)




美の壺 岩崎 努さん 彫刻家  平井 千香子さん 日本画家

画面に登場したのは、みずみずしいさくらんぼやたけのこ、色あざやかな柿もあります。枝ぶりがいいですね。

これらの作品は、全て木彫でできています。

作ったのは、井波出身の彫刻家の岩崎努さんです。15年前に独立、細密的な木彫作品を制作しています。

使う木は、カエデの木です。

かたい木で細かい部分を削っても壊れませんが、繊維に逆らわないように刀を入れないと削れない難しい木材です。

岩崎さんは、柿の枝にからみつくツルを彫っています。

自然にあるままを彫っているのではなく岩崎さんの思いをうつし取って彫っています。実際にはあり得ない姿なのですがこんな姿だったらなと岩崎さん自身が思う郷愁や哀愁を深めて彫ったものです。

柿の色彩は同郷の日本画家平井千香子さんに依頼しました。

平井さんは、柿にブルースを感じるそうで、あらゆる技を駆使して生まれ故郷を伝えたいと思っています。

井波の人々は、柿をあまり収穫しません。

雪が降って熟れて朽ちることが多いそうで、そんな風景を思いおこし、心に深くしみ入る柿の佇まいを岩崎さんは、表現しています。

(ゼロニイ【北陸・富山の楽しいを全部!】@02magazineさん、アップありがとうございます。)




美の壺:再放送・バックナンバー情報

NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。

こんにちは。らら子です。 いつも楽しみに見ているNHK『美の壺』のバックナンバーを2019年後半から現在までまとめてあります。

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2019年はこちらです。

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ご参考になさってくださいね。