こんにちは~。らら子です。
今回のNHK 『美の壺』は、「桃山の革命 織部焼」。
織部焼って緑色のイメージが強いですね。形も独特!桃山時代から現代までの織部焼がたっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。
いざ、ひょうげもの ワールドへ。
【まもなく!夜7:30から #桃山の革命_織部焼 】
200もの織部の型を写し取った陶芸家・小山智徳さんが追及する、織部の技法とは?
革新の精神を受け継ぐ玉置保夫さんによる、現代織部のド迫力!夜7:30~ BSプレミアム・BS4K pic.twitter.com/TD0sdH8eZx
— NHK びじゅつ委員長 (@nhk_bijutsu) August 5, 2022
目次
美の壺:放送内容、出演者情報
【番組予告】
織部焼に見惚れた料理人・奥田透さんによる、織部と料理の組み合わせの技▽古美術商イチオシの、ゆがんだ「沓(くつ)茶碗」とは!?▽美濃の織部焼が、なぜ京都で大量に発見されたのか?▽200もの織部の型を写し取った陶芸家が追及する、織部の技法とは?▽耳の長いウサギに、かごの目…織部に描かれた文様は、いったい何を意味しているのか?▽革新の精神を受け継ぐ、現代織部のド迫力!<File563>
出典:番組公式ホームページ
【ゲスト】学習院大学教授 荒川正明 料理人 奥田透 古美術商 梶高明 陶芸家 小山智徳 陶芸家 玉置保夫
【出演】草刈正雄 木村多江(語り・ナレーション)
美の壺:1つめのツボ「姿に驚き 使うほどに心躍る」
美の壺 奥田透さん 料理人 織部の器にひかれて
東京・銀座の日本料理店「銀座 小十(こじゅう)」を営む料理人の奥田透さんは、いろんな器を使いこなします。
その中でも織部焼に強い魅力を感じるそうです。器を好きになった時に一番ひかれたのが織部の白と緑でした。
料理を引き立てるだけでなく料理を盛る時に楽しさを感じさせてくれるのだと言います。織部にもいろんな種類があります。奥田さんの料理と共に拝見しました。
織部の釉薬に赤がコントラストとなっている「鳴海織部」には、鱧の落としが盛られていました。器と食材が同じ色でまとまっています。
織部釉に絵付けが施されている「青織部」にはかつおのたたき、青をアクセントにした「総織部」の器には、焼き魚のきんきが盛られ、まるで青い海に魚が泳いでいるようです。
奥田さんは、織部は、いつも新しくどう向き合うかドキドキする心踊る器だと魅力を語って下さいました。
「銀座小十」は、ミュシュランガイド東京版が発刊以来、掲載されるお店です。一度は訪れてみたい名店ですね。
今日はいっぱい仕事して最後は会食ーー!#銀座小十
さん!美味しいお料理とお酒をいただきましたーー!
器も素晴らすいーー!と感じた pic.twitter.com/3W3OIajcS7
— のりを (@11snoriwo) March 12, 2021
(のりを@11snoriwoさん、アップありがとうございます。)
美の壺 梶 高明(かじ たかあき)さん 古美術商 黒織部
京都・東山区に骨董店が軒を連ねる通りがあります。
京都の骨董街として有名な古門前通りに「梶 古美術」を構える梶 高明さんは、桃山時代の織部焼の茶碗がお気に入りです。
梶さんの好きな織部の茶碗は、普段私たちが連想する織部焼とは違います。
「黒織部」と呼ばれる、黒い釉薬で覆われ、ろくろの目が残り、くつのようなゆがみがある茶碗です。
別名「沓(くつ)茶碗」とも呼ばれます。
梶さんによると、まず、中国より左右対称の形をした唐物茶碗が伝わり次に多少左右が違う高麗物と呼ばれる茶碗が朝鮮半島より伝わりました。
それがエスカレートしたのがくつ形の織部の茶碗なのだそうです。桃山時代は、南蛮貿易で海外の輸入品の取引が盛んでした。
世界中のモノや人が行きかう開放的な雰囲気が織部焼の人気に火がつきました。
織部焼の大胆な造形が味わえる「黒織部沓茶碗」が出陳中です。織部焼は美濃地方で焼かれた陶器で、茶人の古田織部の好みを取り入れたと言われます。奇抜でダイナミックな形や文様が特徴で、この茶碗も大きく歪んだ形をしています。荒々しく彫って表した格子文などは現代アートを見るようです。#織部 pic.twitter.com/kvj74TfaiQ
— 大和文華館【公式】 (@yamatobunkakan) April 24, 2019
(大和文華館【公式】@yamatobunkakanさん、アップありがとうございます。)
美の壺 織部焼 茶碗 ひょうげもの
「織部焼」の名の由来は、戦国時代の武将・茶人・芸術家の古田織部が好んだ器や焼き物からきています。
「宗湛(そうたん)茶湯日記」は、博多の豪商神谷宗湛が、桃山時代の茶人や茶会の状況、茶器のことなどを克明に記した書物です。
その中に織部の茶碗について「ひょうげ(へうげもの)ものなり…」と書かれています。
ひょうげものとは九州の方言で「剽軽(ひょうきんな)」「おどけた」という意味です。
織部の茶碗は、当時の人を驚かせるような形をしていました。
古美術商 梶さんのもとへ老舗料理店の料理人の北村典生(のりお)さん、村田知晴(ともはる)さんが訪れました。
梶さんは、沓茶碗でおもてなしをします。どこが正面なのか、どこから飲めばよいのか至難の業です。飲みやすい場所を探してお茶をいただきます。
沓茶碗は、その場を驚かせて謎かけのように茶会で話題を提供したのではと梶さんは、語ります。
400年前も今も同じような情景を織部焼は見せてくれました。
博多の豪商・神屋(谷)宗湛の茶会記『宗湛日記』に於いて、慶長四年 (1599) 2月28日の条に「セト茶碗。ヒツミ候也。ヘウケモノ也」の記述があり、その故に本日は「織部の日」だそうな。 pic.twitter.com/8o6uWU3Zn5
— 大山川大介山 〜今夜はエンジェル (@daisukezanNGO) February 28, 2013
(大山川大介山 〜今夜はエンジェル@daisukezanNGOさん、アップありがとうございます。)
美の壺:2つめのツボ「あくなき形への探求」
美の壺 西森 正晃(にしもり まさあき)さん 京都市文化財保護課 織部焼の発見
織部焼は当時、日本の焼き物の最大産地である岐阜県美濃地方で作られていました。
岐阜県土岐市の「元屋敷陶器窯跡(国指定文化財)」には、桃山時代の窯跡が残っています。
「大窯・連房式登窯」で、美濃の窯元がでデザインから生産まで全てが関わってきたと考えられてきました。しかし、1989年、京都三条中之町で美濃焼が出土しました。
その半数は、何と織部焼という大発見です。京都市文化財保護課の西森正晃さんは、生産地以外でこんなに多くの織部焼が出土したのは初めてだったそうです。
大発見は、この地に問屋があった場所だと証明されました。京都から美濃へ織部焼が発注されていたと考えられます。
京都三条は、古より東海道と中山道の終着地点で交通の要所でした。
焼き物、絵画、染色の店があったことからも他のジャンルとの交流もあったのではと当時の想像を駆り立てます。
うおお。RT @toyotomitougei: 「へうげもの」に登場する織部焼はほとんど実在するものです。
写真は京都三条出土のモノ中心です。
頂いた原稿レプリカに豆向付を乗せてみた。 pic.twitter.com/1i9Ebn7aYb— 山中俊治 Shunji Yamanaka (@Yam_eye) September 21, 2014
(山中俊治 Shunji Yamanaka@Yam_eyeさん、アップありがとうございます。)
美の壺 小山 智徳(こやま とものり)さん 長野市戸隠
桃山時代の織部焼に憧れた作家が長野にいます。
「戸隠庵(とがくしあん) 土胞子工房」の陶芸家 小山智徳さんは、土型を使って作る「型打ち」と呼ばれる技法で作品を作っています。
織部焼の魅力は「型」にあると小山さんは語ります。型打ち技法は、ろくろでは実現できないデザインのバリエーションを増やすことができます。
例えば、一つの型で上に立ち上げると花器になり、平らにするとタイルになります。また、型を大きくすると鉢になり小さくすると豆皿や小向付になるそうです。
今までに小山さんは、200個の織部の型をうつし取り、作陶をしてきました。
研究を重ね、織部のデザインは家紋の製図方法が関連していると考えています。
小山さんは、制作することで当時の作り手のこだわりを感じるそうです。制作をする時には、「動き」を意識しているそうです。
そして、「形」は言葉を介さない意味伝達の手段で伝統的なイメージの宝庫だと考えています。
『小山 智徳(こやま とものり)』先生!
作品を作っている時は無心にならず、頭に浮かんだ数々の言葉から意味を探し、その形を探し、作品を作りあげる。
と、独特の感覚をお持ちの先生じゃ!
まさに芸術家でありまするなぁ~。
師匠はあの瀧口喜兵爾先生じゃよ。#織部焼 #陶芸 #黄瀬戸 #陶工 pic.twitter.com/qrLtF3knWn— 古田織部 (へうげもの) (@FURU_ORIBE) October 11, 2019
(古田織部 (へうげもの)@FURU_ORIBEさん、アップありがとうございます。)
美の壺:最後のツボ「まだ見ぬ景色を求めて」
美の壺 荒川正明さん 美術史家
織部焼の名品に≪織部松皮菱形手鉢≫(北村美術館・蔵)があります。
形は松菱形の器です。器から伸びる持ち手に自由なデザインを感じます。
そして、器には抽象絵画のような多様な文様の絵付けが施されています。器に多様な絵付けをされたのは織部焼が初めてなのだそうです。
学習院大学教授で美術史家の荒川正明さんは、焼き物の歴史を研究しています。
荒川さんによると焼き物にはテーマが隠されています。「吉祥性」と「魔除け」です。
器がどれだけおめでたいものなのかという吉祥性と、文様や草花のモチーフには、邪気を払う魔除けの意味が隠されているのです。
作品をみていくと、しだれる藤の花は、神が降りた時のいい香りに例えられます。
籠目(かごのめ)の文様は、六芒星に見えることから魔除けを意味すると考えられてきました。
長い耳の兎と垣根が絵付けされた作品にある垣根は、邪気を払う結界だと荒川さんは考えています。
戦の絶えない桃山時代だからこそ、清らかで命を考えるモチーフが発展したのでは、と荒川さんは語って下さいました。
【2月号 幕末明治のやきもの特集◇発売中】
特集前半では、明治維新という新しい時代が生み出した今までにないやきものについて、学習院大学の荒川正明教授に解説いただきました。目の眼HPにて全頁無料公開中
詳しくはこちらからhttps://t.co/y2CoqESWIY pic.twitter.com/ex1z6XL9rP— 目の眼(ME NO ME) (@menomeonline) January 27, 2022
(目の眼(ME NO ME)@menomeonlineさん、アップありがとうございます。)
美の壺 玉置 保夫(たまおき やすお)さん 陶芸家 岐阜県多治見市 織部スピリッツ
岐阜県多治見市で「玉山(ぎょくざん)窯」を営む陶芸家の玉置保夫さんは、祖父の代からの窯元を守る四代目です。
玉置さんは、岐阜県の無形民俗文化財に認定されています。誰も見たことのない織部焼を目指しています。
作品≪天空≫は、漆黒に浮かび上がる織部の釉薬を星に見立てた作品です。
伝統的な織部焼の技法を用いながら現代の技術だからこそできるものを模索してきました。
織部焼は、400年前、革新的で前衛的な焼きものでした。超越して新しい焼き方へとたどり着いたと玉置さんは言います。
その精神こそが織部そのものなのだと語って下さいました。
玉置さんの作品は、複数の土をつぎはぎした花器や、複雑な温度と焼成法を発見して緑に赤を大胆に融合させた板皿など織部焼の変革そのものです。
「変わらないものも伝統」、「時の流れと共に変わり続けることも伝統」、今の伝統を創る思いで作陶しているそうです。
桃山時代から400年続く織部の精神が玉置さんに引き継がれています。
https://twitter.com/tokai_newsone/status/1456597137412616199
(東海テレビニュースONE@tokai_newsoneさん、アップありがとうございます。)
美の壺:再放送・バックナンバー情報
美の壺・合わせて読みたい バックナンバー
NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。
2022 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2020年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2019年はこちらです。
ご参考になさってくださいね。
美の壺・放送予定。再放送はいつ? NHKオンデマンド登録で見逃し視聴もできます。
今回の『美の壺』初回放送は2022年8月5日(金)でした。番組内容もこの時点のものです。
放送スケジュールは2022年4月現在で、
Eテレ「美の壺・選」の放送は、日曜日午後11時~、再放送は毎週木曜日午前11時~です。
過去の放送分から毎週金曜日午後0:30〜午後1:00からと毎週水曜日午前5時30分~です。
BS4Kは、BSプレミアムと同じ毎週金曜 午後7時30分で、再放送は回数が増えて、
土曜日午前6時45分、金曜日午後0時30分、木曜日午後11時30~の3回あります。
キレイな画質のBS4Kは美の壺のような番組にはピッタリですね!
NHKオンデマンドなら月額の見逃し見放題パックや単品視聴ができます。月々500~600本の番組が放送当日または翌日から見られます。