らんまん永守徹(ながもりとおる)モデルは?神戸の永守家とは実話?今後どうなる?早川逸馬との関係は?NHK朝ドラ

こんにちは~。らら子です。NHK朝ドラ『らんまん』。

9月3週、お金にも立場にも困りはてた万太郎に思わぬ大スポンサーがつき、大きく動き出します。

中川大志(なかがわ たいし)さん演じる永守徹(ながもりとおる)は資産家の大富豪。お若く見えますが、いったいこの人は何者??早川逸馬(はやかわいつま)との関係は?

さっそく深掘りしていきましょう。

https://twitter.com/asadora_nhk/status/1702091035667529762





らんまん永守徹は実話?モデルは誰?神戸の永守家とはどんな資産家の大富豪?

永守徹のモデルになったのは、教育者で美術品収集家の池長孟(いけながはじめ 1891~1955)氏です。神戸の私立育英商業学校校長も務めました。

ドラマの神戸の大富豪、永守家の家業は明らかにはしていませんが、ほぼ池長家と重ね合わせることができるでしょう。

池長孟氏は1862年生まれの牧野富太郎博士よりも30才ほど年下です。

牧野富太郎博士に援助を申し出たときは、京都帝大法科の学生でした。

植物標本10万点を3万円でポンと買上げ、その後も月々の生活費や研究費など経済的な援助を続けました。

学生なのになぜそんな自由にお金が使えたのか?

池長氏は、幼い頃におじの池長通氏の養子となりました。永守徹(ながもりとおる)の徹(とおる)はおじさんの名前からでしょうか。

池長家は兵庫一帯の土地を買い入れ、土地家屋貸付業で財をなした資産家(出典:神戸新聞NEXT)でした。

池長氏は、池長家の当主不動産所得で、ありあまるお金があったというわけです。

学生生活を送っていても土地や建物がお金を生んでくれるんですねー。

池長氏は、生まれつき芸術的センスがあり、美術品の収集をしていました。

それだけに、貴重な日本の植物標本を海外に流出させてしまうことの重大性を、実感していたのでしょう。





らんまん永守徹は実話?早川逸馬との関係は?

ドラマでは、土佐出身の代議士早川逸馬(はやかわいつま)から万太郎の話を聞いた永守が、スポンサーになるという設定でした。

早川逸馬は元・自由民権運動活動家で、万太郎が土佐にいた若い頃の恩人です。エピソードはこちらをお読みくださいね。

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後に鉄道王となる相島圭一(あいじまけいいち)が永守家に出資を頼み、早川逸馬は代理人として、寿恵子(すえこ)が営む渋谷の待合茶屋「山桃」の接待の場に。

その夜に万太郎の家を訪ねて感動の再会!永守に紹介することになります。

しかし、史実では代議士の仲介はありません。

牧野富太郎自叙伝によると牧野博士と家長氏の出会いはざっとこんな感じ。

牧野博士は大正5年頃、借金がふくれあがっていよいよピンチとなります。生活費にも困り、植物標本を海外に売り払う覚悟をきめます。

このとき、朝日新聞社に勤めていて後に大網の農学校校長となる渡辺忠吾氏(わたなべちゅうご:1884-1944)が、内情を明かすべきだと牧野博士を説得。

渡辺氏は「東京朝日新聞」の記事に「大切な学術上の標品が外国へ売られようとしている」と書きます。

この記事は「大阪朝日新聞」に転載され、神戸から2名の援助の申し出がありました。

そのうちの1人が池長氏だったというわけです。

ちなみに、もう1人は久原房之助(くはらふさのすけ)氏です。久原氏は「鉱山王」で政・財界の黒幕、つまりフィクサーでした。




らんまん永守徹は実話?博物館や植物標本はどうなる?

史実の牧野博士は、新聞社のとりまとめで池長家の援助を受けることになりました。

大正5年(1916)年のことです。

「植物標本10万点の保管、そして図鑑発刊のための出版費用。この永守家が、ご支援申し上げたいと思っています」

ドラマでは博物館を建てる話も出ました

実際はどのようになったのでしょうか。

牧野博士は、妻の寿衛さんとともに神戸の池長家を訪問しています。

池長氏は、いったん植物標本をすべて買い上げて、牧野博士に寄贈すると申し出ます。

標本が欲しかったのではなく、牧野博士に研究を続けさせたかったのですね。

池長氏の養父の池長通氏は教育熱心で、神戸の会下山公園の登り口に(えげやまこうえん)に、教育のために建てた池長会館がありました。

これらの植物標本を一般公開する研究所設立する話がもちあがります。

牧野博士は池長家に敬意をしめし、「池長植物研究所」という名称にします。

あれだけ植物に自分の名前を残すことにこだわっていた牧野博士でしたが、よほど池長家に恩を感じたのでしょうね。

大正7年(1918)に開所式が行われましたが、牧野博士の標本整理は進まず^^;

やがて、池長家から牧野博士への援助も途切れがちになります。

植物研究所は一般公開されることなく、昭和16年(1941)年に植物標本は牧野博士に返却されました。

牧野博士の死後、次女・千鶴(ちづるさんら遺族により、標本は都立大学東京牧野標本館に寄贈されました。

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らんまん永守徹は実話?今後どうなる?南蛮画とのかかわりは?

池長氏は英術的センスにすぐれ、生涯をかけて美術品や芸術品を収集し研究しました。

特に長崎の南蛮美術の収集に熱意をそそぎ、「南蛮堂」と号しました。

南蛮美術とは、桃山時代から江戸時代初頭にかけて流行した西洋風美術のことです。南蛮屏風や南蛮版画などがあります。

教科書でおなじみの「手を胸に天を見上げるザビエル」の絵も、池長氏のコレクションです。

池長氏は、所有する家の1つを売ってまで手に入れたと言われています。

このようにして集めた南蛮美術品などを公開するために、昭和13年(1938)5月に「私立池長美術館」を建てました。

美術館の建物はアール・デコ調で、小川安一郎(おがわやすいちろう、1882~1946)設計のものです。

小川安一郎氏は池長家の大邸宅も設計しています。昭和3年(1928)12月竣工で「紅塵荘(こうじんそう)」と名付けられたスパニッシュ様式のぜいたくな造りでした。

池長氏は小川安一郎氏設計の病院の帰りに南蛮版画に出会い、翌年竣工した邸宅に合う装飾品を探し求めるうちに、南蛮美術にのめり込んでいきました。

たった10年で美術館オープンまでいくとは、どれだけの勢いで収集したのか、おそろしくなります。

しかし、第二次世界大戦の戦況の悪化により、池長美術館は昭和19年(1944年)で閉鎖

池長氏自身も、文字通り私財をなげうってコレクションし続けた結果、次第にお金がなくなっていきます。

収集が続けられなくなっただけでなく、財政が大きく傾き、この大邸宅も売却することになります。




らんまん永守徹は実話?子孫は永守重信?美術館はどうなった?

さすがの池長家も、ついに資金がそこをつきます。

さらに戦後は多額の財産税を課せられ、生活も苦しくなっていきます。

当時の財産税は、戦後復興を目的としたもので、10万円以上の財産を所有する個人に課税されるものでした。

池長氏はコレクションの売却をしようとしましたが、世の中全体が生活に苦しく、コレクションの買い手はつきませんでした。

作品があちこちに散らばってしまうことをおそれた池長氏は、昭和26年(1951年)に美術館を神戸市に譲ります。

寄贈する代わりに、生活を保障してくれるように求めたという話もあります。

南蛮美術作品は、現在「神戸市立博物館」所有となり、重要なコレクションとなっています。

池長美術館の建物は、「神戸市文書館」として活用されています。

池長家の大邸宅は売却された後、病院に転用されました。老朽化により平成27年(2015)2月に解体されました。

ステンドグラスや装飾品や家具は「神戸市立博物館」に収蔵されています。

池長氏の息子さんは、倫理学者の池長澄(いけながきよし)さん、カトリック司祭の池長潤(いけなが じゅん)さんらがいます。

京都出身の実業家、永守重信さんとの関係はないようです。




まとめ♪らんまん永守徹(ながもりとおる)は実話?モデルは誰?どんな人?早川との関係は?今後どうなる?

万太郎の標本を全部買い上げて、スポンサーとなった永守徹(ながもりとおる)、演じているのは中川大志(なかがわ たいし)さん。

実在モデルは池長孟(いけながはじめ)、兵庫一帯の不動産業で財をなした戦前の大富豪。

牧野博士より30才ほど年下で、援助を申し出た当時は京都大学法科の学生。

渡辺忠吾氏が牧野博士について東京朝日新聞に書き、転載された大阪朝日新聞の記事で、牧野博士の窮状を知って援助を申し出。

植物標本10万点と図書を買い上げて、3万円にのぼる牧野家の借金を清算し、月々の生活費や研究費も援助。

標本と図書は牧野博士にそのまま寄贈し、神戸に池長植物研究所を設立。

池長植物研究所は、一般公開されることなく標本はすべて牧野家に返却。

標本は都立大学東京牧野標本館、図書等は高知県立牧野植物園に所蔵。

池長氏は特に長崎の南蛮美術の収集に熱意をそそぎ、「南蛮堂」と号し、池長美術館を設立。

私財をなげうってコレクションした結果、資産を使い果たす。

第二次世界大戦戦後、多額の財産税に苦しみ、コレクションを売りに出すが買い手はつかず。

生活苦から美術館を建物ごと神戸市に寄贈。

南蛮画は神戸市博物館の重要コレクション、美術館の建物は神戸市文書館として活用。





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