美の壺 「慈しみの仏 観音」<File602>お店や場所はドコ?出演者情報もお見逃しなく!NHK美の壺

こんにちは~。らら子です。

今回のNHK 『美の壺』は、「慈しみの仏 観音」。
仏さまのまなざしは、美しいですね。平安時代の観音さまがたっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。

いざ、KANNONワールドへ。






美の壺:放送内容、出演者情報

【番組予告】

翻訳家・詩人のピーター・J・マクミランさんが奈良・談山神社の秘仏「如意輪観音」の魅力を語る!▽千本の手を持つ京都・寿宝寺の「十一面千手千眼観音」。“変化観音の極致”と言われる理由とは?▽奈良・長谷寺の巨大観音像の台座の秘密▽生きた木をそのまま彫ったと伝わる長野・智識寺の「立木観音」の言い伝え▽秋田と滋賀では、受難の歴史をくぐり抜け、住民が守り伝えてきた慈しみの仏を紹介!  <File602>

出典:番組公式ホームページ

【ゲスト】ピーター J マクミラン…翻訳家・詩人 / 山岸 公基…仏教美術研究者・奈良教育大学教授
【出演】草刈正雄 木村多江(語り・ナレーション)




美の壺:1つめのツボ「変幻自在な救いの力」

美の壺 ピーター・J・マクミランさん 翻訳家・詩人 談山(たんざん)神社 奈良県桜井市

飛鳥時代に起源をもつ「談山神社」は、藤原鎌足をまつる神社です。江戸時代まではお寺でした。十三重塔が桜の木に映えていいですね。

アイルランドの出身のピーター・J・マクミランさんは、京都在住の翻訳家で万葉集の英訳などに取り組んでいます。

マクミランさんは、ことあるごとに仏像にあいに足をはこびます。談山神社観音堂にある秘仏《談峯如意輪観音菩薩坐像》と対面をしました。

右に如意宝珠、左に法輪を持ち、あらゆる願いを叶え、仏の教えを広げようとしている表情は、気品に満ちています。

マクミランさんが、興味をもつ理由は、聖母マリアと同じ「慈悲の心」をもつからだそうです。そして、その中でも観音像のある特徴にみせられています。

聖母マリアは一貫して同じ表情であるのに対し、観音さまは、千手観音や十一面観世音などいろんな像に変化(へんげ)して全ての人を救うからです。

秘仏の如意輪観音像は、毎年6〜7月に特別開帳されています。足の甲にけがのある人を守ったそうで、足腰の健脚にご利益があります。

https://twitter.com/_panson_/status/1107642920453066753

(ゆばこ@_panson_さん、アップありがとうございます。)




美の壺:岡本 智陽さん 寿宝寺(じゅほうじ)住職 京都・京田辺市

京都府京田辺市にある「寿宝寺」は、704年創建、≪十一面千手千眼観世音菩薩像≫が本尊です。ふくよかで、なかば眼をみひらいた立像の観音さまです。

朱色の口元がかわいいですね。十一の面の顔と千の眼で苦しみや悲しみを見つけ、救ってくださいます。

千手観音は、42本の手を持っていらっしゃる観音さまが多いそうですが、寿宝寺の観音さまは、大小あわせて千本の手を持っています。

手には人々を救うためのさまざまな法具を持っています。住職の岡本智陽さんによると、寿宝寺の観音像は、昼と夜の顔を持っているそうです。

昼は、目がつりあがり、くちびるが赤くてりりしいお姿です。一方、夜は、伏し目がちでやわらかい表情です。さまざまな姿に変える究極の観音菩薩像です。

実際に千本の手を持つ観音像は国内でも珍しく奈良の唐招提寺、大阪の葛井寺(ふじいでら)と並んで三大傑作といわれています。

(凧@tennrinkaija211さん、アップありがとうございます。)




美の壺:2つめのツボ「自然の中に仏を見る」

美の壺 山岸 公基(やまぎし こうき)さん 仏教美術研究者・奈良教育大学教授 長谷寺 奈良県桜井市

観音信仰は、土着の自然崇拝につながり広まったものもあります。奈良県北部大和川の源流、初瀬川(はせがわ)の上流にある「長谷寺」は、古くから観音霊場の地として有名です。

本尊≪十一面観世音菩薩立像≫は、国内最大級の木彫仏です。大きな仏さまですね。高さ10メートルもあります。下から見ると迫力があり、金色に輝く仏像がオーラを放っています。

奈良教育大学教授の山岸公基さんは、奈良を中心に仏像を研究しています。長谷寺の十一面観世音さまは、いつ拝んでも大きなお像だと感慨深い様子です。

右に杖、左手に水瓶をもち、右脇に≪難陀龍王(なんだりゅうおう)立像≫、左脇に≪雨宝童子(うほうどうじ)立像≫を従えています。

長谷寺の観音像の特徴は、足の台座が方形で、神が降り立つ岩座にも見立てられているそうです。日本古来の神とのつながりをものがたる由縁です。

自然は、大変強力なもので、災いをもたらすが、自然をわきまえて、霊木を仏像にすると自然の力は、慈しみを与える力に変わるのだと教えてくださいました。

https://twitter.com/hideaki02151/status/1743413439941558310

(ヒデアキ@hideaki02151さん、アップありがとうございます。)




美の壺 平林 大樹さん 千曲市歴史文化財センター職員 智識寺(ちしきじ) 長野県千曲(ちくま)市

長野県千曲市にある「智識寺」は、天平時代に創建された古刹でアジサイの名所でもあります。大御堂は、国指定の重要文化財で室町時代の建物です。かやぶき屋根が印象的です。

智識寺にも自然信仰と深い関わりのある観音像があります。平安時代に作られた高さ3メートルの≪十一面観世音立像≫です。

一木造りでほっそりとした立ち姿、素朴ながらも力強さを感じる仏さまで直線的な美しさです。かつては、冠着山(かんむりきやま)という霊山にまつられていました。

修行していた僧が観音の木を見いだし、根がはった木をそのまま彫り出した「立木仏」だった言い伝えがあります。

千曲市歴史文化財センターの平林大樹さんによると、立木仏は、山の中の霊をもった木や、雷にうたれて霊力を帯びる木を見いだして仏像を作ったものだそうで、木の息吹や生命力を受けて仏の力をいただいてつくられた仏像です。

自然って偉大ですね。自然の神と仏の教えが出会いたどり着いたのが立木観音なのですね。

https://twitter.com/tennrinkaija211/status/1329749187659919360




美の壺:最後のツボ「受け継がれる 祈りの心」

美の壺 藤澤 照彦さん 小沼(こぬま)神社 秋田県大仙市

秋田県大仙市の小沼山とよばれる小さなふもとにある「小沼神社」には平安時代から伝わる2体の観音像、≪聖観音立像≫・≪十一面観音立像≫がまつられています。

ふもとに住む集落の人々の手によって守られてきました。2体の仏さまは、小沼神社のご神体です。聖観音立像は、平安初期につくられました。細身で神秘性を感じる愛らしい仏さまです。

一方、十一面観音立像は、聖観音像より少し下った時代のもので、肉づきがしっかりとしていて、ふくよかです。2体並ぶと対照的な仏さまだとよくわかりますね。

2体の観音さまが神社のご神体なのは歴史的な背景があります。お世話をされている藤澤照彦さんにおたずねしました。

明治時代、神仏分離、廃仏毀釈の政府の政策からで、1000年以上守ってきた仏さまを見捨てることはできないと、集落の村人たちは、仏教から神道に改宗してご神体の仏像を厨子にいれ、すだれを置き、鏡を立て守ったそうです。

なんと、すばらしき信仰心です。こうして現在まで守られているのですね。

(いとう たぬき@tanuki_itoさん、アップありがとうございます。)




美の壺 曽根 昭信さん 杉山 弘さん 日吉神社(赤後寺・しゃくごじ) 滋賀県長浜市高月町唐川

琵琶湖の北部に位置する湖北地域は、「観音の里」とも呼ばれ、数多くの観音さまを地域の人の手で守られています。

高月町唐川にある日吉神社の境内の一角、「赤後寺」では、毎朝、当番の人が御仏供(おぶく)さまというお供えをしています。

当番の曽根昭信さんにおたずねすると、それぞれ自宅で朝ごはんを炊いてお供えをしているそうです。観音さまも家族と一緒なのですね。

2体の観音さま≪聖観音立像≫と≪千手観音立像≫は、厨子の中で守られています。唐川自治区の宝物として村人全員がおぶくさんを供えたり、境内の清掃をしたりしています。

2体の仏像は、平安時代につくられたものです。腰をひねった姿の聖観音立像と千手観音像は、金ぱくがはがれ落ち、千手観音の手は取れています。

仏さまの世話をされている杉山弘さんによると戦国時代、姉川や小谷で合戦があり、村人たちは、自らが逃げることよりも先に観音さまを赤川と呼ばれる川に沈めて守りました。

何度も川に沈めたことで金ぱくがはがれ、千手観音の手も取れてしまったそうです。

(びわ湖長浜KANNON HOUSE@KANNONHOUSEさん、アップありがとうございます。)




美の壺 藤田 道明(みちあき)さん 安念寺 滋賀県長浜市木之本町西黒田

戦国時代、戦いの場となった湖北地方は、日吉神社(赤後寺)の他にも戦乱をくぐり抜けた仏像があります。

木之本町西黒田の「天王山 安念寺」は、天台宗の末寺で織田信長の比叡山焼き討ちの時、焼き落ちた寺でした。

お堂に安置されている仏像は、原型をとどめないほどの虫食いの仏さまです。本尊の≪菩薩形立像(ぼさつぎょうりゅうぞう)≫は、平安時代のものです。

もとは十一面観音だったそうです。住人らでつくる「安念寺いも観音保存会」の藤田道明(道明)さんにうかがいました。

滋賀県の湖北地方は、戦国時代、合戦の場になりやすく、そのたびに仏像を土中に埋め、取り出し、余呉川でいもを洗うように清めたことから「いも観音」とよばれたそうです。

ゴツゴツとした風ぼうが、まさにお芋さんのようで素朴な仏さまですね。守られた仏さまです。朽ちはてても慈愛がこみあげてきます。

藤田さんは、受難の時代を先祖がお守りをしてきました。これから先も守らなくてはならないものだと思っています。とお話しくださいました。

慈しみの観音は、姿を変えてこれからも永遠に受け継がれ、守られ続けます。

田中ひろみ/絵文人・仏像研究家@usagitvさん、アップありがとうございます。)




美の壺:再放送・バックナンバー情報

NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。

こんにちは。らら子です。 いつも楽しみに見ているNHK『美の壺』のバックナンバーを2019年後半から現在までまとめてあります。

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2019年はこちらです。

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