こんにちは~。らら子です。
今回のNHK 『美の壺』は、「輝きに心映して 月」。
月の明かりって幻想的ですよね~。半月に満月に三日月~「月」にまつわる美がたっぷり出てきます♡番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。
いざ、月夜ワールドへ。
— ぶぶ (@yhoobooboo) February 13, 2023
美の壺:放送内容、出演者情報
【番組予告】
必見!特別撮影が許された桂離宮に浮かぶ名月▽日本庭園の傑作に秘められた月を見るための仕掛けとは?▽国宝!聖徳太子のために作られた日本最古の刺繍に「月とうさぎ」▽国宝・源氏物語絵巻には恋を呼ぶ月が!▽スティーブ・ジョブズが愛した版画家・川瀬巴水が描く「月」▽月のパワーを身にまとう!伊達政宗の甲冑▽圧巻の美しさ!国宝・三日月宗近▽刃文に浮かぶ“三日月”の秘密とは! <File574>
出典:番組公式ホームページ
【ゲスト】かぐや姫の使い 月のうさぎ 七海ひろき 作家 林望 庭守 川瀬昇作 渋谷区立松濤美術館学芸員 平塚泰三 井伊美術館館長 井伊達夫
【出演】草刈正雄 木村多江(語り・ナレーション)
美の壺:1つめのツボ「月と向ひて 心を澄ます」
美の壺 川瀬 昇作(かわせ しょうさく)さん 庭守
京都 桂離宮は、国内外より日本が生んだ美の極みとたたえられています。
17世紀、八条宮智仁(はちじょうのみや としひと)親王が、八条宮の別荘として建てました。
貴族にとって月見は極上の楽しみです。桂離宮は、月を見て和歌を詠む建物として「月」にこだわり抜いて作られています。
例えば、ふすまの取っ手は「月」の字のかたち、欄間は、「月」の字を崩したもの、灯篭にも月がかたどられています。
桂離宮内にある茶屋・月波楼(げっぱろう)は、月を愛でるための建物です。
名は、白居易の漢詩「月点波心一顆(月が水面に映り真珠のようだ)」より由来しています。
宮内庁で庭園管理をしていた庭守の川瀬昇作さんは、庭守をすることで気づいたことがあるそうです。
飛び石に一つだけ異なる形の石があることで、立ち戻り、景色の再確認をする時を与えます。遠近感を狂わせた橋は、整え過ぎない庭の美学があるそうです。
月と向き合う真髄が込められています。
長年、宮内庁の庭守をされてきた川瀬昇作さんの著作がいよいよ完成!今日の学芸セミナーでは、御所透かしについて、モッコクの枝を手に、熱く語っておられます。http://t.co/hzRbUyCj3H pic.twitter.com/Z9FBjNupJq
— N吉 (@enukiti) December 7, 2014
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美の壺 桂離宮の十三夜
十三夜は、十五夜の次に美しいと言われています。旧暦の9月13日の夜を指します。
今回、特別に撮影許可が認められました。
10月8日、桂離宮に十三夜の月が昇りました。月波楼から見られる月は庭と調和して美しい景色です。古書院・月見台には、月を見るために台がせり出しています。
月見台からは月の昇る様子を見られる特等席です。少し欠けた十三夜の月は、庭守の川瀬昇作さんがおっしゃった整え過ぎない美学にも相通じますね。
桂離宮を建てた八条宮智仁親王の歌
「月をこそ 読みしあかぬ 思ふこと 言はむばかりの 友と向ひて(月こそ飽きることのない思ったことを言える友だ)」
が映えます。
月という友と向かい合って桂離宮の特別な夜が更けていきます。
宮内庁では、十三夜にあたる2022年10月8日に「桂離宮観月会」を開催されたそうです。
職員の方の説明と苑内周遊、月波楼より観月する極上のプランでした。
宮内庁京都事務所が10月8日、桂離宮で市民を対象に年に一夜限りの観月会を開催。
川や湖沼に恵まれた桂の地は、平安時代から知られた観月の名所。当日は名月とうたわれる「十三夜」。https://t.co/v9aSfNPBXY pic.twitter.com/sst0CbMe2Z— suizouさんと他2022人 (@suizou) August 15, 2022
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美の壺:2つめのツボ「月の明かりに心を映す」
美の壺 平塚 泰三(ひらつか たいぞう)さん 渋谷区立松濤美術館学芸員
日本は、明治時代に太陽暦が採用されるまでは太陰暦を用いていました。月の満ち欠けが暦の生活の元になっていました。
東京・渋谷区、松濤美術館の学芸員平塚泰三さんは、月の美術史について研究してきました。平塚さんによると月は動きがあるため鑑賞になり得るものとなったそうです。
奈良県 中尊寺の《国宝 大寿国曼荼羅繍帳》は、聖徳太子の妃 橘大郎女(たちばなのおおいらつめ)が聖徳太子の冥福を祈るために作らせました。
左上には月にうさぎがいます。
日本最古の「月にうさぎ」の意匠だそうです。餅をついていると思っていましたが不老不死の薬をうさぎが作っている場面だそうです。
竹取物語、源氏物語、月は物語の中で効果的に登場してきました。特に源氏物語には夜の場面が多く夜にストーリーが進行していきます。
源氏物語「橋姫」の段には、光源氏の息子の薫が、恋する姫の顔を一目見ようと月の明かりに照らされた場面が描かれています。
10月8日から渋谷区立松濤美術館では「月―夜を彩る清けき光」が開催。絵画をはじめ、蒔絵、刀装具や甲冑などを「月」をテーマに多面的に展示し、「月」への嗜好をあらためて考え直す展覧会です。https://t.co/ghsmPDKv1r pic.twitter.com/A75b2jE2fc
— アートカルテ(仮運営中) (@art_karte) August 8, 2016
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美の壺 林 望(はやし のぞむ)さん 作家
大正から昭和にかけて活躍した版画家の川瀬 巴水(かわせ はすい 1883-1957)は、月を好んで描きました。
深い青のグラデーションに浮かぶ月が、儚げで多くの人の心をつかみました。
作家の林望さんも川瀬巴水の版画に惚れ込んだ一人です。
林さんによると作品の良いところは、無言なことだといいます。静かで静謐、情緒深く、月の陰影を際立たせて描いています。光と影は日本独自の美学だと言います。
その中でも林さんのお気に入りの作品は≪笠岡の月≫です。タイトルには月とありますが画中には月はありません。月をほのめかすシーンです。
建物と道、そして人物が描かれています。林さんは、こんな真っ黒な版画はないと言います。また、画中に描かれている人物は、川瀬巴水自身だとも言われています。
歳を重ねた巴水の希望、生への願いや未来が描かれているかのようです。
夜桜を見に行こうかと外に出たら雨。
戻ってきた ^^;
しょうがない。
代わりに川瀬巴水「井之頭の春の夜」。 pic.twitter.com/kTX3OuMCPp— passerby (@tokyopasserby) April 4, 2016
(passerby@tokyopasserbyさん、アップありがとうございます。)
美の壺:最後のツボ「月とともに生きる喜び」
美の壺 井伊達夫さん 井伊美術館館長
伝伊達政宗甲冑には、「竹に雀」の家紋が施されています。頭上には、左右非対称の金の三日月型の飾り前立てが掲げられています。
京都 井伊美術館の館長 井伊達夫さんに伊達政宗の甲冑について解説していただきました。前立ては、伊達政宗がデザインしたと言われています。
躍動感がありオシャレな兜です。
左右非対称なのは、太刀を振り上げるときに邪魔にならないように作られたそうです。更に前立ては、半月型の前立てに付け替えられる仕様だそうです。
戦の時には、半月型の前立てを身に着けてその他の者に紛れ込んだようです。三日月型の大弦月の前立てを身につけるのは、出陣や凱旋の際につけていたと考えられています。
ちなみに井伊家の甲冑は、赤漆に角をデザイン化した天衝(天月)で全体で月を表しています。
井伊さんは、戦国武将にとって、月は戦と同じだと言います。
満ちることもあれば欠けていることもある。欠けるばかりでなく丸く復活することもあるそんな縁起担ぎもあったのでは語ってくださいました。
学芸室による、「のろけ」記事ともいいます。かれは戦いへの姿勢も、字の美しさも、甲冑のセンスも凄いのです。ただ、強いていうなら、(身内への)性格が・・・。
井伊直政——「云うなれば、伊達政宗より先にあらわれし男伊達」- |井伊美術館 @ii_museum #notehttps://t.co/msGzph7Nue— 井伊美術館 -Samurai Art Museum- (@ii_museum) December 18, 2022
(井伊美術館 -Samurai Art Museum-@ii_museumさん、アップありがとうございます。)
井伊さんは、過去の放送回、美の壺 「戦国武将 いでたちの美学」<File390>や美の壺 「魂宿る 刀剣」<File511>にも出演されました。よろしければご覧ください。
美の壺 石田 國壽(いしだ くにひさ)さん 刀鍛冶師
≪国宝 太刀三条宗近(名物 三日月宗近(みかづきむねちか)≫は、平安時代の名刀です。姿・かたちの優美さは、日本一の美しさと評する人もいます。
その美しさは、三日月模様の刃文にあります。二重刃を研ぎ出した結果、三日月の模様が浮かび上がるのです。
刀鍛冶師の石田國壽さんは、三日月模様の刃文について、作為的に無作為を作っているイメージが強いと言います。
最初は、三日月模様が連続して作る二重刃風だったと想像しているそうです。そんな石田さんが、2016年、三日月宗近の復元に挑戦しました。
なかなか美しい三日月が出てきません。
苦心を重ねること3年の歳月をかけて三日月が浮かび上がる前の「生ぶ」な状態の「推定復元 三日月宗近」が完成しました。
完成までには8振りの刀を試作したそうです。石田さんは、刃の美しさを共有できることは尊いことだと言います。
いろんなものを月に見立て、今も私たちを魅了し続けています。
「三日月宗近 生ぶ復元プロジェクト」をご紹介します。
長い年月を経て研ぎ減った現在の三日月宗近の、作刀当時の「生ぶ」な状態を今の技術で推定復元出来ないかと思い、古刀研究をされている渡邉妙子先生にご協力いただき、刀鍛冶 石田四郎國壽さんが復元に挑みます >続く pic.twitter.com/6Yd5tpYffx— でじたろう@ニトロプラス (@digitarou) December 24, 2016
(でじたろう@ニトロプラス@digitarouさん、アップありがとうございます。)
美の壺 ゲスト 七海ひろき(ななみひろき)さん
草刈家へかぐや姫の使者「月のうさぎ」として登場したのは、七海ひろきさんでした。なんて美しく愛らしいうさぎさんなんでしょう(#^^#)
かぐや姫の欲しいものとは、丸くて穴の開いたお菓子「ドーナツ」だったようです。
中性的な魅力の七海ひろきさんは元・宝塚歌劇団の男役スター。
七海ひろきさんのプロフィールについてはこちらもごらんくださいね。
七海ひろき:性別は女?男?年齢は?NHK美の壺“かぐや姫の使い 月のうさぎ”役!声優やラジオでも活躍!伝説の結婚式とは?かいちゃん人気の理由は?元・宝塚スターのWiki的プロフ(ななみ ひろき)
光栄なことに、草刈様にスタイリッシュ体操を伝授させていただきました。
草刈様、ありがとうございます!!#美の壺 #輝きに心映して_月 pic.twitter.com/FFnBxZ9TR8— 七海ひろき (@hirokinanami773) February 10, 2023
(七海ひろき@hirokinanami773さん、アップありがとうございます。)
美の壺:再放送・バックナンバー情報
美の壺・合わせて読みたい バックナンバー
NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。
2022 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2020年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2019年はこちらです。
ご参考になさってくださいね。
美の壺・放送予定。再放送はいつ? NHKオンデマンド登録で見逃し視聴もできます。
今回の『美の壺』初回放送は2022年2月10日(金)でした。番組内容もこの時点のものです。
放送スケジュールは2022年4月現在で、
Eテレ「美の壺・選」の放送は、日曜日午後11時~、再放送は毎週木曜日午前11時~です。
過去の放送分から毎週金曜日午後0:30〜午後1:00からと毎週水曜日午前5時30分~です。
BS4Kは、BSプレミアムと同じ毎週金曜 午後7時30分で、再放送は回数が増えて、
土曜日午前6時45分、金曜日午後0時30分、木曜日午後11時30~の3回あります。
キレイな画質のBS4Kは美の壺のような番組にはピッタリですね!
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