黒衣とは?黒子?くろこ?くろご?意味や読みをわかりやすく説明:パペットマペットとはどう違う?

こんにちは~。ららこです。

人形浄瑠璃 文楽を観に行くと、黒い服と黒頭巾(くろずきん)で黒づくめのかっこうをした人たちが舞台の上にいます。ダースベーダがジミになったようなひとびと。

この人たちが黒衣で、読みは「くろご」です。小道具を渡したり片付けたりするお仕事です。

黒い色は「そこにはいませんよー」というお約束。

人形遣いについてはこちらもごらんくださいね。

こんにちは~。文楽エバンジェリストらら子です。 文楽は人形浄瑠璃というぐらいですから人形がマスト! 人形を操る(あやつる)人たちと人...




黒衣?黒子?くろご?くろこ?

ちなみに、アニメにもなった人気マンガ『黒子のバスケ』では、存在感のなさがウリの「幻の6人目」黒子(くろこ)テツヤ君が主人公ですね。

一般的には、黒子(くろこ)がよく使われてる気もします。

でも、文楽や歌舞伎では、漢字は黒衣が正しくて、読みも「くろご」だそうです。

黒子だと「ほくろ」みたいですよねー(^^;




文楽人形遣いは黒づくめの黒衣で舞台を動き回る!

文楽の人形は、人形遣い(にんぎょうつかい)三人で操りますが、この人たちのかっこうも基本は黒衣。

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黒い人たちが人形を動かしてるのは、最初はヘンな感じ。ちょっと目ざわりに思うかもしれません。

見せ場では、人形の首と右手を受け持つ主遣い(おもづかい)だけが、顔を出して裃(かみしも)を着ている時があります。

顔の後ろにまた顔。
でも、お芝居が進んでいくと、いつの間にか黒衣の存在を忘れて、人形だけが動いているように見えてくるのが、フシギです。



黒衣は芝居全体をサポート。人形を動かす以外にどんな役割が??口上、介錯、かげうちなど黒衣は大忙し

幕が開くと舞台の下手(向かって右側)から出てきて、「とざいとーざいー(東西東西)、このところー」から始まる口上(こうじょう)で、出演者の紹介をするのも黒衣。中の人は人形遣いです。

障子を開け閉めしたり、小道具を渡したりするのも黒衣。このお役目を介錯(かいしゃく)といいます。

見得(みえ)を切る時とか、立ち回りの時に拍子木のような二本の棒でバンバンと音を出します。これは歌舞伎だと大道具さんが「つけうち」をしますが、文楽だと人形遣いの黒衣さんのお仕事で、かげうちというそうです。

太夫や三味線の入れ替わりの時に、座布団を並べたり、楽器を渡したりするのも黒衣。

黒衣さんたちは大忙し。

たまに、黒衣さんがドタっと転んだり、何かの拍子で傾いた大道具をささえたりしてる時もあります(^^;




文楽と歌舞伎の黒衣の違い。頭巾は四角か三角か?

文楽と歌舞伎の黒衣の違いは、歌舞伎の黒衣はたまに出てきて目立たないようにしてるけど、文楽の黒衣はずっと何人も舞台にいることでしょうか。
お仕事の種類も違いますが、他に衣裳もちょっと違います。

すぐ気づくのは頭巾の形ですね。
文楽の頭巾は上が尖ってて→▲、歌舞伎の頭巾は平たい →■

人形遣い

ただ、これも以前は、▲派と■派があったそうです。人形遣いの吉田一輔さんは人形遣いの三代目ですが、一輔さんの家系では頭の上が四角い頭巾を使っていたそうです。

父であり師匠である桐竹一暢(きりたけ いっちょう)さんが亡くなり、一輔さんは吉田簑助さんの弟子になります。その時、心機一転、吉田姓にして桐竹一輔さんから吉田一輔さんになり、頭巾も師匠と同じ三角のものに変えたそうです。

頭巾は、マイ頭巾とのこと。

以前、トークショーで吉田一輔さんが話していましたが、一度、頭巾を忘れて仕方なく他の人の頭巾を使ったところ、

もう、二度と他人の頭巾は使わない!!!!

と、かたくかたく決心したそうです。すごく気持ち悪かったんでしょうね^^;

国立劇場のマスコットキャラクターのくろごちゃんは、頭が平らだから歌舞伎のひとなんですかね。文楽公演の時もときどきロビーで、あいそをふりまいてますけど。

くろごちゃんくろご

本名 国立くろ五郎
性別 男の子
身長 拍子木3本分
体重 拍子木3つ分

出典:公式サイト




文楽の黒衣、中の人は誰?意外なあの人も!!!

黒衣さんというと、下積みぽい、経験の浅い若い人がやっているイメージです。

でも、人形の場合は思いがけない人が黒衣として人形をあやつっている場合があります。

若い人形遣いさんが人形の首と右手を担当する主遣いをやっている時に、人形の左手を担当する左遣い(ひだりづかい)に、師匠やベテランの先輩が入ることがあります。

上手な人が左に入ると、人形の動きが全く変わってくるそうです(*‘ω‘ *)

もちろん、重要な役であれば、サポート役でもある左遣いの人には、主遣いの人の一番弟子が入りります。

表に出ないで陰で支えたり下働きをしてたりすることを「黒衣に徹する」とかいいます。

まさに、若い人形遣いさんをサポートしたりリードしてるんですね。

誰が左遣いをやってるのかなーと考えるのも楽しいですよ。

たとえば、吉田玉助さんはとても大きいので、黒衣になっていてもすぐわかります^^

だんだん演者(技芸員)さんを覚えるようになってくると、「あの、お腹の出ぐあいは吉田玉佳さんかなー」とかわかるようになります(失礼)



参考にさせていただいたサイト

コトバンク 黒衣 https://kotobank.jp/word/黒衣-57854

くろごちゃん公式サイト | 独立行政法人 日本芸術文化振興会 https://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu/kurogo.html

文楽ポータルサイト  らぶんらくhttps://labunraku.jp/2018/12/16/%E5%90%89%E7%94%B0-%E4%B8%80%E8%BC%94%EF%BC%88%E6%96%87%E6%A5%BD%E4%BA%BA%E5%BD%A2%E9%81%A3%E3%81%84%EF%BC%89/



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