襲名とは?なぜ「襲」う(おそう)と書くの?襲名するのはどんな時?襲名(しゅうめい)の意味や読みをわかりやすく説明:

襲名(しゅうめい)って何?っていう方にわかりやすく説明しますね。

簡単にいうと先祖や師匠の名前を名乗って、名前を継ぐことです。
襲名すると、何代目〇太夫、何世〇郎のように、何の部分の数が増えていきます。

それにしても襲名(しゅうめい)って字はなんかコワイですよね(^^;
おめでたいはずなのに、なんだか名前を襲(おそ)って、強引にうばう感じ。

実は、「襲」という漢字は、「かさねる」という意味を持っているのです。
先人の名をつぎの世代にかさねていくんですね。

さて、襲名にはどんなメリットがあるのでしょう?



襲名されるのはどんな名前?名跡とは?

名前だけでなく、先代の芸や精神まで受け継いで、気持ちも新たにさらに向上していくという願いが込められています。

襲名するのはふつうの名前ではなく「名跡(みょうせき)」という由緒ある名前がほとんどですが、古い名前とは限らず、今でも、一代でビッグネームにして二代目に襲名されたら「初代(しょだい)」と呼ばれたり、自分であえて「初代」と名のることもあります。

追贈(ついぞう)と言って、死後にその名跡を贈られることもあります。
最近では、吉田幸助さんが吉田玉助になる時に、四代目をお父さんの吉田玉幸さんに追贈して、ご本人は五代目になりました。

2020年に津駒太夫さんが襲名する錣太夫は80年ぶりの復活だそうです。

また、お師匠さんが変わったりして、出世魚のように一人でどんどん名前が変わる人もいます。もともと文楽は世襲ではなく実力本位の世界なので、襲名ではなく新しい名前をつけることも多いです。本名にちなんだりお師匠さんがいくつか案を考えて選んだりするそうです。





襲名する時はどんなイベントがある?

特にビッグネームは大名跡(だいみょうせき)といって、襲名の時は話題になります。

襲名披露となるとイベント盛りだくさんの場合もあります。

もっとも大掛りなのは歌舞伎俳優の名家の襲名で、興行者の商業政策にも影響され、とくに重々しく儀式的に扱い、華やかに披露興行を催し、その公演では披露のための「口上(こうじょう)」を設け、当人は大役を勤める。興行に先だっても、各方面への配り物と挨拶(あいさつ)とか、父祖・先代たちの墓前への報告など、いろいろの行事を行う。[松井俊諭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

「歌舞伎は襲名で、宝塚歌劇は退団で儲ける」というように、歌舞伎では大きなお金が動く大イベントになります。歌舞伎よりも規模の小さな文楽でも襲名披露はあります。

らら子の記憶では、吉田玉女さん→吉田玉男さん、吉田幸助さん→吉田玉助さんの襲名の時は、襲名披露特設サイトも作られて、華やかでした。

豊竹咲甫太夫さん→竹本織太夫さんの時は、大阪の文楽劇場の近くの商店街で、お披露目のお練り(おねり)が行われてテレビや新聞でその様子が紹介されました。

もっとお練りをする文楽の演者さんが増えると楽しいですよね。人形付きで。





文楽の襲名披露の口上は歌舞伎より地味^^;

ただし、文楽の襲名披露は、歌舞伎に比べるとぐっと地味。

太夫、人形、三味線の主な演者さんたちが順番に口上(こうじょう)を述べて、だいたい祝福の言葉と、ご本人や先代とのエピソードを話しますが、襲名するご本人は一言も話さず、下を向いているだけです。

おそろいの肩衣(かたぎぬ)とはかまをつけていますが、もともと歌舞伎と違って、素顔のおじさん達だけなのでそこも地味。

大名跡(だいみょうせき)ではない場合は、太夫がすわっている台(太夫台)の上で紹介されたり、公演プログラムや公式サイトに書いてあるだけという場合もあります。

そういう時も、お芝居の開始合図で黒衣さんが「東西東西(とざいとーざい)」と声をかける時に、演者の名前が変わったことが紹介されると、客席から温かい拍手が起こってなかなかいいもんです^^





襲名のとき以外にも名前が変わることが

襲名ではなく単なる改名の場合もあります。

ついているお師匠が変わって、新しいお師匠様に由来のある名前にしたり、自分の思い入れのある名前に変わったりします。

最近では、豊澤龍爾(とよざわ りょうじ)さん→鶴澤友之助(つるざわ とものすけ)さんや、竹本文字久太夫(たけもと もじひさだゆう)→豊竹藤太夫(とよたけ とうだゆう)が改名しました。

襲名も改名も、心機一転、さらなる飛躍を期待して、お客の側もテンションがあがりますね。


参考にさせていただいたサイト
コトバンク襲名

https://kotobank.jp/word/%E8%A5%B2%E5%90%8D-162211