こんにちは! らら子です。
今回は、文楽三味線の六世鶴澤燕三(つるざわ えんざ)さんをご紹介します。
333年ぶりの上演で話題の『出世景清(かげきよ)』の作曲者でもあります。
文楽の語り手である太夫(たゆう)の中で、一番格が高い豊竹咲太夫(とよたけ さきたゆう)さんと組んで三味線を弾いています。
そして2020年2月に発表された第41回松尾賞で優秀賞を受賞なさいました!おめでとうございます。
どんな方なのでしょうか?さっそくプロフィールを見ていきます。
目次
鶴澤燕三さんは帰国子女!プロフィール、年齢や出身、芸歴は?受賞歴は?
こちらが、燕三さんのプロフィールです。
誕生日 昭和34(1959)年1月30日
出身地 神奈川県
本名 田中紳一
[芸 歴]
- 昭和52(1977)年 国立劇場文楽第4期研修生となる
- 昭和54(1979)年 五世鶴澤燕三(人間国宝)に入門
- 鶴澤燕二郎(つるざわえんじろう)と名のる
- 昭和54(1979)年 7月 大阪・朝日座で初舞台
『艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)』「道行霜夜の千日(みちゆきしもよのせんにち)」- 平成18(2016)年 4月 六代鶴澤燕三を襲名(しゅうめい)
燕三さんは神奈川県生まれ。高校卒業後、国立劇場の文楽研修生となります。二年間の研修後、五世鶴澤燕三さんに入門し、鶴澤燕二郎さんと名のって初舞台を踏みます。
平成18(2016)年に、亡き師匠を継いで六世鶴澤燕三となります。
祝!第41回松尾芸能賞受賞!鶴澤燕三さんは優秀賞に!
2020年2月に第41回松尾芸能賞が発表されました。
松尾芸能賞 http://matsuo.or.jp/
優秀賞に文楽部門として鶴澤燕三さんが受賞が決定いたしました!
文楽三味線方として初舞台から40年を越え、現在では切場語りで人間国宝 豊竹咲太夫の三味線を弾き大曲に取り組む機会も多く、地道で着実な舞台成果を上げている。新曲、復曲の手付にも功績を残し「摂州渡辺橋供養・橋供養の段 」や毎年祇園「都をどり」の作曲、近松門左衛門「出世景清」では全段を復曲し大きな成果を上げた。
出典:http://matsuo.or.jp/第41回松尾芸能賞/
ちなみに元・宝塚花組トップスターの明日海りおさんも演劇部門として優秀賞を受賞です。らら子はヅカファンでもあるので、二重にうれしいです。おめでとうございます!
鶴澤燕三さんの受賞歴がすごい
燕三さんは、若い時から受賞を重ねていてここに書くと長くなりすぎるので、主なものだけ載せていきます。
昭和61(1986)年の文楽協会賞を皮切りに、因(ちなみ)協会奨励賞、国立劇場文楽賞文楽優秀賞、奨励賞など、数えきれないほど受賞しています。
平成30(2018)年 4月には 第37回(平成29年度)国立劇場文楽賞文楽大賞を受賞。
外部でもこのように多くの受賞をしています。こんな感じ。まだまだ増えそうですね^^
昭和62(1987)年 1月 大阪文化祭賞奨励賞
平成10(1998)年 2月 大阪舞台芸術賞奨励賞
平成25(2013)年 7月 平成24年度(第69回)日本芸術院賞
平成30(2018)年 4月 第37回(平成29年度)国立劇場文楽賞文楽大賞
鶴澤燕三さんは帰国子女!入門のきっかけは?
燕三さんは、学生時代をハワイで過ごした帰国子女だそうです。
一点を見つめるきっちりとしたいかにも和風な舞台姿からは、ちょっと意外ですね。
お父さまのお仕事の関係で、海外生活が長かったそうです。
アロハな燕三さん、帰国後に高校三年生の冬休みにNHK教育テレビで三味線特集を見ます。今でいう、Eテレですね。
番組では、長唄、民謡、義太夫、津軽三味線、いろんな三味線を扱っていて、三味線に興味を抱くようになったそうです。
オーマイガッ!ここで運命の出会いを!
三味線の音も形も気に入った燕三さんは、高校3年生の冬休みから民謡教室に三味線を習いに通うことになります。そしてますます三味線好きに♡
プロになりたいなと思いはじめたころに、いとこのお兄ちゃんがたまたま家に遊びに来ます。おにいちゃんは文楽のことについても詳しくて、文楽の研修制度を教えてもらい、なんと次の日にはもう国立劇場に説明を聴きに行ったとか。
文楽の女神様にニッコリほほえみかけられた感じです!
文楽の女神様には後ろはたぶんつるっぱげで、前髪をつかみ損ねたらチャンスはない。
燕三さんはみごとその前髪をつかんだということですね!
五世燕三さんとの師弟愛。病気で倒れた師匠の代役を浴衣姿で立派につとめて話題に。ご自分も軽い脳梗塞を克服
文楽の演者さんは「師匠がこう言った」「師匠にこう教わった」とお師匠さんの話をします。お師匠さんに厳しく愛情豊かに育てられて、一生懸命修行するから、あんな深い情愛の世界がえがけるんでしょうね。
燕三さんは「このお師匠さんについていこう」と決心して五代目燕三さんに入門して、奥様にも可愛がられたそうです。ところが、師匠は「ひらかな盛衰記(ひらがなせいすいき)」の「逆櫓 さかろ」を舞台で演奏している時に脳内出血で倒れます。その時の太夫は故・住大夫さんで、三味線の音がしなくても語り続けていたそうです。
勉強のために裏で演奏を聴いていた燕三さんが、師匠を引きずって舞台裏へ運び、代わりに急きょ舞台にあがり楽屋着の浴衣のまま演奏をしたエピソードは語り継がれています。その間に、先輩の野澤錦糸さんが着替えて、そのあとの演奏を引きついだとのことです。
師匠の五世燕三さんは、そのまま舞台に復帰することなく6年半後に亡くなりましたが、
燕三さんは師匠の介護を献身的に勤め、師匠が倒れた時に演奏していたのと同じ曲で襲名をしたそうです。
じーんとくるお話です。
三味線は演奏するときに、息を止めたり力んだりするので心臓や血管に負担がかかるそうです。当代の燕三さんも2014年に軽い脳梗塞で入院休演しています。その後、復帰して今のようにご活躍です。くれぐれもお体を大切にしていただきたいですね。
鶴澤燕三さんは、切場語り豊竹咲太夫さんと組む。妻は切り絵作家の杉本みどりさん。
そして、六世燕三を襲名後、燕三さんは切場語り(きりばがたり)の豊竹咲太夫(とよたけさきたゆう)さんとコンビで相方の三味線を務めることが多くなりました。
太夫とコンビを組む三味線弾きを相三味線(あいじゃみせん)といいます。
切場というのは、もっとも重要なクライマックスシーンのことです。
そして、奥様は切り絵作家の杉本みどりさんです。
杉本みどりさんは、1959年東京生まれで女子美術大学洋画専攻卒業です。
文楽をテーマにした繊細な切り絵の作品を展覧会で発表しています。
文楽のプログラムの挿絵や、トートバッグやチケットホルダーなどのグッズにもなっていますし、ポストカードブックも発売されています。どれも繊細で愛らしくてうっとりです^^
ご夫妻で文楽にまつわるお仕事をするってすてきですねー。
劇場でもお着物姿でご贔屓さんにご挨拶している奥様のお姿をお見かけします。
鶴澤燕三さんの特技や趣味は?インスタグラムやTwitterは?
Twitterやインスタグラムでも情報発信をしている若い技芸員(演者)さんが増えていますが、残念ながら、鶴澤燕三さんのインスタグラムはTwitterは見つかりませんでした。
ただ、お弟子さんの燕二郎さんのインスタやTwitterは見つかりました。
あんまり更新されてないみたいです……(^^;
ラーメン 🍜とか食べ物ネタが多いですけど、そのうち燕三さんが登場する日もあるかも??
らら子的萌えポイント
燕三さんは小柄でシャイな印象な方です。
三味線奏者は床にペタンと座るので、小柄に見えますが、その中でも特に床に近い。演奏する姿を見ると、とても真面目で誠実な方なんだろうなと思います。優しそうに見えますが、激しさも感じます。
そんな複雑な印象を与える燕三さんが舞台に登場すると、いつも「キターーー――!」と胸が高まるらら子でした。
参考にさせていただいたサイト:
公益財団法人 文楽協会 https://bunraku.or.jp/index.html
KENSYO 能狂言・歌舞伎・文楽 役者インタビュー 鶴澤燕二郎改め鶴澤 燕三http://www.nohkyogen.jp/kensyo/int/bunraku-kabuki/60/enjiro.html
ポプラビーチ志事人に会いたい http://www.poplarbeech.com/shigoto/002114.html