こんにちは~。らら子です。
今回のNHK 『美の壺』は、「江戸のアート 浮世絵」。浮世絵って色んな絵がありますよね。菱川師宣の「見返り美人」も素敵ですよね~。美人画に役者絵、名所絵などなど…。たっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。
いざ、浮世絵ワールドへ。
今夜の【 #美の壺 】は #江戸のアート_浮世絵
1ミリに数本彫る、彫師の超絶技巧。摺り師は色を重ねるだけでなく、絵の具をつけない摺りや、グラデーションで遠近感を出したり・・・線と色に魂込める職人技も必見!今夜7:30~ BSプレミアム・BS4K pic.twitter.com/JcyOAbLG3n
— NHK びじゅつ委員長 (@nhk_bijutsu) March 16, 2023
美の壺:放送内容、出演者情報
【番組予告】
人気アニメ「進撃の巨人」が浮世絵をモチーフにした作品登場!▽新紙幣に北斎▽歌舞伎界きっての浮世絵コレクター・市川猿之助さんイチオシの浮世絵とは?!▽春信・歌麿から北斎・広重まで…世界でも類を見ない浮世絵文化とは?▽1ミリに何本!?彫師と摺師の超絶技巧▽人気急上昇の歌川国芳の秘策▽1枚に300もの摺り度数!フランス人浮世絵師ポール・ジャクレーが浮世絵にもたらした革新とは?!<File576>
出典:番組公式ホームページ
【ゲスト】歌舞伎俳優 市川猿之助 千葉市美術館副館長 田辺昌子 太田記念美術館主席学芸員 日野原健司 浮世絵彫師 朝香元晴 摺師 三田村努 美術史家 猿渡紀代子 ポール・ジャクレーの養女 稲垣・ジャクレー・テレズ
【出演】草刈正雄 木村多江(語り・ナレーション)
美の壺:1つめのツボ「時代を 伝える」
美の壺 市川 猿之助さん 歌舞伎役者
歌舞伎役者の四代目 市川猿之助さんは、歌舞伎界きっての浮世絵コレクターです。
きっかけとなった作品は、高祖父にあたる初代が描かれている「役者絵」です。
子どもの頃、父と伯父(三代目)が、お土産としてロンドンの蚤の市で買ってきてくれたものでした。
以来、お小遣いを貯めて役者絵の購入を続け3000枚超のコレクションになりました。
2012年、四代目襲名の「二代目 市川亀治郎大博覧会」では、集めた作品を紹介しました。
そんな猿之助さんのお気に入りは、太田雅光作≪二代目猿之助≫です。
演目「悪太郎」を描いたものです。ポーズが美しく絵面(えめん)が決まった作品で演じる参考にもなるそうです。
猿之助さんにとっての役者絵は、生きている絵だと言います。役者独自の観点での浮世絵の見方ですよね。
悪太郎は、猿翁十種の一つで2021年に演じられました。
酒飲みの悪太郎が酔っ払って薙刀を振り回す姿がユニークなお芝居です。
こんな木版画あるのか。二代目かっこいい。
太田雅光「昭和舞台姿その八 悪太郎」(二代目市川猿之助) pic.twitter.com/tyVd8jHmbv— 右奈瀬 (@unase_k) February 23, 2021
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美の壺 田辺 晶子さん 千葉県立美術館副館長
浮世絵の中で役者絵と並び人気のあるジャンルが「美人画」です。
喜多川歌麿《当時三美人》は、実在する評判の美人を浮世絵として取り上げたものです。
吉原の芸者と町娘二人が描かれています。多少の違いはありますが似通った顔立ちです。
千葉県立美術館副館長の田辺晶子さんによると、浮世絵版画は、薄利多売の世界でより多くの人々に買い求められることに重きを置き、客観的な表現になったのではと言います。
絵師によってさまざまな美人画が登場しました。
鈴木春信の描く美人は、華奢で優美、まるで妖精のようです。
画面が二枚、三枚と続いた絵もあります。鳥居清長の描く八頭身美人に心奪われ、幕末になると美人画も変化を遂げます。
渓斎英泉の作品は、凄みがあり「あだっぽい」美人画です。浮世絵師が新しいスタイルを打ち出し、当代の好みに敏感に反応しました。
本日は、山種美術館で開催中の上村松園―美人画の精華展の前期展示の最終日。浮世絵の作品は全点展示替えの予定です。鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、月岡芳年などの代表的な作品はなかなか展示される機会が少ないので、まだご覧になっていらっしゃらない方はぜひお見逃しなく!(山崎) pic.twitter.com/WduEqAOVGW
— 山種美術館 (@yamatanemuseum) September 24, 2017
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美の壺:2つめのツボ「線と色に魂込めて」
美の壺 浮世絵版画の歴史
浮世絵版画は、17世紀後半、黒一色の「墨摺絵」から始まります。当時の流行や風俗を描き人気を博しました。
18世紀中頃になると墨色だけでなく、「紅摺絵(べにずりえ)」と呼ばれる赤を基調とした色に緑・黄の色が加わった彩色がはじまります。
色の彩色が進むとカラフルになり「錦絵(にしきえ)」が登場します。江戸後期には、風景を描いた「名所絵」がブームとなりました。
葛飾北斎の≪富嶽三十六景≫や歌川広重の≪東海道五十三次≫は、庶民に巻き起こった旅ブームと相まって人気を集めました。
まだ訪れたことのない地に思いを馳せて浮世絵は、庶民に至るまで絵を楽しむ文化が形成されていきました。
浮世絵には絵師に注目が集まりますが、「彫り」や「摺り」の職人の技が浮世絵を支えています。
【UKIYO-E KURASHIKI / 浮世絵 豆知識】
江戸時代、浮世絵版画は作品の企画・出版を行う版元の指示のもと絵師・彫師・摺師の職人による分業制で制作されました。https://t.co/jTeXmkG5Eq#倉敷美観地区 #国芳 #芳年 #北斎 #美術館 pic.twitter.com/cyFqWx83QD— UKIYO-E KURASHIKI (@ukiyoekurashiki) March 15, 2023
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美の壺 浅香 元晴(あさか もとはる)さん 浮世絵彫師
「匠木版画工房」の浮世絵彫師 朝香元晴さんは、喜多川歌麿の美人画≪兵庫屋花妻≫の復刻を手掛けています。
≪兵庫屋花妻≫は、顔の部分を大胆に捉えた大首絵です。
浅香さんは子どもの頃から木版画が大好きでした。師匠の歌麿の彫りを見た時に「こんな細い線が彫れるのか!」と感動して日本一の彫師を志しました。
美人画の版木には彫師ならではの超絶技巧が施されています。
「毛割(けわり)」と呼ばれる生え際の毛は、細い線1ミリに3本、4本、5本と彫るのは難しいのです。
20年くらいしないと本当の力の入れ方はわからないそうです。版木の材質は、山桜の木です。堅くて精緻な彫りができます。
浅香さんは、絵師の線を生かすも殺すも彫師にかかってくると言います。
浅香さん自身の線ではなく、歌麿、広重の当時の絵を忠実によみがえらせることにかかっているのだそうです。
主版を摺り、色版を摺り重ねると江戸時代の美人画がよみがえりました。
9月30日より東京新宿区のAYUMI GALLERYにて鳥居清長「袖の巻」の展示が行われます。
※春画、復刻木版画となります。春画は江戸時代に贅沢品として制作されたことから、彫り・摺りともに高い技術力を必要とします。
私が彫った作品2点も展示予定です。詳細はこちらhttps://t.co/JznvgESEbm pic.twitter.com/wjwV81gllD
— 匠木版画工房 (@takumihanga) September 28, 2022
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美の壺 三田村 努(みたむら つとむ)さん 摺師
三代続く摺師の三田村努さんは、河鍋暁斎≪狂斎百図大夕立≫の復刻に取り組んでいます。
使う版木は、輪郭線の主版(おもはん)と色をつける色版です。色版は、裏表を使います。
摺りで最も大切なことは、見当(けんとう)です。私達が「見当をつける」と言いますが、その語源になったものです。
版木の右下角にある「カギ見当」、左下にある一文字の「ひきつけ見当」に紙を合わせ摺っていきます。三田村さんは、見当をきっちりあわせることが一番難しいといいます。
紙も木も温度湿度の変化があるため紙を平らに載せるのが難しいのです。淡い色から徐々に濃い色をつけて色版で摺ります。
1回、2回、…10回と色が塗り重ねられ、ぼかしやグラデーションをつけ奥行きができました。凸凹をつける絵具を載せない技もあります。
細かい技が作品に高みを出します。
三田村さんは、仕上がるに従ってプレッシャーがかかってくると言います。ひとつひとついろんな人の手が加わり思いが加わってきます。
緻密な技が一枚の紙に込められています。
【お知らせ】
このあと14:00~開催!
ギャラリートークと、三田村努氏による摺りの実演を開催いたします。会場の広さに限りがありますので、先着20名様のご参加とさせていただきます。
お時間までにどうぞご来場下さい。 pic.twitter.com/rr5t1jkvJt— 河鍋暁斎記念美術館 毎週火・木曜、毎月26~末日 休館 (@kyosaimuseum) October 20, 2019
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美の壺:最後のツボ「新境地を開く」
美の壺 日野原 健司(ひのはら けんじ)さん 学芸員
東京・原宿にある「太田記念美術館」が登場します。
太田記念美術館は、浮世絵専門の美術館としても人気ですよね。今、若者にも人気の浮世絵師がいます。
歌川国芳です。
主席学芸員の日野原健司さんに国芳の作品≪里すずめねぐらの仮宿≫を見せていただきました。遊郭の賑わいを描いたものですが花魁も客も全て「すずめ」です。
登場人物をすずめにしたわけとは……。
天保の改革で浮世絵が規制の対象となり、遊女や役者絵を描くことを禁じられていたためです。
日野原さんによると、庶民たちにとって、浮世絵は身近にある娯楽でした。
しかしながら幕府にとっては危険なマスメディアと捉えていたのではと言います。庶民が富や名声を得ることは武士にとっては身分制度を揺るがしかねないと考えていたのです。
国芳にとっては、規制があるからこそ、その条件でどれだけ面白い絵が描けるかアイデアの挑戦でした。規制により一層面白い作品ができました。
江戸時代のスズメたちの世界に潜入してみた。こちらの歌川国芳「里すずめねぐらの仮宿」は太田記念美術館の「浮世絵動物園」展・前期に8/28まで展示しています。 #note https://t.co/fWr80kPhLm
— 太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art (@ukiyoeota) August 13, 2022
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美の壺 猿渡 紀代子(さるわたり きよこ)さん 美術史家 稲垣・ジャクレー・テレズさん ポール・ジャクレー養女
パリ生まれの浮世絵師 ポール・ジャクレー(1986〜1960)が紹介されます。
ジャクレーは11歳で黒田清輝に洋画を学び、13歳からは、浮世絵の流れを組む池田輝方夫妻に日本画を学びます。
その中でも浮世絵の才能にあふれ、浮世絵の模写に没頭しました。戦後、軽井沢へ移り住み、彫師や摺師の家を構えて雇い、自分の思った作品を制作しました。
ジャクレーの作品は、ミクロネシアなどの南洋の島々、日本の風俗などを鮮やかな木版画で精緻に表現しています。
代表作≪真珠・満州≫は浮世絵では考えられない技巧が凝らされいます。
摺り度数が300度数もあるそうです。美術史家の猿渡紀代子さんによると、凝ったものでも50~60が限度だそうです。
ジャクレーは、失われていく人たちの存在や風俗を描き留めたかったようです。
養女の稲垣・ジャクレー・テレズさんによると「Faire Plaisir(フェール・プレジール) 楽しみなさい」とよく言っていたそうです。
ジャクレーは、伝統的な日本の浮世絵の技法に新たな風を吹き込んでくれました。
ポールジャクレーってね、3歳だかの時にフランスから日本の大学教授に任命されたお父さんと一緒に来日して、以来ずーっと日本で生活した浮世絵師なの。なんか不思議な絵なんだよ。日本画だけど、洋画みたいな。んで、イケメン✨(そこ大事) pic.twitter.com/2fuizIuvoU
— Relfy(北極のワン!ダブルワールド。) (@relfy_0512) July 11, 2021
(ウツ坊∞ちこのぴのこち∞∞@pinobotty3さん、アップありがとうございます。)
美の壺:再放送・バックナンバー情報
美の壺・合わせて読みたい バックナンバー
NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。
2022 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2020年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2019年はこちらです。
ご参考になさってくださいね。
美の壺・放送予定。再放送はいつ? NHKオンデマンド登録で見逃し視聴もできます。
今回の『美の壺』初回放送は2023年3月17日(金)でした。番組内容もこの時点のものです。
放送スケジュールは2022年4月現在で、
Eテレ「美の壺・選」の放送は、日曜日午後11時~、再放送は毎週木曜日午前11時~です。
過去の放送分から毎週金曜日午後0:30〜午後1:00からと毎週水曜日午前5時30分~です。
BS4Kは、BSプレミアムと同じ毎週金曜 午後7時30分で、再放送は回数が増えて、
土曜日午前6時45分、金曜日午後0時30分、木曜日午後11時30~の3回あります。
キレイな画質のBS4Kは美の壺のような番組にはピッタリですね!
NHKオンデマンドなら月額の見逃し見放題パックや単品視聴ができます。月々500~600本の番組が放送当日または翌日から見られます。