こんにちは~。らら子です。
今回のNHK 『美の壺』は、「時をつなぐ 橋」。
橋って身近な存在ですね。今日も渡りました。明日もきっと…。
木の橋、石橋、鉄筋、いろんな橋の隠されたヒミツがたっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。
いざ、ブリッジワールドへ。
まもなく【#美の壺】#時をつなぐ_橋
どの橋にも
「ここに、こんな橋があったら…」
という熱い思いが込められています。
設計者を始め橋好きな人たちが語る言葉の数々をじっくり味わってください。#通潤橋 #永代橋 #清州橋 #猿橋 #鮎の瀬大橋 #出島表門橋
今夜7:30~ BSプレミアム・BS4K pic.twitter.com/0lxWhvI7gt— NHK びじゅつ委員長 (@nhk_bijutsu) November 29, 2023
目次
美の壺:放送内容、出演者情報
【番組予告】
祝!国宝「通潤橋」▽嫁入り道具にも「橋」。縁起の良い意匠として珍重される▽もうすぐ百歳!隅田川に架かる「復興橋」▽「永代橋」と「清洲橋」、二つの橋は名コンビ?▽構造美と自然が響き合う「猿橋」▽建築写真家・藤塚光政さん、亡き友・大野美代子さんの代表作「鮎の瀬大橋」を撮る▽創建350年!「錦帯橋」を受け継ぎ、守る大工たち▽長崎・出島で橋を「拭く」?▽草刈さんも「橋」造りに挑戦!?<File 592>
出典:番組公式ホームページ
【出演】草刈正雄 木村多江(語り・ナレーション)
美の壺:1つめのツボ「日常とハレが同居する、特別な場所」
美の壺 清水 実さん 三井記念美術館 学芸員
東京中央区にある「日本橋」は、浮世絵のモデルとなった有名な橋です。
≪名所江戸八景 大はしあたけの夕立≫では隅田川の橋、≪東都両国遊船之図≫では両国の橋が描かれ、日本橋だけでなく多くの橋が、日本人に愛され絵のモデルとなりました。
工芸品も同じことがうかがえます。
三井記念美術館学芸部長の清水実さんに紹介いただきました。
婚礼調度のひとつ≪住吉蒔絵貝桶≫には、大阪の住吉大社を象徴させる太鼓橋と鳥居、松のある砂浜の景色を蒔絵で表現されています。
これらは、縁起のよい図案として多くの工芸品のモチーフになりました。
住吉大社の祭を描いた≪四天王寺住吉大社祭礼屏風≫には、太鼓橋の中央に神輿がかつがれ人々が集っています。
清水さんは、橋は日常的でないお祭り的な空間で古くから日本の暮らしに深くとけ込み、馴染んできたのだと教えてくださいました。
住吉蒔絵硯箱 山本春正作 名古屋市博物館蔵
蓋表には浜辺に立つ鳥居と松の木、蓋裏に太鼓橋が配されていて、住吉の景をあらわしています
波打ち際にはたくさんの貝が!
本物の稚貝や玉石の象嵌を交え、様々なかたちの貝を配しています#日本橋 pic.twitter.com/yNwo28EbFM
— 大蒔絵展 漆と金の千年物語 (@Maki_e_ten) October 20, 2022
(大蒔絵展 漆と金の千年物語@Maki_e_tenさん、アップありがとうございます。)
美の壺 紅林 章央(くればやし あきお)さん 元東京都職員「永代橋(えいたいはし)」 東京・隅田川
紅林章央さんは、元東京都職員で奥多摩大橋、多摩大橋をはじめ40年に渡り多くの橋の建設に携わった橋のエキスパートです。
橋を描いた浮世絵や絵葉書などもコレクションされています。
隅田川にかかる「永代橋」は、大正15年、当時の最新技術で建てられました。国の重要文化財に指定されています。
永代橋は、さまざまな変遷を経て今の橋となりました。紅林さんに詳しく教えていただきました。
最初の橋は、江戸時代の1689年、5代将軍徳川綱吉の50歳を祝う事業として、和式の木の橋で架けられました。
明治30年、当時の最新の材料の鋼鉄で橋が作られましたが、大正12年9月1日に起こった関東大震災で、木でできた部分は焼け落ち、逃げる人の手助けにはなりませんでした。
そんな経験がきっかけとなって、焼け落ちない橋を作ろうと復興橋のひとつとして、今の永代橋ができたそうです。
橋にも歴史があるのですね。
【講演会「隅田川 橋の歴史~明治から現代まで~」】
開催日 :10月13日(土)14:00‐15:30(開場13:30)
会場 :MARUGEN100(当館講座室)
講師 :紅林章央氏(東京都建設局道路建設部橋梁専門課長)
料金 :無料 (ただし、観覧券または、年間パスポートが必要です)#北斎の橋 #橋 #葛飾北斎 pic.twitter.com/YqbchdZvFO— すみだ北斎美術館 (@HokusaiMuseum) October 11, 2018
(すみだ北斎美術館@HokusaiMuseumさん、アップありがとうございます。)
美の壺 復興橋 清州橋
復興橋の中で紅林さんがお気に入りの橋が「清洲橋」です。復興橋の華とも称されています。昭和3年に完成され、93年がたっています。
清州橋は吊り橋です。永代橋はアーチ状でした。橋にもいろんな形がありますね。
清州橋は、優美な形から女性的な橋といわれるそうですが、鉄の量が多いのです。隅田川にかかる橋の中で最も多く、通常の3倍の鉄が使われています。
強さと美しさを兼ね備えた清州橋は、独自の構造です。橋の重量を支えているのは橋の板を6枚重ねたチェーンです。チェーンを使う橋は日本の中で清州橋だけです。
復興橋は、新時代の幕開けとして東京の人々の支えとなりました。隅田川の中で一番力を入れているのが清洲橋と永代橋だそうです。
清州橋を180度ひっくり返すと永代橋の形です。たしかに!
橋の建設当時、清州橋と永代橋はペアとして考えられていました。筋骨隆々とした男性的な清州橋、女性は、下垂曲線を描く清洲橋です。
紅林さんは、橋は町の中の彫刻で美しくなくてはならない。永遠のあこがれなのだと語ってくださいました。橋への愛情を感じます。
12/13@江東区教育センター「隅田川 橋の歴史」https://t.co/BKHF2TRWAe
講師:紅林章央氏(東京都建設局道路建設部橋梁構造専門課長)
「関東大震災後に架けられた永代橋・新大橋などの震災復興橋梁を中心とした橋の文化財としての見所や保存のあり方についてお話しいただきます」 pic.twitter.com/PLUQ1W1DMO— あみこ (@amiko178) November 28, 2017
(あみこ@amiko178さん、アップありがとうございます。)
美の壺:2つめのツボ「自然と響き合い、風景となる」
美の壺 三上 美絵さん 土木ライター 猿橋 山梨県大月市
山梨県の東部にある桂川の深い渓谷にかかる「猿橋」は、日本三大奇橋のひとつでユニークなデザインの橋です。
長さ31メートル、猿が互いの身体を支え合って蔓をつたって谷を渡る姿を見て橋をつくることになったことから名前の由来があります。
土木ライターの三上美絵さんは、猿橋の大ファンです。猿橋は刎(はね)橋の構造。谷が深いので、橋脚を下からたてるのは難しいのです。
このため、両岸から桔木(はねぎ)という木を岩に刺して、少しずつ両側からせりだして上に桁(けた)を乗せる構造です。
そして、橋を支える桔木の部分に、小さい屋根がつけられています。桔木の付け根の所から水がたまりやすいので、雨が少しでもかからないように考えられた工夫です。
これは、橋を少しでも長持ちさせたいという思いからできたものです。
三上さんは、岩肌のゴツゴツとした感じとせり出した段々となる桔木が、風景にとけ込んでいる、と猿橋の魅力を語ってくださいました。
橋の下に屋根があるなんてかわいいですね。
四季折々の季節と融合して美しいですね。歌川広重は猿橋の美しさに感銘して「甲陽猿橋之図」を描きました。
日本三大奇橋の猿橋と、猿橋から見下ろす桂川。 pic.twitter.com/DeJHKMf0LC
— mtachio (@mtachio1978) December 2, 2023
(mtachio@mtachio1978さん、アップありがとうございます。)
美の壺 藤塚 光政さん 写真家、大野 美代子さん 橋梁デザイナー
東京・八王子市の多摩美術大学のアートアーカイブセンターには、建築写真家の藤塚光政さんの「かつしかハープ橋」の写真が収められています。
カーブがきわだって素敵な写真ですね。
かつしかハープ橋は、荒川と荒川放水路にまたがる橋です。1987年に建てられました。世界初の曲線斜張橋で、曲線とワイヤーが織りなす姿が、楽器のハープのようです。
橋の名前は、公募で名づけられました。この橋をデザインしたのは、橋梁デザイナーの大野美代子(1939-2016)さんです。
大野さんは、多摩美術大学出身で日本初の橋梁デザイナーです。エムアンドエムデザイン事務所を主宰、横浜ベイブリッジなど大きな橋を手掛け、高い評価を受けました。
大野さんは、残念ながら2016年に他界してています。藤塚さんは、大野美代子さんの作品を撮影し続けてきました。
藤塚さんは、隈研吾さんや、藤森照信さんなど多くの建築家から支持をうけるキャリア60年超の写真家です。お二人とも素晴らしい経歴です。
きょうの 新美の巨人たち は
橋梁デザイナー【大野美代子】さん3枚めは
首都高中央環状線かつしかハープ橋 pic.twitter.com/nNSWPl5fNU— yume (@nemurin10011) June 12, 2021
(yume@nemurin10011さん、アップありがとうございます。)
美の壺:「鮎の瀬大橋」 熊本県山都(やまと)市
熊本県山都市には、大野さんの代表作「鮎の瀬大橋」があります。1999年の完成時に藤塚さんは、大野さんに依頼され鮎の瀬大橋の写真を撮影しています。
藤塚さんが、25年ぶりに鮎の瀬大橋へやってきました。大きな橋ですね。
鮎の瀬大橋は、140メートル以上の深い渓谷にかかる橋で通常の工法でたてるのは難しい環境ですが、大野さんは、橋半分をワイヤーで重さを支え、V字の橋脚をつけました。ワイヤーの部分はオレンジ色をしています。
遠くから離れてみると鮎の瀬大橋のデザイン性がはっきりとします。大野さんの言葉に「風景をつくる」という言葉があります。
自然は美しいけれども優れたデザインのものが入ると風景がガラッと変わるというのです。鮎の瀬大橋ができた当初、藤塚さんは、柱を山、V字の脚を谷に表現していると感じたそうです。
ケーブルのオレンジ色は景色に映えて改めて大野さんの並々ならぬ感性に今なお圧倒される藤塚さんでした。
「 今日の1冊 」
「 BRIDGE 風景をつくる橋 」
著者:大野美代子、エムアンドエムデザイン事務所
写真:藤塚光政
発行所:鹿島出版会
価格:3400円+税
ISBN9784306072701 pic.twitter.com/NAKMr1pZzy— 柳々堂 (@ryuryudo) January 14, 2016
(柳々堂@ryuryudoさん、アップありがとうございます。)
美の壺:最後のツボ「人の思いをつなぐ場所」
美の壺 沖川 公彦さん 海老﨑 粂次(えびざき くめつぐ)さん 大工 錦帯橋(きんたいきょう) 山口県岩国市
創建350年、山口県岩国市にある名勝・錦帯橋は、全長199.3メートル、木造のアーチ橋です。30メートル以上の長さのアーチが5つ並んでいます。
ひとつひとつのアーチ部分は、木材を丁寧に組み上げる独特の工法で地元の大工の匠の技が代々伝わっています。橋の裏側の木の組み方、すごいワザですね。
最近の橋のかけかえは、平成13年〜16年の「平成の架け替え」です。当時28歳、最年少で携わった大工の沖川公彦さんは、岩国の大工として関わらなくてはならないという思いで参加しました。
絶対に失敗できないという緊張感とドキドキ感が混在したそうです。沖川さんは、現在、橋の保守管理を担当しています。
次の橋のかけかえでは、沖川さんが中心となります。自分の代では衰退することなく次の代につなげたいと気持ちを語ってくださいました。
平成のかけかえの棟梁だった海老﨑粂次さんは、立派な橋をかけるには技を磨くだけでは十分ではないといいます。
木造で支えるものがない橋で百尺を超えるものは世界中探しても錦帯橋だけで地元の人の手で橋のかけかえをして次へ渡すことは自然なことだと語ってくださいました。
長く地元の人たちに愛される橋です。
https://twitter.com/abundant_424/status/1729765591848718691
(KozA_z900rs@abundant_424さん、アップありがとうございます。)
美の壺 渡邉 竜一(わたなべりゅういち9さん 長崎市出島 出島表門橋
鎖国制度の江戸時代、西洋との間に開かれたのが出島です。
出島の玄関橋として、2017年に新たにたてられた「出島表門橋」は、鉄製で落ち着いた雰囲気の橋です。
なめらかな曲線で国史跡の出島側には重量をかけずに出島の対岸部分だけで橋を支えています。
橋を設計した渡邉竜一さんは、歴史的風景をそこなうことなく細部にこだわっています。
波形の橋板には無数の穴があり軽量化につとめ、遠くから見ると橋の反対側が、かすかに透けてみえる程度です。
ある日の夕暮れ、橋のたもとに人が集まりました。
「はしふき」というイベントで月2回、毎回15人程度が参加、バケツ片手に橋をふきます。
参加者の伊井かおりさんは、デザイン的にも優れているおしゃれな橋が好きで、関われることが嬉しいといいます。
小田結香子さんは、冬は、寒いので橋をあたためて、夏は冷やしてあげたいと思って拭いているそうです。
渡邉さんは、5年半の新参者の出島門橋が、10年、20年‥と歳月を積み重ね、人の感情が橋にふれることで町の歴史に加えてもらえたら、地域の人々にも迎えてもらえるのではと思っているそうです。
https://twitter.com/gentarollcake/status/1729477265187373170
(カステラの長崎堂@gentarollcakeさん、アップありがとうございます。)
美の壺:再放送・バックナンバー情報
NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。
2022 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2020年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2019年はこちらです。
ご参考になさってくださいね。