このお話は、歌舞伎や能楽でも人気の『娘道成寺(むすめどうじょうじ』と同じ、道成寺(和歌山県日高郡日高川町)の安珍清姫伝説(あんちんきよひめ)伝説を題材としています。
『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』~渡し場の段 あらすじ
安珍は熊野参詣にきたお坊さん。途中に宿を借りた家には清姫。清姫は安珍に一目ぼれ。安珍は清姫の重い愛にビビり、参詣の帰りにまた寄るといってそそくさと旅立ってしまい、戻っては来ませんでした。
というのがここまでのお話。
だまされたと知った清姫は安珍を追いかけて日高川の渡し場までやって来ます。
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清姫が追いかけてこられないように言いつけられた船頭は、いくら清姫に懇願されても船頭は船をだしてくれない。
清姫は激怒のあまりヘビの体に変身し、鬼の形相でわっしわっしと抜き手を切ってクロールで日高川を渡っていきます。
『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』~渡し場の段 みどころ
『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』の「渡し場の段」といえば、ガブです。ガブ以外ないといってもいいぐらい。美少女が一瞬にして口が裂けてツノも生えてしまう特殊な首(かしら)をガブといいます。
蛇の身体になって鬼の形相になる時に、ガブという仕掛けでこのように顔が変わります。
【大阪・国立文楽劇場】文楽夏休み公演第1部『日高川入相花王』には、清姫が悋気嫉妬の余り蛇体に変じる様子を表現するかしら・ガブが登場します。この特殊かしらは、庵野秀明監督をはじめ現代の映像作家のキャラクター造形にも影響を与えています。 pic.twitter.com/HbUhHGgDOS
— 国立劇場文楽公演(東京・大阪) (@bunraku09) July 6, 2019
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