夏休み文楽特別公演:かんたんあらすじ・見どころポイント!令和元年(2019年)大阪・国立文楽劇場:1部2部3部 日高川 かみなり太鼓 忠臣蔵 国言詢音頭

こんにちは~。らら子です。夏休み文楽特別公演いよいよ始まりました。

今年は開幕直前に、大島真寿美さんが直木賞、切場語りの豊竹咲太夫さん人間国宝!とうれしいニュースが飛び込んできました。

劇場もおめでたい雰囲気で盛り上がるでしょうね(^^)/

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さて、夏休み文楽公演は、いつも3部制になっています。

1部は親子劇場

今年は、あの怖い人形が出てくる『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』と、今回の公演オリジナルの『かみなり太鼓(かみなりだいこ)』です。

2部は名作劇場

今年は、国立文楽劇場35年記念特別公演の『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』

4月にひき続き、五段目〜七段目の上演です。歌舞伎でもおなじみのお軽・勘平(おかるかんぺい)が中心のお話。

3部はサマーレイトショー。

今年は、国言詢音頭(くにことばくどきおんど)

痴情のもつれというか、三角関係の逆恨みの殺人です。ゾゾゾーっと背中が凍るサイコスリラー・サイコホラーです。

1.2.3部全体の配役はこちらをごらんくださいね。

夏休み文楽特別公演:配役・出演者・日程:令和元年(2019年)大阪・国立文楽劇場:1部2部3部

あ、恒例ビックリマンのシールももらえますよ!

ビックリマンが文楽人形に!?:この夏は大阪で世界一の人形劇を観よう!「ビックリマン×文楽 2019夏休みプロジェクト」:

では、ざっくりあらすじと見どころを見ていきましょう。



第1部 日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)あらすじ・見どころ:恋するお姫様の顔が鬼に!人形のガブ

ガブが出てくるので有名な『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』の「渡し場の段」。

親子劇場でこんな怖いものやるってどうなの??と思いますが、これもよく上演されます。

このお話は安珍清姫伝説(あんちんきよひめ)伝説がもとになっています。

安珍を愛した清姫。安珍は、清姫の愛が重くなり逃げ出します。

日高川を渡るときに、安珍は船頭に清姫が川を渡らせないように言いつけおきます。

安珍を追いかけてきた清姫。日高川の渡し場でいくら頼んでも船頭が船をだしてくれない。

清姫は激怒して、鬼の形相になり、ヘビの体に変身してクロールで日高川を渡って行きます。きれいなお顔(左)がツノの生えた鬼の顔(右)に!

動画はこちらをごらんくださいね。

ガブとは?怖い文楽人形の顔:ギャーーっ!秒で顔が変わる驚きのしかけ!動画アリ



第1部 解説 文楽ってなあに?:

人形、三味線、太夫の役割や、人形の動かし方やしくみについて。
実演付きでわかりやすく説明してもらえます。人形の登場にご注目!

お客さんの人形体験もできますよ♡






第1部 かみなり太鼓:「うそかホンマかわからぬはなし よそでゆうてはあきまへん。」オリジナル新作

原作者は、落語の台本の作者です。『かみなり太鼓』は、かみなりの子どもトロ吉と、太鼓職人の家族の話。

舞台は大坂の太鼓屋伝兵衛の家。夏の暑い日、裸でうろつく「おとうちゃん」と息子の「寅(とら)ちゃん」を、「おかあちゃん」がしかる。「ぐずぐず言うてんと(言ってないで)早いこと、蚊帳の中へ入んなはれ~」。その大声に驚いた雷の「トロ吉」が庭先に落ちてくる。この雷、修業中の身で、太鼓を「トロトロ」としか打てない。そこで一家と共に大特訓。立派に「ゴロゴロ」と鳴らせるようになり、喜び勇んで天に帰っていく。

出典:毎日新聞

蚊帳、行水、天神祭という夏の風物を採り入れて短い台本を作って、それを「文楽」のプロ達が、文楽の舞台にアレンジしたそうです。

文楽ではふつうは使わない回り舞台をつかったり、桐竹勘十郎さんの字が入ったオリジナルの引き幕が使われます。なんと贅沢。

さらに、座席の上の宙乗りがあったり、子どもも大人も楽しめる見どころがいっぱい。



第2部 通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら) (五段目より七段目まで) あらすじ、ネタバレ、見どころ

 

有名なお軽勘平のお話です。

あらまし

実は職場恋愛の2人。

勘平は塩冶家の足軽。奥方さまにおつかいで手紙を届けにきたお軽は職場恋愛。

事件が起きたときはデート中。

メンツ丸つぶれの上に、仇討ちには参加費が必要。お金も用意できずお軽の実家で漁師して暮らしています。

あらすじ

夜に山に猟にでかけた勘平、イノシシをしとめた、と思ったらそれは人間!あわてていると、ふところに大金が!お金が欲しかった勘平、思わずそのお金をもらってしまいます。

お軽は仇討ちに参加するためのお金を作るために父親と相談して遊女になります。勘平がもどると、お軽はすでに売られたあと。

そこへ、何者かに殺されお金が奪われた、お軽の父親の遺体が運ばれてきます。状況から犯人は勘平となり、勘平は切腹。

遊女になったお軽は、偶然お茶屋にやってきた大星由良之助が読んでいる手紙を盗み見て、仇討の進行状況を探ろうとします。が、大星由良之助もそのことに気づき、お軽を身請けするとだまして口封じのために殺そうとします。

この一力茶屋の場面は、衣装も舞台も美しく、はなやかな雰囲気の中、二人のかけ引きがスリリングです。

どうしても仇討に参加したいお軽の兄も登場し、さまざまなことが解き明かされ、お軽は、父と夫の仇をうつことができました。



第3部 国言詢音頭(くにことばくどきおんど):あらすじ・ネタバレ・見どころ

夏休み文楽特別公演の3部のサマーレイトショーでも何回か上演されているこの作品。
ふしぎなことに、文楽のあらすじを書いた本などにあまり載っていないのです。

ネットで調べる限り、舞台で本物の水を使う、本水(ほんみず)を使うとか、背筋が凍る凄惨な殺しの場面とか、見どころまんさいなはずなんですが……。

殺しの場面は、チラシには「凄惨(せいさん)」と書いてあるけど、動画を見る限り、
凄惨(せいさん)で陰惨(いんさん)な猟奇殺人(りょうきさつじん)です~。

この作品は、大正7(1918)年に上演されたのを最後に、ずっと上演されず昭和53(1978)年に再演。故・竹本住大夫(たけもと すみたゆう)さんずっと語ってこられたそうです。

あらまし

元文2(1737)年7月、大阪曽根崎北新地で薩摩藩士早田八右衛門が女郎お菊を含め、五人を惨殺した事件が元ネタで作者は不明だそうです。

あらすじ

薩摩藩士の初右衛門(はつえもん)は仁三郎(にさぶろう)に連れられて、桜風呂の菊野(きくの)と出会います。菊野は「髪洗い女」という無許可の遊女です。

菊野(きくの)を気に入り、営業トークに乗せられて本気になっていきます。菊野は仁三郎に身も心も捧げています。内心では初右衛門をきらって「田舎侍」とバカにしています。

船の上で、いちゃつきながら菊野と仁三郎が初右衛門の悪口を言っているのを、初右衛門は偶然聞いてしまい、さらに二人がやり取りしている手紙まで手に入れてしまいます……。

国に帰ることになった初右衛門。
お別れの宴を開き、なにげないふりをして例の手紙を持っていることを二人に知らせます。二人は死を覚悟しますが、なぜか初右衛門は寛大に二人を許し、去っていきます。

左はいかにもいい人そうですよね。
でもこのあと、サイコパスの本領発揮。右の顔に変わっていきます😨

こちらはコミックリリーフの奴(やっこ)。舞台上も観客もホッとするところですが、嵐の前の静けさです。


ほっとした二人は酒を飲んでくつろぎ、夜もおそくなったので寝ることにします。
菊野は下の部屋で寝て、(なぜか)二階で寝ることにした仁三郎のもとに仁三郎の許嫁(いいなずけ)を送り込んだり余裕の行動。

ぐっすり寝入っていると、帰ったはずの初右衛門が店に押し入り、菊野を刺します(怖)。そこにいない仁三郎の居場所をたずねても、がんとして言わない菊野を締め上げ、さらに刀でぐりぐり……(以下自粛)。

菊野の首を切り落とした初右衛門は、仁三郎はとりにがすものの二階にいた五人をなぶり殺しにします。
降りてきた初右衛門。菊野の首を抱えてじっと見つめるとそのままぺろぺろと(以下自粛)。

仁三郎は逃がしたものの、復讐(ふくしゅう)をはたした初右衛門は、落ち着き払って井戸で足を洗い、謡(うたい)を口ずさみながら、雨の中去っていく……というお話。



歌舞伎でも有名な『女殺油地獄おんなころし あぶらのじごく)』や、『籠釣瓶花街酔醒(かごつるべ さとのえいざめ)』とかと、近いものがあるのかなと思いましたが、もっと不気味な感じですね。
サイコスリラーとか言われますが、初右衛門だけでなく菊野もおかしな女です。

でも、歌舞伎よりも人形のほうが、人形にしかできない演出が残忍さをクローズアップして、ぞぞぞぞーっと背筋が寒くなります。殺した後の、太夫の語りがまたかっこよくてこの殺人の異常さを際立たせるんですね。

サブいぼできた、らら子でした~。





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