【文楽】生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし):かんたんあらすじと解説:見どころ

元は九州の大内家のお家騒動にすれ違いの恋を絡ませた物語ですが、若い男女の恋のすれ違いを描いたメロドラマにポイントがしぼられています。
すれ違いは戦後のラジオドラマ『君の名は』にたとえられることが多いですが、今となっては古すぎますよね。韓流ドラマ『冬のソナタ』……も、もう古いか。いつの世もすれ違いの悲恋は永遠のテーマです。
今は、明石船別れの段(あかしふなわかれのだん)・笑い薬の段(わらいぐすりのだん)・
宿屋の段(やどやのだん)・大井川の段(おおいがわのだん)と上演するのが一般的です。



生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)みどころ

クライマックスは「宿屋」。恋人を慕って泣き暮らしているうちに盲目となった深雪が朝顔とあだ名される芸人となり、当の恋人の前で琴に合わせて見の上話を語るところです(琴を弾くのはお嬢様ならではの芸事)
翌朝、その男が恋人であるとわかって、後を追いかける段切れと続く「大井川」は人形の見せ場です。
前半の「笑い薬の段(わらいぐすりのだん)」は、チャリ場(コメディシーン)ど真ん中。茶を点てる人形の動きや笑い薬のせいで笑い転げる人形。それと笑い声を演じる太夫の脇で、涼しい表情で控えている三味線弾きを盗み見るのもちょっとした楽しみです。



生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)かんたんあらすじ

ハンサムな宮城阿曾次郎(みやぎあそじろう)は京都で学ぶうちに、武家の娘・深雪(みゆき)と出会い恋仲になります。しかしお家騒動を阻止すべく故郷の周防(すおう)へ急いで戻ることに。別れを悲しむ深雪もまた両親と安芸(あき)に帰ることになります。
それぞれ別の船に乗った二人は明石浦での風待ちの停泊中に偶然再会。しかし、船が動き出し二人は離れ離れに。とっさに扇を投げ入れます。

その後、阿曾次郎は後に駒沢次郎左衛門と改名しており、深雪との縁談が持ち上がります。が、駒沢の正体を知らない深雪は縁談を拒んで家出、阿曾次郎を探してさすらっているうちに失明してしまいます。

深雪は「朝顔」と呼ばれ、東海道の嶋田宿で琴を弾きながら朝顔の歌を唄ってなんとか暮らしています。その宿に駒沢が同僚の岩代(悪人)とともに宿泊します。
岩代は悪い一味の医者祐仙(ゆうせん)に命じてしびれ薬を茶に混ぜ、駒沢に飲ませようとします。ところが、宿の主人が機転を利かせて笑い薬にすりかえており、毒見をした祐仙は笑い苦しみます。
その夜、朝顔の歌を唄うのが落ちぶれた深雪と知った駒沢はショックを受けますが、岩代がいるので名のることはできません。だまって次の日の朝、出発してしまいます。
駒沢が残した扇を見た深雪は、駒沢のあとを追いかけて大井川へ。しかし駒沢はすでに渡ったあとで大雨で川留め。絶望する深雪は川に身を投げようとしますが、そこへ宿の主人がおいついて深雪を止めます。
宿の主人は実は深雪の乳母の父親で、むかし深雪の家に仕えていました。甲子歳生まれの自分の生き血で深雪の目を治せるといって自害!深雪の目は治ります。



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