桐竹勘壽(きりたけ かんじゅ)さんの Wiki的プロフ:さまざまな師匠の芸を受け継ぐ老け役のベテラン

こんにちは~。 らら子です。
今回は、人形遣い、桐竹勘壽(きりたけ かんじゅ)さんをご紹介します。
入門は10歳、芸歴はなんと60年を越える大ベテランです。
どんな方でしょうか?さっそくプロフィールを見ていきます。





桐竹勘壽(きりたけ かんじゅ)さんのプロフィール、年齢や出身、芸歴は?

誕生日:昭和20(1945)年4月24日
出身地:大阪府
本 名:野阪恒雄

[芸 歴]

  • 昭和30(1955)年 二代桐竹紋十郎(きりたけ もんじゅうろう)に入門
    • 桐竹紋次と名のる(10才)
  • 昭和31(1956)年 2月 東京三越劇場で初舞台
  • 昭和40(1965)年 二代桐竹勘十郎(きりたけ かんじゅうろう)門下となる。
    • 桐竹勘寿(きりたけ かんじゅ)と改名
  • 平成 4(1992)年 桐竹紋壽(きりたけ もんじゅ)預かりとなる
  • 平成14(2002)年 8月 桐竹紋壽門下となる
    • 桐竹紋豊(きりたけ もんとよ)と改名
  • 平成21(2009)年 4月 桐竹勘壽(きりたけ かんじゅ)と改名

[受賞歴]

  • 昭和49(1974)年12月 大阪文化祭賞奨励賞
  • 昭和50(1975)年 6月 昭和49年度因協会奨励賞
  • 令和 4年 3月 第41回(令和3年度)国立劇場文楽賞優秀賞

勘壽さんはしばらく受賞から遠ざかっている印象がありました。しかし平成時代を超えて令和 4年 3月 第41回(令和3年度)国立劇場文楽賞優秀賞を受賞。

おめでとうございます。





桐竹勘壽(きりたけ かんじゅ)さんは10歳で入門・改名が多い

桐竹勘壽(きりたけ かんじゅ)さんの経歴を見ていると、改名が多いことに気づきます。

まず、10歳で桐竹紋十郎さんに入門し桐竹紋次さんとなり、11歳で初舞台を踏みます。師匠の桐竹紋十郎さんは華やかな女形を得意とした方で人間国宝です。

その後、20歳の時に、二世・桐竹勘十郎(現・勘十郎さんの父)の門下になり、桐竹勘寿さんとなります。二世・桐竹勘十郎さんもやはり人間国宝ですが、立ち役(男役)の人形遣いとして荒物(あらもの)を得意とした方です。

二世・勘十郎さんは1986年に亡くなりますが、その後、1992年に兄弟子の桐竹紋壽さんの預かり(師匠が亡くなるなどの理由で別の師匠につく弟子)となり、10年後に正式に紋壽門下となります。

紋壽門下となって桐竹紋豊を名のり、さらに桐竹完壽さんとなります。同じお師匠さんの元でお名前が変わるのは珍しいですね。

一説によると、師匠の桐竹紋壽さんは、弟子の名前に「豊臣秀吉」の文字を入れたかったそうで、桐竹紋秀(きりたけ もんひで)さん桐竹紋吉(きりたけ もんよし)さん 桐竹紋臣(きりたけ もんとみ)さん がいらっしゃいます。

楽しいですね。





桐竹勘壽(きりたけ かんじゅ)さん多彩な師匠の元で修業したことが肥やしに

このように、女形の紋十郎さん、立役の勘十郎さんと、全くタイプの違うお師匠さんの元で、足遣いや左遣いで修業するという貴重な経験をおもちです。

さらに、兄弟子でもある師匠の桐竹紋壽さんは、文楽の劇場を飛び出し、ミュージシャン宇崎竜童さん達と「ロック曽根崎心中」を共演して話題になった方です。異業種とのコラボを積極的に行った先駆けとなった方で、若い世代にも文楽を印象づけた方です。

勘壽さんご自身は謙虚で物静な性格だそうです。存在感のある脇役・老役などを得意としていますが、ついたお師匠さんたちは、みなさんタイプの違えど華やかなスター級の方々ばかりです。

勘壽さんの中にそうした師匠方のさまざまな芸が伝わっているんですね。
ますますお元気でその芸を舞台上で見せてい
ただきたいです。また若い方々にも脈々と先人のを伝えて行っていただきたいと思います。

ますますのご活躍をお祈りしております!





桐竹勘壽(きりたけ かんじゅ)さん らら子の萌えポイント

正直申し上げて、このブログで紹介記事を書くまで、桐竹勘壽さんのことはよくわかっていませんでした。
記事を書くにあたり、いろいろ調べ、そして実際に舞台でのお姿を拝見しているうちにどんどん目に入ってくるようになりました。
桐竹勘壽さんは、老婆を遣われることが多いのですがこれが本当にしみじみといいのです。言葉が足りなくて申し訳ないですが、悪婆でも慈愛に満ちた老婦人でも、とにかくちょっとしたしぐさに「はっ!」と胸を突かれることが多いのです。
老人らしい動きというだけでなく、さりげない動きに心情がうかがえて、なるほど人形遣いとはこういうものなのかと改めて感じ入ります。特に、舞台のちょっと奥まったところで、若い人たちや爺さんのやりとりを見守っているようなお役の時が好きです。その空間に勘壽さんのかもしだす世界がしっかりと存在しています。




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