こんにちは~。らら子です。
今回のNHK 『美の壺』は、「高貴な輝き 絹」。
絹の手ざわりって最高です~。真綿の布団もあたたかくて大好きです。絹のヒミツがたっぷり出てきます♡
番組で紹介されたスポットやお店をご紹介。
いざ、シルク・ザ・ワールドへ。
美の壺:放送内容、出演者情報
【番組予告】
蚕の繭から作られる「生糸」。長野の工房が繭を塩蔵して作るのは?!▽生糸だけで作る着物「生絹」の風合い▽布団などに用いられる「真綿」。繭を押し広げて作る真綿作りの職人技▽春日大社の春日祭で天皇の勅使に贈られる「真綿の禄」。勅祭を特別撮影!▽絵画に欠かせない「絵絹(えぎぬ)」。日本画家・福田平八郎が絹に描いた「牡丹」の秘密を解剖!▽絹ならではの技法「裏彩色」で表現する驚きの表情!<File606>
出典:番組公式ホームページ
【出演】草刈正雄 木村多江(語り・ナレーション)
美の壺:1つめのツボ「唯一無二の光沢」
美の壺 宮島 水音さん 織物工房 長野県上伊那郡
お蚕さんから絹をつくる「養蚕」は、弥生時代、中国から伝わりました。明治時代には、日本の一大産業に発展、輸出量世界一となりました。
かつて養蚕の地としてさかえた長野県上伊那郡に養蚕から着物づくりまで一貫しておこなう「勝山織物・長野絹織制作研究所」があります。
季節ごとに4~5種類のカイコを育て、まゆをつくっています。つくりたい生地にあわせてまゆを選びます。まゆのひとつひとつに特徴があり、糸の太さも違います。
まゆは、塩づけ後、お湯で茹でやわらかくして糸を取りだします。まゆを塩づけすることで、しなやかさや光沢が出るそうです。
つくる糸の太さにあわせて1本の糸にしていきます。糸によりをかける手法は、西洋の糸の作り方でした。こちらの工房では、近代化される前の姿にこだわって糸によりをかけていません。
宮島水音さんは、畑作業から養蚕まで全部されているそうですが、どの作業と比べてもキレイな作業だといいます。お湯の中にいる繭もきれい、糸になっていくのも美しいそうです。
絹は、自然が生み出した輝きです。
重要文化財の振袖の修復作業に、7月から立ち会わせていただいております
京都国立博物館内にある工房「松鶴堂」へ通い、修復の過程をみてきました
先月は長野県にある「勝山織物」にて修復用の絹地の制作現場を見学しました… pic.twitter.com/huhA7mGmF8
— 衣服標本家:長谷川 (@rrr00129) December 6, 2023
(衣服標本家:長谷川@rrr00129さん、アップありがとうございます。)
美の壺 勝山 健史(かつやま けんじ)さん 織物工房代表 京都・右京区京北比賀江(けいほくひがえ)町
勝山織物は、京都の京北比賀江町周山(しゅうざん)にも工房をかまえています。この地は、湿度が高い地域で絹糸によい環境です。代表の勝山健史さんに紹介いただきました。
機織り機の下は、地面がむき出しになっている土間です。シルクは、乾燥すると静電気が起こり、打ち込んでも糸が離れることがあるため下を掘り、湿度を上げているそうです。
絹の糸には、絹糸(けんし)と生糸(きいと)があります。勝山さんは、まゆからひいたままの状態を反映するため生糸を用います。
織りにくく手間もかかりますが織りあがりがきれいになるため生糸を使っているそうです。美しさを追求されているのですね。
生糸で織った着物「生絹(すずし)」は、名前のとおり、涼しく、うすくて軽い風合いです。古くは装束としても使われていたそうです。
勝山さんは、絹にしかない美しさがあるといいます。つや感があり、しなやかさがあり、ウールや綿、麻にはない絹ならではの美しさが好きだそうです。
\見どころ その4/
『源氏物語』で柏木が御簾(みす)越しに垣間見てしまった、女三の宮の姿。
“桜のかさね”は、3段階に変化する優しい桜色の袿(うちぎ)の上に重ねた白の生絹(すずし、精錬していない絹)がほんのりと紅色を映し、可憐な女三の宮の姿を彷彿とさせます。 pic.twitter.com/PB6qvNplBu— 京都 細見美術館 (@HosomiMuseum) March 13, 2021
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美の壺:2つめのツボ「繭が作り出す極上の風合い」
美の壺 佐藤 悦子さん 真綿職人 福島県伊達市
福島県伊達市は、カイコのまゆをひきのばしてつくる「袋真綿」の一大産地です。
真綿には、布団などにつかわれる「角真綿」と袋状になっていて、結城紬の原料にもなる「袋真綿」があります。真綿ってふんわりとしてやわらかいんですよね。
佐藤悦子さんは、この道60年以上の真綿職人です。袋真綿の作業をみせていただきました。まゆを指で押して広げます。
まゆの大きさによっていろいろですが、5個から6個のまゆを使います。この地域では、2度にわけて真綿を広げます。
まず、重ねたまゆを両手で少し広げます。少し時間をおいてさらに大きく広げます。この工程をすることで丈夫な真綿ができます。
佐藤さんは、真綿引きを娘のころに母から教わったそうです。何十年もされているのですが、こまかで大変な仕事だと話してくださいました。
伊達市の真綿は「入金真綿(いりきんまわた)」と呼ばれ、形が大判小判の貨幣入れに似ていたことから名前の由来があるそうです。なんだかおめでたい名前ですね。
ビズビムの新作「キヤリ ジャケット」に取り入れられた、福島の伝統技法“真綿の手引き”とは?
軽く、保温性が高く、しなやかなドレープが特徴。手仕事による真綿を中に詰めた「キヤリ ジャケット」の制作背景を取材。
▶︎ https://t.co/DiPaqa1ckX pic.twitter.com/WjbepWv14I— Pen Magazine (@Pen_magazine) April 16, 2024
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美の壺 大金 晶子(おおがね あきこ)さん テキスタイル造形作家 奈良県春日大社
3月、奈良県春日大社でおこなわれる春日祭は、葵祭、石清水祭とならぶ勅祭(ちょくさい)のひとつで平安時代から始まります。
祭事の無事を祝い、天皇の名代の勅使に褒美として贈られる「真綿の禄(ろく)」をかけられると、喜びを表す感謝の舞を勅使が拝舞します。
神聖な場面にも真綿が使われているなんて、絹は偉大ですね。真綿の禄は、大金晶子さんの手によるものです。
大金さんは、真綿やまゆの外側に付着している「まゆけば」で作品をつくっているテキスタイル造形作家です。春日祭の1か月前、真綿の禄の制作現場に密着しました。
真綿が全体に広がるようにととのえ、160センチの長い型に真綿を幾重にもかさねてのばしていきます。
脇にはさむ方は薄めに、肩にかける方はふっくらと重くなるように考えながら、90枚の袋真綿を重ねていきます。
大金さんは、真綿の出会いがなければ、ご自身の作品は生まれてなかったそうです。美しく、光沢があって軽くてやさしい風合いはシルクにしかできないと絹の魅力を語って下さいました。
左方舞人は振鼓(ふりつづみ)を持ち、首から鶏婁鼓(けいろうこ)を下げている。真綿の禄を肩に、実に誇らしい姿です✨#庭上一曲 #南都楽所 pic.twitter.com/eSNewN5vtj
— 中田文花 (@nakatabuncho) October 14, 2023
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美の壺:最後のツボ「名画を支える名素材」
美の壺 宮廻 正明(みやさこ まさあき)さん 日本画家・大学教授 東京・山種美術館
絹は、絵画にも使われます。「絵絹(えぎぬ)」は、中国では、紙より古い歴史があり、日本では平安時代より盛んに使われてきました。
日本画家の福田平八郎は、絹の特性をひきだして描いています。山種美術館収蔵作品≪牡丹≫について宮廻正明さんに解説していただきました。
赤と白のぼたんの花が画面いっぱいに広がっています。満開のぼたんに哀愁を感じるのはワタクシだけでしょうか。
花の部分には、影張りをして絵具がいかないように描いています。あえて花をふせて全体の雰囲気をつくっていくことで、絵全体の空気感をつくり、作品の世界へといざなっているそうです。
ぼたんの花びらにはポイントがあって、赤い花は、色で強さを表現しています。一方、白い花は、白地の絹の部分を残して色を描かず弱さを表現しています。
宮廻さんは、絹独自の描き方で、理にかなった描き方だと言います。強さと弱さが同時にあることでひとつの魅力を感じさせる作品だとおしえてくださいました。
\お見逃しなく🏃💨/#福田平八郎《牡丹》( #山種美術館)
画面いっぱいに咲き誇る牡丹✨
中国・宋代の院体花鳥画を強く意識し、花の細部まで緻密かつ丁寧に写し取っています👀
よく見ると、散っていく雄しべまで描かれているんです😳
ぜひ会場で探してみてくださいね😉#花flower華2024展 pic.twitter.com/zrrEiOuCdt— 山種美術館 (@yamatanemuseum) April 17, 2024
(山種美術館@yamatanemuseumさん、アップありがとうございます。)
美の壺 京都 絵美(みやこ えみ)さん 日本画家・大学准教授
日本画家の京都絵美さんは、絹の裏側から彩色をほどこす「裏彩色(うらざいしき)」の技法を使います。たしか伊藤若冲もしていた技法ですよね。スゴイですね。
京都さんによると、絹は、紙と違い表からも裏からも色をぬることができ、線描を残したまま色を重ねることもできるので透明感や奥行きを出すことができるそうです。
京都さんの裏彩色技法をみせていただきました。まず、おもて面に絵を描いた後、裏側から絵の具をつけた筆と水をふくませた筆の2本の筆を巧みに使いわけて淡いピンクの色を重ねます。
だんだんと色がはっきりして絵に深みがでてきました。華やかになった印象ですね。表と裏の色の差のバランスが難しいそうですが、絹は、洗い落としても、繊維がけばたつこともないそうです。
京都さんが知らない裏彩色の手法もあるそうで、絹の可能性は、まだまだあると言います。いろんな裏彩色の作品を対比して鑑賞したいですね。
京都さんが描いた《孔雀牡丹図》は、孔雀とともに牡丹が凛とたたずんでいます。絹に新しい命が宿ったような作品です。
【インタビュー】今年創設された「Seed 山種美術館 日本画アワード 2016」で、大賞を受賞した京都絵美さん。現代には珍しい絹本を選んだ理由や、「薄描き」へのこだわりについて聞きましたhttps://t.co/W2X6pMWupl pic.twitter.com/93hOSiH4zt
— Art Annual online (@ArtAnnualonline) July 25, 2016
(Art Annual online@ArtAnnualonlineさん、アップありがとうございます。)
美の壺:再放送・バックナンバー情報
NHK美の壺の【バックナンバー】をまとめてみました。
2019年以降の放送一覧のまとめはこちら。
2022 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2021 年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2020年はBSプレ・Eテレともにこちらが放送一覧です。
2019年はこちらです。
ご参考になさってくださいね。