こんにちは~。らら子です。
待ちに待った久々の文楽公演決定!東京は9月公演から再開です。
2020年2月以来、実に半年ぶり!うれしいですねえ。
9月公演は初の4部制で上演されます。劇場滞在時間を減らし、こまめに館内換気や消毒をするとのことです。
また、3密(1.密閉空間、2.密集場所、3.密接場面)をさけるために販売座席数は、通常の半分になります。
ほかにも感染予防に努める観点から、国立劇場側からさまざまな工夫がされています。観客である自分が気をつけるべきこと、劇場側で気をつけてもらえることをまとめました。
目次
2020年9月文楽公演:座席数減はどのくらい?
気になる販売座席数ですが、販売席数は50%以下とのことです。
基本的には客席を前後左右1席ずつあけての販売。
国立劇場は小劇場590席の定員(キャパシティ)ですが、文楽公演は出語り床が設置されると30席減になるので、ふだん560席となっています。
人形遣いの豊松清十郎さんのブログによると、下記のような配置になるそうです。つまり、1等228席、2等席22席の合計250席という計算です。
上からみると市松模様ですね。
清十郎さんブログに9月の座席表がありました;上手は7列くらいからは許してほしい。 #文楽 pic.twitter.com/KbppSPqkQb
— 友松 泉十郎 (@bunraku_mania) July 12, 2020
(友松 泉十郎 (@bunraku_mania) さんツイートありがとうございます。)
2020年9月文楽公演:出語り床前席は空席!3等席は販売なし。
文楽公演で懸念されるのが飛沫感染です。
通常なら太夫が腹の底から大きな声を出すのが魅力ですが、そのぶん飛沫が遠くまで届く可能性があります。
飛沫感染予防のため、今回の公演では太夫の出語り床前の上手側9列までは販売されず空席となります。出語り床にかくれて舞台の一部が見えにくい限定7席のお得な3等席の設定もないということです。
床前のタケノコ部分は、義太夫好きにはたまらない良席なので残念です。文楽鑑賞の醍醐味の一つでもあるお腹にずんずんと響く三味線や、ほとばしる太夫の声を間近で体感できないのはもったいないですね。
でもこれも感染予防のためとあってはしかたありません。フェイスシールドやパーテーションをするよりはいいかなぁ。
2020年9月文楽公演:観客ができる感染予防対策
国立劇場では「劇場、音楽堂等における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」及び「独立行政法人日本芸術文化振興会新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に基づいた感染予防措置を講じるとのことです。
観客も感染を拡大させないように気を付けなければいけません。当たり前のことですが、下記に該当する場合は観劇を控えましょう。
- 体調不良(37.5度以上の発熱、咳・喉の痛み等)がある場合
- 入国制限や観察必要な国からの帰国2週間以内
- マスクの着用をしない場合
観劇中に体調が急に悪くなることもあるので、無理は禁物ですね。
その他、観客側ができることとしては以下の項目があります。
- 手洗いと手指消毒をする
- チケットは観客自身で半券を切り取りって指定の箱へ入れる
- 行列等では、観客同士の間隔を最低1m(できるだけ2m)空ける
- 客席、ロビー等での大声による会話はしない
- 客席内での会話や舞台への掛け声等はしない
- 出演者に対して楽屋入り待ち、出待ち、見舞い、贈り物等はしない
幕間のおしゃべりは観劇の楽しみのひとつですが、これもがまんがまんです。
2020年9月文楽公演:劇場入口での検温実施。ひざ掛け・クッション貸出中止、劇場バス中止
その他、今までの公演とは下記のようなことが変更となっています。
◯チケット売場でご購入の際、お客様の氏名・連絡先等を確認させていただく場合がございます。
◯入場の際、劇場入口でサーモグラフィーによる検温を行います。結果によっては検温、体調の確認を行い、37.5度以上の発熱があるお客様のご入場はご遠慮いただきます。
◯ひざ掛け、クッションの貸出及び劇場バスの運行は中止させていただきます。出典:【重要】国立劇場主催公演再開のお知らせ(2020.7.3)
ひざ掛けやクッションの貸し出しは中止。客席減で冷房の当たり具合が変わるかもしれないので、はおるもの一枚持っていったほうがよさそうです。
クッションも携帯用クッションとかあるといいですよね。でも上演時間が短いから要らないかな?
劇場バスの中止は、ちょっと不便ですね。バリアフリーの観点から考えると実施してほしいですけど、確かに劇場バスはいつも満員になりますものねー。
交通手段を工夫するしかないですね。劇場前のタクシーがまめに来てくれるといいんですが。
2020年9月文楽公演:感染予防対策:【国立劇場の取り組み】
同じく、国立劇場側の対策として以下のように発表されています。
スタッフの方々も、いつも以上の緊張感や働きを強いられることになって、お疲れさまです。
◯出演者、スタッフは検温を実施し、健康状態を確認しています。
◯お客様とスタッフの健康・安全を考慮し、スタッフはマスクを着用し、必要に応じて手袋を着用する場合もございます。
◯飛沫感染防止のため、必要に応じて、フェイスシールドの着用、またはアクリル板や透明ビニールシートの設置を行います。
◯劇場出入口、ロビー各所、手洗所等には消毒液を設置します。
◯ロビー等のテーブルや椅子の配置・数を変更し、社会的距離の確保に努めます。
◯場内の清掃、消毒、換気を徹底します。
◯開場時から終演時まで看護師が常駐しております。体調不良の際は劇場スタッフにお伝えください。
せっかく再開の運びになったこの流れを止めないように、私たち観客が劇場や出演者、スタッフに対してできることは、全力で協力したいと思います。
2020年9月文楽公演:感染予防対策:レーザーによる飛沫実験も実施!
上方伝統芸能若手ユニット霜乃会(そうのかい)のメンバーでもある竹本碩太夫さんと鶴澤燕二郎さんによると、みなさん9月公演に向けてお稽古に励んでいらっしゃるとのことです。
お稽古にあたっては消毒を徹底し、適切な距離をとり、また、衝立を設置するなど万全の体制のようです。
また、国立劇場では太夫、三味線、人形遣いの皆さん共に、レーザーによる飛沫実験が行われており、安全に公演ができるよう模索が続けられているそうです。
https://twitter.com/soh_no_kai/status/1286254733376860160
かつてない新型コロナ禍での文楽上演、どんな様子になるのでしょうか。関係者のみなさんが精一杯感染防止に努めてくださるので、ありがたく拝見したいと思います。
まずは、観客である私達が感染予防をこころがける事が大事ですね。
2020年:感染予防対策:レーザーによる飛沫実験報告
上記について下記の通り報告結果が発表されました。
日時:令和2年7月23日(木)午前10時~午後1時
場所:国立文楽劇場
検証結果:
〇太夫・三味線弾きが出語り床(ゆか)に並んだ状態で、太夫が発声した場合の飛沫の飛散状況について
・太夫が発声した場合、当人周辺には多数の飛沫の飛散が確認できました。ただし、隣に座る三味線弾きまで到達するような飛散は、確認できませんでした。
・太夫が語る際の飛沫は、そのほとんどが口元から前方1m程度の飛散でした。
〇人形遣いが三番叟の一部を舞った後、呼吸が荒くなった主遣いの飛沫の飛散状況について
・主遣いの呼気からの飛沫は、ほとんど確認できませんでした。
〇人形遣いが行う「口上」の際の飛沫の飛散状況について
・頭巾を着用した人形遣いの発声からの飛沫は、ほとんど確認できませんでした。
これを受けて下記の通りの対策が取られるとのことです。
〇出語り床や舞台からお客様の座席までの間隔は、2m以上を確保いたします。なお、当面の間は、客席の最前列や出語り床前のブロックについては販売を控えることといたします。
〇掛合や道行などの景事で複数の太夫・三味線弾きが並ぶ場合には、演者同士(の頭)が1m以上の間隔を空ける(お互いの肩衣が触れ合わない程度の距離を保つ)ことといたします。
〇人形遣いが頭巾を被る場合には、念のため頭巾の下に特製のフェイスシールド【写真参照】を装着することといたします。https://www.ntj.jac.go.jp/sp/topics/bunraku/2020/539.html
2020年9月文楽公演:初の4部制!平均上演時間は90分弱。演目紹介。
ところで2020年9月文楽公演は初の4部制、上演時間と休憩時間を合わせるとだいたい1時間半(90分)ですね。
同じ演目を4回上演するわけではなく、それぞれ独立した演目です。しかも魅力的な演目がずらりと揃っています。
各回の入替時間に換気と消毒が行われるそうです。連続して鑑賞したい方は、その間は2階食堂・お休み処を利用できるとのことです。
第一部 午前11時開演(12時35分終演予定)
寿二人三番叟 (ことぶきににんさんばそう)
嫗山姥廓噺(こもちやまんばくるばななし)の段
第二部 午後1時45分開演(午後3時55分終演予定)
- 鑓の権三重帷子 (やりのごんざかさねかたびら)
- 浜の宮馬場の段
- 浅香市之進留守宅の段
- 数寄屋の段
- 伏見京橋妻敵討の段
第三部 午後5時開演(午後6時30分終演予定)
- 絵本太功記 (えほんたいこうき)
- 夕顔棚の段
- 尼ヶ崎の段
第四部 午後7時45分開演(午後9時終演予定)
- 文楽入門~Discover BUNRAKU~
- 解説 文楽をはじめよう
- 坂観音霊験記 (つぼさかかんのんれいげんき)
- 沢市内より山の段
2020年9月文楽:チャンスはピンチ!どの演目も楽しみ
寿二人三番叟(ことぶきしきさんばそう)で幕開けとは、いかにもおめでたい、再開にふさわしい演目です。
第二部は三大姦通ものとしても名高いモテモテ『鑓の権三』。
三部はNHK大河ドラマ『麒麟がくる』でおなじみ明智光秀の最後の日々を描いた絵本大功記。
第四部の文楽入門~Discoer BUNRAKU~は、令和2年度日本博主催・共催型プロジェクトなんですね。
どれも、主催者側の思い入れが感じられる演目です。
全部の回を見るするとチケット代が大変なことになっちゃいますが(-_-;)上演時間が短くなった分、今まで伝統芸能はハードルが高くてちょっと……と思っていた方にも気軽に足を運んでもらえるかもしれません。
特に、レイトショーにあたる第四部の文楽入門~Discoer BUNRAKU~は、お仕事を終えてサクサクっと見に行けそうですよね。
チケット難にはなりそうですが、観劇できることになったら、毎朝検温するなど、らら子的万全を尽くしてのぞみます。
技芸員の皆さま、劇場関係者の皆さま、共に観劇する皆さま、そして皆さまの家族や周りの方々のご健康を心よりお祈りしております。