人形浄瑠璃文楽「重要無形文化財保持者」に5名が新たに認定!人間国宝とは何が違う?豊竹芳穂太夫さん、希太夫さん、靖太夫さん、吉田玉誉さん、簑太郎さん

こんにちは。らら子です。

国の「重要無形文化財を保持する団体」に人形浄瑠璃文楽と能楽、それに長唄でについて大阪府の7人が新たに認定されることになったというニュースが飛び込んできました。

うちわけは、人形浄瑠璃文楽は4名、能楽のシテ方2名、長唄1名です。

また、人形浄瑠璃文楽は奈良県からも1名認定されました。

これで、大阪府の4名と合わせて5名が重要無形文化財保持者になったということです。

コロナショックで休演が続く中、あかるい朗報はうれしいですね。
おめでとうございます!皆様のますますのご活躍をお祈りいたします。





文楽「重要無形文化財保持者」は新たに豊竹芳穂太夫さん、豊竹希太夫さん、豊竹靖太夫さん、吉田玉誉さん、吉田簑太郎さん

今回認定されたのは 浄瑠璃を語る太夫が大阪府の2名と奈良県の1名で計3名、大阪府の人形遣いが2名です。全体で5名ということになります。

太夫は次のお三方です。

豊竹芳穂太夫(とよたけ よしほだゆう 本名、岡田晋平)さん

豊竹希太夫さん(とよたけ のぞみだゆう 本名、高橋努)さん

豊竹靖太夫さん(とよたけ やすたゆう 本名、佐々木靖孝)さん

人形遣いは次のお二方です。

吉田玉誉(よしだ たまよ 本名、関谷泰洋)さん

吉田簑太郎(よしだ みのたろう 本名、宮永拡光)さん

いずれも文楽の世界では若手として活躍するアラフォーの方々5名が認定されました。

文楽は60代、70代はまだまだヒヨッコ、80過ぎて円熟味が増すといわれる世界なので、今回の認定された皆さんは名実ともに若手です。

NHKニュースの記事では簑太郎さんの年齢だけ38歳と出ていました。他の皆さんは、2020年7月時点で、芳穂太夫さんが46歳、希太夫さんが42歳、靖太夫さんが41歳、玉誉さんが49歳です。




文楽の演者(技芸員)はみんな大阪出身のじゃないの?

大坂発祥の伝統芸能の人形浄瑠璃文楽ですが、今回認定された方のうち、大坂出身の方は芳穂太夫さんと簑太郎さんだけ。希太夫さんは千葉県出身で玉誉さんは福島県出身です。

靖太夫さんは奈良県在住ですが東京都出身です。

吉田簑太郎さんの父は人気の人形遣いの三世桐竹勘十郎さん、祖父は人間国宝の二世桐竹勘十郎さんですが、伝統芸能とはいえ、他の4名は文楽とは直接かかわりのないおうちに生まれた方々です。

大坂発祥の伝統芸能といいながら、文楽とは直接かかわりのないおうちに生まれても、活躍できるところが実力本位の文楽の魅力でもありますね。




「重要無形文化財を保持する団体」とは?「重要無形文化財保持者」って何?人間国宝とはどう違う?

ところがですね、おめでたいと喜んでいたものの、一瞬「重要無形文化財保持者って何?人間国宝のこと?」思ってしまった浅はかなワタクシ。落ち着いてよく調べてみました。

まず、無形文化財の定義を調べてみると、法律的には以下の通りでした。

「演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの(同法律第2条1項)」

「無形」つまり芸術品や建造物のように形がないもの、つまり人間の「わざ」そのものが無形文化財ということですね。

国は、無形文化財のうち重要なものを重要無形文化財に指定し、これらの「わざ」を高度に体現・体得している者又は団体を保持者又は保持団体として、以下の3つの方式認定しています。

  • 「各個認定」
  • 「総合認定」
  • 「保持団体認定」





文楽の人間国宝は「重要無形文化財」の「各個認定」

「各個認定」「総合認定」「保持団体認定」のうち、「各個認定」というのはわざを高度に体現・体得している者にあたり、つまり「人間国宝」にというわけです。

文楽の人間国宝は2020年7月現在5名の方々です。

人形浄瑠璃文楽太夫 豊竹 嶋太夫
人形浄瑠璃文楽太夫 豊竹 咲太夫
人形浄瑠璃文楽三味線 鶴澤 清治
人形浄瑠璃文楽人形 吉田 簑助
人形浄瑠璃文楽人形 吉田 和生





重要無形文化財保持団体の追加認定とは?

さて、「各個認定」「総合認定」「保持団体認定」の3つがあることはわかりましたが、「総合認定」という言葉と、今回の報道は「重要無形文化財保持団体」の追加認定という言葉が謎です。

文化庁の「文化審議会答申(重要無形文化財の指定及び保持者の認定等)」によると以下の通りでした。

「人形浄瑠璃文楽 」は,昭和30年5月12日に重要無形文化財に指定され,その保持者として人形浄瑠璃文楽座座員が総合的に認定され,現在57名の保持者がいる。これらの保持者に加えて,5名を保持者の団体の構成員として「追加認定」するものである。

なるほどー。

つまり、昭和30(1955)年に人形浄瑠璃文楽が「重要無形文化財」に指定された時に、人形浄瑠璃文楽座が「重要無形文化財」を保持する団体となり、同時にその団体の構成員である演者(技芸員)の皆さんは「重要無形文化財保持者」になったということですね。





文楽の「重要無形文化財保持者」の人数は何人?

当然、構成員の入れ替わりがあるので、何年かごとに「重要無形文化財の保持者の追加認定(総合認定)」が発生します。

そりゃそーだ。

文化審議会答申(重要無形文化財の指定及び保持者の認定等)の解説pdfによると、追加認定経過が見られます。見ました!

それによると、第 1次認定 99名 (昭和30年 5月12日)以来、第 9次認定 7名 平成29年10月 2日まで保持者数 57名で、今回追加認定後の保持者数で62名(延べ165名)となったとのことです。

①追加認定の経過
第 1次認定 99名 昭和30年 5月12日
第 2次認定 12名 昭和62年 4月20日
第 3次認定 4名 平成 5年 4月15日
第 4次認定 18名 平成11年 6月21日
第 5次認定 7名 平成16年 9月 2日
第 6次認定 3名 平成19年 9月 6日
第 7次認定 6名 平成22年 9月 6日
第 8次認定 4名 平成26年10月23日
第 9次認定 7名 平成29年10月 2日
現保持者数 57名
②今回追加認定後の保持者数
62名(延べ165名)

第1次はまとめて99人名認定。その後30年間追加認定がなく、あとは数年おきに数名から十数名ずつ。これを見ると技芸員の減少がはっきりわかりますね。

厳しい時代ですが、みなさまのますますのご発展をお祈りいたします。





<参考文献>

人が伝える伝統の「わざ」~重要無形文化財~https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/shuppanbutsu/bunkazai_pamphlet/pdf/pamphlet_ja_07.pdf

一般の人にもわかりやすいように説明してありますが、ちょっと情報が古いです。

文化審議会答申(重要無形文化財の指定及び保持者の認定等)https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/92386201.html

こちらは2020年7月の最新情報がこまかーく載っています。





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