2014年2月文楽公演三部観てきました。
第三部は、御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち)と本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)。
どちらも大スペクタクルでした。
東京は大雪でした。雪で着物は断念しましたが、おかげさまで駅までの道、駅からの道、雪がどけてあってスムーズに歩けました。
近隣の方々ありがとうございます(^・^)
劇場は、週末なのに空席が目立ちました。
雪の影響で外出を控えた方が多かったのでしょう。
2014年2月文楽公演三部
御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち)
弁慶上使の段本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
十種香の段
奥庭狐火の段
目次
弁慶上使の段(べんけいじょうしのだん)あらすじ
源義経の正室卿の君(きょうのきみ)は、平家の一族、平時忠の娘。懐妊中につき侍従太郎の家で静養。 武蔵坊弁慶が、堀川御所よりの上使としてあらわれ卿の君に覚悟を促すが、おわさの娘の信夫を身代わりにという話になる。ところが、おわさが18年前に一度だけ契った娘の父親に合わせるまでは娘の命は渡せないとごねると、突然弁慶が信夫を刺し殺す!娘の父親とはほかならぬ弁慶だった!!!!
身代わりを覆い隠すため、侍従太郎は信夫(しのぶ)の首を討ち落とし、
自分も切腹。嘆くおわさと花の井を残し、弁慶は二つの首を抱え、
堀川御所へと帰っていく。
主のためのいわれなき身代わり死とそれを隠すための無駄な人死。
娘「しのぶ」を身代わりに差し出せと言われた母親「おわさ」の母親ぶり、動揺ぶり嘆きぶりが心を打ちました。
あまりの非人道的な展開に、「あまり派手に上演すると人権団体が乗り込んでくるかもしれない。」と危惧するほどでございました。
弁慶はマザコンか?という疑いも。
本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)十種香の段(じっしゅこうのだん)
歌舞伎ではおなじみですが、人形浄瑠璃で見るのは初めて。
舞台があくと上手下手にそれぞれ障子で隔てられた部屋があります。
上手に八重垣姫(吉田簑助)、下手に濡れ衣(吉田文雀) 床は豊竹嶋大夫。
うーん、どこを見ていいかわからない。
目と耳が足りない!
でもやっぱり八重垣姫に目が行く。
チラシにもなっているおなじみのアングル。
いとしいフィアンセの姿絵をじっと見つめているその時間。
後ろ姿だけでなんでこんなに切ない女ゴコロが伝わってくるのか。
なんで人形が「ふっ」と艶っぽく微笑むのか。
あのたおやかな八重垣姫の動き。
人形じゃない。なんなんだろう??
イヤホンガイドの担当は小山観翁さんなんですが、端正な語り口の中にまじる大胆な物言いに、吹き出すひと多数でした(笑)。
本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)奥庭狐火の段(おくにわきつねびのだん)
場面変わって奥庭狐火の段。語りは豊竹呂勢大夫。
狐火がふたつふわふわと舞い、おどろおどろしい雰囲気の中、桐竹勘十郎さんが登場します。
白い着物に狐火の刺繍。手には白い狐。所狭しと舞台を駆け回る。
普段ならこない舞台端までお人形と共に勘十郎さんがやってくるので、サービスショットだわ♡とか思っているうちに、狐の姿が上手側に消え、ほどなく下手から八重垣姫by桐竹勘十郎。
え?そっちから??しかも、紋付袴に衣裳が変わってる。
え!!!!人形遣いまさかの早変わり。
その後、狐が取りついた八重垣姫、八重垣姫をとりまく狐たち。
息をもつかせぬ激しい踊り。
人形遣いのフォーメーション(というのか?)動きに合わせて変わります。
白い狐も何匹も登場。動きはどんどん激しくなり、え!人形遣いまさかのターン。その場で一回転しましたよ。
息をもつかぬ展開で、大変興奮いたしました。
八重垣姫のセリフ、
「翅が欲しい、羽根が欲しい、飛んで行きたい、知らせたい、逢ひたい見たい」大変けっこうでございました。