二代目・吉田玉男『文楽をゆく』レビュー:吉田玉男一門のファンなら必見!初心者にもおススメ♡

こんにちは~。らら子です。らら子のおススメ文楽本を紹介します。

文楽を観に行ったみなさん、これから観に行くみなさん、そして長年のファンのみなさん。
つまりすべてのみなさんへおススメしたい1冊。

文楽の人形遣いとして絶大な人気の、二代目吉田玉男さん。
玉男さんは、40年以上前の少年時代、最高の名人と称された故・初代吉田玉男師匠に入門。
吉田玉女(たまめ)という名前をいただきました。

この本によって明らかになった芸名の由来!それは!

「わしが男やから女とつけるからな」

えー!?

そして玉男さんっは、ついに平成27(2015)年にいよいよ二代目吉田玉男を襲名(しゅうめい)。
この本は、その時に記念に出版された、ハンディかつ萌え萌えなビジュアル本です。

見よ!このりりしいお顔!!(#^^#)

二代目 吉田玉男『文楽をゆく』小学館、2015.(ISNB 978-4093108317)

内容はこんな感じ。盛りだくさんです。

玉男さんの襲名をお祝いして寄せられた文章がまた愛にあふれていていいのです。(*’▽’)

さっそく中身を順にみていきましょう。

●古典を生きる身体 ー 二代目吉田玉男
内山美樹子(うちやま みきこ) 早稲田大学名誉教授

まずは、文楽や歌舞伎にたくさんの著書があある内山先生の文章です。

玉男さんが初舞台からまもなくのまだ少年のころからの思い出から始まります。

名人と言われた初代玉男さんのもとで40年以上修行した玉男さん。

初代の技や精神が二代目玉男さんの中に脈々と生きていること、
それが単に似ているという話ではなく、

二代目玉男さんの芸としてしっかり生きていることを語っています。

文楽ファン歴の短いらら子は初代・玉男さんを見そびれてしまいましたが、

二代目の中に古典が生き続けているというお話を読んで、

これからも二代目・玉男さんの人形をしっかり見続けて行こうと思いました。



●文楽の襲名
後藤静夫(ごとう しずお) 京都市立芸術大学名誉教授

次に、人形芝居と文楽について詳しい後藤先生の文章です。

文楽の襲名はどのようなものか? よくわかります。

歌舞伎や能とちがって、文楽は世襲制ではないので、

本人の才能と努力で認められて師匠や先輩の名前を継ぐことができるそうです。

襲名のプロセスや、どんな演目をえらぶのか、実際の襲名披露で何をするのか、

なども説明してあります。

披露公演というと、ファンとしては浮かれたお祭り気分になりますが、

襲名するご本人の覚悟は想像できないほどきびしいものでしょう。

そういうことがあらためてよくわかる、心にしみるふんわりやさしい文章です。



●人形浄瑠璃文楽 吉田玉女改め二代目吉田玉男襲名披露

襲名披露のお祝いの席の華やかなパーティーの様子や襲名披露公演の案内などが出ています。お祝いムードに溢れて華やかですねー。

襲名の演目である『一谷嫩軍記』の襲名狂言の「熊谷陣屋」のみどころも紹介。

熊谷陣屋の段 写真館

伝統芸能の名カメラマン、青木信二さん撮影による写真です

5ページにわたり、演技中の人形の全身写真が。

どれもすばらしいカットでうっとりです。

●特別対談 二代目としての決意
二代目玉男×森西真弓(もりにし・まゆみ) 雑誌『上方芸能』編集長

上方芸能を知り尽くした森西真弓さんとの対談。
笑い声がきこえてきそうなほど楽しい対談です。

玉男さんはトークショーなどに出演していても無口な印象ですが、
エピソードとか芸談とか目標とか、ここでたっぷり語っています。

「わしが男やから女とつけるからな」
という「玉女」の由来もここで明らかになります。
(いまならちょっと差別ですけど)はやく男になれというお師匠さんの願い
それを大事にしてこられた二代目・玉男さんの心にジーンと来ます。

かわいい芸名のおかげで30過ぎまで「玉女ちゃん」と呼ばれていた玉男さん。
別の芸名に変えようという話もあったそうなんですけど、
出演者一覧(小割表)から「玉」の字が消えるのも申し訳ないと、
そのまま「玉女」を貫いたそうです。

ええ話や( ;∀;)

「小割表(こわりひょう)」とか、中に出てきた専門用語は、
脚注で細かく説明してあります。

文楽をよくしらない人でも楽しめる内容です。



 ●首─かしら─で見る二代目玉男の芸

人形浄瑠璃文楽の人形は、性格や役割によって顔である首(かしら)が違います。

代表的な首ごとに人形のポーズを取る玉男さん。実に、17枚!

きびしいお顔でもくもくと人形をつかいます。
うっすらおでこに汗をかいているのに萌え萌え(*’▽’)です。

 ●二代目吉田玉男一門

イケメン実力者ぞろいの玉男一門の紹介です♡

一番弟子の吉田玉佳(よしだ たまか)さんを筆頭に、

ずらりと写真とプロフィール入り。

吉田玉佳(よしだ たまか)

吉田玉勢(よしだ たませ)

吉田玉翔(よしだ たましょう)

吉田玉誉(よしだ たまよ)

吉田玉路(よしだ たまみち)

吉田玉峻(よしだ たまとし)

吉田玉延(よしだ たまのぶ)

吉田玉征(よしだ たまゆき)

玉男さんは本当に「玉」という文字を大切にしてるんですねー。



 ●文楽舞台裏

ふつうの人にはのぞけない、楽屋や舞台裏の様子の貴重なスナップショットです。

きびしい中にもチームワークのよさとか、楽しそうな雰囲気がつたわってきます。

 ●上方文化を支える現代の旦那衆内容紹介

文楽を支えるパトロン、現代の大坂だんな衆インタビューがあります。
大阪愛、文楽愛に溢れています。さすが大阪。

  • 「神宗(かんそう)」会長 尾嵜彰廣(おざき あきひろ)さん
  • 「菓匠館福寿堂秀信(ふくじゅどうひでのぶ)」社長 岡本敏嗣(おかもと としつぐ)さん
  • 「道頓堀今井(どうとんぼり)」社長 今井徹(いまい とおる)さん
  • 「トリイホール」代表 鳥居弘昌(とりい ひろまさ)さん
  • 「洋食Katsui」「御堂筋ロッヂ」オーナー 勝井景介(かつい けいすけ)さん

短いけれど、玉男さんとのエピソード、文楽や玉男さんへ期待することがたっぷり詰まっています。

玉男さんは自分のカッコよさに気づいていないとこがスゴい!とか
読んでてムヒムヒしちゃいます。

各だんな衆のお店やホールの紹介と、大坂名店紹介などもあります。
写真がまた美味しそうで♡

へえぇ、これが大阪の名店なのか。
大阪行ったらおサイフの許す範囲で寄ってみようと思うらら子でした(^_-)-☆




参考にさせていただいたサイト:

文楽をゆく 二代目吉田玉男 – 成男会 http://tamame-tamao.com/pg157.html