豊竹藤太夫(とよたけ とうだゆう)さん:youtuber!改名はご先祖のお告げ?元は役者!意外な経歴!

こんにちは~。 らら子です。

今ノリにのっている中堅の太夫、豊竹藤太夫(とよたけ とうだゆう)さんを紹介します。
藤太夫さんは、平成31(2019)年4月大阪公演で、前名の竹本文字久太夫(たけもと もじひさたゆう)から改名しました。

どんな方なのでしょうか?さっそくプロフィールを見ていきます。





豊竹藤太夫さん文楽初のyoutuber!

コロナ禍で休演が続く中、文楽の技芸員さんたちは、さまざまな試みをしました。

無観客上演の配信をした吉田玉助(よしだ たますけ)さん、冷凍倉庫で荷物運びのアルバイトに挑戦した吉田簑紫郎(よしだみのしろう)さん、外部の動画配信番組にゲスト出演した桐竹勘十郎(きりたけ かんじゅうろう)さんなど。

それぞれ多彩な活躍を見せました。いち早くYoutubeに活路を見出したのは、鶴澤清介(つるざわ せいすけ)さんの一門。

そして藤太夫さんもyoutuberとしての活動をはじめ、現在では【とうだゆうde笹川流】と【とうだゆうチャンネル】の2つを運営していらっしゃます。

Youtubeで広告収入を得るには、条件があります。まずはチャンネル登録者1000名。さらに動画の総再生時間が4,000時間以上またはショート動画の視聴回数が 1,000 万回以上だそうです。

チャンネル登録5000人だと、月に4万円前後の収入があるそうですよ。どんどん面白い情報を発信して登録者を増やして稼いでもらいたいですね!





豊竹藤太夫さんのwiki的情報。プロフィール、年齢や出身、芸歴、受賞歴は?

藤太夫さんのプロフィールです。

誕生日 昭和30(1960)年10月23日
出身地 三重県
本名  林洋

[芸 歴]
昭和55(1980)年 国立劇場文楽第七期研修生となる
昭和57(1982)年 九代竹本文字太夫(たけもともじたゆう)に入門
※のちの人間国宝 竹本住太夫(たけもと すみたゆう)
竹本文字久太夫(たけもとも じひさだゆう)と名のる
昭和57(1982)年 7月 大阪・朝日座で初舞台
『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』
「杉坂墓所」の弥三松

[受賞歴]
平成 6(1994)年 1月 第22回(平成5年度)文楽協会賞
平成 6(1994)年11月 平成5年度因協会奨励賞
平成 8(1996)年 1月 第24回(平成7年度)文楽協会賞
平成 9(1997)年 1月 第16回(平成8年)国立劇場文楽賞文楽奨励賞
平成10(1998)年 1月 第26回(平成9年度) 文楽協会賞
平成13(2001)年 1月 第20回(平成12年)国立劇場文楽賞文楽奨励賞
平成15(2003)年 1月 第31回(平成14年度) 文楽協会賞
平成18(2006)年 1月 平成16年度因協会奨励賞
平成22(2010)年 4月 十三夜会賞
平成28(2016)年 4月 第35回(平成27年度)国立劇場文楽賞文楽優秀賞
平成29(2017)年 2月 平成28年度大阪文化祭賞優秀賞
令和 5(2023)年 3月 第42回(令和4年度) 国立劇場文楽賞 優秀賞

藤太夫さんは昭和55(1980)年25歳で文楽研修生となります。

25歳!ワタクシらら子が今まで調べた太夫さんの中で最年長の入門です!

たしか、文楽研修生は年齢制限が23歳ぐらいまでですが、当時はまだゆるやかだったんでしょうね。

技芸員になる方法について、よろしければ以下のリンクもご覧くださいね。

文楽技芸員とは?読みや意味をわかりやすく解説:技芸員になるには?年収はどのくらい?研修動画あり

さて、どんないきさつで文楽の太夫の道をめざしたのでしょうか?

次で見ていきます。





豊竹藤太夫さんは、元は新国劇の役者。入門のきっかけは意外なできごとで!

藤太夫さんは大卒。

高校生時代にテレビで時代劇にあこがれ、玉川大学文学部芸術学科演劇専攻に入学します。
教授にすすめられて大学在学中から新国劇という劇団で活動していました。

新劇というのは、チャンバラ劇とか剣劇とかのジャンルで、歌舞伎を現代風の感覚でアレンジしたようなスタイルで、当時は人気があったそうです。

藤太夫さん、たしかにちょんまげ姿がよく似合いそうですよね!

劇団の役者として人気もあったので、大学卒業後に本格的に入団します。

しかし、(たぶん)若き美剣士としてバリバリ活躍していた矢先、
新国劇は人気が落ちてきて、入団3年目に倒産。

藤太夫さんは、演技の勉強に習っていた常磐津のお師匠さんのすすめで、文楽の太夫を目指して文楽研修生になります。

研修生終了後に、のちの人間国宝の竹本住太夫(たけもと すみたゆう)になる竹本文字太夫(たけもと もじたゆう)さんに弟子入りします。

遅いスタートでしたが、役者のキャリアも生きて将来を期待されます。
身体も大きく、声もしっかり出て、たくさん受賞します。





竹本文字久太夫から豊竹藤太夫へ!襲名ではなく改名なのは夢のお告げ??トウダユウという名前のワケ。

その後、太夫として順調にキャリアアップして、
2019年竹本文字久太夫から「初代・豊竹藤太夫」さんに改名します。

襲名ではなく、改名なの??

と不思議に思いました。襲名というのは、ふつうは師匠や先祖の大きな名前を継ぐことですが、藤太夫さんは改名。しかも藤太夫は「ふじだゆう」ではなく「とうだゆう」となります。

「とうだゆう」というのは、藤太夫さんの母方の先祖の藤太夫のお名前だそうです。
芸名ではなく実在の人物のお名前なんですね!

この度の藤太夫改名への最も大きな出来事は、私が38歳の秋に実際に見た、「夢」にあります。
(中略)
200年前の北藤太夫さまからの現世の私へのミッション。「藤太夫という名を世に出せ!」 これが私が負った責務、私がこの世に生を受けた理由であると気付かせていただいたのでございます。
出典:『ら・文楽』「技芸員インタビュー」

ご先祖さまの不思議な縁で改名を決心したものの、師匠の竹本住太夫さんに「藤太夫に改名したい」と言ったら怒られたとのことです。

住太夫さんは自分の名を襲名させたかったそうで、きっとがっかりなさったんでしょうね。
さいわい、住太夫さんが亡くなる半年前にはお許しが出て、改名へと動きだします。

が、文楽から歌舞伎の方に行った「竹本藤太夫(たけもと ふじたゆう)」さんという人がいるので、その名前は使えないということになります。

そこで、「豊竹」のお師匠や三味線・人形のお師匠方に許可を頂いて、苗字を変えてめでたく「初代・豊竹藤太夫(とよたけ とうたゆう)に改名することとなったそうです。

また、豊竹藤太夫につきましては、江戸時代に三代豊竹巴太夫の門人として豊竹藤太夫の名がありますが、読みが「とよたけふじたゆう」の可能性が高く詳細も不明のため、「初代」とさせて頂きます。
出典:『ら・文楽』「技芸員インタビュー」

なるほど。
藤太夫さんだけでなく、文楽のみなさんが芸名を大切にしているか伝わってくるお話です。




豊竹藤太夫さんのWebページやFacebookが充実。インスタグラムやTwitterは?

演者(技芸員)さんで自分のWebページを持っているひとはそんなに多くないと思います
が、豊竹藤太夫さんは公式サイトがあります。

運営はファンの方なのでしょうか?
1997年スタート!!こまめに更新されています。

藤太夫さんの詳しいプロフィールはもちろん、藤太夫さんからのお知らせや日記、出演情報、ファンクラブ情報など、コンテンツがたくさん充実しています。

過去の公演についてもたくさん載っているので、ファンの方にはうれしいですよね。

藤太夫さんのFacebookもあります。こちらにも公演情報とか、テレビの出演情報などがのっています。Facebookだとファンの人と交流しやすいので、両方あると楽しいですね。

インスタグラムやTwitterはなさそうです。年齢的にはFacebook向きかな?

藤太夫さんは多趣味。落語とコラボの「ジョーラク桜花」も好評。
藤太夫さんは公式サイトによると、スゴーク飽きっぽくて(笑)多趣味だそうです。

ギター、大太鼓、音楽鑑賞、映画鑑賞、ファッション、などなどたくさんあるそうです。

舞台上のお姿しか知りませんが、オシャレさんなんですね。

食べることも大好きだそうです。
あのりっぱな体格と美声を維持するにはたくさん食べないとね(^_-)

藤大夫さんは落語のベテラン月亭文都さんとコラボして、「ジョーラク桜花」というイベントを開催しているそうです。ディープな芸談や実演をたっぷり楽しんで懇親会。
ファンの方にはたまらないイベントですね。第3回目の日程も決まっているそうですよ!
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=173746286974534&set=a.149009949448168&type=3&theater





らら子的萌えポイント

当時、文字久太夫さんだった藤太夫さんを認識したのは、文楽を観始めてまもなくの頃。

「わー、お殿様みたいな人だ( ゚Д゚)」と思いました。

オペラのテノール歌手になったらよさそうな感じ。よく通る中音の魅力です。

藤太夫さんのことを調べていて、もと役者出身ということでとても納得しました。
とてもアツい方ですね!文楽とご先祖様とファンを大切にしていることもよくわかりました。
ジャンルを超えてこれからの文楽を盛り上げて、ますますのご活躍をお祈りしています。





参考にさせていただいたサイト:
公益財団法人 文楽協会 https://bunraku.or.jp/index.html

豊竹藤太夫のページ http://www002.upp.so-net.ne.jp/bunraku/

Facebook  https://www.facebook.com/kitakazuemichiyoshi