こんにちは~。らら子です。
新型コロナウイルスの影響で、次々と文楽をはじめとしたエンタテイメントが休演になっている昨今ですが、嬉しいニュースが飛び込んできました!
2020年3月に発表された「大坂文化祭賞(https://www.osaka-bunka.jp/bunkasai/)」で、文楽の出演者の受賞が決定です。
受賞者は、仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居の段 出演者ご一同 (かなでほんちゅうしんぐら くだんめ やましなかんきょのだん しゅつえんしゃごいちどう)
受賞対象は、「11月文楽公演の成果(「じゅういちがつぶんらくこうえん」のせいか)」
です。おめでとうございます!
目次
文楽が大阪文化祭賞受賞!仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居の段
大阪府により発表された受賞理由は以下のとおりです(抜粋)。リンクをクリックすると、本ブログ内の詳細な情報が見られます。
国⽴⽂楽劇場⽂楽公演は今年度、三回に分けて、「仮名⼿本忠⾂蔵」の通しを上演した。⽂楽の物語性に興味を与えて、これまでさほどなじみのなかった観客をも大いに引き付けて大⼊り、⼤成功を得た。企画の勝利ともいえるが、それをみごとに演じ切った技芸員の努⼒が称えられよう。
全段の中で特に際⽴ったのが、九段⽬「⼭科閑居の段」であった。義理の娘⼩浪(人形は吉田一輔)を連れて山科の大星の詫住まいに来て、お石(吉田勘彌)と対峙する⼾無瀬(吉田和生)、娘の婚姻のために婿⼒弥(吉田玉佳)にわざと討たれて命を断つ本蔵(桐竹勘⼗郎)、その本⼼を⾒抜く由良助(吉田玉男)らの人形遣いの活躍はみごと。そして床では貫録をみせはじめた竹本千歳太夫(三味線は豊澤富助)、豊竹藤太夫(三味線は鶴澤藤蔵)が親子の情を感動的に語った。
なお、今回三分割の通しながら藤太夫は「花籠の段」、七段⽬掛合の平右衛門も担当して、通し狂言の上演に貢献した。
出典:http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/attach/hodo-37330_4.pdf?fbclid=IwAR0qB41j8IONIKSJpa7aRS0G8NfedG-beezs2PcKH2S_NtJ4X_IscmvS3T8
大阪文化祭賞受賞:仮名手本忠臣蔵ってどんな話?
『仮名手本忠臣蔵』は、江戸時代に起きた赤穂浪士(あこうろうし)の討ち入り事件にヒントを得た、いわゆる仇討物です。
『仮名手本忠臣蔵』は浄瑠璃三代名作に数えられていますが、最近はあまり仇討ちは流行らないみたいで、若い人はあまり知らないみたいですね。
受賞対象となった「山科閑居の段」は仇討ちそのものではなく、赤穂事件によって引き裂かれる若い恋人と、それぞれの苦しい立場の親たちが描かれます。
ホームドラマの色濃いしみじみと切ない悲劇的な場面です。
仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)全体のかんたんなあらすじと解説や見どころはこちらをごらんくださいね。
大阪文化祭賞受賞:11月文楽公演はどんな公演?配役は?
今回の受賞理由となった11月文楽公演は1部と2部にわけて上演され、今回の受賞対象となったのは11月文楽公演2部です。
11月公演2部の配役はこちらをごらんください。
11月公演1部では、こちらも名作『心中天網島』が上演されました。
大坂文化祭賞ってどんな賞?賞金はどのくらい?
大阪文化祭賞ってどんな賞でしょうか。
(大阪文化賞と大阪文化祭賞とあるんですね。ややこしい)
概要は以下の通り。
大阪文化祭賞は昭和38年の創設以来長年にわたる歴史ある賞で、これまで、世界中で活躍する多くの公演者を輩出してきました。
関西の著名な芸術家・文化人・ジャーナリストが大阪府内で開催された公演の中から審査し、大阪文化祭賞、大阪文化祭奨励賞を選考します。https://www.osaka-bunka.jp/bunkasai/introduction.html
主催は、大阪府と大阪市と公益財団法人関西・大阪21世紀協会です。
過去には、2012年吉田幸助(現・吉田玉助)さん(奨励賞)、2013年若手一同(グランプリ)、2015年吉田玉男さん(優秀賞)、2016年妹背山女庭訓ご一同(優秀賞)、2017年豊竹芳穂太夫さん(奨励賞)が受賞していらっしゃいます。
出典:https://www.osaka-bunka.jp/bunkasai/winner.html
大坂文化祭賞は3部門。文楽以外の受賞は?
今回は文楽が受賞したのは、第1部門(伝統芸能・邦舞・邦楽)にあたります。他に第2部門(現代演劇・⼤衆芸能)と第3部門(洋舞・洋楽)があります。この分け方は2018年からのようです。
今回の2部門の受賞は以下の通りです。
第2部の現代演劇・⼤衆芸能は、南河内万歳一座「〜21世紀様⾏〜唇に聴いてみる」の舞台成果(みなみかわちばんざいいちざ/「〜にじゅういっせいきさまいき〜くちびるにきいてみる」のぶたいせいか)
第3部の洋舞・洋楽は、K★バレエスタジオ「33回メモリアルコンサート」の成果(けいばれえすたじお/「さんじゅうさんかいめもりあるこんさーと」のせいか)
他に、大阪文化祭奨励賞 5件 です。
つくづく大阪はいろんな芸能の宝庫ですね。
大坂文化祭賞って賞金はどのくらい?
下世話ですが、どのくらい賞金もらえるのかな??と思って見てみました^^;
大阪文化祭賞が20万円、奨励賞が5万円だそうです。(出典:https://www.osaka-bunka.jp/bunkasai/introduction.html)
今回の受賞は「ご一同」ということでグループ受賞。
それ以外にも裏方さんや影で支えている方々が沢山いらっしゃるので、「ご一同」で分けたら寸志です。
ま、名誉>>>>>>賞金ですね。
といいつつご祝儀もっとはずんでほしいですなー。
文楽ってどんなもの?どこでみられる?
大阪在住でも文楽を観たことない方って、案外いらっしゃるみたいです。
伝統芸能というと堅苦しく考えてしまいがちですが、もとは庶民が楽しんでいたものですし、
むずかしそうな言葉も、基本的には話し言葉なのでちんぷんかんぷんってこともないです。
字幕もイヤホンガイドもありますし、理屈抜きで、美しい言葉に酔いしれるって楽しみ方もありですよ。
大阪以外でも文楽は観られます。
本公演は2月、5月、9月、12月に東京で定期公演がありますし、3月と10月は地方公演もあります。興味があったら ぜひ見てみてくださいね。
文楽観てみたい!と思った方はこちらもごらんくださいね。