【感想】2020年12月文楽鑑賞教室A班:二人禿・文楽の魅力・芦屋道満大内鑑』「葛の葉子別れ」東京国立劇場感染症予防対策は?A班

こんにちは。らら子です。
2020年12月の文楽鑑賞教室に行ってきました。私が拝見したのはA班です。配役はこちらです。

【文楽鑑賞教室】2020年12月A班・B班【東京】出演者・日程・時間:令和2年(人形浄瑠璃)国立劇場




文楽鑑賞教室:コロナ感染予防対策は?入口・パンフレット

会場は30分前、入り口では係の人が検温してくれます。大阪の国立文楽劇場は自分で体温計を覗きますが、東京は違いますね。

検温して、消毒して、チケットの半券を係に見せたら、自分でチケットの半券をかごに入れます。

その先に、長テーブルが出ていて、その上にいつももらえる文楽鑑賞教室パンフレットと『文楽入門 鑑賞のしおり』がおいてありました。

それを各自で取るシステム。みなさんお行儀よく1部ずつ取っていましたよ。

この『文楽入門 鑑賞のしおり』が本当にわかりやすくて使える!らら子もこれで勉強しなおそうと思いました。




文楽鑑賞教室:コロナ感染予防対策は?イヤホンガイドの扱いは?

イヤホンガイドの受付はロビー正面の客席入り口前にありますが、そこで現金で直接頼むことはできません。まずロビー入って右斜め前にある券売機で引換券を購入する必要があります。ここも行列にちょっと注意。

引き換え券を持ってイヤホンガイド受付に並び、イヤホンガイド本体を交換。今まで払っていた本体の保証金(デポジット)1,000円は必要ありません。

そもそもイヤホンガイド本体は壊れにくい単純な機械だし、これを持って帰って悪用する人もいなかったでしょうね。

帰り際に1000円を返す担当が2人もついて返していた手間のほうが掛かりそうです。この機会に保証金はなくしちゃえばいいのにね、と思いました。

文楽鑑賞教室はもともとあぜくら会のイヤホンガイドの割引はなしですが、来年から、そもそもあぜくら会の割引がなくなっちゃうんですってね。

くまどりんカードも廃止になっちゃうんですってね。合理化?世知辛い?いろいろ世の中変わりそうです。




文楽鑑賞教室:感染予防対策は?座席・入退場のルールは?

座席は相変わらず一人おきの市松模様でした。1列目と床前は空席にしてあります。

ざっと見まわしたところ前のほうの良い席にも空席が目立ちました。やはり感染拡大を恐れてご高齢の方が敬遠していらっしゃるのでしょうか。

9月公演の時は、市松模様に座れない席に紙をかけてありましたが、12月公演ではただ空席になっているだけでした。みなさん座席番号を把握してるんだからわざわざ違う席に座ることもないでしょうし、いろいろ手間を省いているようです。

紙かけるのだって、人件費や経費かかりますもんね。座席半分で満席にならずに収益上がってないのに、手間ばかりかかるのも大変だと思いました。





感想:二人禿(ににんかむろ):文楽鑑賞教室A班

さて、開幕です。

二人禿(ににんかむろ)。舞台は満開の桜のもと、華やかに始まります。床には若手の太夫・三味線がズラリと勢ぞろい。こころなしか皆さん表情が明るいです。気持ちがみなぎっているようです。

二人禿は上手側にオトコマエ吉田玉翔(よしだ たましょう)さん、下手側に吉田簑太郎(よしだ みのたろう)さん。

赤いおべべにおかっぱの可愛らしい外見で、ちょっとおませな禿が仲良く鞠をついたり張り合ったり。

禿は、将来は最高級の遊女「花魁(おいらん)」を目指して、花魁の身の回りを世話したり、歌舞音曲や詩歌を勉強しています。華やいだ生活の中も修行中の身の禿には辛いことが多いのですね。

文楽では女性の人形は足がついていないものが多いのですが、二人禿は二人とも赤い鼻緒のぽっくりを履いています。着物の裾からときどき覗く小さな足が、本来の女の子らしさにもどった溌剌とした様子を引き立たせています。

身も心も色街の女児になりきっているのか、表情もノリノリでポーズを決めて見せる玉翔さんと、どちらかというと漢と書いてオトコと読む的にクールな蓑太郎さんの女児というの組み合わせが、ちょっと楽しかったです。




感想:文楽の魅力:文楽鑑賞教室A班 はきはきとわかりやすい亘太夫さんとオモロイ寛太郎さんのコンビ

解説はメインが豊竹亘太夫(とよたけ わたるだゆう)さんと鶴澤寛太郎(つるざわ かんたろう)さん。

説明はいつもの鑑賞教室通り。「人形浄瑠璃文楽」のなりたちや言葉の由来、太夫・三味線・人形の役割や床について。

床に移動してからは、『仮名手本忠臣蔵』「裏門の段」の詞章を使って、亘さんが若者、女性、武士、老女の語り分け。

寛太郎さんは、三味線は前方のスクリーンを使って太棹三味線と細竿三味線を画像で説明。コマなどの細かい部位が見えるのがいいですよね。

その後、おもて撥(ばち)、押さえ撥、つき撥、たたき撥の弾き分け。悲・怒・楽・泣の感情表現。

最後は二人で『仮名手本忠臣蔵』「裏門の段」の勘平とお軽のやりとりで拍手喝采でした。

はきはきした亘さんの説明はとても聞きやすいです。まじめな亘さんと関西の笑いセンスの寛太郎さんで、いいコンビでした。

いつも解説の内容は同じなのでマンネリだという声もちらほらあります。でも、私は担当する技芸員さんによって特徴やお人柄があるなーと思います。私はマンネリの解説を楽しみにしています。

人形の説明はなしでしたね。B班はオトコマエ吉田玉翔(よしだ たましょう)さんなので、人形の説明だけで太夫・三味線の説明はないのかもしれません。

私は今回はA班のチケットしか買ってないので、ちょっと残念です。




感想:『芦屋道満大内鑑』「葛の葉子別れ」:文楽鑑賞教室A班 太夫三味線編:肩衣もおしゃれ

中(前半)は、イケメン太夫といえば!の豊竹咲寿太夫(とよたけ さきじゅだゆう)さんと、野澤勝平(のざわ かつへい)さん。

勝平さんのおおらかな三味線にのって、咲寿太夫さんが朗々と語ります。このところ、咲寿太夫さんを聴いているとちょっと力んでるのかな?と思うような硬い感じが気になっていたのですが、今回はそういうことはありませんでした。

柔らかく、深く、伸びやかでとてもいいと思いました。

奥(後半)は、豊竹呂勢太夫(とよたけ ろせたゆう)さんと豊澤富助(とよざわ とみすけ)さん。

呂勢太夫さん、病気休演復帰後も順調に復調していらして嬉しく思いました。今回は、いつもの鶴澤清治(つるざわ せいじ)さんではなく、富助さんとのコンビ。しみじみと情愛深く聴かせてもらいました。

ところで、前半チームの肩衣は抹茶色と臙脂色の抽象柄でおしゃれな雰囲気。「お。」と思っていたら、後半に床が回って現れたのは狂言の装束のような派手な肩衣。

臙脂に白で葉っぱの模様が染め抜いてある?もしかして葛の葉かしら?




感想:『芦屋道満大内鑑』「葛の葉子別れ」:文楽鑑賞教室A班 人形編:狐と人間の結婚

「葛の葉子別れ」は人間と動物とが結ばれて子までなすという「異類婚姻譚」のお話。陰陽師の阿倍晴明の父・保名(架空の人物)が助けた白狐が、保名の許嫁の葛の葉姫の姿を借りて所帯を持ち、阿倍晴明を生んだという設定です。

しみじみと悲しいお話のはずなのですが、狐に化かされている事に気づかずに人間同士がとんちんかんなやり取りをするのがおかしくて、客席からも何度か笑い声が上がっていました。

本物の葛の葉姫が両親に連れられて訪ねてきたときの、保名の大真面目なとぼけぷりがまずおかしいです。そして、奥の部屋で機織りをする妻(白狐)を覗き見て思わず本物の葛の葉姫を振り返る動きとか、狐の仕業と疑って自分をお祓いッするときの動きが、とても素早くてコミカルに感じられました。

A班で保名を遣ったのは吉田玉也さん。私には玉也さんの役作りなのかそういうものなのかわかりません。B班は吉田玉男さんなのでもうすこしどっしりしていそうな気もします。ああ、やっぱりB班もチケット取ればよかったな。




感想:『芦屋道満大内鑑』「葛の葉子別れ」:文楽鑑賞教室A班 人形編:狐いえ勘十郎さんに化かされました。

狐といえば桐竹勘十郎さん!桐竹勘十郎さんといえば狐!ええもんみせてもらいましたー。

黄色の無地の着物の葛の葉(白狐)、そして狐の本性をあらわした白いフサフサの着物。いよいよ変身シーンが来るなと思って目を凝らしていましたが、ふと舞台から見えないように人形が下がったと思ったら、あれあれ?と言う間にすり替わっていました。

人形ごとすり替わったのかしたとも思いましたが、首(かしら)はそのままで着物がすり替わったと考えるのが自然ですよね。

うーむ鮮やか!

さらに白狐に変身!本来の姿にもどった勘十郎さん、いえ、白狐。跳躍しながら、しかし後ろ髪を引かれるように下手側にあるらしい信田の森へと走り去っていきます。

あまりにも生き生きとした白狐の姿に、ちょっと待って!と引き止めたくなりました。





感想:『芦屋道満大内鑑』「葛の葉子別れ」:文楽鑑賞教室A班 人形編:障子に書かれた裏文字の理由とは?

障子に書置きされた「恋しくば尋ね来て見よ いづみなる信田の森の うらみ くづの葉」という和歌。白狐が立ち去ったあとにふすまを開けると現れます。

「信田の森の」部分が左右反対の裏文字になっていました。その理由はなぜかしら?とモンモン。

パンフレットでもイヤホンガイドでも説明されていなかったので、家に帰って調べてみました。要するに白狐が坊の子守をしながら慌てて書いたから。ということだそうです。

歌舞伎だと、筆を口にくわえたり、片手で坊やを抱っこしながら左手に持ち替えたりしながら書いているうちに裏文字になってしまったという演出なのですね。

文楽は、障子に書置きするシーンはなく、次の間のふすまを開けるとすでに文字が書かれた障子が見えるという演出なのでした。




感想:『芦屋道満大内鑑』「葛の葉子別れ」:文楽鑑賞教室A班 人形編:強くなった保名とカワイイ3人の侍!

この段には出てこない石川悪右衛門(いしかわあくえもん)は、葛の葉姫に横恋慕しています。その石川の家来が、木綿買(もめんかい)実は荏柄団八。さきほど変装してこの家を訪ね、木綿を買うと見せかけて様子をうかがっていたのですが、ついに仲間を連れて葛の葉姫をさらいに来ました。

保名は白狐の神通力か急に強くなり、機織り道具でばったばったと敵をなぎ倒していきます。

この3人が、荏柄団八(桐竹勘介)、信楽雲蔵(吉田簑之)、落合藤次(吉田玉延)なのですが、黒衣ではなく紋付き姿で顔を出している出遣い。

この侍たちがいかにも悪そうな赤ら顔をしていますが、これらの人形を遣う人たちはすっきりとした若者。

もっとも荏柄団八役の桐竹勘介さんは、ご本人が耳の上を刈り上げたパンチパーマのツーブロック(?)でけっこう強そう。

あとの二人の人形遣いさんたちは信楽雲蔵(吉田簑之)さんは色白のほっそりとしたうりざね顔だし、落合藤次を遣う吉田玉延さんは、特にかわいらしいお顔立ち。なので、悪者顔の人形とのコントラストがなんだかほほえましかったです。




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